BtoBマーケティングとは?マーケターが教えるBtoCとの違いと成功事例
このようにお悩みでBtoBマーケティングをご検討されているのではないでしょうか?
- お問い合わせ・商談の数が減ってきた/伸び悩んできた
- Webからのお問い合わせを増やしたい、業績アップしたい
BtoBマーケティングを成功させるために重要なのは、BtoBマーケティングの4つのプロセスを理解し、各フェーズで適切な施策を打ち出すことです。
- マーケティング戦略設計
- リード獲得
- リード育成
- リード分類
よくある失敗パターンとして、広告やSEO記事作成などを単発の施策として実行してしまうことです。BtoBマーケティングの全体像を知らずになんとなくで、実行するとその先のフェーズに繋がらず、成果に結びつきません。
ここでは、2,000社以上の支援実績のある「ferret One」の現役マーケターが、BtoBマーケティングの全体像を含めた基本や、最新トレンドまでわかりやすく解説していきます。
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BtoBマーケティングとは? BtoCとの違い
BtoBマーケティングは、企業向けで取引を行う際の戦略や仕組みなどを含めたマーケティングのことです。
BtoBマーケティングを行う際には、対消費者向けであるBtoCビジネスとの違いを理解しておく必要があります。
BtoCとの違いから見るBtoBマーケティングの特徴
BtoBビジネスとBtoCビジネスの違いは、下記の表のとおりです。
BtoBもBtoCも顧客のニーズを理解し、ベストなタイミングでアプローチを行い、成約に促すという点は同じです。しかし、顧客が成約に至るまでのプロセスが大きく異なるため、それを意識してマーケティングを行う必要があります。
BtoBはBtoCと比べて商品・サービスの単価が高額であることや、成約に至るまでに複数人が関わることなどの違いがあります。
BtoCならば、個人が感情に任せて衝動買いすることもあるため、感覚に訴えるような訴求も効果的です。
しかし、BtoBの場合は、たとえ担当者が自社の商品やサービスに興味を持っても、複数人の承諾が必要なため、自社の商品やサービスを使うことによる課題の解決やコスト削減などのメリットを客観的に示し、決裁権のある人物を納得させる必要があります。そして、その分購買プロセスが長く、長期間にわたって顧客との信頼関係築いて行かなければならないのです。
▼そもそもBtoBビジネスとは?という方は、こちらで解説していますので参考にしてください!
【5分でわかる】BtoBビジネスとは?BtoCとの違いをわかりやすく解説
BtoBマーケティングの土台は「Webサイト」
BtoBマーケティングは、Webサイトを活用して進めていきます。この背景にはBtoBの見込み顧客の購買プロセスが関係しています。
BtoBの買い手は意思決定プロセスの67%を営業担当の接触前に済ませていると言われています。※1しかも、仕事上の製品・サービスの情報源として「企業のWebサイト」を利用している人は64.8%にのぼるのです。※2
つまり、見込み顧客がインターネット上で情報収集をしている際に見つけてもらわなければ、導入検討の候補にさえあげてもらえない可能性があります。
こうした購買プロセスに対応するには、まずWebサイトへ集客し、そこからアプローチしていくという流れが適しているのです。
※1出展:米マーケティングコンサルティング会社Sirius Decision調査データ
※2出典:株式会社トライベック・ブランド戦略研究所 「BtoBサイト調査」
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BtoBマーケティングの流れとは? 購買プロセスに対応した手法
BtoB企業の購買プロセスを鑑みると、BtoBマーケティングは大きく4つのプロセスに分けることができます。
- マーケティング戦略設計
- リード獲得
- リード育成
- リード分類
顧客の購買プロセスの特徴を理解し、フェーズごとに適切な施策を行うことで顧客を成約に導くことができます。
ここでは、各プロセスのポイントを紹介していきます。
1.マーケティング戦略設計
BtoBマーケティングに取り組むための準備を行います。このフェーズですべきことは主に下記です。
