明日から使える!「ウェビナー」を成果に繋げる10のコツ
新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークが普及した昨今。マーケティング施策として、オンラインのセミナー、いわゆる「ウェビナー」を開始した企業様も多いのではないでしょうか?
リアルイベントの開催が難しくなった今、ウェビナーはごく一般的なイベントとして普及しつつあります。
しかしその一方で、
「申し込み数は一定あるが、アポイントに繋がらない」
「ウェビナーから成約が生まれず、どう改善すればよいかわからない」
というお悩みを聞くケースも増えてきました。
そこで今回はferret Oneが日頃行っている、ウェビナーによりポジティブに参加してもらうための「ウェビナー特有の運営のコツ」をお伝えします!
■合わせて読みたい資料:企画から開催までまるわかり!
→受注につながる!ウェビナー運営の教科書
解説をするのはこの人!
河村 和紀(かわむら かずき)
株式会社ベーシック マーケティングマネージャー新卒で入った外資系人材紹介会社から、創業期の株式会社ベーシックに転職。サイト運用・商品企画・新規事業立ち上げなどに幅広く携わるなか、いちから手掛けたイベントが、累計来場者数70,000人を超える日本最大級の規模に成長。これまでのBtoBセミナーおよびウェビナー開催数は350回を超える。
Twitterのアカウントは@Kawamura_KZK
目次[非表示]
なぜウェビナーは成約に繋がりづらいのか
ウェビナーには、オフラインセミナーにはないデメリットが
ウェビナーを成功させるためには、「オフラインセミナー」と「ウェビナー」の違いを理解しておく必要があります。まずはこちらをご覧ください。
申し込みのハードルが低く、集客がしやすい「ウェビナー」。
しかし、数が見込める一方で、気軽に参加できるため、態度変容が起こりづらいなどの特徴があります。ウェビナー特有のデメリットを理解し、正しく対策をすることが、ウェビナーを成功に導く上ではかかせません。
そこで以下より、これまで100回以上ウェビナーを開催してきたferret Oneが実施している、成果に繋げる「ウェビナーの10のコツ」をご紹介します。
「準備編」「開催編(セミナー中)」「開催後編(アフターフォロー)」の3つのタイミングに分けているので、ぜひ参考にしてみてください。
ウェビナーを成果に繋げる10のコツ【準備編】
1.LPやメルマガで、当日の発表資料を一部先行公開する
発表資料の先行公開はオフラインセミナーでも有効ですが、ウェビナー集客においては、より重要な意味を持つ施策だと考えています。
《ferret Oneのウェビナー募集ページの一部抜粋》
ウェビナーは参加のハードルが低く、ターゲットから遠い人が申し込んでしまうことがデメリットの一つ。しかし、事前に資料を公開しておくことで、当日の発表内容がイメージしやすくなるため、ニーズの違うユーザーからの申し込みを防ぐことができるのです。
当日の視聴後も齟齬も起こりづらいため、運営側にとっても、参加者側にとっても有効な施策と言えます。
2.集客は2週間前から開始すべし
気軽に申し込めるウェビナーでは、集客を早く始めすぎると、「とりあえず申し込んでおこう」という気持ちでコンバージョンする人も増えてしまいます。また、日が経つことで申し込みに対する記憶も薄れ、出席率は下がりがちになります。出席率をキープするために、集客はオフラインセミナーよりも開催日に近いタイミングで開始しましょう。
弊社がこれまでに検証した結果で申し上げると、ウェビナーの場合は2週間前あたりから集客するのが最も効果的と言えそうです。
弊社では2019年までオフラインセミナーのみを運営しており、集客は約3週間前から実施、当時の出席率は平均62.0%でした。
しかし、ウェビナーに取り組み始めた2020年1月、オフラインセミナーと同様に3週間前から集客を開始したところ、出席率は57.7%まで落ち込んでしまったのです。
そこで、集客を始めるタイミングをウェビナー開催日に近づけたところ、再び出席率60%超えをキープできるようになりました。
現在は、2週間前を目安に募集ページを公開し広告訴求を開始、10日前あたりからメルマガでの集客を開始しています。
3.リマインドメールは多めに、ferret Oneでは計4回
出席率を上げるもう一つの施策として有効なのが、リマインドメールです。
