3C分析のテンプレート事例集│BtoBで成果を出す分析のコツ

3C分析のテンプレート事例集│BtoBで成果を出す分析のコツ


市場や競合の状況から自社がどのような事業戦略をとるべきか、方針を決めるのに有効な「3C分析」。マーケティングを推進する上で重要な分析方法のひとつです。

今回は、無料で使えるテンプレートを利用しつつ、3C分析の進め方や事例を紹介します。分析する上で気を付けるべきポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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目次[非表示]

  1. 1.3C分析とは?
  2. 2.【無料テンプレをフル活用】3C分析を進める方法
  3. 3.3C分析テンプレを使った分析事例
  4. 4.3C分析で成果を出すためのコツ
  5. 5.まとめ:効率的かつ効果的に3C分析を進めよう


3C分析とは?

	3C分析とは


3C分析とは、自社の事業戦略・サービス設計を検討する上で重要な3つのポイントから、実施すべき方向性を導くための分析手法です。具体的には、下記3つの要素を統合して分析します。

Customer(市場、顧客)
自社を取り巻く市場の規模や動向。商品・サービスを手に取る顧客の属性や行動。
Competitor(競合)
市場にいるライバル他社企業の詳細や動向、提供している商品・サービスの詳細。
Company(自社)
自社が提供できる商品・サービス、他社との違いや強み、課題。


▼より詳細に知りたい場合は、以前に公開した記事もご参照ください。
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【無料テンプレをフル活用】3C分析を進める方法

テンプレートを使えば、3C分析に初めて挑戦する人でも、簡単に分析を進めることが可能です。当社が提供している「マーケティングフレームワーク・テンプレート集」に収録しているテンプレートをベースに、3C分析を実施する方法について紹介します。

【無料テンプレをフル活用】3C分析を進める方法

  1. 事業の目的とゴールを明確にする
  2. 市場や顧客の情報を調査し入力する
  3. 競合他社の情報を調査し入力する
  4. 自社の情報を調査し入力する
  5. 自社が行うべき戦略・施策案を検討する


1.事業の目的とゴールを明確にする

3C分析は調べた情報と整理の仕方で、結論が大きく変わります。自社の事業戦略に活かせる結論を導くためも、3つのCの要素を調べて書き出す前に、事業の「目的」と「ゴール」を明確に言語化しましょう。

事業の目的とゴールは、情報を取捨選択したり、整理して結論を出したりするときの判断軸となります。そもそも何のために事業を行うのか。どういう状態を目指しているのか。明確にして分析を進めることで、最適な3C分析結果を導けます。


2.市場や顧客の情報を調査し入力する

事業の目的とゴールを明確にしたら、3つの「C」の要素に沿って情報を調査しましょう。具体的には、以下の3つの観点で調べていきます。

Customer(市場、顧客)
自社を取り巻く市場の規模や動向。商品・サービスを手に取る顧客の属性や行動。
Competitor(競合)
市場にいるライバル他社企業の詳細や動向、提供している商品・サービスの詳細。
Company(自社)
自社が提供できる商品・サービス、他社との違いや強み、課題。


3つの中でもCustomer(市場、顧客)は、参入する市場やターゲットとなる顧客の情報となり、マーケティングの根幹ともなる部分です。

市場については、規模や成長率、動向を調査機関から発行されている資料で調べるとよいでしょう。インターネットでも情報が掲載されているので、検索するだけでもよい情報を入手できます。現状を調べるのに加えて、市場の変化や推移がなぜ起こっているのか、その要因まで掘り下げて調べていくのがおすすめです。

また、自社の商品・サービスを利用する企業がどのような会社かイメージして、どのような課題を持ち、何を望んでいるのかを調べましょう。顧客企業がもっているニーズ・欲求を正確に把握することで、適切な商品・サービスの提供が実現できます。