- 目標設定:受注目標と、そのために必要な各KPIの設定する
- ターゲット設定:どのような企業が購入するか?顧客の課題は何か?を明確にする
- 自社の強みの特定:3C分析を活用して、訴求すべき商材の強みを特定する
- Webサイト制作:集客に必要なWebサイトと、必要なコンテンツを準備する
- マーケティング施策の決定:実行するマーケティング施策をリソースを加味して決定する
戦略設計はマーケティングの全体像を描く段階であり、ここでの決定が後のすべての活動に影響を与えます。後々の活動で成果につながらず、リソースの無駄遣いになってしまったという事態にならないように、しっかりと行いましょう。
目標設定
取り組みの目安として、目標設計は欠かせません。マーケティングの最終目標は受注です。必要な受注数から逆算して、どのくらいリードを集めないといけないのかを計算して目標を設定しましょう。
▼目標設定の具体的なやり方については、こちらの記事を参考にしてみてください
→BtoBマーケティングにおける「KPI設計」とは?フェーズごとの具体例を紹介
ターゲット設定/自社の強みの特定
次に、ターゲットを明確にし、自社の強みを洗い出して、その中でもWebサイトで何を打ち出していくのかを決定します。
ターゲットについてはペルソナ設計を、自社の強みについては3C分析を活用するのがおすすめです。どちらもテンプレートを活用して、簡単に可視化できます。
▼テンプレートや活用法については、こちらの記事を参考にしてみてください
→3C分析のテンプレート事例集│BtoBで成果を出す分析のコツ
→ペルソナシートの作り方|情報収集や項目設定から丁寧に解説【無料テンプレート付き】
Webサイト制作
Webサイトで何を打ち出していくのかという訴求方針を反映したWebサイトを作成します。
BtoBマーケティングにおいて、Webサイトは見込み顧客の集客に欠かせないツールで、Webサイトは24時間営業活動をしてくる営業担当のようなものです。
できるだけ多くの見込み顧客をWebサイトに集客し、さらにCVしてもらえるようにホワイトペーパーやサービス紹介資料などのコンテンツも用意します。
▼BtoBのWebサイト制作については、こちらの記事を参考にしてみてください
→BtoBサイトの役割と制作方法とは?マーケターが解説!
施策設計
Webサイトを公開した後にどのようなマーケティング施策を実施していくかの計画も立てておきましょう。
マーケティング予算、メンバーの人数を加味して、実施できる範囲で、効果を最大化させられるように練っていきます。
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2.リード獲得
リード獲得(リードジェネレーション)は、Webサイトへの集客、CV促進の2段階で行います。
Webサイトへの集客
まずは、多くの企業に商品やサービスを知ってもらい、Webサイトに集客します。
《具体的な施策例》
- SEO
- Web広告
- SNS
- 外部メディア掲載
- 展示会
- オフライン広告(タクシー広告・看板広告など)
集客方法はオンライン・オフラインどちらかがいいというものではありません。
タクシー乗車時に広告をみて、気になったから検索エンジンで検索したということもあり得ます。集客方法は、ターゲットがどこで情報収集するかを考えて、目に触れやすい方法を取り入れましょう。
また、取り組むべき集客方法はマーケティングの立ち上げからの段階でも異なるので、その点も意識して施策を打っていきましょう。例えば、マーケティングを始めたばかりの段階では、リスティング広告などのWeb広告で集客しつつ、成果が出るのに時間がかかるSEO施策を同時並行で進めていきます。
▼オンラインでの集客方法については、こちらの記事を参考にしてみてください
→Web集客とは?方法や戦略の立て方、事例までまるっと解説
CV促進
Webサイトに集客したら、コンテンツでユーザーの興味を引き、資料請求などのCVの際にフォームを経由してもらうことで、 見込み顧客を獲得します。
《具体的な施策例》
- ブログ記事の公開
- ウェビナーの開催
- ホワイトペーパーの設置作成
- お問い合わせ・サービス資料の設置
フォームでは、見込み顧客の情報(氏名、企業情報、メールアドレスなど)を入力してもらいます。顧客が自分の情報を提供してでも知りたい情報を提供しなければ、CVしてもらえません。
