マーケティングの効果測定とは?重要指標と測定方法・改善方法を解説【成功事例あり】
こんなお悩みをお持ちではありませんか?
「マーケティング活動が売上にどう貢献しているのか、うまく証明できない」
「施策の効果をどう評価すればいいのか分からない」
「KPIは設定しているものの、具体的な改善につなげられていない」
マーケティングの効果測定は、施策の成果を高めるだけでなく、マーケティング部門の価値を社内にしっかり伝え、経営へ貢献していることを示すためにも重要です。
そこで本記事では、目的に応じた2つのマーケティング効果測定の方法を解説します。
- マーケティング部門全体の効果測定
- Webサイト・広告・セミナーなど、個別施策の効果測定
効果測定で押さえておきたい重要指標や、具体的な測定方法、結果をどのように改善アクションにつなげるかまで詳しくご紹介します。
また、実際に効果測定を活用して社内評価を向上させたり、予算確保につなげた成功事例もご紹介しますので、ぜひ自社のマーケティングにお役立てください!
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マーケティングの効果測定とは?重要指標も解説
マーケティングの効果測定とは、実施した施策がどの程度の成果を上げたかを評価し、次のアクションを決定するまでの一連のプロセスを指します。
効果測定の目的によって、見るべき指標や評価の観点は異なり、大きく2つのケースに分けられます。
- マーケティング部門全体の効果測定
- Webサイト、広告、セミナーなど個別施策の効果測定
マーケティング部門全体の効果測定とよく使われる重要指標
マーケティング活動が企業の売上や成長にどの程度貢献しているかを確認し、予算や人員配置を最適化するための効果測定です。経営陣にマーケティングの成果を示したり、意義を説明することで、稟議を通す説得材料にもなります。
ここからは、マーケティング部門の活動全体の効果測定で見るべき重要指標を紹介します。マーケティング部門のKPIに設定されることも多い指標です。
ROI(投資収益率)
マーケティング活動にかけたコストに対して、どれくらいの利益が得られたかを把握するための指標です。投資に見合った利益を生み出しているかどうかを判断できます。
ROI=利益(売上-マーケティングにかかった費用)/マーケティングにかかった費用×100(%) |
CAC(Customer Acquisition Cost、顧客獲得単価、顧客獲得コスト)
新規顧客を1人獲得するのにかかったコストのことです。こちらは低ければいいというものではなく、新規顧客を理想の費用対効果で獲得できているかを把握するための指標になります。
似た言葉としてCPA(顧客獲得単価、Cost Per Acquisition)があります。CPAが広告やプロモーション単位でかかった費用における費用対効果を示すのに対し、CACは事業単位でかかった費用全体で費用対効果を示す点が異なりますので注意しましょう。
CAC=マーケティングにかかった費用/新規顧客数 |
関連記事:顧客獲得コスト(CAC)とは? BtoBビジネスでの活用ポイントと運用・計算方法
LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)
一人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益の総額のことです。製品やサービスの継続率や客単価が上がると、顧客生涯価値もその分高くなります。
顧客生涯価値=平均購入単価 × 購入頻度 × 顧客維持期間 |
ユニットエコノミクス(Unit Economics)
顧客企業1社あたりの収益性を示す指標で、サブスクリプション型のビジネスでよく見られています。以下の計算式で求められます。
ユニットエコノミクス=LTV(顧客生涯価値)/CAC(顧客獲得単価) |
ユニットエコノミクスの健全な状態はLTVがCACの3倍以上(LTV/CAC>3)であるとされています。
【なぜ「3」以上がいいのか?】
CAC(顧客獲得単価)がどのくらいの期間で回収されるかを考えるとわかりやすいです。
CACの回収期間=CAC/顧客の平均単価
つまり、
CAC=顧客の平均単価 ×CAC回収期間
となります。
この式をユニットエコノミクスの計算式に適用すると、LTV/CACは以下のように導き出せます。
LTV/CAC= (顧客の平均単価/チャーンレート)/(顧客の平均単価×CAC回収期間)
この式を整理すると、
LTV/CAC = 1/(チャーンレート × CAC回収期間)
です。
例えば、CACの回収期間を12ヶ月、月間チャーンレートを3%(0.03)と仮定すると、以下の通りになります。
LTV/CAC = 1/ (0.03 × 12) = 2.8
つまり、一般的にLTV/CACの値が3以上であれば、顧客獲得コストを1年以内に回収できると判断できるのです。
ブランド認知度
顧客がどの程度ブランドを認識しているかを測定する指標です。主にアンケート調査で算出します。
個別施策の効果測定とよく使われる重要指標
Webサイト・広告・セミナーなど、各施策が設定した目標を達成したかを評価し、改善につなげるための効果測定です。
重要なのは、「施策が成功した要因は何か」と「うまくいかなかった原因や課題は何か」を明確にし、次回の施策に活かすことです。施策を最適化しながらマーケティングの成果を高めていくことができます。
- Webサイト:セッション数、コンバージョン率、直帰率など
- 広告:表示回数、クリック率、コンバージョン率、ROASなど
- メール:配信メールの到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率など
- セミナー:参加者数、アンケート結果、商談化率など
個別施策の効果測定について、詳しくは下記の記事をご確認ください。
→Webサイト運営のKPI設定方法とは?事例を交えてご紹介!
