ChatGPTをマーケティングで活用する方法とは?基礎知識からツールまで解説!【プロンプト例つき】
ChatGPTとは、AI技術(人工知能技術)の一つで、大量のデータをもとにチャットボットや文章生成などに利用されています。マーケティングではChatGPTを使うことで、コンテンツ制作やレポーティング業務を効率化できます。しかし、ChatGPTをどのように活用すればいいのか、悩んでいるマーケターの声も多く聞きます。
そこで、この記事ではChatGPTを活用したいと思っているマーケターに向けて、実践で活用するための知識をまとめました。まずはChatGPTの基礎知識について説明し、プロンプトの作り方やChatGPTを活用しているマーケティングツールを紹介します。
ChatGPTを活用するためには、質問文(プロンプト)を作成するスキルが重要になります。正しい質問をすることで、生成された文章が自然で適切な回答が得られます。
ぜひ最後まで読んで、ChatGPTの基礎知識を理解し、現場で実践してみてください!
■合わせて読みたい資料
→BtoB企業向け!Chat GPTをマーケティング施策で活用する方法
目次[非表示]
ChatGPTとは
ChatGPTは、OpenAIが開発したAI(人工知能)を組み込んだチャットボットサービスです。
ChatGPTに質問すると、まるで人間が回答したかのような自然な言葉で、しかも、会話の流れをくんだ応答をしてくれます。
■ChatGPT
- 読み方:チャットジーピーティー
- GPTはGenerative Pre-trained Transformerの略
- リリース:2022年11月
- 開発元:OpenAI
- 料金:無料~
ChatGPT、GPT-3.5、GPT-4の違い
「ChatGPT」と一緒に「GPT-4」という言葉も一緒に耳にする機会が多いのではないでしょうか?
チャットボットサービスである「ChatGPT」を実現している技術が、「GPT-3.5」や「GPT-4」などの言語モデルです。「GPT-○○」という数字は、バージョンを表しており、最新モデルは2023年3月14日にリリースされた「GPT-4」になります。
ChatGPTの仕組み
Chat GPTが、受け答えできるのは、事前に学習したルールに従って、新しい文章やデータを作っているためです。
ChatGPTの裏で動いているAIは、事前にたくさんの文章を読み込んで、文章のルールを学習しています。チャットで質問や命令が送られると、事前に学習したルールで文章の内容を理解し、回答を導き出し、新しい文章を生成します。
料金プラン
基本無料で使えます。
有料プランの「ChatGPT Plus」に登録すると、最新の言語モデルGPT-4が搭載された「Chat GPT」が使用できます。また、混雑時でもアクセスしやすくなったり、回答時間が短縮されるメリットがあります。
ChatGPTでできること
ChatGPTでできることは、エンタメからビジネスまで様々です。主な活用方法として下記をご紹介します。実際に、各活用方法でChatGPTを使用してみた例も併せて掲載しておりますので、参考にしてみてください。
- 日常会話
- 文章の作成
- 文章の添削
- 文章の要約
- 文章の翻訳
- 表やリストの作成
- 関数やプログラミング作成
- アイデアの提案
- API連携
日常会話
仕事や友人関係など日常のお悩み相談はもちろん、とりとめのない雑談までこなしてくれます。しりとりやTRPGなどのゲームで遊ぶこともできます。
文章の作成
ChatGPTは、使用シーンや内容に合わせた文章を自動生成することができます。
例えば、記事作成やメールマガジンの作成など、大まかなテーマを与えるだけで、適した内容の文章を素早く作成することができます。
※上記のChatGPTの回答は一部抜粋しています
文章の添削
ChatGPTは、文章の添削ができます。文法だけでなく、読者にわかりやすい言葉への変更なども可能です。
校正する手間が省けるだけでなく、自分で気付けない誤りや改善点が指摘してもらえるメリットがあります。
また、記事のタイトル案に悩んだ際などは、ほかの言い回しを尋ねることで、より訴求力が高いタイトルへのブラッシュアップに活用できます。
文章の要約
ChatGPTでは、作文や論文、書籍、記事などの要約が可能です。
資料のサマリーを作成したり、記事のディスクリプションを作成する際に活用できます。
文章の翻訳
ChatGPTで翻訳可能な言語数は随時追加されており、現在100以上の言語が確認されています。
同時に複数の言語への翻訳も可能です。
アイデアの提案
ChatGPTは、アイデアの提案もしてくれます。
例えば、メルマガのタイトル案やセミナーのテーマ案など、多岐にわたる提案をしてくれます。施策のアイデアに煮詰まった際に、新しいアイデアを得るのに役立つでしょう。
