BtoBで顧客データ分析を行うポイントとは? 活用事例とおすすめツール
顧客を知ることは、新たな発見や気づきをもたらしてくれ、事業の発展にも繋がります。
正しく分析しなければ、誤ったマーケティング施策を行ったり市場の変化に追いつけなくなることも。だからこそ、顧客データを分析することは重要です。
ここでは、顧客データ分析を行う際に大切なポイントやおすすめのツールなどを解説していきます。
■合わせてよく読まれている資料:マーケティングの見直しに最適!
→【記入例付き】マーケティングフレームワークテンプレート集
目次[非表示]
顧客データ分析とは
顧客データ分析とは、どのような顧客がいるのか、どんな物が顧客に売れているのかなどを分析し、自社の強みや問題点を可視化し明確にすることです。
顧客データ分析を行って、「顧客が求めているもの」「よく売れる商品と顧客の組み合わせ」などを明らかにすれば、最も効率的なマーケティング施策や戦略を練ることができます。
また、顧客のニーズを把握することは、既存顧客の満足度向上や新規顧客の獲得にも繋がるのです。
顧客データ分析で重要な3つの要素とは
顧客データ分析を行っても、自社の顧客はこの年齢層が多い、季節に合わせてこの商品が売れる、など数字だけに捉われていては、十分な成果は得られません。
企業の利益となる顧客データ分析を行うために、ここでは重要な3つの要素について説明していきます。
顧客・商品・営業活動の3つの軸で考える
顧客データ分析を行う際には、顧客データだけではなく顧客・商品・営業活動の3つの軸で分析することが大切です。
「どのような顧客」が「どの商品をどんなタイミング」で購入し、その時自社では「どんな営業アプローチや施策」を行っていたのか、総合的な視点から判断する必要があります。
ターゲットとなる顧客に向けて、利用しない商品の営業アプローチを行っても利益に繋がることがないのと同じです。
この3つの軸を分析していくことで自社の現状が把握できるようになり、アプローチする顧客や商品に合わせた施策など、改善するべき点が明確にわかるようになります。
現状の原因と改善策の仮説立て
顧客データ分析以外のマーケティングにおいても言えることですが、PDCAサイクルを回していくことは企業として必ず必要なことです。
なぜ商品が売れないのか、会社の利益にならないのか、の原因を洗い出していくと、それぞれに相関関係が見えてくるはずです。すると、どんなことが顧客ニーズとズレているのかが明確になり、おのずと解善策も見えてくるでしょう。
改善策を実行に移したあとも顧客データ分析を行い、その改善策が正しかったのか、成果がでたのかの検証を繰り返していことが大切です。
▼PDCAサイクルについては、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
→Webマーケティングの効果的なPDCAサイクルとは?販促内容別の具体的な運用方法
顧客データ分析の基盤の構築
最後は顧客データ分析の基盤の構築です。
分析をする際に蓄積されていたデータを一つずつ確認したり、Excelなどに手動でデータを抜き出して分析することもできます。しかし、データが膨大になってきたり、リアルタイムの情報で分析が行えなくなってしまいます。
顧客データ分析を始める際には、必ず基盤の構築はどう行うのかも社内で検討しておきましょう。
また、分析用途に合わせたデータを簡単に抽出できるような基盤にしておけば、専門知識のない人でも利用ができ、CMSツールを使ってアクセス解析や顧客分析がスムーズに行えます。
▼CMSツールについては、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
→企業サイトにおすすめのCMSとは? 選び方と導入するメリット
顧客データ分析で扱う2つのフレームワーク
顧客データの分析といっても、企業によって知りたい情報や注目するべきデータは変わってきます。
また、顧客データ分析を行う手法にもさまざまありますので、ここではよく取り扱われる2つを詳しく紹介していきます。
セグメンテーション分析:顧客をグルーピングする
セグメンテーション分析とは、地理的変数、人口動態変数、心理的変数、行動変数など、顧客を業歴や性別、地域、行動によってグループ分けをして、市場を細分化し把握することです。
顧客データ分析の手法の中では、最も導入しやすく、初めて分析を行う企業にはおすすめです。
業種や、サイトの訪問回数、購入頻度なども詳しくわかるため、「この業種の担当者はある一定の時期になると購入回数が増えている」など、ターゲットを選定して分析することが可能になります。各グループに合わせたマーケティング施策を決めていく際には参考になります。