→コンテンツマーケティングのKPI設定方法とは?効果的な運用方法も紹介
→メールマーケティングを成功させるには?効果測定と改善のための指標4つ
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マーケティングの効果測定の流れ
マーケティングの効果測定の流れは、「マーケティング部門全体の効果測定」と「個別施策の効果測定」のどちらの場合でも変わりません。
以下の流れを継続的に回していくことで、マーケティングの勝ち筋を見つけ、効果を最大化していくことができます。改善を重ねることが成功の鍵です。
- 目的を明確にする
- KGI・KPIを設定する
- KGI・KPI達成のための戦略・施策を決める
- マーケティングを行う
- 効果測定を行う
- 改善策を検討する
1. 目的を明確にする
まず、マーケティング活動の目的を明確に設定しましょう。
部門全体の目的と各施策の目的を明確に設定することで、適切な効果測定と改善につなげることができます。目的が不明確なまま施策を進めると、成果の判断基準が曖昧になり、効果測定ができなくなってしまいますので注意してください。
■マーケティング部門全体の目的
マーケティング部門が会社の成長にどのように貢献するのか、その役割を言語化します。
例)新規顧客の獲得、売上の向上(マーケティング施策による売上貢献の最大化)
■個別施策の目的
マーケティング部門全体の目標を達成するために、どのような役割の施策が必要かを考えてみましょう。すでに施策が決まっている場合は、マーケティング部門全体の目標を達成するために、各施策が果たす役割を定義しましょう。
例)特定ターゲット層のリード獲得、認知度の向上(潜在層へのリーチ拡大)、リードの育成、商談化率の向上
2. KGI・KPIを設定する
目的達成のためのKGI(最終目標)と、その進捗を測るKPI(中間指標)を設定しましょう。
例)
- KGI(重要目標達成指標):最終的なゴール(例:月間売上1,000万円達成)
- KPI(重要業績評価指標):KGI達成に向けた中間指標(例:週次リード数100件獲得、商談化率20%など)
KGIは多くの企業で「受注」を設定することが一般的です。この場合、必要な受注数から逆算して、新規リード数を計算し、適切なKPIを設定します。
下記の記事でやり方をご紹介しておりますので、参考にしてみてください。
→BtoBマーケティングにおける「KPI設計」とは?フェーズごとの具体例を紹介
■関連資料:自社のマーケティング目標を決められるKPI設定シート
3. 戦略・施策を決定する
KGI・KPIを達成するために必要な戦略と、それを実現するための施策を設計します。
例
- 目的:新規リードの獲得、認知度の向上、認知度の向上(潜在層へのリーチ拡大)
→オウンドメディアの運営(例:SEO記事の投稿、ホワイトペーパーの配布)- 目的:特定ターゲット層のリード獲得
→広告施策(例:各種Web広告の運用)- 目的:リードの育成、商談化率の向上
→ナーチャリング施策(例:メールマーケティング、セミナー集客)
施策の選定時には、「費用対効果(ROI)」「リソースの最適配分」「実行の難易度」を考慮することが重要です。
詳しいマーケティングの戦略設計のやり方や施策の選び方・進め方については、こちらの記事を参考にしてみてください。
→Webマーケティング戦略に必要な考え方とは?フレームワークと具体的な手法
4. 施策を実行する
計画した施策を実行に移します。
この際、各施策の進捗や成果をリアルタイムでモニタリングする体制を整えることが重要です。そもそもデータを収集できない場合、施策をやっても効果が分からなくなってしまいます。効果測定のためにすべきことは大きく3つです。
(1)データを収集する環境を整える