表やリストの作成
ChatGPTでは文章だけでなく、表やリストの作成が可能です。
データ整理や文章からTODOリストを作成して、業務工数を削減に活用できます。また、質問を表で回答してもらうこともできます。
関数やプログラミング作成
ChatGPTに、エクセルの関数やプログラミングのコードを新たに作成してもらえます。
例えば、「別のスプレッドシートの数字を引用するやり方」を尋ねてみました。関数の意味はもちろん、使い方や数式の提示まであり、大変便利です。
API連携
ChatGPTはAPI連携可能です。そのため、自身の開発したシステムに組み込んで、文章生成やタスクの自動化などの様々な用途に活用できます。
現在はLINEアカウントのチャットのボットやWebサイト制ツールにも組み込まれており、今後より多くのサービス・ソフトウェアに組み込まれていくと考えられます。
ChatGPTの始め方
ChatGPTを利用するには、公式サイトでアカウント登録が必要です。ChatGPTを利用開始までのフローは以下の通りです。
- 公式サイトにアクセスし、アカウント登録
- メールアドレス認証
- プロフィール入力/電話番号認証
①公式サイトにアクセスし、アカウント登録
メールアドレス・パスワードを入力して新規で登録する方法とGoogleまたはMicrosoftアカウントを使用する方法の2パターンがあります。
ChatGPTの公式サイト:https://openai.com/blog/chatgpt
②メールアドレス認証
登録したメールアドレスに送信された確認メールの「Verify email address」のリンクをクリックしてください。
③プロフィール入力/電話番号認証
クリック後に移動した登録画面で、名前と電話番号を入力してください。登録した電話番号へ送られるショートメールに記載された6桁の認証コードを入力したら完了です。
ChatGPTへどのように質問したらよいか?
ChatGPT の基本的な使い方と質問するにあたっての基礎知識を解説します。
ChatGPTの使い方
ChatGPTの使い方は、非常に簡単で、下記の赤枠で囲んだところに知りたいことを入力するだけで、自動で回答が返ってきます。
ChatGPTに質問するために知っておくべき2つの基礎知識
ChatGPTを使いこなすために知っておくべき基本知識を2つ紹介します。
プロンプトを活用する
ChatGPTでほしい回答を引き出すには、適切な質問文を作る必要があります。
質問の際に、どのような情報を伝えればいいのかという質問の仕方にはある程度の型が存在します。その質問文の型を「プロンプト」といいます。
「プロンプト」には、回答に必要な前提条件やChatGPTにやってほしいことを盛り込むことが重要になります。詳しくは次章「ChatGPTで使えるプロンプトの作り方」で解説します。
字数制限がある
ChatGPTで送信できる、回答してもらえる字数には制限があります。日本語の場合はおよそ2000文字以内です。
送信する場合は、分割して送信することができます。回答については、途中で文章が途切れるタイミングがあるため「続きをお願いします」などと入力すると、途切れてしまった文章の続きを回答してくれます。
ChatGPTで使えるプロンプトの作り方
ChatGPTに正しく回答をもらうために必要な質問文の型「プロンプト」について解説します。
初めてChatGPTを使う方でもすぐに実践できるように、「プロンプト」の作り方を例を用いて説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ChatGPTへのプロンプトに盛り込むべき要素
プロンプトが詳細で具体的であるほど、よりよい回答をもらえるようになります。具体的なプロンプトにするために、ChatGPTに盛り込むべき要素は、主に下記の4つです。
命令 |
AIに何をお願いしたのか?例えば、「文章を作成する」「要約する」「提案する」などAIがすべき具体的な行動を示してあげます。 |
文脈 |
回答の例や回答するために必要な前提情報を提示してあげると、よりニーズに合った回答を得やすくなります。 |
入力データ |
文章の要約や数式の答えなど、もともとある情報から回答を導き出したいときはその情報を提示します。 |
出力形式 |
文字数や回答形式(テキスト、数値、表)など、AIの回答の仕方を指示します。 |
※参考:「Prompt Engineering Guide」
プロンプトを作成するコツと例
プロンプトに盛り込むべき要素を踏まえて、AIに正しく回答してもらうために、プロンプトを作成する際のコツを解説します。プロンプトの例と合わせていくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- ### または """ で命令と文章を区切る