顧客が知りたい情報は、顧客の課題感や商品・サービスの検討度によって異なるため、カスタマージャーニーに沿ってコンテンツを用意しておくことが重要です。
「顧客がどのように自社を認知し、どんな行動を起こしたのか」多角的に顧客を分析し、それに合わせて集客方法や提供するコンテンツをブラッシュアップしていくことが、リード獲得フェーズの醍醐味になります。
▼BtoBマーケティングのリード獲得方法について、こちらの記事を参考にしてみてください
→リード獲得とは?見込み顧客を増やす方法一覧。始め方~ナーチャリング方法まで解説
3.リード育成
リード獲得後、検討度の高い顧客にはすぐに荷電をしてアポ打診するなどのアプローチが有効ですが、BtoBの購買プロセスを考えるとまだ情報収集段階ということも少なくありません。
そのため、定期的に顧客と接点を持つことで商品やサービスへの興味・関心度を向上させるリード育成(リードナーチャリング)を行います。インサイドセールスといった専門の部署があるほど重要なマーケティング活動です。
MAツールの準備
BtoBマーケティングのリード育成の定石は、メールマガジンで接点を持つこと。そのため、獲得したリードを管理し、メール配信できるツールとして、MAツールが有用です。
ただし、MAツールは機能が複雑すぎて、使いこなすのが難しいものも多く、ツールの選定に注意が必要です。自社のリード数と扱うメンバーのスキルを加味して、過不足ない機能のものを選ぶことが重要になります。
▼MAツールの選び方については、こちらの記事を参考にしてみてください
→【2024年】最新のMAツール10選!ツールでできることや比較ポイント
メールマーケティングの実施
メールの内容はセミナー案内・ホワイトペーパー案内などを送りましょう。
BtoBの場合は、上司から「○○サービス導入の話が出ているから、調べておいてほしい」「○○が故障したから新しくいい製品はないか」といった要望が急に出てくることが少なくありません。そうした時に検討の候補に挙げてもらうためには、商品・サービスについて、認知した上で覚えておいてもらう必要があります。
そのため、迷惑がられて配信解除されてしまったり、読まずに捨てられてしまっては意味がありません。見込み顧客に「有益な情報を送ってくれる会社だな」と思ってもらえるような情報を継続的に送ることがポイントです。
▼BtoBマーケティングのリード育成方法について、こちらで詳しく解説しています。
→リードナーチャリングとは?見込み顧客を育成し営業効率を上げる手法
4.リード分類
リード育成で検討度が高まった顧客を見つけていくフェーズをリード分類(リードクオリフィケーション)といいます。検討度の高い顧客がとる行動を推察して、そうした行動をとった顧客に対してアポイントを打診します。
リードを分類する
検討度の高い顧客の行動パターンを緻密に割り出すのは、なかなか難しいです。「メルマガを送った後に、サービス紹介資料をダウンロードした」など、見つけやすく分かりやすい行動パターンから分類し、アプローチしていくことをおすすめします。
MAツールを利用すると、特定の行動を検知したら通知が来るようにできますので、リード分類のフェーズでその機能を活用するとよいでしょう。
検討度の高いリードに実際に荷電して、アポイントが獲得できたら、営業部門にパスし、クロージングを行って成約に結びつけます。
リード分類の定期的な見直し
効果的なリード分類により、セールスチームの効率を最大化し、コンバージョン率を向上させることができます。そのため、 「営業部門に引き渡したリードが本当に検討度が高まっていたのか?」定期的に確認する機会を設けて、マーケティング部と営業部の認識の相違がないかチェックしておくことが重要になります。
どれくらい購買意欲がある顧客を対象とするのか、どんな顧客情報が必要なのか、社内で明確に決定・共有しておかなければ、成約に至らなかったり、顧客離れが起こってしまうので注意しましょう。
▼リードクオリフィケーションについては、こちらの記事を参考にしてみてください
→リードクオリフィケーションとは?進め方と失敗しないコツ
▼部署連携のコツについて、こちらで詳しく解説しています。
→“今”必要とされるフィールドセールスとは?インサイドセールス連携のコツ
BtoBマーケティングの市場と今後【2025年の動向予想】