Google Analyticsなどのサイト分析ツール、MAツール、SFAツールなど、各種データ管理ツールを活用できるようにしましょう。新規で導入する際は、担当者が使いこなせるツールを導入するように注意してください。
(2)モニタリング項目を明確にする
「チャネル別に獲得した新規リード数がみられるか」「新規リードと既存リードの区別はついているか」など、モニタリングしたい数字を見られるように設定しておきましょう。
(3)データ収集の担当者を明確にする
各施策の担当者がデータを収集するのか?データ収集の担当者を置くのかなど、データを正しく計測し、共有できる体制を整えておきましょう。
5. 効果測定を行う
効果測定は「個別施策の効果測定」と「マーケティング部門全体の効果測定」に分けて行います。
■個別施策の効果測定
- KPIの達成度を確認し、想定とのギャップを分析
- 定期的なミーティングで改善策を議論(週1回のデータ共有推奨)
マーケティングチーム内で週1回程度の頻度で定期ミーティングを行い、KPIと実績の乖離を確認します。そして、その原因を明らかにし、改善策を話し合います。
原因を探るために必要なデータが不足していることも多々あるでしょう。その場合は多方面から施策に関連するデータを見ていきます。
■マーケティング部門全体の効果測定
- ROI(投資対効果)やCAC(顧客獲得単価)などの指標を活用し、投資効率を評価
- 経営層向けに成果報告を行う
マーケティング責任者が部長会議や経営会議で報告を行う際には、施策ごとの効果測定だけでなく、「マーケティング施策に投じたコストに対して、どれだけの成果を生み出したのか」を示す必要があります。
ROIやCACなどの指標を活用することで、マーケティング活動がどの程度会社の成長に貢献しているのかを明確に伝えられ、経営層の理解や支持を得やすくなります。社内評価の向上やさらなる予算の確保につなげるために欠かせない見せ方です。
6. 改善策を検討・実施する
効果測定の結果をもとに、改善策を検討し、実行します。
- パフォーマンスの低い施策は調整またはやめる
- パフォーマンスの高い施策は強化し、次のマーケティング施策に反映する
これが基本方針です。PDCAサイクルを高速で回し続けることで、マーケティング施策の精度を高めていきましょう。
具体的な改善策については次章で詳しく解説します。
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マーケティングの効果測定結果を活用した改善アクション
マーケティングの効果測定結果をもとに、次の改善アクションを決定する方法について詳しく解説します。
基本の方針は「パフォーマンスの低い施策は改善または縮小・やめる」「パフォーマンスの高い施策は強化し、次のマーケティング施策に反映する」です。
- パフォーマンスの低い施策の改善
- パフォーマンスの高い施策の強化
- 新規施策の検討
パフォーマンスの低い施策の改善
思ったような成果が出ない施策やROI(投資対効果)が低い、低パフォーマンス施策については、まず改善策を検討しましょう。
効果が出ない原因は一つとは限らず、複数の要因が絡み合っている可能性があります。そのため、マーケティング施策の最適化は短期間で成果が出るものではなく、継続的な分析と試行錯誤が必要です。この点を踏まえ、焦らず改善に取り組むことが重要です。
ただし、社会情勢の変化や競合の台頭など、外部環境により改善の見込みがないと判断できることもあります。その場合は、規模を縮小したり、施策自体をやめて、より成果の伸びしろのある他の施策にリソースを割くことを検討してください。
▼よくある改善パターンをいくつかご紹介します。
オウンドメディア施策の改善例
