CPA(顧客獲得単価)とは?CPOとの違いと計算方法

	CPA(顧客獲得単価)とは?CPOとの違いと計算方法

CPAは、広告出稿の費用対効果を測るために用いられる重要な指標です。
CPAを設定せずに広告運用すると、費用対効果の把握が難しくなります。最悪の場合「広告を出しているが成果に結びつかないし原因も分からない」という状況にもなりかねません。

そこで本記事では、CPAを適切に設定するために必要な計算方法と設定するコツ、さらにCPAと合わせて覚えておくべき指標を解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.CPA(顧客獲得単価)とは
  2. 2.CPAとCPOの計算方法と事例
  3. 3.CPAと合わせて見るべき広告指標
  4. 4.CPAの正しい設定方法
  5. 5.CPAの改善ポイント3つ
  6. 6.まとめ:CPAは広告出稿の命綱


CPA(顧客獲得単価)とは

CPA(Cost Per Action)とは、1件の顧客獲得の成果に対してかかった費用を示す指標です。顧客獲得の成果は各企業ごとの定義で異なります。資料請求やお問い合わせを成果とする場合もあれば、成約に至るコンバージョンのみを成果にする企業もあるでしょう。

広告運用ではもっとも重要な指標とも言われます。1件の顧客を獲得するため、どの程度広告費を使ったのか。それだけでなく、想定する成果に対して原価率をもとに、どの程度広告費を捻出しなければいけないのか、なども算出可能です。

CPAは以下の計算式で計算できます。

CPA=広告費 ÷ コンバージョン数

CPAの値が小さければ、少ない費用で顧客を獲得できたことになるため、まずは自社の商品・サービスのCPAがどの程度なのかを把握するところから確認しましょう。


CPAの重要性

CPAを理解すれば、広告運用の費用対効果や適切な広告費の目安が把握できます。一方で、CPAを考えずに広告出稿してしまうと、広告を出して売れているにも関わらず、思うように利益が伸びないといった状況になる可能性もあるでしょう。

1件の顧客獲得に必要な広告費を把握すれば、広告の攻めどころや止めどころも見えるようになるので、広告において大きな損失を出す状況も未然に防げるようになります。


CPOとCPRの違い

CPAと似た指標に、CPOとCPRがあります。

それぞれ似ている指標のため混同するかもしれませんが、考え方が異なるので正しく理解する必要があります。以下で解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

CPAとCPOとCPRの違い


CPOとの違い

CPO(Cost Per Order)は新規の成約・顧客獲得に対してかかる広告費を示す指標です。CPOは以下の計算式で算出できます。

CPO=広告費 ÷ 新規顧客獲得数

CPAとCPOの計算方法は、同じになる場合と異なる場合があります。

CPAとCPOの意味合いが同じになる場合は、広告出稿後の成果が商品・サービスの成約に直結する導線のときです。

一方で異なる場合は、コンバージョンとなる成果が2つあるときです。最終的に新規の顧客獲得につながる成果をCPOとして扱い、手前の成果をCPAとして扱います

例えば、資料ダウンロードの成果をCPAとして、ダウンロードした企業の中から実際に成約に結びついた成果をCPOとして計算します。


CPR

CPR(Cost Per response)は、広告費に対してお問い合わせや資料請求、お試しなどの申し込みがどの程度発生したかを示す指標です。CPRは以下の計算式で算出されます。

【CPR=広告費 ÷ 申し込み件数】

CPAと同じ扱いをされるケースが多く、ほぼ同義と考えて問題ありません。


CPAとCPOの計算方法と事例

CPAは成果に対する指標であり、CPOは新規の顧客を獲得した際の指標という違いがあります。ただし、新規顧客獲得が成果であればCPAもCPOも同じ扱いとなり、計算式も同じになります。

例えば、次のような状況の場合はCPAもCPOも同じ成果ですから、計算式も同じです。

  • 広告費100万円で広告を出稿
  • LPに遷移させ、新規お問い合わせ件数を100件獲得
100万円 ÷ 100件=10,000円(CPA/CPO)