株式会社富士キメラ総研は、「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編」において、2030年度国内市場予測として、DX関連市場は8兆350億円、生成AI導入支援サービスは750億円に達すると試算しています。
DX市場の成長は依然として堅調で、業種別、業種共通ともに拡大を続けており、特に中堅・中小企業への取り組みも広がりを見せています。
注目すべきは、2022年にChatGPTの登場以来、話題となっている「生成AI」の動向です。生成AIは、文章作成やデータ分析などの分野で、マーケティングにおける生産性を飛躍的に向上させるツールとして、多くの企業が導入を進めています。これにより、BtoBマーケティングの施策が自動化され、これまで以上に効率的に展開できる環境が整いつつあります。
一方で、生成AIを適切に活用できる企業とそうでない企業の間で、「デジタル格差」が拡大するリスクも浮上しています。これを防ぐためには、企業がAIを導入しやすくするための支援策やトレーニングプログラムが重要になるでしょう。例えば、生成AIの導入における具体的なステップや、どのような業務に優先的に適用するべきかなど、実践的な知識を共有することが必要です。
(参照:2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編)
BtoBマーケティングの7つのトレンドと2025年の動向予想
BtoBマーケティングの市場が伸びる中、具体的にはどのような手法が注目されているのでしょうか。ここでは、BtoBマーケティングの7つのトレンドについて紹介します。
2025年以降、これらのトレンドがどのように変化していくのかという予想も併せて記載しています。AI技術のさらなる進化やサードパーティCookie規制の強化に伴い、マーケティングの手法がどのように変わっていくのか、ぜひ今後の戦略立案の参考にしてみてください。
- 生成AI
- 一次情報
- 動画
- コンテンツマーケティング
- サードパーティCookie規制
- アカウントベースドマーケティング(ABM)
- カスタマーサクセス
トレンド① 生成AI
生成AIとは、テキスト、画像、音楽などの新しいデータやコンテンツを生成するAIを指します。
BtoBマーケティングにおいては、広告文やキャッチコピー、記事、プロモーション用の画像・動画を自動で作成したり、データを読み取り、さらに分析を行うために利用されています。
生成AIは、コンテンツの多様性と生成の速さが特徴で、これまで何時間もかかっていた業務を、ほんの数秒、数分で完了できるため、生産性の向上に役立てられています。実際、ChatGPTやCanvaなどのツールを活用して、記事や画像を瞬時に生成する企業が増えており、BtoBマーケティングにおける導入が急速に進んでいます。
このようにAIを活用する企業が増加する一方で、AIを導入していない企業との間で、マーケティング施策の数や質に大きな差が生じていくことが予想されます。生成AIを活用した企業は、短期間で高品質なコンテンツを提供できるため、競争力を一層高めています。
しかし、生成AIには誤情報が含まれる可能性があるため、コンテンツの品質を見抜き、適切に活用する力が求められます。また、AIに適切な指示を出すための「プロンプト」を作成する技術も重要です。AIのメリット・デメリットを理解し、正しく活かすスキルが今後のマーケティング業務において重要な要素となるでしょう。
関連記事:ChatGPTをマーケティングで活用する方法とは?基礎知識からツールまで解説!【プロンプト例つき】
トレンド② 一次情報
SEO戦略において、一次情報(オリジナルの調査結果やデータ)を盛り込んだ記事が重要になっています。この背景には、生成AIによって記事が自動生成できるようになっているという状況があります。
ページの検索順位を決めるGoogleが重視しているのは、「有用で信頼性が高く、ユーザー第一のコンテンツ」です。現在、Webサイトの評価基準として「E-E-A-T」が注目されています。「E-E-A-T」とは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の4つの要素です。もともとは「E-A-T」でしたが、2022年にExperience(経験)が追加されました。つまり、Googleは経験に基づく一次情報がユーザーにとって価値が高いと判断しているのです。 Googleは、制作方法を問わず高品質なコンテンツを評価するとしていますが、経験に基づく一次情報は生成AIに制作できない内容です。