記事の流入が少ない→検索順位が低い場合、SEOリライトを行う。そもそも検索ボリュームに見合わない流入目標を立てている場合はKPIを見直すか、キーワード選定を見直して、より流入を見込めるキーワードの記事を作成する。
CVRは低い→記事に設置しているホワイトペーパーが記事の内容と関連しているかを確認する。関連が低い場合はCVポイントを見直す。関連性に問題ない場合は、記事内のCVポイントを増やす
広告施策の改善例
広告のCTRが低い→広告クリエイティブやターゲティングを見直し、より適切な訴求を検討する。
広告LPの直帰率が高い→適切なターゲットが集客できているか確認する。ターゲティングに問題ない場合は、デザインやメッセージを改善する。
▼本ブログでは様々な改善策をご紹介しております。ぜひ探してみてください。
→CVR改善の打ち手を解説!マーケティング施策の見直しに。サイト・LP・広告・フォームなど
→【プロ直伝】BtoBのサイト改善をするには?CVR向上のためのチェックリスト
→成果の出ないホワイトペーパーを作り直す!CVを2.5倍にしたferret Oneの改善事例
→メルマガでセミナーの集客率をアップするには?マーケターが伝える活用に役立つコツ
パフォーマンスの高い施策の強化
ROI(投資対効果)が高い施策やリードを多く獲得できている施策など、高パフォーマンス施策はさらなる拡大を目指しましょう。具体的には、以下のようなアクションが例として考えられます。
-
予算の増加
成果が出ている広告やコンテンツの配信量を増やし、さらなる効果を狙う。 -
ターゲットの最適化・拡張
現在商談化率・受注率の高い顧客層をコアターゲットとする。
現在のターゲット層に類似する新たなターゲットグループを開拓し、リーチを拡大する。 -
成功施策の横展開
効果のあったコンテンツやキャンペーンを、別のチャネルや市場に展開する。
新規施策の検討
既存施策の成果が頭打ちになった場合、新しいマーケティング戦略・施策を立案することも方法の1つです。
個別施策でいうと、今まで出稿していなかった広告媒体を検討したり、SNS投稿や動画共有サイトで動画配信を始めたりなどの新規施策を始めるというものです。
マーケティング活動全般でいうと、コアターゲットの見直しというのも考えられます。
このように新規施策を検討する際に失敗しないためには、テストマーケティングを実施の上、本格始動するのがおすすめです。小規模で新規施策を実施し、データを収集・分析、テスト結果をもとに、成功が見込める施策を拡大していく流れです。
この際、すでに成功している競合他社の事例を参考にするといいでしょう。
マーケティングの効果測定で勝ちパターンを作る方法
マーケティングの効果測定から「どの施策が成功しやすいのか?」という勝ちパターンを確立する方法を解説します。継続的な成果を生み出すために欠かせない作業です。
- 勝ちパターンを見つける
- 勝ちパターンを再現・拡張する
- 勝ちパターンのノウハウから、マーケティング戦略をアップデート
1.勝ちパターンを見つける
マーケティングの勝ちパターンを作るためには、まず「成果を上げた施策」と「うまくいかなかった施策」を比較し、傾向を分析することが重要です。
(1)施策の成功要因を分解する
いくつかの「成果を上げた施策」を分析し、共通点を見つけ出しましょう。例えば、以下のような視点で考察できます。
- ターゲット:どの層のリードが最も商談化・受注につながったか?
- チャネル:どの集客チャネル(広告、オウンドメディア、SNSなど)が最も効果的だったか?
- コンテンツ:どのコンテンツ(記事、ホワイトペーパー、動画など)のCVRが高いか?
- メッセージ:どの訴求軸(価格訴求、事例紹介、機能説明など)が最も反応を得られたか?
- タイミング:どのタイミングで配信・実施した施策が最も反応を得られたか?