次に、以下のような状況であればCPAとCPOは分けて算出されます。

  • 広告費100万円で広告を出稿
  • LPに遷移させメルマガ登録を促し100社が登録
  • 新規メルマガ登録100社のうち40件から新規お問い合わせが発生
100万円 ÷ 100社=10,000円(CPA)
100万円 ÷ 40社=25,000円(CPO)

以上の事例から、CPAとCPOは、広告出稿から成約までの導線状況によって使い方が変わる指標といえます。


CPAと合わせて見るべき広告指標

CPAと関係性が高く見ておくべき指標は以下の3つです。

  • CVR(コンバージョン率)
  • CTR(クリック率)
  • ROAS

それぞれ具体的に解説します。

CVRとCTRとROASの違い

CVR

CVRは、クリック数に対してどの程度CV(コンバージョン)が発生したのかを示す指標です。広告運用において重要な指標のひとつであり、売上や成約にも直結します。以下の計算式で算出可能です。

CVR=CV ÷ クリック数 × 100(%)


CTR

CTRは、広告表示された回数に対してどの程度クリックが発生したかを示す指標です。LPなどの遷移率を測る際に用いられます。以下の計算式で算出できます。

【CTR=クリック数(CT)÷ 広告表示回数(IMP)× 100(%)】


ROAS

ROASは、広告費に対してどの程度売上が発生したかを示す指標です。主に広告の最終的な投資対効果がどの程度だったのかを測る際に用いられます。以下の計算式で算出できます。

【ROAS=売上 ÷ 広告費 × 100(%)】


CPAの正しい設定方法

CPAを正しく設定する手順は次のとおりです。

  1. 損益分岐点である限界CPAを算出する
  2. 広告費がどの程度使えるのかを把握する
  3. 目標とする利益額をもとに目標CPAを割り出す

以上のように正しくCPAを設定するには、限界CPAと目標CPAを割り出さなければいけません。以下では限界CPAと目標CPAについて、それぞれ詳しく解説します。

限界CPAと目標CPAの違い

限界CPA

限界CPAとは、1件の顧客獲得の成果に対して最大限かけられる費用のことであり、利益が±0となる損益分岐点の値です。

例えば、以下のような商品・サービスで考えてみましょう。

  • 商品単価:10万円
  • 原価:3万円

上記だと限界CPAは「10万円-3万円=7万円」と計算でき、広告費は7万円までかけられるという考えになります。

限界CPAはあくまで利益が±0となる値のため、別途目標となるCPAを設定しなければいけませんが、ひとつの商品・サービスにかけられる広告費の目安を把握するために必要な指標です。

また、限界CPAはWeb上で売上が発生するオンライン型ビジネスと、Web上では売上が発生しない店舗型のビジネスで計算方法が変わります。

Web上で売上が発生するオンライン型ビジネスの場合は、以下の計算式で限界CPAを算出できます。

【限界CPA=商品単価-原価】または【限界CPA=商品単価 × 利益率】

一方、Web上では売上が発生しない店舗型ビジネスの場合、Web広告でのコンバージョンが資料請求やお問い合わせとなるため、成約率まで考慮した以下のような計算式で算出します。

【限界CPA=商品単価 × 利益率 × 成約率】


目標CPA

目標CPAは、限界CPAで算出した最大限かけられる広告費からどの程度使うかを算出する指標です。

基本的なCPAの計算方法は「広告費÷コンバージョン数」ですが、限界CPAが分かれば事前に目標となるCPAも以下の計算式で算出できます。

【目標CPA=限界CPA × 広告費割合】または【目標CPA=限界CPA-目標利益額】

例えば、以下のような事例で考えてみましょう。

  • 商品単価:10万円
  • 原価:3万円
  • 残したい利益:4万円

まず限界CPAを計算します。

10万円-3万円=7万円(限界CPA)

次に、目標CPAを算出します。

7万円-4万円=3万円(目標CPA)