ユーザーに単に知識を提供するだけならば、生成AIを使った記事制作でそれなりのものが作れるでしょう。しかし、SEO記事、すなわち検索上位に表示されるための記事を作成するには、生成AIによる記事だけでは不十分で、検索上位を目指すことは難しいと言えます。
現在では、生成AIを利用してライターがいない企業でも一定の品質の記事を作れるようになっているため、ネットで調べれば分かるような情報を読みやすくまとめている記事だけでは不十分です。
いかに他社が持っていない一次情報を取り入れた、有益なコンテンツを提供できるかが今後ますます重要になるでしょう。
関連記事:【基本】Googleアルゴリズムとは?10年経っても変わらない原理原則
参考:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス
トレンド③ 動画
BtoB企業でも、オンラインでの情報収集が主流となり、Web上で簡潔にサービスの魅力を伝えるために動画を活用する企業が増えています。コロナ禍以降、ウェビナーを行う企業が増加し、アーカイブ配信用に動画を作成する企業も多く、動画はBtoBマーケティングに欠かせないコンテンツとなっています
さらに、動画制作が気軽にできるようなサービスが増えています。動画制作は操作の難しいツールを操り、センスよく編集していく必要がありましたが、直感的な操作で、時には生成AIを活用して自動で動画が作れるようになっています。動画が用意できることはもはやアドバンテージではなく、当たり前になりつつあるのです。
各社様々な工夫を凝らした動画が作成されており、今後も用途に合わせて多様化しながら、動画活用が普及していくことが予想されます。
〈動画内容例〉
・サービスの紹介動画
・ツールの操作動画
・導入企業のインタビュー動画
・セミナー動画
・課題訴求動画(顧客の共感を促す動画)
・自社商品の製造工程(工場見学)動画 など
動画の活用方法としては、広告配信、サービスサイトへの設置、LP内での訴求、SNSでの発信、動画配信プラットフォームへの掲載、さらには商談での活用など、顧客の検討フェーズに合わせて複数あげられます。
ブランド認知やサービス理解、検討顧客の社内提案まで、BtoBマーケティングの様々な場面でますます活用されていくでしょう。
関連記事:動画コンテンツのメリットとは? CVRが25倍になったferret Oneの事例で学ぶ!BtoB向け動画活用法
トレンド④ コンテンツマーケティング
顧客に対して価値あるコンテンツを提供することで、購買活動に繋げるマーケティング手法です。「コンテンツ」は、いわゆる記事だけを指す言葉ではありません。B2Bマーケティングにおいては、製品やサービスの情報から、導入事例、セミナー情報、ホワイトペーパーなど、さまざまな情報がコンテンツとして挙げられます。
BtoBビジネスの場合、「顧客の購買に複数人が関わる」「サービス検討期間が長い」などの理由により、コンテンツを活用して見込み顧客の信頼を得ることは、これまでも有効な手段とされてきました。コロナ禍による展示会などのイベント中止や、対面での情報交換の機会の減少で、オンラインでのコンテンツ発信がこれまで以上に重要視され、多くの企業が取り組むようになった結果、コンテンツが大量に作られるようになりました。また、生成AIの登場により、コンテンツ作成のハードルが下がり、この動きはさらに加速しています。
そのような中、他社ではなく自社を選んでもらうためには、コンテンツの質がますます重要視されるようになるでしょう。どこででも手に入る情報ではなく、ここでしか手に入らない有益な情報を提供するセミナー、ホワイトペーパー、記事などを通じて、企業のファンになってもらうことで、信頼関係を構築していくことが重要です。例えば、競合が触れていないターゲットの具体的な課題に応える導入事例や、経験やノウハウを盛り込んだホワイトペーパーを提供することが効果的です。
関連記事:BtoBのコンテンツマーケティングとは?プロが選ぶ成功事例10選
トレンド⑤ サードパーティCookie規制