(2)施策ごとの目標(KPI)と実績を整理する
施策ごとに目標(KPI)と実績を整理し、データにもとづいた分析を行います。
下記のようにデータを整理することで、何が勝ちパターンにつながるのかを明確にできます。
例
施策
目標 結果 成功要因/失敗要因 改善策ホワイトペーパー
ダウンロード数100件 120件 〇 記事の訴求内容とターゲットのマッチ フォーム項目の最適化SNS広告
CTR3% 4.5% 〇クリエイティブのマッチ、ターゲットの精査
別媒体や検索広告などにも横展開する ウェビナー 商談化率10% 5% × 集客は成功したがターゲットがズレた ターゲットの見直し メールマーケティング 開封率20% 15% × 件名の最適化が不足 パーソナライズした件名に変更
2. 勝ちパターンを再現・拡張する
成功要因が明確になったら、そのパターンを再現し、さらに別の施策にスケールさせることが重要です。
(1)勝ちパターンを他の施策へ横展開
施策の成功パターンを他の施策に横展開することで、再現性の高い成功施策を実施できます。
例)「ホワイトペーパーAがリード獲得に成功した」場合、そのコンテンツの訴求軸やフォーマットを他のコンテンツにも適用できます。
- 記事のCTA最適化:成功したホワイトペーパーを他の人気記事にもCTAとして設置
- 広告展開:LPやバナー広告にホワイトペーパーのメッセージを活用
- メルマガ:メルマガでも配信する
例)「SNS広告のAバナーのCTRが高く、リード獲得にも成功した」場合、その広告のターゲット設定や訴求を別の広告媒体にも横展開できます。
- 広告展開:検索広告や他の広告媒体でも配信する
- セミナー:成功したターゲットと訴求の組み合わせをもとに新しいセミナーを企画する
(2)継続的にブラッシュアップ
勝ちパターンが見えたら、その効果をさらに高めるために、ブラッシュアップを行います。手法の例は以下の通りです。
-
A/Bテスト
クリック率やコンバージョン率の高い要素を特定し、最適なバージョンを導き出す。(例:異なるCTAボタンの色や文言をテストし、どれが最もCVRが高いか分析) -
ユーザーインタビュー
施策に対するターゲット層の反応を直接ヒアリングし、改善点を明確にする。(例:顧客に対して課題感や既存コンテンツの分かりやすさをヒアリング) -
ヒートマップ分析
WebサイトやLPのどの部分が注目されているかを視覚的に確認し、UI/UXを最適化。(例:クリックされていないエリアを改善し、CTAボタンの配置を変更) -
競合分析
競合の成功施策を調査し、ベストプラクティスを取り入れる。(例:競合サイトのトラフィック増加要因を分析し、同様のSEO施策を取り入れる)
3. 勝ちパターンのノウハウから、マーケティング戦略をアップデート
成功した施策のデータがある程度蓄積されたら、それをもとに施策全体の戦略を見直す機会を作ることも重要です。マーケティングの勝ちパターンをもとに、新たな戦略の開発を進めることで、持続的な成長につなげることができます。
(1)施策の優先順位を見直す
成功した施策の共通点を分析し、より費用対効果の高い施策を見つけ、優先順位を見直します。
- ROIに基づく施策評価:成果の高かったチャネルを優先し、投資配分を最適化。
- コンバージョン率の分析:最も商談につながった施策を強化。
- ターゲットの見直し:最も受注につながったターゲット層に焦点を当てる。
(2)新規施策の可能性を検討する
既存施策の成功要因を応用し、新規施策を展開するかどうかを検討します。
- 関連性の高いチャネルへの展開:成功した広告フォーマットを別の媒体で試す。
- パーソナライズの強化:顧客データを分析し、ターゲットごとに最適化された施策を設計する。
- マーケットトレンドの活用:最新の市場動向を取り入れた新規施策をテスト的に行う。
(3)マーケティングロードマップを調整する
マーケティング活動の成果に応じて、年間または四半期の施策計画を見直し、予算・人員の配分を最適化する。
- 施策のスケールアップ:成果が出た施策をさらに拡大。
- 実施タイミングの最適化:施策の効果が高まる時期を特定し、年間計画を調整。
- リソース配分の見直し:成果が低い施策にかけるリソースを削減し、成長施策へ再投資
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マーケティングの効果測定に役立つツール
マーケティングの効果測定に役立つツールをご紹介します。
マーケティング部門全体の効果測定に役立つツール |
SFA・CRMツール |
個別施策の効果測定に役立つツール |
