立ち上げ初期のマーケティング組織、まずやるべきことは? 戦略立案からスケールを目指すまで
商品やサービスをより広く提供し、ビジネスを成立させるには「マーケティングを担当する組織」が非常に重要です。
ただ、BtoB事業の場合は、営業組織はあってもマーケティング組織はまだない、もしくは少人数で立ち上げたばかり、という企業様の話をよく聞きます。
そこで今回は、これからマーケティング組織を立ち上げようと思っている方や、立ち上げた組織をどう運用していくべきか悩んでいる方向けに、立ち上げ初期のマーケティング組織がやるべきことを解説します。
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目次[非表示]
マーケティング組織立ち上げ〜初期フェーズにやるべきこと
この記事では、次の2つのシチュエーション別にやるべきことを解説していきます。
①ゼロからマーケティング組織を立ち上げる場合
②立ち上げ後、どのようにリード獲得を拡大していくべきか悩んでいる場合
既に立ち上げ済みの方は②から読んでいただいても構いませんし、自社のケースと照らし合わせながら①を読んでいただいても構いません。
また、割くことができる予算や人員で組織づくりの進め方は変わってきます。今回は、「予算や人員が潤沢にあるわけではないが、その範囲内でできる限りWebからのリード獲得を増やしていきたい」というケースを想定してお伝えします。
①ゼロからマーケティング組織を立ち上げる場合
まずは、現在マーケティング組織が存在せず、これから立ち上げる場合の取り組み方です。
マーケティングとは
- 「誰にどんな価値を届けるのか」を決め
- 「その価値をどのように届けるのか」を選択し
- 「その費用対効果」を検証していく
に終始するのではないかと思っています。
「1.誰にどんな価値を届けるのか」はマーケティング戦略の立案、「2.その価値をどのように届けるのかは」は集客・コンテンツの方向性の話になります。
「戦略の立案」→「集客・コンテンツの方向性」の順に考えるとやりやすいでしょう。
マーケティング戦略の立案
初めに、どのようにリードを獲得していくかの戦略を考えます。立ち上げ時はメンバーも少ない場合が多いと思いますので、ここではオフライン施策はのぞき、オンラインでのリード獲得で考えてみます。
自社の商品やサービスのターゲットのカスタマージャーニーマップを作成し、それに基づき
- 自社のサービスに触れる可能性があるのは、どういうときか?
- 自社のサービスの何に興味を引かれるのか?
- どんなときに、どんなキーワードで検索するのか?
など、ターゲット具体的な行動を考えると戦略を立てやすいでしょう。
もちろん4Pなどマーケティングのフレームワークを整理していくのも大事ですが、一人のユーザーを想定すると何をすべきかが見えてきます。それがペルソナを決めるということでもあります。
自社に合った集客/コンテンツの施策を見極める
戦略を立てたら、次は自社の商材にはどのような「集客施策」と「コンテンツ施策」が適しているのかを見極めていきます。
■集客施策(リスティング広告、SEOなど)
自社の商材に関連するキーワードの検索ボリュームは?
・検索ボリュームが大きい場合
→リスティング広告・コンテンツSEOなど、検索エンジンからの流入を狙う施策が適している。
・検索ボリュームが小さい(=市場がまだできていない)場合
→記事広告、寄稿、ソーシャルなど、検索エンジンに頼らない施策が適している。メジャーキーワードでリスティングし、詳細はホワイトペーパーで認知拡大するという手法もある。
■コンテンツ施策(サイトコンテンツ、記事コンテンツ、CTAなど)
- どんなコンテンツがあると自社のサービスに興味を持ってもらえるのか?
