EC支援 / トランスコスモス株式会社
デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括
リテールコマース総括 ECX本部 木村頌太 氏
ferret One導入前はどんな課題を抱えていたのでしょうか?
私の所属するECX本部(EC+DX)では、ferret One導入前まで特にマーケティング施策を行っておらず、コーポレートサイトの問い合わせ窓口からの引き合いに対応するのみという受け身の体制でした。
コーポレートサイトは別の担当部門を通してサービスの情報発信や更新を行う都合上、どうしてもタイムリーな発信が困難でした。ECX本部はサービスを横展開していくことが多いので、そのスピード感では情報発信が追い付きません。
問い合わせを待つだけではなく、Webサイトを通じてマーケティング施策をスピーディに実施し、こちらから能動的に見込み顧客にリーチしてコンバージョンを取りにいける体制を作らなければならないと考えました。それがferret Oneを導入してマイクロサイトを立ち上げた理由です。
ferret One導入の決め手は何でしょうか?
導入前にferret Oneを実際に使ってみて、上記の課題を解決できるかどうかを確認させてもらいました。一番の決め手は、ノーコードでサイトの制作・編集ができるところです。
サイトに関連する作業を属人化させたくないという思いがあったので、誰でも編集できるのは重要です。私自身は元々PM業務としてLP制作やバナー制作をしていたのでhtmlやcssの知識がありますが、部署内にそういった知識がある人はあまりおりません。ノーコードであれば、知識がなくても扱えます。
分析ツールについても、UI・UXが直感的で見やすいという印象を受けました。横文字の専門用語ではなく日本語で簡潔に表記されているので、どの数字が何を表しているのか非常に分かりやすくなっています。
これならばGAIQ(Googleアナリティクス個人認定資格)等の専門の資格を持っていない人でも、自社ページの傾向や課題を定量的に分析できるだろうと判断しました。
ferret Oneを実際に使ってみていかがですか?
やはり、知識がなくても直感的に操作できて、ノーコードでページが作れるのは大きな魅力です。誰でも使えるので、属人化を防ぐことができています。
ノーコードツールで制作するWebページはデザインが固定されている場合もありますが、ferret Oneはページ単位でcssを書けるので、ある程度デザインやUI・UXに幅を持たせられそうな点にも非常に期待しています。
分析機能についても、1ユーザー単位でのコンバージョン経路や滞在時間を見ることができるのを知り、「こんなところまで見れるのか」という嬉しいギャップでした。ECのカゴやASPなら普通に搭載されている機能ですが、ferret Oneでここまで見られるとは、正直思っていませんでした。
どのようなユーザーが何回目に訪問しているのか、滞在時間の長いページはどこか、どこでコンバージョンしたかのデータから逆引きして分析し、サイトの改善やコンテンツ制作に活かせるので重宝しています。
ferret Oneを使ってどのような施策を行っていますか?
ブログ記事更新、セミナーの動画のアーカイブ配信、事例掲載、WP配信等、さまざまな施策を行っています。中でも一番力を入れているのはブログです。
各サービスの専門知識を持つ担当者にそれぞれ月1、2本記事を書いてもらっています。書いた記事はそのままferret Oneで更新までしてもらい、私はアップされた記事を確認して、必要があればフィードバックをしています。
担当者はSEOやhtml、cssについての知識がない人ばかりですが、各自で更新してもらえるのはノーコードツールならではですね。ブログに書く内容は、アクセス数や直帰率等の数値データと検索クエリやトレンドキーワードを踏まえ、各部署と話し合って決めています。
ただ、この体制で順調に回るようになるまでには、社内調整や使い方の周知も必要でした。記事を書いてもらうには工数もかかるので、「ブログ記事によってどれだけアクセスが伸び、売上につながるのか」を説明して理解を得なければいけません。そこが一番大変でしたね。
更新のしかたについては、部門ごとに勉強会を開き、見出しの付け方、アンカーリンクの付け方等々のルールを周知しました。体制を確立するまでに1年弱くらいかかっています。
その甲斐もあり、今ではブログ以外にも自部門の情報更新のためにferret Oneを自分達で触りたいという人が増えました。元々属人化を防ぐためのものでしたし、各部門の人間でないと手をつけづらい部分もあるので、どんどん使ってほしいですね。
ferret Oneを導入してどのような成果が上がりましたか?
現在は月間セッション数が20,000件超、CV数50件程度になっています。22年3月時点では、セッション数もCV数も前年比200%超と大きく成長することができました。
要因としてはブログが一番大きいと考えています。「Shopify」という単一ワードで検索上位を取れたので、ブログが流入の窓口になっています。他にも「物流 委託」等さまざまなワードで、ブログ経由での流入があります。
ただ、ユーザーの興味・関心がShopifyの基本知識から、さらに専門性の高い内容に移りつつあるのもデータから感じています。そのため現在、LPの訴求やブログ記事の内容をチューニングしようと動き始めています。
そのような更新・リニューアルの際にも、ferret Oneのスピード感が活きるでしょう。以前の体制だったら、方針転換したくてもすぐにはサイトを変えられなかったと思います。
EC業界は日進月歩で日々新しい情報がアップデートされるので、より鮮度の高い情報をいち早く発信していきたいと考えています。
今後ferret Oneでやりたいことをお聞かせください。
メール配信機能を利用したメルマガ配信に取り組みたいです。先日初めてメルマガを配信してみたところ、700通送信して30%の開封率、クリックが10件だったので、悪くはない結果だと思っています。
今後はセミナー情報やEC業界の最新情報やナレッジを発信して、メールマーケティングにも力を入れていきたいです。
また、問い合わせしてくれたリードへの対応にも、ferret Oneの機能を活用できないか検討しています。現在は、せっかく温度感が高い状態で問い合わせをもらっても、その後営業が連絡するまでに時間がかかってしまうので、その間に熱が冷めてしまってもったいない状況です。
そこで、営業が動くまでの第1ステップとして、何かしらのメール施策をferret Oneで実施できないかと考えています。「担当者から1、2営業日でご連絡させていただきます」のように期限を明記したメールなのか、サービス紹介の資料送付なのか、具体的な内容はまだ検討中です。
ferret Oneは使い方次第でさまざまな活用ができるツールだと思うので、どういう風に活用するかを引き続き考えていきたいと思います。
本日はお話いただきありがとうございました。
▼ferret Oneで制作いただいたWebサイトはこちら
https://transcosmos-ecx.jp/
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御社のサービスと木村さまのお仕事について教えてください。
弊社は、Shopifyを利用した自社ECサイト構築、ECモールの出店ページ制作、フルフィルメントサービス、カスタマーケア、プロモーション等々、ECサイト全般に関わるサービスをワンストップで提供しています。
中でもShopifyに力を入れており、ECサイト構築・運営だけではなく、ShopifyをMAやCRM、CDP等のデータマーケツールと連携させて、データ分析や施策コンサル等も含めた包括的なサービスも提供可能です。
Shopifyの弱点と言われるOMS(オーダーマネジメントシステム)を自社で開発しているので、Shopifyと自社OMSを連携させ、注文情報を全て管理できるようにしているのが他社との差別化ポイントです。
私は元々ECサイト構築・運用のPM業務を全般的に担当していましたが、現在はそれに加え、ferret Oneで管理しているサイトの制作・更新やデータ分析等の全般的なWebサイト運用も行っています。
会社全体では全体では国内ECも越境ECも扱っていますが、今回ferret Oneで作ったページで扱っているのは国内ECのみとなっています。