サードパーティCookieとは、Webサイト訪問者の情報を取得し、他のサイトと連携して広告配信などに使用する技術です。ユーザーの行動履歴を追跡し、そのデータを広告主に提供することで、ターゲティング広告を可能にしてきました。しかし、この技術はプライバシーの観点から問題視され、多くのユーザーが情報の取り扱いに懸念を抱く要因ともなっています。そのため、国内外の法律で規制され始めているのです。
サードパーティCookieの規制は、特に広告の分野に大きな影響を及ぼすこととなります。これまでのように、ドメインをまたいだターゲティングが難しくなり、閲覧履歴に基づいた精緻な広告配信が制限されます。また、正確なコンバージョン数を計測することができなくなるため、広告の正しい費用対効果の算出が難しくなります。そのため、企業はファーストパーティCookieを活用した計測・分析環境の整備を余儀なくされています。
一方、Googleの「Privacy Sandbox」や、Appleの「ATT(App Tracking Transparency)」など、プライバシーを重視した広告手法が開発されています。これらの新技術を取り入れることで、プライバシーとパーソナライズのバランスを保ちながら広告運用を行うことが可能になります。
ファーストパーティデータの活用や、コンバージョン測定の代替手段についてもキャッチアップしておく必要があるでしょう。
サードパーティCookie規制の根本的な問題は、企業がデータの収集と活用において透明性を維持しつつ、ユーザーエクスペリエンスを向上させるべく努力することが求められているという点です。これからのマーケティングでは、顧客を第一とするアプローチを強化し、信頼を基盤にした持続可能な関係構築を目指すことが、新しい時代の成功につながるでしょう。
トレンド⑤ アカウントベースドマーケティング(ABM)
ターゲットとなる企業(アカウント)を定義し、該当する企業に絞って戦略的にアプローチを行うマーケティング手法です。
最大の売り上げが見込める優良顧客のみに焦点を当てるため、営業やマーケティングのROIが向上することが期待できます。また、社内のリソースを集中させることができる、効果測定がしやすい、営業とマーケ担当が同じ視点を持てるため連携がしやすい、などのメリットがあります。
概念としてはそれほど新しいものではありませんが、昨今アカウントベースドマーケティングが注目されている理由には、デジタルツールの発展が大きく関わっています。
以前から、MA(マーケティングオートメーション)の活用により顧客個人に合わせた分析やアプローチは可能でしたが、それに加えSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)が普及したことで「企業単位」での顧客管理ができるようになりました。さらにインサイドセールスの導入も広がったことで、ツールを活用しながら企業単位で分析し、戦略的にアプローチする体制が作りやすくなったのです。
関連記事:ABMとは?BtoBマーケティングでの成功事例とおすすめツール
トレンド⑥ カスタマーサクセス
能動的に顧客へ働きかけ、自社のサービスを使いこなしてもらった上で、顧客の売上や利益につなげる活動をするのがカスタマーサクセスです。働きかけによって顧客が問題を解決したり希望を叶えたりした場合、自社にも利益がもたらされるという考え方が基本になっています。
近年カスタマーサクセスが重視されるようになった背景には、サブスクリプション型のビジネスモデルの台頭があります。マイクロソフトやアドビなどの大手企業も課金モデルを月額課金に切り替え、クラウド上でのサービス運用に移行したように、近年ではサブスクリプション型サービスを提供する企業が増えています。
売り切り型のサービスが一般的だった頃のIT業界では、システムやアプリケーションなど、購入商品を納品するところまでがゴールでした。しかしサブスクリプションサービスの場合納品はゴールではなく、契約後に顧客の満足度を高め、利用継続してもらうことが重要となってきます。解約率を下げるだけでなく、必要に応じて適切にアップセルやクロスセルを行うことで顧客および自社の利益を増加させたり、顧客の声を社内に共有してマーケティングやプロダクト開発に生かすなど、BtoBビジネスでは欠かせない役割を担います。
関連記事:カスタマーサクセスとは何か?担当者が注意すべき4つのポイントと実態を語る!
