【5分でわかる】BtoBビジネスとは?BtoCとの違いをわかりやすく解説
「BtoB」とは、企業間取引、つまり企業から企業へモノやサービスを提供するビジネスの業態を指す言葉です。BtoBビジネスとも言います。
企業対消費者である「BtoC」とは、具体的にどのような点で違いが出てくるのでしょうか。BtoBビジネスを進めていくうえで、対消費者とどこが違うのかを認識しておくことは基本であり、たいへん重要です。
本記事では、BtoBの意味を事例とともに紹介します。BtoBビジネスの本質を理解しましょう。
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BtoBビジネスとは?
BtoBビジネスとは、企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルを表す言葉です。
スーパーなどの小売店に商品を販売する卸売業者、事業者向けのソフトウェアを提供するIT企業、メーカーに製造部品を販売する製造業者など、さまざまな種類の企業向けのサービスがBtoBのビジネスモデルにあたります。
キャッシュフローが大きい企業を顧客として扱うため、単価が大きく、継続的な取引と安定した収入を見込めることが特徴です。
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BtoBビジネスとBtoCビジネスの違い
BtoBやBtoCでは、具体的にどのような点が違うのでしょうか。それぞれ解説します。
対象顧客の違い
BtoBビジネスの顧客は企業、BtoCビジネスの顧客は消費者です。
BtoBビジネスの企業は一般消費者の知名度こそ低くなりますが、優良企業も多く存在しています。一方、BtoCモデルの企業はメディアなどへの露出も多いため、一般消費者としては馴染みやすく、知名度が高くなりがちなのが特徴です。
支払い方法の違い
BtoBのモノやサービスの提供は、請求書を発行して締切までに代金を支払ってもらう形が一般的です。実際に売上が現金化されるまで1〜2ヶ月程度かかります。
BtoCのサービスは、モノやサービスを購入時、即代金を支払うことが一般的です。すぐに売上を立てられ、現金化できる点はメリットです。
意思決定者の違い
BtoBの場合、意思決定者は企業内の社長や購買を決定する担当者です。購買を決定するまでに承認プロセスがあり、複数の担当者が商品やサービスを比較検討して、合理的な判断基準で意思決定をされます。
BtoCの場合、意思決定者は個人です。周りの人間に相談しながら購買を決めるケースもありますが、一般的には消費者が時間をかけず個人で意思決定します。
マーケティングの違い
BtoBのマーケティングでは、何度もコミュニケーションを図り、成約まで長い時間をかけます。複数の承認者から承認を得るために、ROI(費用対効果の高さ)などの合理的なアピールが必要です。
BtoCのマーケティングでは、消費者の感情を揺さぶるマーケティングをすると、すぐに購買行動につながります。購入への障壁をなくし、購入を決断しやすい環境を整備することが重要です。
関連記事:BtoBマーケティングとは?マーケターが教えるBtoCとの違いと成功事例
関連記事:BtoBサイトの役割と制作方法とは?マーケターが解説!
