動画コンテンツのメリットとは? CVRが25倍になったferret Oneの事例で学ぶ!BtoB向け動画活用法
自社の商品・サービスの魅力を「わかりやすく伝えたい」と、担当者なら誰しも思っていることでしょう。
特にBtoBのプロダクトは、業務中にWebサイトや広告を見る機会が多いため「限られた時間ですぐに理解できる」ことが重要なポイントになります。
ferret Oneでも、これまで数多くのコンテンツを作成してきましたが、「わかりやすく伝える」ことに課題を抱えていました。この記事では、ferret Oneが実践した「動画コンテンツ」の活用方法と、その成果をご紹介します。
■あわせて読みたい資料:“BtoBマーケティング”を本格的に行いたいという方向け
→BtoBマーケティング実践ガイド
目次[非表示]
動画コンテンツの活用で、CVRが25倍に
ferret Oneでは、2019年10月から、実際にWebサイトを更新・編集をしている様子を録画した「動画コンテンツ」の活用を開始しました。
営業やカスタマーサポートの現場、LPやFacebook広告など、これまで静止画やテキストを利用していた場面で動画コンテンツを活用しています。
その結果、ferret Oneの操作の簡単さを瞬時に実感していただくことができ、動画コンテンツを導入してから約1ヶ月で、広告のCTRが1.23倍、CVRが25.8倍という高い効果を上げることができました。
(feret Oneで活用している動画コンテンツの例)
どうして動画コンテンツを導入することになったのか、その背景と活用事例から、動画コンテンツのメリット・デメリットまでご紹介します。
動画コンテンツとは
動画コンテンツとは、映像の形式で配信されるサービスの解説や情報のことです。
スマートフォンやタブレットの普及・通信回線の高速化・動画配信プラットフォームの充実により、手軽に動画コンテンツ配信ができるようになりました。
テキストや図解だけでは伝わりにくかったサービス内容やポイントなどを、ダイレクトに伝えられる「動画コンテンツ」。
研修資料や商品紹介、広告配信など幅広い分野で活用されており、BtoBマーケティングにおいても注目されています。
動画コンテンツを活用する5つのメリット
数あるコンテンツの中から、どうして弊社が「動画」を選択したのか。その理由は主に以下の5つのメリットがあるからです。
文字では伝えにくいことを伝えられる
文字だけで操作説明をしようとすると、長くなったり煩雑になったりしてしまい、簡単な操作もかえって難しく見えてしまう場合があります。動画であれば実際に操作している様子を見ることができるので、簡単さを直感的に理解してもらえます。
説明する人のスキルに依存しない
操作を口頭や文章で説明するスキルには、個人差があります。一方、動画ならば説明は動画内に入っているので、担当者は再生するだけです。伝わり方は個人のスキルに依存しません。
人を選ばず、誰が説明しても一定の質が担保されるのが動画の利点です。
短時間で全体を把握できる
ferret Oneは機能が多いので、ひとつひとつの機能を説明していると説明するのにも理解するのにも多くの時間がかかります。
動画ならば一通りの機能の操作の様子を一連の作業としてさらっと通して見ることができるので、短時間で全体を俯瞰してもらうことができます。
市場規模と需要がこれからも伸びる
動画コンテンツは、発展途中にある市場です。
その理由としてあげられるのは、「超高速化」「超低遅延」などを特徴とする5G。4Gと比較すると、「(数値上)通信速度は約20倍、同時接続数は約10倍」です。5Gの普及により、動画コンテンツ市場はますます伸びていくでしょう。
良質な動画コンテンツであれば、リード獲得や顧客育成に繋がる可能性が高まります。市場拡大と、高い費用対効果が期待できるのが動画コンテンツです。
動画コンテンツの企画を立てるコツ
動画コンテンツの企画を立てるコツをいくつかご紹介しましょう。企画の中で、明確にしなければいけないことが3つあります。
目的を明確にする
その動画を視聴してもらうことで、何を実現させ、何の問題を解決するのかを明確にしましょう。例を挙げると以下の通りです。