- 前提情報をできるだけ詳細に指示する
- 例を提示する
### または """ で命令と文章を区切る
まず、「要約してほしい」「文章を制作してほしい」などの命令を記載し、そのあとに続く文章を### または """ で区切ると、AIに続く文章が命令と別ものだと正しく認識してもらえます。
例)
以下のテキストを要約してください。
テキスト: """
{ここにテキストを入力}
"""
前提情報をできるだけ詳細に指示する
- どの立場で回答するのか
- 文章のテーマ・結論などの文章の内容
- 文章自体の長さや形式、トーンなど文章構成に関する情報
など、回答に必要な前提情報をできるだけ詳しく指示することで、より詳細な回答を得ることができます。
例)あなたはプロのWebライターです。以下の仕様に従ってブログ記事を書いてください。
テーマ:○○
目的:○○
記事の結論:○○
注意点
・H1~H4で構成する
・語尾はですます調にする
・箇条書きや表を使用して分かりやすくまとめる
・専門用語には補足情報を書く
例を提示する
回答の仕方を例で示して質問すると、その通りに回答してもらえます。
例)
以下のテキストを、もっと分かりやすい文章に段階的に改善してください。
テキスト:"""
{ここにテキストを入力}
"""
#やること
・文章を修正加筆し、推敲を行う。
・専門知識がない人が読んでも理解できるような文章にすること
#回答例
改善後の文章:(改善後の文章)
改善点:(箇条書きにした改善点)
※参考:Best practices for prompt engineering with OpenAI API
ChatGPTが活用できるマーケティング業務とは
マーケティング業務ではWebサイトのアクセス数やコンテンツ作成に必要な情報など、たくさんのデータを扱って、施策を実行していきます。ChatGPTは、データの処理や新しい提案を速やかに行ってくれるため、マーケティング業務の効率化に役立ちます。
ChatGPTをマーケティング業務で活用する方法について、具体的に説明します。
- キーワードの抽出
- コンテンツの自動生成
- レポート分析・施策提案支援機
コンテンツの自動生成
ChatGPTは、文章を作成できることから、コンテンツ制作に活用できます。例えば、オウンドメディアの記事制作やメールマガジンの作成など、コンテンツのテーマのアイデア出しから文章作成までを短時間で行うことができます。
ただ、ChatGPTの生成する文章は100%正確な情報ではないため、必ず人の目で確認する作業を行うようにしましょう。誤った情報を提供してしまうと、会社の信頼に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
また、SEOの観点からみると、自動生成のコンテンツは一次情報が盛り込まれていないため、検索順位上位を狙うことは難しいでしょう。SEOを意識した記事制作の場合などは、ChatGPTはあくまで参考にするにとどめて、記事制作のアイデアをもらったり、文章をブラッシュアップするための活用することをおすすめします。
▼ChatGPTを活用した、ブログ記事の作成方法についてこちらで詳しく解説しています
→ChatGPTでブログ記事を作成する方法とは?マーケターが知っておくべきこと
キーワードの抽出
ChatGPTは、大量のテキストデータから、キーワードを抽出できます。そのため、自社のWebサイトに必要なキーワードを提案してもらうのに役立ちます。
レポート分析・施策提案支援
ChatGPTは、データ分析も可能です。そのため、Webサイトのアクセスデータや顧客データから、Webサイトの弱点を見つけて、次にどの施策に取り組むべきかを提案してもらうことができます。
ChatGPTをマーケティングで使用する際の注意点
ChatGPTは非常に便利なツールですが、使用する際には注意しておかなければならないことがあります。
まだ情報が正確ではない
ChatGPTの回答はAIによる自動生成のため、必ずしも正確な情報が提供されるわけではありません。
例えば、以下は、「夏目漱石の『こころ』の要約」をお願いした例です。ストーリーや登場人物が誤った回答が返ってきてしまいました。
ChatGPTの回答をそのまま使用するのではなく、情報が正確かどうか必ず自分自身で確かめてから活用しましょう。
情報漏洩の恐れがある
ChatGPTに質問した情報は、学習データに使われて、ChatGPTが別の第三者への回答時に使用してしまう可能性があります。そのため、機密情報を送った場合、重大な情報漏洩となる恐れがあります。
実際、従業員にChatGPTの使用を制限して、社内情報が漏れないように対策する企業もでています。