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コロナによるBtoBマーケティングの変化
BtoBマーケティングの手法や考え方は、新型コロナウイルス感染拡大を契機にオンライン化が進み、大きく変化しました。オンラインを使ったビジネスの利便性に多くの人が気づくこととなりました。ここでは、具体的な施策の変化について説明します。
- ウェビナーの普及
- 商談のオンライン化
- コンテンツマーケティングの重要性の高まり
- DM、レターからメールマーケティングへの移行
ウェビナーの普及
ウェビナーは「Web」と「セミナー」を掛け合わせて作られた造語であり、インターネット上でセミナーを開催することです。コロナの感染拡大を受け、オフラインでのセミナー開催が難しくなり、ウェビナーを実施する企業、参加して情報収集を行う担当者が増えました。そしてウェビナーには多くのメリットがあるため、いまでは有効な手段として定着しています。
参加者のメリットは、オフラインセミナーとは違い、ウェビナーは会場まで移動することなく参加できることです。座る席によってスライドの資料が見づらかったり、司会者の声が聞き取りにくかったりすることもありません。
開催する側にとっても、会場の手配をしなくていいというメリットがあります。また、録画した映像を流せば、まったく同じ内容のウェビナーを何度も開催できます。
関連資料:受注に繋がるウェビナー運営とは?ウェビナー運営の教科書
関連記事:明日から使える!「ウェビナー」を成果に繋げる10のコツ
商談のオンライン化
コロナにより人と人との接触が難しくなって以来、商談をオンラインで行うケースが増えています。もともと対面営業で行っていた営業活動をいきなりメールや電話のみに切り替えるのは難しいこともあり、多くの企業がオンライン営業を実施するようになりました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、テレワークを取り入れる新しい働き方が定着した企業も多いです。そのため、コロナ流行が落ち着いても、主要な営業方法となっています。
オンライン営業は移動時間をとる必要がないため、通常の対面営業に比べて圧倒的に効率的です。オンライン営業なら、1日に対応できる件数は対面営業の2倍にもなるメリットがあります。
関連記事:インサイドセールスのやり方解説!成果最大化のコツとは【入門編】
コンテンツマーケティングの重要性の高まり
コロナの問題で、インターネットを活用するBtoBマーケティングがより重視されるようになったことで、改めてコンテンツマーケティングを強化しようと考える企業も多くなりました。
さらに、2023年には、ChatGPTをはじめ、AIによるテキスト生成や画像生成が台頭し、手軽にコンテンツが作れる半面、他のコンテンツに埋もれないようにオリジナリティが求められるようになっています。
そうした動きも相まって、コンテンツマーケティングの重要性が高まっています。
インターネットを介して有益な情報を伝えることで見込み客にアプローチするコンテンツマーケティングは、自社の商品やサービスに興味をもちそうな相手に訴求するために効果的です。うまくいけば、自然と顧客が集まってくる状況を作り出すこともできます。
コンテンツマーケティングはBtoC向けの施策と捉えられることが多いですが、実際はBtoBにおいても高い効果を期待できます。Webサイトだけでなく、SNSも戦略的に運用していけば、口コミによる顧客獲得も可能です。
関連記事:BtoBのコンテンツマーケティングとは?プロが選ぶ成功事例10選
関連記事:ChatGPTをマーケティングで活用する方法とは?基礎知識からツールまで解説!
DM、レターからメールマーケティングへの移行
多くの企業でテレワークが実施されるようになったため、DMやレターによるアプローチは難しくなっています。よって、それまでDMやレターでアプローチをかけていた企業も、メールマーケティングへの切り替えを実施しています。
現在、メールはビジネスにおいて重要なツールとして活用されており、基本的には社員全員に個別のメールアドレスが付与されています。
メールの受信ボックスは多くの人がこまめにチェックしているので、DMやレターを送るよりも注目してもらえる可能性があります。ただし、メールマーケティングを行っている企業は多数あるため、メールを開封し、本文を読んでもらうには工夫も必要です。
関連記事:BtoBでメルマガは効果ある?成果を出す書き方・運用方法
BtoBマーケティングの成功事例5選
BtoBマーケティングには様々な手法があり、企業によって適切な施策は異なります。
BtoBマーケティングの成功事例を5つご紹介していきますので、ぜひ自社の状況と比べて解決策の参考にしてみてください。
事例①アイティメディア株式会社:サービスサイトの立ち上げ