- 商品やサービスの活用方法や導入方法
- 商品の魅力を伝える
- 新規購買を促進する など
企画時に目的を明確化しておくことで、ブレることなく制作をすすめられます。
ターゲットを明確にする
「誰に見てほしいのか」を明確にすることで、具体的な動画制作イメージが湧きやすくなります。既存顧客向けなのか、新規顧客向けなのか、事前にターゲットを明確にしておきましょう。
何を伝えたいのか明確にする
その動画を視聴することで、何を伝えたいのかメッセージを明確にしましょう。
「1動画につき1メッセージ」がおすすめです。複数のポイントを盛り込むと、何が言いたいのかわからない動画になってしまいます。視聴者へメッセージが伝わらない動画では、意味がありません。
その動画により、何を伝えるのか、企画段階で明確にしておきましょう。
動画コンテンツ導入前のferret Oneの課題
動画コンテンツを導入する前の弊社の課題として「まだサービスを使ったことがない人に、その使いやすさを説明しにくい」ということがありました。
ferret Oneを導入し、すでに活用してくださっているお客様からは
「操作がわかりやすい」「簡単にサイトが作れる」「短時間で作業が終わる」
という声を多くいただいています。
「操作が簡単なferret Oneなら、Webの経験があまりなくても更新がスムーズにできます。これなら少人数での運用を叶えられるうえに、LP改修も2週間ほどでできるのではと強く可能性を感じました。」
(SBギフト株式会社 営業部 定松 礼倫 氏)
「一覧性も高く、ページの更新も直感的にできるのでストレスなく運営ができると思いました。」
(株式会社 識学 小川大介 氏)
「ferret OneはUIを見ただけで更新の方法が理解できる構成になっているので、更新作業が非常に楽になりました。」
(コンサルティング業 ご担当者様)
しかし、「まだ使ったことがない方々」へ向けて、これらの価値をテキストや画像だけで表現するのはなかなか難しく、説明する人のスキルにも依存してしまいます。
使えば実感できる価値や魅力を、どうしたらまだ使ったことがない人に感じてもらえるかが大きな課題でした。
そこで、「ferret Oneってこんなに簡単なんですよ」と誰でも説明できるコンテンツを作ることになりました。それが、動画コンテンツです。
大きなインパクトで記憶に残せる
テキストや静止画に比べて、動画には大きなインパクトがあります。興味を持ってもらうための最初のとっかかりとして自社サービスの強みを印象づけるのに適しています。
Webサイトを見ていろいろ情報を得たけれど、結局どれも印象に残らずにサイトを離脱することはよくあるのではないでしょうか。あれもこれもと伝えるのではなく、最も訴えたい強みにしぼって動画にすることで記憶に残り、あとで思い出してもらえることを期待できます。
「ferret Oneなら簡単にサイトが編集できる」という強みにフォーカスし、記憶に残る動画を作りました。
動画コンテンツの活用例
では、この動画コンテンツをどのような場面で活用したのか、その実例をご紹介します。
LPでの動画コンテンツ活用
LPのキャッチコピーのすぐ下に、動画コンテンツを掲載しました。動画で実際の操作イメージを理解してもらうとともに、メインビジュアルで「Webマーケティング支援ツール」「プログラミング不要」というわかりやすいコンセプトを打ち出して、メッセージを補強しました。
<動画コンテンツを活用したLPの例>
その結果、CVRが25.8倍にすることができました。
Facebook広告での動画コンテンツ活用
Facebookに出稿する広告も、静止画ではなく動画に切り替えました。動画広告はユーザーの目を引きやすく、静止画よりも多くの情報を伝えることができます。
この動画広告では、以前に出稿していた静止画広告と比較してCTRが1.23倍になり、CPAを1/5以上圧縮することができました。
営業の商談での動画コンテンツ活用
インターネット上だけではなく、営業の場でも動画コンテンツを活用しています。
動画内にテロップで説明が入っているため、営業職がいちから説明する必要がありません。顧客の反応を拾うことに集中できますし、反応を見て追加で補足説明を入れることもできます。