アクセス解析ツール SEO分析ツール ヒートマップツール 広告分析ツール MAツール |
SFA・CRMツール
SFA・CRMツールは、営業活動の進捗や顧客の反応を記録し、商談情報を蓄積できるツールです。リード数、商談数、案件数、受注数といったマーケティングと営業部門共通のKPIを可視化できるため、売上に関わる活動全般の効果測定に活用できます。
効果測定できる主な施策
マーケティング・営業活動全般(KPIの可視化が可能)
主な機能
- リード数、商談数、案件数、受注数などの実績管理
- 顧客情報・案件情報・予算実績情報の管理
- 各種レポートの作成
ツールの例
Salesforce、Mazrica Sales
関連記事:MA・SFA・CRMの違いとは?各ツールの特徴と連携するメリット
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは、Webサイトのアクセス数や遷移率、直帰率など、Webサイト上のユーザー行動を可視化するツールです。Webサイトと連携させることで、自社のWebサイトの効果測定ができるようになります。(ただし、商用CMSの場合は、ツールを導入しなくても管理画面上で確認できるものもあります。)
効果測定できる施策
オウンドメディア運営などWebサイトを活用するマーケティング施策
主な機能
- 訪問者数・ページビュー数の計測
- Webサイト上のユーザーの行動パターンの可視化
- Webサイト経由のCVR(コンバージョン率)の可視化
ツールの例
Google Analytics、AIアナリストなど
関連記事:ホームページのアクセス解析で分かることとは?改善策とツール5選
関連記事:【プロ厳選】Webサイト分析ツール20選!主な機能や種類紹介
SEO分析ツール
SEO分析ツールは、SEO施策に必要な情報を集めることができるツールです。投稿した記事の効果測定や、今よりもオーガニック流入を増やす余地があるのかを見極めるのに活用できます。
効果測定できる施策
SEO
主な機能
- 検索順位の計測
- 流入キーワードの調査
- 検索ボリュームの調査
ツールの例
Googleサーチコンソール、Ahrefs、ミエルカSEO
ヒートマップツール
ヒートマップツールは、Webページ内のユーザー行動を可視化するツールです。ユーザーがページをどこまでスクロールしたのか、どの部分がよく閲覧されているのか、どこをクリックしたのかを把握できるため、Webサイトのデザインや見せ方の効果検証に活用できます。
効果測定できる主な施策
オウンドメディア運営やLPOなどWebサイトからのCVR改善を行うマーケティング施策
主な機能
- ユーザーがスクロールした箇所の可視化
- ユーザーがクリックした箇所の可視化
- カーソルの動きの可視化
ツールの例
Ptengine、User Insightなど
関連記事:ヒートマップツールの分析の必要性とは?Webサイト運営における活用方法
広告分析ツール
Web広告の効果測定は、各広告媒体の管理画面を通じて主要な指標を確認できるため、必ずしも専用ツールを導入しなくてもデータの収集・管理は可能です。
しかし、複数の広告媒体を横断して指標を一元管理したい、広告パフォーマンスをより詳細に分析したいといった場合は、広告効果測定に特化したツールの導入を検討すると良いでしょう。
効果測定できる主な施策
広告施策
主な機能
- 広告のインプレッション、クリック率などの計測
- 広告ごとのパフォーマンスの可視化
- 複数の広告媒体の一元管理
ツールの例
Google広告、Meta広告マネージャーなど広告媒体の管理画面、アドエビス(AD EBiS)
MAツール
MAツールは、獲得したリードの情報を蓄積し、ナーチャリングに活用できるツールです。ナーチャリングに欠かせないメールマーケティングの効果測定に活用できます。
効果測定できる主な施策
メールマーケティング
主な機能
- メーリングリストの作成・一斉送信
- メールの到達率や開封率、メール内のCTAのクリック率などの計測
- ユーザー行動の検知
ツールの例
Marketing Cloud Account Engagement、Hubspot Marketing hub、ferret One forMA
関連記事:【2025年最新】MAツール比較10選!基礎知識から選び方までまるっとわかる
効果測定を成功させる実践ポイント
ここまで、マーケティングの効果測定についての基本的な知識や手法をお伝えしてきました。
本章では、実践する際に意識しておきたいポイントを解説します。現場で起こりうる課題を未然に防ぎ、チャンスをしっかり活かすための重要なポイントです。ぜひチェックして、実践に役立ててください!