学習データとして使用されたくない場合は、専用フォーム「OpenAI Data Opt Out Request」からオプトアウトを申請しましょう。ただ、申請時点からオプトアウトされているかは、確認する術はありません。
ChatGPTを活用する際は、情報漏洩の可能性があることを認識して、外部に知られてはならない情報は入力しないようにす方がよいでしょう。
ChatGPT搭載のマーケティングツール3選
ChatGPT APIを活用して、ChatGPTが搭載されているマーケティングツールをご紹介します。
BtoBマーケティング施策を効率的に進められる「ferret One」
「ferret One」はBtoBマーケティングに特化したサービスです。具体的にはCMSとMAをセットにした「マーケティングツール」とマーケティングを実行するための「ノウハウ」を提供しています。
2023年4月18日より「ChatGPT」を「ferret One」に搭載。マーケティング活動の打ち手の検討から施策実行までのプロセスを、AIが代行する機能の提供を開始します。
▼「ferret One」で自動化できることの例
- 記事作成
- メール作成
- Webサイト分析・必要な施策の提案
お客様を支援する中で培ったノウハウから、BtoBマーケティングで成果を出すために抑えるべき細かな要件をプロンプトに落とし込んで搭載されているため、BtoBマーケティングのスキルやプロンプトを作成するスキルに自信がなくても、手軽に使いこなせます。
BtoBマーケティングを効率化したい方やスキルに不安がある方におすすめのツールです。
>ferret Oneサービス紹介資料のダウンロード【無料】はこちら
Q&Aデータの作成工数を削減「DECA for LINE」
「DECA for LINE」は、LINEマーケティングツールで、アプリ「LINE」での広告配信やトークの配信など、LINEマーケティングを支援するサービスです。
2023年4月11日から、ChatGPTを連携した新機能「Q&A自動生成」を提供しています。
企業が保有するPDF、テキストファイル、音声データなどから簡単にQ&Aデータを生成することが可能となり、チャットボットの回答精度を高めるために行っていたQ&Aデータの作成工数を削減できるようになりました。
チャットボットの運用工数を削減したい方におすすめのツールです。
参考:https://deca.marketing/news/20230411/
自動で広告クリエイティブのテキスト作成できる「LOGLY lift」
「LOGLY lift(ログリー リフト)」は、ネイティブ広告プラットフォームで、広告配信を効率化するサービスです。
2023年4月6日より、ChatGPTにより自動で広告クリエイティブのテキストが作成できる機能を提供しています。
広告クリエイティブの摩耗で、次々に新しいクリエイティブを制作しないといけないとお悩みの方におすすめのツールです。
参考:https://corp.logly.co.jp/20230406/4325
まとめ:マーケティングを楽にする補助ツールとして活用できる
ChatGPTは、OpenAIが開発したAIを組み込んだチャットボットサービスで、あらゆる質問に答えてくれます。特に、マーケティングにおいては、業務の効率化を実現する動きが出てきています。
ChatGPTは、リリースから数カ月の間にさまざまなマーケティングツールと連携するようになりました。記事のアイデアやメルマガタイトル案、セミナーテーマ案など、幅広い提案を行ってくれます。
ChatGPTを活用するためには、質問するプロンプトを作成する必要がありますが、高品質な回答を得るためには、プロンプトの作成スキルが必要です。しかし、このようなマーケティングツールを利用することで、手軽に高精度な回答や情報を得ることができます。
ChatGPTはまだ新しい技術であり、慣れるまでは注意が必要です。無理に活用しすぎず、自分に合った使い方を見つけましょう!
■あわせて読みたい資料:
→BtoB企業向け!Chat GPTをマーケティング施策で活用する方法
弊社の「ferret One」は、コンテンツ・メール作成やレポート分析・施策提案支援などBtoBマーケティングのノウハウを盛り込んでChatGPTと連携したサービスを順次追加していく予定です。
BtoBマーケティングを効率的に進めていきたいと検討中の方やサービスにご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。
>ferret Oneサービス紹介資料のダウンロード【無料】はこちら
■関連記事:弊社社員がChatGPTとマーケティングについて語ったセミナーレポートです
→セミナー「ferret OneにChatGPTが搭載されることでマーケティング活動の生産性向上を実現!」開催レポート