アイティメディア株式会社は、1999年に創立されITからカルチャーまで幅広い専門メディアを展開している企業です。
コーポレートサイトでサービスの紹介を行っていましたが、情報発信を行う場を増やすためにサービスサイトの作成を行い、今ではお問い合わせ数が約1.6倍に増え、インサイドセールスの効率化に成功しています。
サービスサイトの立ち上げは、BtoB企業がリード獲得を狙いたい場合に効果的な施策です。
参考:お問い合わせ数が1.6倍に!成果のポイントは「サービスサイトを切り出す」こと
事例② トランスコスモス株式会社:コンテンツマーケティングを強化
トランスコスモス株式会社はShopifyを利用した自社ECサイト構築など、ECサイト全般に関わるサービスを提供している企業です。
Webサイトからの問い合わせを待つだけではなく、能動的に見込み顧客にアプローチできる体制を構築するために企業ブログでの記事発信を強化しました。その結果、セッション数・CV数ともに前年比200%超と大きく成長することに成功しています。
企業ブログで商材に関するお役立ち情報を発信する施策は、見込み顧客の集客に効果的です。合わせてホワイトペーパーダウンロードを促すとリード獲得にも役立ちます。
参考:CV数・セッション数が前年比200%超!待ちの姿勢を脱却し、最新情報を能動的に見込み顧客に届ける体制を確立
事例③株式会社識学:Webサイト制作の内製化
株式会社識学はマネジメントをはじめとした、様々な組織運営の課題解決組織運営の課題解決をサポートする企業です。
Webサイトのページ更新・追加を外注していました。CMSを導入し、Webサイト運営を内製化したところ、外注費削減とスピーディーに施策を打てるようになり、3ヵ月で150万円のコスト削減とCPA50%以下を実現しました。
参考:Webマーケをインハウス化し、毎月50万円の費用削減、CPAが半分に!劇的に生産性が向上!
事例④株式会社ホクビー :MA導入前にリード獲得の土台を作る
株式会社ホクビー は、飲食関連企業様に向けて、牛脂注入加工肉「メルティークビーフ」を製造している企業です。
案件創出のためにMAツールの導入を検討したが、マーケティングの順序として、まずリード獲得から始めるべきだと気づき、リード獲得ができるWebサイトへリニューアルを実施。
サイト改善のPDCAを回しながら、毎月一定のCVを獲得できるようになり、リード数を蓄積しながら、メルマガ配信を実施しています。
MAツールで成果を出すには、一定数のリードを保持しているなど、導入の条件があります。マーケティングといえばMAツールを連想する方が多いですが、BtoBマーケティングに取り組む正しい順番を抑えることが重要です。
参考:リード獲得のカギはMAツールではなく集客できる環境作り!サイトリニューアルで新規顧客獲得を成功させる方法とは?
事例⑤株式会社エフアンドエム:失注顧客のフォローができる体制を構築
株式会社エフアンドエムは、中小企業のバックオフィス業務を支えるサブスクリプション型サービスを提供している企業です。
失注顧客のフォローができる体制を構築しようと、Web施策を開始。一度失注した顧客をそのままにせず、メールとWebサイトを組み合わせてフォローの仕組みを確立しました。
Web施策を全く行っていなかったところから、実質約8か月の稼働で40件の成約が発生するようになり、月間で40件の成約の創出に成功しています。
BtoB企業は、検討期間が長く、課題感に合わせた定期的にアプローチが欠かせません。ナーチャリングの体制を構築することも成功のコツになります。
参考:8ヶ月で獲得していた成約件数が今ではたった1ヶ月で獲得!一人マーケターでも、手厚い伴走サポートで成果は出せる
ferret Oneの成功事例集
ここでは紹介しきれなかった成功事例も掲載していますので、ぜひWebマーケティングを成功させるヒントにしてください。
→BtoB事業向け!ferret Oneリード獲得「事例集」
BtoBマーケティングの流れに沿って、自社にあった手法を実施
BtoBマーケティング市場は拡大し続けており、さまざまな手法が展開されています。特にコロナの感染拡大後は、多くの企業がそれまでとは異なる手法に挑戦しています。
成功のポイントはBtoBマーケティングの流れを意識することです。
- 集客
- リード獲得
- リード育成
- クロージング
各フローで自社にあった手法で、ターゲットにアプローチしていくのが、継続的にリードを獲得し、売り上げを立てていくコツです。
これらのコツを踏まえて、より早く・効率よく成果を出すために、BtoBマーケティング実践ガイドを作成しました。ぜひ、ご活用ください!
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CMSやMAなどのツール、戦略設計、Webサイト制作、コンテンツ制作など、BtoBマーケティングにお困りごとがある方はぜひ資料をご覧ください。