色々な情報を詰め込まず「操作の簡単さを見てもらう」というシンプルな目的にしぼった動画にしたことでメッセージが伝わりやすく、これまで引き出すのに苦労していた「なんだか簡単そう」「私にもできそう」という言葉をすぐに引き出すことができるようになりました。
カスタマーサポートでの動画コンテンツ活用
カスタマーサポートでは、先方の担当者が変わったときや現担当がもっとferret Oneを使いたいときにお見せするサポートコンテンツとして動画を利用しています。
資料を読んだり口頭で説明を受けるよりも、実際に操作している様子を動画で見ることで「実際自分でどこまで使えそうか」がイメージしやすくなり、オンボーディングプログラム(※)の際に不安や抵抗感が軽減されたとご好評をいただいています。
※オンボーディングプログラムについて
BtoBマーケティングの方法がわからないお客様に、ferret Oneというツールのご提供だけではなく、「ターゲットやペルソナの整理」や「カスタマージャーニーマップの作成」など、ツールをより活用していただくためのマーケティング・ノウハウを、3か月間かけてご提供します。
「情報量」ではなく「わかりやすさ」で行動変容を
サービスの強みを理解してもらおうと、あれもこれも説明しようとしてしまうことはよくあります。ですが、大切なのは「情報量」ではなく「わかりやすさ」であり、まずはわかってもらうことが何より重要です。
ferret Oneでは、「動画コンテンツ」を使ってメッセージをとがらせ、最もわかってもらいたいサービスの魅力を伝えた結果、CVR25倍という成果を出すことができました。
動画コンテンツの作り方
動画コンテンツを導入したくても、「作るのが難しいのではないか」「専門業者に依頼しなくてはならないのではないか」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
実は操作説明のような簡単な動画ならば、専門の機材がなくても自社内で作ることができます。ferret Oneの動画も、自社で一人で制作しました。
動画コンテンツ制作を担当したのはこの人!
佐藤 和美(さとう かずみ)
株式会社ベーシック SaaS事業部 カスタマーサクセス部 カスタマーサポートグループ2019年8月からWebマーケティングツール「ferret One」カスタマーサクセス部にジョイン。テックタッチ・ロータッチの体制づくりを中心に、ウェビナーの企画・運用のほか、リリース連絡や問い合わせ対応・ヘルプページの管理を担う。
どのように動画を作ったか、そのフローをご紹介します。
ferret Oneの動画コンテンツ制作フロー
佐藤:ferret Oneの操作紹介動画は、以下のような手順で作られています。
- 何を録画するか決める
- 一度コンテンツを最初から最後まで作ってみる
(※ここではまだ録画しないが、使用する画像の用意や画面デザインの考案は済ませておく)
- 2で行った操作を踏まえ、動画の流れの絵コンテを作る(コマ割り)
- コマごとの時間配分を決める
- コマの中でのどのような操作をするかを決める
- 絵コンテに沿って操作を行い、全通しで録画する
- Macの動画編集ソフト「iMovie」で速度を調整する
- 内容に合わせてテロップを考え、keynote上で配置する
- 動画ファイルとして書き出し、Youtubeにアップする
撮影から編集まで、すべて自社で行っています。
イメージしたのはクラシルの料理動画です。余計な動作は入れず、手早く操作している様子を動画で見せることに集中しました。
今回の動画で達成すべき状態ゴールは「自分でもできそう」「やってみたい」と思ってもらうことなので、操作に関係ないものはすべて省きました。
実際は30~40分かけて操作を行い録画していますが、編集時に速度を上げて5分以内に収めています。編集には5~6時間かけているので、準備からすべて含めると約10時間かけて1つの動画が完成することになります。
動画コンテンツ制作時の注意点
佐藤:動画コンテンツを制作する際は、以下の5つの点に注意しました。
-
編集しやすいようにゆっくり録画する