▼Customer(市場、顧客)の項目で調べること

  • 市場規模・市場の成長率
  • 規制緩和・法改正といった政治的変化
  • 経済成長・景気変動といった経済的変化
  • トレンド・顧客の思考変化といった社会的変化
  • 技術革新・IT化といった技術的変化
  • 代替品や代替サービス
  • 市場への新規企業の参入状況
  • 大手企業のひとり勝ち状態など、市場内の敵対関係の強さ
  • 市場の価格競争状況
  • 市場における需要と供給
  • 顧客企業が求めていること、ニーズ
  • 顧客企業の動向や行動様式
  • 顧客企業担当者がもっている悩みや課題
  • 仲介業者や卸業者との関係性


3.競合他社の情報を調査し入力する

市場内にどのようなライバル企業が存在するのかを知ることも重要です。たくさんの類似した商品・サービスが存在する中で、ターゲットとなる顧客企業に自社の商品・サービスを魅力的に感じさせ、選択してもらう必要があります。そのためにも、Competitor(競合)の情報を密に調べておくべきです。

競合他社が多いのか少ないのか、市場全体を俯瞰的にみて競合情報を調べましょう。市場内で目立った動きがあったり成果を出したりしている有力企業があれば、その企業についてさらに掘り下げて調査・分析してください。どのような商品・サービスを提供し、何と訴求して、どのような成果を出しているのかを深く知ることで、自社の事業戦略に繋がる有益な情報が得られるはずです。

市場情報を調べるときと同様に各種調査機関を利用するか、代理店に問い合わせて競合の動きを訊いてみるのがよいでしょう。実際に自分が顧客として、競合の商品・サービスを利用してみるのも手です。

▼Competitor(競合)の項目で調べること

  • 競合企業の数、規模感
  • 各競合企業が占めるシェア率
  • 最もシェアを占めているリーダー的存在の競合企業
  • 成功している企業が提供している商品・サービスの詳細、訴求の仕方、成功要因
  • 自社と似た商品展開やコンセプトを掲げる類似企業の詳細
  • 競合が保有している資源(人員体制や資金、独自の生産ルートなど)
  • 新規参入企業の詳細


4.自社の情報を調査し入力する

商品・サービスを提供する自社についても、理解を深めておく必要があります。競合に対して、自社の商品・サービスがもつ強みや弱みは何か。事業を進める上で有利に働く点は何か。逆に不利になるリスクは何か。市場や競合といった外部要因に対し、自社内にある内部要因を把握しておくことで、事業戦略がより現実味のある最適なものになります

Company(自社)の要素は、市場や顧客・競合のように外部媒体を利用しなくても調べられる項目が多くあります。ただ、より細かく情報を入手するために、自社の各部門に相談の上ヒアリングやインタビューを行うなど、会社全体を巻き込んで調査するのがおすすめです。

▼Company(自社)の項目で調べること

  • 自社の企業理念・ビジョン
  • 行っている事業の詳細
  • 事業や製品、サービスの特徴や強み、弱み
  • 売上規模
  • 市場でのシェア率
  • 自社製品のラインナップ
  • 販売戦略の詳細
  • 社員数
  • 資本力
  • 投資能力
  • 他社にない独自の販路や製造ノウハウ、技術力
  • 競合と比べたときの自社の一番の強み、弱み


5.自社が行うべき戦略・施策案を検討する

事業の戦略・方向性が導き出せたら、あとは具体的な施策へと落とし込み、実行に向け動き出します。

当社では、3C分析の流れが一括で行えるよう、フォーマットとしてフレームワークシートをご用意しています。各フレームワークの記入例も豊富に盛り込んでおりますので、参考事例集としてもご活用いただけます。どなたでも無料でダウンロードしていただけますので、ぜひご活用ください。

【記入例付き】マーケティングフレームワークテンプレート集

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3C分析テンプレを使った分析事例

3C分析のテンプレートに沿って、実際にBtoB事業の分析を行いました。事例としてご紹介しますので、書き方や結論出しの参考にしてください。


事例1:木材・木製品製造業

木材製品の新たな販路開拓を目的に分析を実施しました。自社や業界内だけを見渡すだけでは方向性の検討が難しかったので、ニュースにも頻出する「SDGs」の情報をきっかけに検討。エコ訴求へ舵を切る方向性を導きました。競合で動き出している企業がいない点からも、先行者メリットを得られる可能性が高いと言えます。