また、有利に事業展開できる市場を見つけることができれば、他社との競争を避けつつ利益を上げることも可能です。
RFM分析:グループごとのマーケティングを最適化する
RFM分析とは、Recency (最終購入日)、Frequency (購入頻度)、Monetary(累積購入金額)の頭文字を取った3つの指標で、顧客を段階的にグループ分けする手法です。
顧客をグループ分けすることで、顧客のニーズやタイミングに合わせたマーケティング施策を実施できるので、施策の効果も出やすくなります。
また、購入や成約の可能性の高い顧客、一度だけ購入したことがある顧客など、性質で分けることで時間や費用の削減になり、マーケティングの無駄を避けることもできます。
▼RFM分析については、下記の用語集も参考にしてみてください。
→RFM分析とは
フレームワークを活用した顧客データ分析3つの手順
どのような顧客なのか、あらゆる視点から正確に分析することで、顧客データ分析の効果を高めることができます。
ここでは、先ほど紹介したフレームワークを利用して顧客データ分析を行う手順を3つにわけて解説します。
1.顧客のセグメントを分析する
まずは、セグメンテーション分析を元に顧客をグループ分けしていきます。
BtoCと比べてBtoBのセグメント分析は会社単位となりますので、より複雑になっています。
BtoBでは、購入・成約に至るまでに複数の人がそれぞれの役割をもって関わり、決定までが慎重で時間がかかるなどの傾向があります。
そのため、決済権の有無や社風、事業内容などの観点からグループ分けを行いましょう。
分析を通して、決済権はどんな人か、何を知りたいのか、どんな商品なら興味を持ってもらえるのかを明確にしていき、営業活動や施策を練る必要があります。
2.RFM分析で優良顧客を見つける
RFM分析の3つの指標から、
- 先週も来店、年間20回以上訪れ、総額100万円購入している顧客
- 半年前に来店したきりで、総額10万円購入している顧客
などでグループ分けを行うと、自社の優良顧客を抽出することができます。
業種や商材によってどの部分に重点を置くかは変わってきますので、自社に合わせたRFM分析を行うようにしましょう。
RFM分析で優良顧客を見つけ出すことで、優良顧客のみのキャンペーンやセールの施策がたてられます。
特別な対応を受けられた顧客は、高い満足感を得られ、他社への流入を防ぐことにも繋がります。
しかし、RFM分析は長い目で見ると顧客育成がおろそかになるデメリットもありますので、注意をして活用しましょう。
3.アンケートを活用してより深い分析も
アンケートは、自社の顧客の素直な声を聞くことが出来る有効な方法です。
来店やリピートした理由、どんな商材を求めているのかなど、顧客データ分析の数字だけではわからない、顧客の情報やニーズを把握できれば、より効果的な施策を選択することができます。
アンケートの隠れた顧客ニーズとデータ分析で得た情報を照らし合わせることで、新たな発見を得る可能性もあります。
顧客データ分析の活用事例2選
ここでは、実際に顧客データ分析を行い成果を上げた企業の活用事例を2つ紹介していきます。
ぜひ、自社の顧客データ分析の参考にしてください。
ガス造業:顧客データの統合で営業効率アップ
株式会社エネットは、2000年に設立されたLNG(液化天然ガス)発電や、太陽光・バイオマスといった再生可能エネルギーを調達し、環境に優しく安定した電気を全国の法人に向け提供している会社です。
2016年に始まった電力の完全自由化で他社との競争が激化する中、「拠点の把握ができない」「全国の法人が潜在顧客となるためターゲティングが難しい」という課題が出てきたため、顧客データ分析に取り組みました。
株式会社エネットは、データの統合及び品質維持を実現し、企業属性や企業系列を用いたターゲティングを可能にしました。
それにより、新規顧客の開拓とアップセル・クロスセルを成功させ、企業の利益に繋がっています。
参考:https://www.landscape.co.jp/news/20171031_4467.html
マグネット製造業:売れない原因を可視化して注文増加とモチベーションのアップに
株式会社相模化学金属は、創業約50年を迎えた産業機器などのマグネットを製造業者向けに製造販売している会社です。
営業の成果が結果に結びつかず、営業会議の前に約半日ほどの時間をかけ案件一覧をエクセルへ入力作業を行うも、結果報告だけの会議となっていたことから、顧客データ分析を始めました。
顧客データ分析によってリアルタイムで情報共有ができ、顧客が買う決断をできない原因を明確にすることができるようになりました。
作業の効率化と、ゴールから逆算した計画を立てることによって、案件の停滞を防ぎ、注文増加と営業のモチベーション向上に成功しています。