あとからカットしやすいように、録画時はゆっくりとした操作を心がけました。
-
特に、操作時のマウスの速度に気をつける
文字打ちは速くても「文字を打っているんだな」と何となくわかりますが、マウスの動きは速すぎると見えなくなってしまいます。マウス操作はゆっくり行うよう気をつけました。
-
録画時はマルチディスプレイで行う
完成図を別ディスプレイに映し、確認しながら操作すると操作に間違いがありません。
-
ひとつの動画内で、なるべく同じ操作は繰り返さない
同じ操作を見せても冗長になるので、3回以上は繰り返さないようにしています。
-
尺を長くしすぎない
あまり長いと見る方も大変なので、完成動画は長くても5分以内に収めるようにしています。
作ってわかった、操作動画コンテンツのメリット
佐藤:動画コンテンツには多くのメリットがあり、そのおかげで大きな成果をあげることができました。想定していたものもあれば、実際に作ってみてわかったものもありました。
1.「わかる!」までのスピードが早い
言葉や文字では長々と説明しなくてはいけないことでも、動画ならば見てもらえば一目瞭然です。今までは「こんな簡単にできるんですね」という言葉を引き出すのが大変でしたが、動画を見てもらうことでその言葉をうまく引き出せるようになりました。
また、言葉でいくら「簡単なんですよ」と伝えても「本当かな?」と思われてしまい、それを払拭するには時間と労力がかかります。動画を見てもらうと「本当に簡単そうだ!」とすぐにわかってもらうことができました。
2.伝わるレベルがそろう
各人がそれぞれの言葉で伝えると、伝える人によってニュアンスにズレが生じてしまうことがあります。
その点動画は、実際に操作している様子を見せられるので「この操作を言葉で説明するにはどう言えばよいのだろう」と悩むこともありません。また、動画の作り方を工夫すれば、伝える相手のリテラシーも選びません。
3.何度も思い出してもらえる
口頭で説明した言葉はその場限りで消えてしまいますが、動画はコンテンツとして残ります。つまり、伝えた相手が後になって再度見返すことができるのです。
「商談で営業マンが何かいいことを言っていた気がするけど、なんだっけ……?」というもったいないことが起こりづらく、気になるところは見返してもらうことができます。また、顧客担当者がその上司を説得するための材料として、動画コンテンツを使ってもらうことも可能です。
動画コンテンツのデメリット
佐藤:一方で、動画コンテンツには、以下のようなデメリットもあります。
- 制作に時間がかかる
- 制作コストあたりの情報量は多くない
- テキストの方が伝わりやすい題材もある
手順のところでご紹介したとおり、1つの動画コンテンツの制作にはferret Oneの場合で約10時間かかっています。同じ時間をかけて書いたテキストや同じ時間の会話と比べると、動画コンテンツで伝えることができる情報量自体はそれほど多くありません。
強いインパクトや確かな実感を伝えることができる動画コンテンツですが、伝えたい情報量が多い場合や、感覚よりも論理で伝えたい場合はテキストのほうが向いている場合もあります。
何でも動画にするのが正解というわけではありません。伝えたい内容をよく分析し、それを伝えるのには本当に動画コンテンツが一番適しているのかを考えてから動画制作を行ったほうがよいでしょう。
派手な動画でなくても成果は出せる
動画コンテンツの導入で成果をあげることができた事例として、ferret Oneでの取り組みの経緯をご紹介しました。
動画制作はハードルが高いと思われるかもしれませんが、今回のような簡単な動画ならば自社内で作ることができます。伝えたい内容が動画に適しているならば、動画コンテンツの導入にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
弊社ではサイト制作(CMS)からお問い合わせ管理・メール配信・A/Bテスト・LP作成・キャンペーン管理など、BtoBマーケティングに必要な機能を一通り揃えたオールインワンツール「ferret One」をご提供しております。
ferret Oneについては、まずは無料でダウンロードできる資料をご覧ください。