ウェビナーの場合は気軽に参加できる分、当日の開催時間や視聴URLを忘れられがちです。参加者にきちんと見てもらえるようオフラインセミナーと比較して気持ち多めに配信しましょう。
なお、ウェビナーのリマインドメールには、下記の2つの目的があります。
- セミナー自体を思い出してもらう
- URLを知らせ、当日の参加を誘導する
ユーザーがパソコンを開くタイミングを狙ってリマインドし、当日の参加へと促しましょう。ferret Oneがオススメする配信タイミングは以下の通りです。
①ウェビナー開催週の月曜日、開催と同じ時間
弊社で最初にリマインドメールを送るのは、ウェビナー開催週の月曜日です。
月曜日は、その週の予定を確認する人も多いため、ウェビナーのスケジュールを押さえてもらいやすくなります。朝一に送ると土日のメールなどに紛れてしまうため、午後がおすすめ。ウェビナー開催時間と同じ時間帯だと理想的です。
②ウェビナー前日、開催と同じ時間
こちらは、「明日同じ時間にウェビナーがありますよ!」というリマインドになります。前日にメールを送ることで、ウェビナーの開催を改めて思い出してもらいましょう。
③ウェビナー当日、開催3時間前と1時間前
ウェビナーは、参加URLがないと当日視聴できません。
ウェビナー当日の開催3時間前と1時間前に、もう一度「こちらからご参加ください」と、リマインドメールを送信し、スムーズにリンクに飛んでもらえるようにしましょう。
《リマインド文面例》
弊社では以前、「ウェビナー前日と当日の2回」しかリマインドメールを送っていませんでしたが、出席率アップを狙い上記の配信設計に変えたところ、出席率が約7ポイント改善しました。
ウェビナーを成果に繋げる10のコツ【開催編】
ウェビナー開催中に常に頭に入れておいてもらいたいのが、「双方向性」です。
ウェビナーは、どうしても一方的な配信になりがちです。しかし、それでは参加者にきちんと内容を見てもらえず、ラジオ感覚で聞き流されてしまいます。
オフラインセミナーなら帰り際に声をかけたり、アンケートを回収したりできますが、ウェビナー参加者の顔を確認することすらできません。いかに「双方向」にして、話をしっかり聞いてもらえるかがポイントになります。
4.配信ツールに慣れてもらう
「双方向」にするためには、チャットなどのツールの仕組みに慣れてもらうことが必要です。
ウェビナーツールはさまざまあり、視聴者の方からすると、質問の時にどこから手をあげて良いかわからないケースもあるでしょう。最初にその不安をなくすために、ウェビナーを開始したらまず、スライドでツールの機能説明を行います。
その際、操作に慣れるために、実際に入力してもらうことがポイントです。
実際のferret Oneのウェビナーでは、「チャット欄であいさつしてみましょう!」「スライドが見えた方は、見えてますと入力してください!」など、声をかけています。
一度入力をすることで、参加者が操作に慣れ、不安をなくした状態でウェビナーに入ることができます。
5.ユーザーの参加を促す「アンケート投票」
「双方向」を目指す上で、投票は有効な施策です。
参加者自らが出した意見で、ウェビナーの中身が変わったり、重要な情報を言ってもらえるとなると、画面を見る割合も上がります。「耳だけで聞く状態」から、「画面を見る状態」へと促しましょう。
ferret Oneでは、複数登壇者がいるようなミートアップ形式のウェビナーにおいて、
「本日は誰の話を聞きにきましたか?」
「テーマがいくつかあるんですが、どれが一番聞きたいですか?」
と参加者に問いかけ、投票結果を発表に反映しています。
なお、「投票」を機械的に行うことには、あまり意味がありません。投票をきっかけとし、参加者の声を取りあげながらうまく巻き込むことが重要です。
登壇者が、参加者からいただいたコメントや質問を積極的に拾っていくことで、ウェビナーのパフォーマンスは高まります。
弊社のウェビナーでは、登壇者が参加者の声を取り上げていったことで、「当日の質問投稿率」が従来の5.9%から14.9%へとアップしました。ユーザーの離脱防止にも繋がり、「参加者の平均視聴時間」も約1.2倍に増加しています。
6.ユーザーの参加を促すには「クイズ 」も有効
「双方向」目指すためには、クイズも有効な施策と言えます。
キャッチーかつ参加者に興味をもたれる内容として弊社がおすすめするのは、「数字」を取り入れたクイズです。
テーマに合わせ、上記のような問題を出すことで、参加を促すことができると同時に、知識を得られる感覚を持ってもらうことができます。