主なBtoB企業のビジネスモデル事例
BtoB企業によくあるビジネスモデルの事例として、ここではMicrosoft・京セラ・intel・Amazonを挙げます。
Microsoft(マイクロソフト)
Microsoftは、主に企業向けのソフトウェアやクラウドサービスを提供しています。
一般向けにもモノやサービス提供していますが、Office 365などの月額サービス(もしくは従量課金サービス)を企業向けに提供して収益を得ています。
京セラ
京セラは、産業・自動車用の部品や半導体関連部品などを取り扱っています。
京セラは自動車は製造せずに、自動車メーカーに提供するための部品を製造しています。自動車の製造工程には部品は不可欠です。さまざまな部品の製造会社が、自動車メーカーに対するBtoBのビジネスモデルであることがよくわかります。
intel(インテル)
intelは、パソコンに必須で搭載される半導体を製造している企業です。Dellなどのパソコンメーカーに対して半導体を提供して成り立っています。
Amazon(アマゾン)
AmazonはEC事業からBtoCのビジネスモデルと思われがちですが、実はAWSというクラウドサービスを月額+従量課金で企業向けに提供しており、大きな収益の柱になっています。
今やインフラとしての役割が大きくなっています。AWSのトラブルが起こると、私たちに身近な決済サービスが遅延したり、決済ができなくなる原因になることもあります。
BtoBのビジネスモデルを成功させる5つのポイント
BtoBのビジネスモデルを成功させるために必要なポイントを紹介します。これらを意識し、行動に反映することで、成功の確率を高められます。
- 見込み顧客のニーズを知る
- 競合分析して違いや強みを可視化する
- 顧客と信頼関係を築く
- 適切なタイミングで適切な商品やサービスを提供する
見込み顧客のニーズを知る
見込み顧客のニーズとは、なぜそのモノやサービスがその顧客に必要なのかを意味します。また顧客本人も意識しない潜在ニーズもマーケティングによって明らかにすることも可能です。
まず、見込み顧客のニーズを知ることで、今の顧客の課題を解決するソリューションとしてモノやサービスを提供できる形を作ることが大切です。積極的に顧客のニーズを調査して把握するようにしていきましょう。
▼顧客目線から自社の商品・サービスを分析し、顧客のどのような課題を解決できるのか可視化するには「4C分析」が有効です。こちらの記事も参考にしてみてください。
→4C分析とは? 4P分析・3C分析・SWOT分析との違い
競合分析して違いや強みを可視化する
競合にはない、独自の強みを見つけておくことは重要です。他にはない自社の特徴を明確にして提示することで、営業や商談時に魅力をわかりやすく伝えられます。
他社との違いを明確化できてなかったり、可視化できてないと、なかなか選んでもらえません。他との違いや強みを競合と比較して、顧客にわかりやすく伝えることが重要です。
関連記事:競合分析とは? フレームワークを活用したやり方とおすすめツール
顧客と信頼関係を築く
顧客との信頼関係は、従来において営業担当が顧客との関係を少しずつ育てていくものでした。
近年ではBtoBのマーケティングを導入し、コンテンツマーケティングやインサイドセールスといった営業以外のチャネルを使用することで、信頼関係を築き、営業活動をスムーズに進めることが可能です。このように、見込み客に興味や関心を高めるようなアプローチを行い、顧客化していく取り組みをリードナーチャリングと呼びます。
関連記事:リードナーチャリングとは?見込み顧客を育成し営業効率を上げる手法
適切なタイミングで適切な商品やサービスを提供する
ニーズが明らかになったとしても、担当する部署にてしっかりと予算を確保し、購入できる環境を整えていないと、受注に結びつかないことが多々あります。顧客の予算が今どういう状況であるか、どのタイミングでの提案が最適なのか、ということをきちんと抑えることで成功率が高まります。
顧客にヒアリングし、顧客にとって自社サービスを提案すべきタイミングかを見極める部隊としてインサイドセールスを導入するのもおすすめです。
関連記事:→インサイドセールスのやり方解説!成果最大化のコツとは【入門編】
キーマンをおさえる
BtoBマーケティングで重要なポイントとなるのが意思決定者(キーマン)です。
キーマンは企業の購買に大きな影響を与えるため、おさえておく必要があります。大企業の場合、意識決定権が会社の役員や担当部署の部長というケースが一般的ですが、中小企業の場合は社長自らが意思決定者となっているケースが珍しくありません。
キーマンを確実におさえて訴求していくことで、着実に商談を進められるのです。
BtoBマーケティングの流れ~購買プロセスに基づくアプローチ~
BtoBビジネスでの購買プロセスを踏まえると、BtoBマーケティングは大きく4つのステップに分けることができます。
- マーケティング戦略の設計
- リード獲得
- リード育成
- リード分類
それぞれの段階で適切な施策を実行することで、顧客を成約まで導くことが可能です。以下では、それぞれのステップについて詳しく説明します。
関連記事:BtoBマーケティングとは?マーケターが教えるBtoCとの違いと成功事例
1. マーケティング戦略の設計
BtoBマーケティングに取り組む最初のステップは、マーケティング戦略の設計です。この段階で決めておくべきこと、用意しておくべきものは以下の通りです。
- 目標設定:受注目標を定め、そのために必要なKPIを明確にします。具体的な目標期間(半年~1年)を決めることも重要です。
- ターゲットの設定:自社の製品やサービスを購入する企業や、その課題を明確にします。
- 自社の強みを把握:3C分析を活用して、自社の競争優位性を洗い出します。
- Webサイト制作:集客に必要なWebサイトを制作し、コンテンツを準備します。
- マーケティング施策の決定:リソースに応じたマーケティング施策を計画します。
戦略の設計はマーケティング全体に影響を及ぼすため、この段階でしっかりとした基盤を築くことが重要です。
関連記事:BtoBマーケティングにおける「KPI設計」とは?フェーズごとの具体例を紹介
関連記事:ペルソナシートの作り方|情報収集や項目設定から丁寧に解説【無料テンプレート付き】
関連記事:BtoBサイトの役割と制作方法とは?マーケターが解説!