参考:https://www.softbrain.co.jp/news/release/2018/20180829_964.html
顧客データを分析するおすすめツール2選
ここでは、顧客データを分析するのにおすすめのツールを2つご紹介します。
BtoBマーケティングのノウハウを学びながら業務を進めたいなら「ferret One」
「ferret One」は課題に合わせて貴社に不足している要素を分析の上で提供し、マーケティング施策の実行を促すサービスです。体系化されたノウハウ、使いやすいツール、伴走サポート、作業代行など、必要な要素を過不足なく提供します。
マーケティングの立ち上げに際しては、戦略設計からサポートしてもらえるので、ターゲットとなる顧客分析を踏まえた施策の計画が立てられるので安心です。
日々のマーケティング施策に悩んだ際には、専任アドバイザーと相談しながら進められるため、初めてのマーケティングでもノウハウを身につけながら業務が行えます。
BtoBマーケティングのノウハウを学びながら業務を進めたい、そんな企業におすすめです。
▼ferret One
https://ferret-one.com/
見込み顧客を増やすMA「SATORI」
SATORIは、SATORI株式会社が提供するMAです。
顧客の属性や行動履歴に合わせてウェブコンテンツを表示させたり、優良顧客に近い見込み客をピックアップしてコールリストの作成ができるため、営業活動の円滑化や無駄を省くことが可能です。
またSATORIではステップメールという、メールを数回に分けて自動で配信する機能を使うことができるため、顧客の購買意欲を高めることができます。
RFM分析で優良顧客には分けられなかった、見込み客へのアプローチも行うことができます。
▼SATORI
https://satori.marketing/
顧客データ分析を学べるおすすめの書籍3選
顧客データ分析について学べるおすすめの書籍を3点ご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.マーケティングリサーチとデータ分析の基本
著:中野 祟氏
国内ネットリサーチ最大手の実務家による、データ分析とマーケティングリサーチの入門書です。
データ分析やマーケティングリサーチを始めたいが、何をどうやって始めたら良いかわからないというビジネスマン向けに、データ分析とマーケティングリサーチの基本をわかりやすく解説してくれています。
ますは、基本を抑えておきたいという方におすすめの一冊です。
マーケティングリサーチとデータ分析の基本 – 中野 崇 (著)
2.たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
著:西口 一希氏
ロート製薬の化粧水「肌ラボ」を本数ベースで日本No.1へ、また、「スマートニュース」をiPhoneアプリランキング100位圏外から、1年でNo.1へ導いた西口 一希氏が確立した、2つのフレームワークの理論と競合の分析、具体的な戦い方について書いた一冊です。
たった一人顧客を分析する「顧客起点マーケティング」や、未購買顧客をロイヤル顧客化にするまでの「アイデア」など、マーケティングで悩んでいる方には一度手に取っていただきたい一冊です。
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング – 西口 一希 (著)
3.マーケティング・リサーチの基本
著:岸川 茂氏・JMRX氏
マーケティング・リサーチの知識と実践の方法をまとめた基本書です。
精度の高いデータの収集方法から、さまざまな課題に対応する調査方法、報告書の作成方法まで、リサーチャーに必要なノウハウを網羅して解説しています。
SNSの普及やモバイル技術の進化にともなって変わっていく、マーケティング・リサーチの動向についても詳しく紹介されています。
マーケティング・リサーチの基本 単行本 – 岸川 茂 (著)
顧客データ分析を徹底して効果的なマーケティング施策を打ち立てよう
BtoBマーケティングの成功において、顧客データ分析はとても重要です。
正確な情報の収集・分析を行い、いかに効果的なマーケティング施策に落とし込むことができるかでマーケティングの成功が決まります。
また、分析で終わらせず施策の実行・検証を繰り返すことで、売上やリピート率の向上に繋っていくのです。
もしもリード獲得・育成、営業管理にお悩みなら「ferret One」がおすすめです。
ferret Oneは、マーケティング・営業体制の戦略設計や各種施策の伴走支援などBtoB事業の成果を最大化するサポートを行います。ご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。