3C分析 記入例1:木材・木製品製造業


事例2:大型トラック製造メーカー

シェア率No.1を達成するためにはどうしたらいいか、3C分析を使って検討しました。大型トラックから少し視野を拡げ、車産業全体がEV化に向け動き出している事態に着目。大型トラックでのEV化をいち早く推進することがシェアの拡大に貢献するのではないか、という結論を導きました。

3C分析 記入例2:大型トラック製造メーカー


事例3:通販システムメーカー

通販業界への参入を決める企業が増える中、システムメーカーとしてどう動くべきかを分析しました。競合調査により、有力なシステムメーカーはいわゆる大手通販会社向けのサービスをメイン商材として開発している状況に注目。通販業界への参入が増える=スタートアップ企業が増えると見越し、自社の方向性を変えるべきであると結論づけました。

3C分析 記入例3:通販システムメーカー


3C分析で成果を出すためのコツ

テンプレートを利用することで、誰でも簡単に3C分析に取り組めます。しかし、より精度の高い分析結果を導くには、分析時におさえておくべきポイントがあります。

  • 完璧を目指さず、まずはシートを埋めてみる
  • Cの要素を増やしてみる
  • 他のフレームワークも駆使する
  • 第三者からフィードバックをもらう


完璧を目指さず、まずはシートを埋めてみる

初めて分析を行うときは、本当に書き方が合っているのか不安になり、なかなか筆が進まないこともあるでしょう。完璧を目指すあまり動きが止まってしまわないよう、とにかくシートをしっかり埋めるよう意識づけしてください

3C分析には「正解」がありません。自由な発想で導き出した答えが定説的でなかったとしても、実はそのアイデアや切り口が自社を大きく前進させる可能性もあり得ます。調査した情報と真摯に向き合い、まずは自分が感じた通り分析を進めましょう。


Cの要素を増やしてみる

3C分析で十分事業の戦略や方向性を練ることが可能です。しかし、実際にやってみて何か物足りなさを感じる場合は、考察する項目の要素を増やすという手があります。Cの要素を増やして分析することを「4C分析」や「5C分析」などと表現します

具体的には、下記の項目を足して分析することで、より深い考察ができると言われています。

Channel(流通)
商品・サービスを流通させる販路の詳細。販路の拡大性や継続できなくなるリスクの詳細。
商社や卸業といった仲介業者の詳細、関係性。
Collaborators(協力者)
事業の推進をサポートしてくれる協力業者。協力業者を探したいときのアプローチ方法。
競合と協力業者との提携状況
Context(環境、背景)
市場を問わず、日本社会全体で起きているニュース、事業推進にまで影響を与えかねない出来事。
Community(コミュニティ)
事業活動が行われる場所や媒体、コミュニティ集団の詳細、特徴。
解体する可能性、代替となりうる場所や媒体、コミュニティ集団の有無。


他のフレームワークも駆使する

3C分析はマーケティング活動を前進させるフレームワーク(思考方法)のひとつですが、他にも有用なフレームワークがいくつも存在します。例えば、業界外の動向や状態を知る「PEST分析」、競合状況を知る「5フォース分析」などが有名です。

フレームワークを組み合わせて分析することで、市場や顧客をいっそう深く理解でき、マーケティングで成果を出せる事業戦略や施策の考案が可能です。重要なフレームワークについて以前の記事にまとめていますので、参考にしてください。

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第三者からフィードバックをもらう

会社のチーム内で客観的に見てもらったり、専門のコンサルに意見をもらうのも有効な手段です。調査した情報をどのように捉えて分析するかにより、結論は大きく変化します。

3C分析はひとりで完結させずに、必ずチーム内で議論する場を設けて、意見をフィードバックしてもらうようにしましょう。


まとめ:効率的かつ効果的に3C分析を進めよう

3C分析は事業戦略を正しく設計するのに有効な分析手法です。効率的かつ効果的に分析を進めるためにも、おさえるべき要素がまとまっているテンプレートをおおいに活用し、スムーズに分析を進めてください。

あなたのBtoB事業が成功することを願っています!

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One Tip編集部
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