なお、クイズは一度ではなく、必ず各パートごとに入れましょう。何度か問いかけることで双方向性を高め、参加者を引きつけることができます。
7.申し込み時にフォームでいただいた質問を、序盤に紹介する
事前にウェビナーの申し込みフォームでいただいた質問内容を、ウェビナー資料の冒頭で紹介するのも一つの手です。
「皆さんからいただいた質問にたいし、ウェビナー内で回答の時間を取ってますよ!」という旨を、冒頭で伝え、興味を持ってもらいましょう。
8.アンケートの告知や誘導を徹底する
ウェビナー後のアプローチのためにも、必ずアンケートへの誘導を行いましょう。弊社での告知方法は次の通りです。
アンケート告知①
アンケートを実施することを、冒頭でスライドを使って伝えます。弊社ではアンケート回答者に資料をプレゼントしているため、その旨も告知することで、回答を促しています。
アンケート告知②
スライドでの説明後、チャットでアンケートのリンクを送信します。
その際、「視聴者がチャット欄を見るタイミング」を意図的に作っておくのがポイントです。
ツールに慣れてもらうためにチャット欄にテキストを入力してもらう話をしましたが、実はこれには、アンケートへ誘導する狙いもあります。
参加者がチャットに注目したタイミングで、「先ほどお伝えしましたが、アンケート回答者の方に、今日の資料を差し上げてます!今からURLを送るので、別ブラウザで開いておいてくださいね!」と伝えましょう。
アンケート告知③
ウェビナーの最後に、改めてアンケートについてスライドで告知します。念押しでチャットにURLを貼りつつ、ウェビナー終了時にもアンケートリンクが表示されるようにしています。
ウェビナーを成果に繋げる10のコツ【開催後編】
ウェビナーは参加人数が多い上、ユーザーの顔が見えないため、どのユーザーからアプローチすれば良いかわかりづらい、というデメリットがあります。
だからといって全ユーザーを網羅的に当たっては、時間がかかり、アポイントにも繋げづらくなるでしょう。ここでは、ferret Oneのウェビナー後のアプローチ方法をご紹介していきます。
9.アンケートで優先度を判断し、インサイドセールスに共有
弊社では、アンケート内で必ず、「サービス(ferret One)に対する興味」を聞くようにしています。
興味がある/ないではなく、ユーザーのアクションで選んでもらうのがポイントです。
またアンケートの最後では、サービス(ferret One)により深い興味を持った参加者に向け、個別相談会を案内しています。
これらのアンケート項目への回答をセミナー講師が確認し、温度感が高いと判断した参加者についてはインサイドセールスに情報を共有し、架電の優先度を上げてもらうようにしています。
また、特に早めのご案内を希望されているお客様については、セミナー終了後すぐにチャットでインサイドセールスに共有し、スピーディに対応してもらうようにしています。
10.アンケートに「携帯番号」を入れてもらう
ウェビナー終了後にインサイドセールスがアプローチしやすくなるように、アンケートの入力欄で、携帯電話の番号を入力してもらうことも一つのポイントです。
また、個別相談会を希望するユーザーには、「ウェビナー後にお電話しますので、リモート中でも繋がる番号をご記入ください」とアナウンスしています。
補足:ウェビナーの形式と方法について
コツ9でご紹介した「個別相談会(無料説明会)」の誘導のように、ウェビナーにはいくつかのタイプがあります。
認知を目的とした「オープン型」と、育成成約を目的とした「クロージング型」を組み合わせることで、効果最大化が期待できます。ぜひこちらも参考にしてみてください。
ウェビナーならではの特徴を理解し、対策を立てましょう
以上、ferret One流明日から使える! 「ウェビナー」を成果に繋げる10のコツをご紹介しました。
ウェビナーには、ウェビナーならではのメリットとデメリットがあります。同じセミナーだからといって、オフラインと同じ運用をしていては、なかなか成果に繋がりません。
今回ご紹介したコツの中で、自社に取り入れられそうなものがあればぜひ明日から実践してみてください。
ウェビナー運営のノウハウをより詳しくまとめた解説資料もございます。合わせてご覧ください。
→受注に繋がるウェビナー運営とは?ウェビナー運営の教科書
ferret Oneは、BtoBに特化したマーケティング支援を行います。
自社で運用できるようになる運用支援はもちろん、人材が不足している場合は運用代行も承っております。ぜひ資料をご覧ください。