- サイトに訪れた後、もしくは資料を請求した後、社内検討する上でどのような情報が必要なのか(費用対効果・セキュリティなど)
- サービスの内容(価格や導入の流れなど)をどこまでサイトに掲載してどこからを商談時に直接伝えるか
- 製品のカタログをサイトに掲載するか
- 動画で伝えるべきか/テキストで伝えるべきか
などを具体化し、施策の設計に入ります。
立ち上げ時に必要な人数
立ち上げ時のメンバーは、 はじめは1人でいいと思います。それもBtoB事業のマーケティングの場合は営業メンバーが兼任する形がいいでしょう。
BtoB商材の場合、営業職が直接顧客を訪問して商談を行う場合が多いので、BtoCと違って顧客のことを一番知っているのは営業メンバーです。今はマーケティングの知識がなかったとしても、これから身につけることができます。
組織を立ち上げたらまずやるべき5つの施策
マーケティング組織を立ち上げたら、まずやるべき施策は以下の5つです。
1.サービスサイトの改修
顧客に刺さる事実が書かれているか、検討に必要な情報が載っているかをチェックしましょう
参考記事:BtoBのサイト制作で、これだけはそろえておきたいページ一覧
2.適切なCTAの設置
問い合わせだけではハードルが高いので、パンフレット、ホワイトペーパーなども揃えるべきです
参考記事:CTAを改善して、コンバージョンを増やすための5つのポイント
3.導入事例の作成
BtoBで最も重要なコンテンツは事例。最初は1つだけでも構わないので事例を載せましょう
参考記事:導入事例の書き方は? 効果とは? よくある10の疑問
4.リストの整理
過去商談したお客様の名刺情報など、メルマガを送れるようにリストの整理をしておきましょう
参考記事:メールマーケティングで見るべき4つの指標と改善ポイント
5.広告の出稿
これは予算があればで構いません。最もニーズが顕在化していてCVに近いリスティング広告から検討しましょう
参考記事:BtoBの広告 出稿する際のポイントは?
どの時間軸で実行するかにもよりますが、これならば営業と兼務しながらでもやりやすいでしょう。リストが増えてきたり、リードの数が増えてきたらいよいよマーケ専任にしていきましょう。目安はホワイトペーパーのリード含めて月50~100件くらいです。
②立ち上げ後、どのようにリード獲得を拡大していくべきか悩んでいる場合
マーケティング組織をゼロから立ち上げてある程度のリードを獲得できる頃になると、次のステップである「リード獲得の拡大」に進みます。
この頃になると、すでに「どんな訴求/どのチャネルによるリード獲得が自社に合っているのか」が分かってきて、勝ち筋が少し見えている状態だと思います。
※もし、どの訴求どのチャネルが良いのかまだ迷っている段階であれば
前の項目で紹介した「立ち上げ時にやるべきこと」を少しずつ改善もしくは修正しながら繰り返していくしかありません。
勝ち筋が見えているのであれば、広告やコンテンツマーケティングなどの費用対効果を計算し、効果的なところに予算(リソース)を投下していくことができます。
- 「誰にどんな価値を届けるのか」を決め
- 「その価値をどのように届けるのか」を選択し
- 「その費用対効果」を検証していく
の「3.費用対効果」をより深く検証していく段階になります。
リード獲得拡大施策の具体例
例えばAという訴求が勝ち筋なのであれば、以下のような順序で進めていきます。
- Aの切り口のリスティング出稿とLPのCVR最大化を図る
- Aの周辺キーワードや、近しい切り口の訴求LPを作成し広告出稿する
- Aに関連するキーワードによるコンテンツマーケティングを行う (※成果が出るまで1年くらいはかかる覚悟を持って)
- Aに関するセミナーを行ったり、展示会に出展したりして露出を図る
広告については予算が小さいうちは広告代理店に依頼するのも有効でしょう。スピーディーに出稿ができ、且つノウハウを貯めることができます。ただし、コンテンツマーケティングは自社で行うことをおすすめします。自社だけが持っているノウハウや事例が有効なコンテンツになるからです。
効果測定は受注に近い指標をもとに
なお、それぞれの施策のROIはリード獲得の単価(CPA)だけでなく、できる限り受注に近い指標を元に割り出すとよいでしょう。例えば、「アポ獲得単価」や「有効商談獲得単価」などです。CPAが安く効率がよいように見えても、そこからのリードが最終的な受注につながらないケースは多々あるからです。
(2019年 翔泳社 福田 康隆『THE MODEL』より)
そのためにもインサイドセールス部隊の構築と、セールス側で「どのようなリードが受注につながりやすいか」「どのチャネルが受注に貢献しているか」のデータを蓄積することが重要です。各組織が連携し、情報共有しながらそれぞれの役割で売上に貢献しましょう。
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BtoBにマーケティング組織は必要不可欠
何もないところから組織を立ち上げるのは簡単なことではありません。また、BtoBではリードの獲得と育成を担って、よりよい商談へつなげるマーケティング組織への期待は大きいものです。
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