今回の事例では、ひとつ10万円の商品単価に対して3万円まで広告費をかけられるという計算になりました。

以上のように、目標とするCPAを算出したあとに実際に広告を運用して、その結果CPAがどうなったのかを分析するという手順で効果検証を行うといいでしょう。

▼広告費用の相場については、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
リスティング広告の費用相場とは? 適正予算の決め方とコストを抑える運用方法


CPAの改善ポイント3つ

CPAの改善は以下の3つのポイントをおさえるようにしましょう。

CPAの改善ポイント3つ

  • ターゲットを見直す
  • CVRを上げる
  • CTRを上げCPCを下げる

どの施策もCPAに直結する重要なポイントです。以下では具体的にどのようにして施策を行うのか詳しく解説します。


1.ターゲットを見直す

CPAの改善でもっとも重要なポイントは、広告の設定がターゲットに対して適切かどうかを見直すことです。

広告設定を見直す際は、以下の3点を確認しましょう。

  • 広告のクリエイティブやテキストがターゲットに対して適切か
  • 広告媒体がターゲットに対して適切か
  • 広告内容とLPに一貫性があるか

クリエイティブやLPの良し悪しよりも、まずはターゲットが広告の出稿先に適しているかが重要です。

クリエイティブとLPがいかに良くできていても、刺さらないターゲットに訴求したところで効果は見込めません。そして、多くのCPA高騰の原因がターゲット選定の甘さによるものです。

前提を見直し、問題ないことを確認したうえで手段となるクリエイティブやLPの改善に取り組みましょう。

関連記事:広告出稿とは?流れや費用をBtoBマーケターが徹底解説


2.CVRを上げる

CVR(コンバージョン率)を高める施策は成約数や売上の向上に直結するため、高い費用対効果を見込めます。

CVRを上げるには、LPをターゲットユーザーに対して最適化するLPOという施策が必要です。

LP全てを改善しようとすると工数と時間を大きく割かれてしまうので、以下の内容を確認して改修するといいでしょう。

  • LPのファーストビューをターゲットユーザーに刺さる内容にする最適化する
  • 遷移先ボタンまでファーストビューに組み込む
  • ターゲットユーザーに対して魅力的に見える訴求内容を入れる
  • CTA周辺に不安や疑問を解消するマイクロコピーを入れる
  • フォーム入力の手間を可能な限り省き、入力しやすくする

以上の内容で効果検証を行い、PDCAを回し続けながらLPを最適化していきましょう。

関連記事:CVRを上げるLPOツールとは?しくみやメリットとおすすめ会社5選


3.CTRを上げCPCを下げる

CTR(クリック率)を上げる施策は、遷移先の流入数を増やし、間接的にコンバージョン数増加につなげられます。ただしCTRが高くても、CPC(クリック単価)が高すぎるとCPAが合わなくなる可能性もあります。広告費は、基本的にクリックされるごとに加算されるためです。

CTRを上げつつCPCを下げる施策として、以下のような方法が考えられます。

  • 除外キーワードを設定する
  • CPCの低いキーワードを再選定する
  • 広告設定を見直しスコアを高める
  • 広告クリエイティブの質を高める

上限入札単価を下げるシンプルな方法もありますが、掲載順位を下げてしまう要因になる可能性があるのでおすすめしません。

広告の品質を高めてクリックされ得やすくし、CPCが低いキーワードで競合に勝つのが最も効果的です。

関連記事:クリック率の平均はどのくらい? CTRを上げる改善策とCVRとの関係性


まとめ:CPAは広告出稿の命綱

CPAとは、広告費に対してどの程度コンバージョンが発生したかを示す指標であり「広告費÷コンバージョン数」で算出できます。

CPAを把握しておかなければ、広告の費用対効果が分からないまま目標となる成果を達成できなくなる可能性が高くなるので、必ずおさえておきましょう。

また、目標となるCPA(目標CPA)の算出手順は以下のとおりです。

  1. 損益分岐点となる限界CPAを算出する【限界CPA=商品単価-原価】
  2. 限界CPAから目標の利益額を差し引く【目標CPA=限界CPA-目標利益額】

目標CPAを算出した後は、広告の効果検証を行いPDCAを回しつつCPAを可能な限りおさえて売上と利益を最大化させましょう。


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