2. リード獲得
次の段階は、リード(見込み顧客)の獲得です。Webサイトへの集客とコンバージョン(CV)の促進を行います。
- Webサイトへの集客:SEO、Web広告、SNS、展示会など、オンライン・オフラインの様々な手法を活用して、見込み顧客をWebサイトに集客します。この際、集客チャネルごとのパフォーマンスを分析し、リソースの最適配分を行うことも重要です。
- CV促進:集客した見込み顧客に対して、ホワイトペーパーのダウンロードやサービス資料の請求といった行動を促し、顧客情報を取得します。
集客からCVまでの流れを最適化することで、多くのリードを効果的に獲得できます。
関連記事:リード獲得とは?見込み顧客を増やす方法一覧。始め方~ナーチャリング方法まで解説
3. リード育成
リードを獲得した後、そのリードを育成(リードナーチャリング)する段階になります。見込み顧客と継続的に接点を持ち、企業や商材への興味関心を高めます。見込み顧客と接点を持つ方法としては、メールが一般的です。
- メールマーケティング:セミナー案内やホワイトペーパーの情報などをメールで提供し、顧客の関心を引き続けることで、リード育成を進めます。パーソナライズされたメールコンテンツや、セグメント化したリードに合わせたメール施策を行うことで、より高い関与が期待できます。
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MAツールの活用:リードを管理し、定期的にメール配信を行うために、MAツールの導入が有効です。自社の規模やリソースに合わせたツール選定が重要です。
見込み顧客との継続的なコミュニケーションが成約に向けた道筋を作ります。
関連記事:リードナーチャリングとは?見込み顧客を育成し営業効率を上げる手法
関連記事:【2024年】最新のMAツール10選!ツールでできることや比較ポイント
4. リード分類
リード育成が進むと、次はリードを分類(リードクオリフィケーション)するフェーズです。購買意欲の高い顧客を特定し、商談に繋げます。
- リードの分類:MAツールで顧客の行動を分析し、資料ダウンロードや特定の行動を取った顧客を特定し、アポイントメントを打診します。
- リードの品質の定期的な見直し:営業部門と協力し、どのようなリードが商談・受注につながりやすいのかという品質を定期的にチェックすることで、セールスチームの効率を最大化します。
効果的なリード分類により、営業活動の成果を最大化することができます。
関連記事:リードクオリフィケーションとは?進め方と失敗しないコツ
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BtoCとの違いを理解してBtoBビジネスを加速させよう
BtoBとBtoCでは、力を入れるべきポイントがまったく違います。BtoBビジネスをBtoCビジネスと同じ感覚でやっていると、うまくいきません。
BtoBビジネスに取り組むのであれば、BtoBマーケティングの基礎知識を把握し、成功するポイントに沿って、自社ではどうするべきなのかを考えておく必要があります。
この記事がBtoBのビジネスの成功に貢献できれば幸いです。
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