- 会社の目標にあった指標を設定して、部門の評価を上げる
- 担当者が使えるツールを活用する
- 定期的に分析と改善を行うには振り返りの機会を作っておく
- マーケティングと営業の連携を強化する
- SFA・CRMツールへのデータ入力を徹底する
会社の目標にあった指標を設定して、部門の評価を上げる
効果測定を行う際は、会社の目標につながる指標を設定するようにしましょう。
企業にとって欠かせない指標の一つが「売上」です。マーケティングの取り組みが売上に貢献していることを示せれば、部門の評価向上や予算の確保もしやすくなります。加えて、チームの士気にも良い影響を与えられるでしょう。
例えば、「認知度拡大」に成功したとしても、それだけでは売上との直接的な関連性を測るのは難しいです。そこで、新規リード数や商談数、受注数といった、売上に結びつく具体的な指標もあわせて設定するのがおすすめです。こうした指標を取り入れることで、マーケティングの成果をより明確に社内へ伝えやすくなります。
定期的に分析と改善を行うには振り返りの機会を作っておく
「効果測定をどのくらいの頻度で行えばいいのか?」と悩むこともありますよね。そんなときは、定期的なミーティングを設定し、会社やチームで結果を共有する機会を作るのがおすすめです。
一般的には、マーケティング部門全体の効果測定はチーム内では週1回、会社全体への共有は月1回というペースで行う企業が多いようです。
また、個々の施策の効果測定は、施策の種類や規模によって適切なタイミングが異なります。そのため、施策を実施する際に「どれくらいの期間で効果が出るか」「いつまで測定を行うか」を担当者と事前に決めておくと、振り返りがしやすくなります。こうした報告の機会を設けることで、施策を実施したまま放置してしまうのを防ぐことができます。
定期的な分析と改善を習慣化し、マーケティングの成果をしっかり確認していきましょう。
担当者が使えるツールを活用する
効果測定に使うツールは、担当者のスキルに合ったものを選ぶことが大切です。マーケティングの分析ツールには高機能なものも多く、導入しても使いこなせなければ十分に活用できません。せっかくの機能が活かせないのは、もったいないです。
そこで、ツールを選ぶ際は「どんな機能が必要か」だけでなく、「誰が使うのか」もセットで考えることをおすすめします。ツール導入の商談には、実際に使う担当者も同席してもらい、操作感や活用のしやすさを確認しましょう。
マーケティング部門と営業部門の連携を強化する
マーケティング活動で新規リードを増やし、売上を伸ばすためには、リード獲得から受注までの流れのどこに課題があるのかを把握することが大切です。そのためには、マーケティング部門と営業部門がしっかり連携することが欠かせません。
まずは、両部門で定期的に情報を共有する場をつくることから始めてみましょう。例えば、月に1回のミーティングを設け、リードの質を評価したり、改善点を話し合ったりするのがおすすめです。
また、獲得したリードが適切に営業部門へ引き渡されなければ、商談につながらず、結果的に売上も伸びにくくなります。スムーズに連携できるように、日ごろからコミュニケーションをとるように意識しましょう。
組織にありがちな課題や解決方法について、こちらの記事で解説しておりますので、合わせてご覧ください。
→マーケティング組織とは?立ち上げ・運営方法を成功事例とともに解説
SFA・CRMツールへのデータ入力を徹底する
営業チームがSFA・CRMツールに商談情報を適切に入力しなければ、リード獲得後の成果を可視化することはできません。しかし、商談における担当者の所感や細かなニュアンスは自動入力が難しく、現場に負担がかかるケースが多いのも事実です。
そこで、「商談情報を可視化することで属人化を防ぎ、受注率を向上させる仕組みを作る」という意義を社内に浸透させることが重要です。データ入力のメリットを理解すれば、営業担当者の意識も変わり、ツールの活用が進みやすくなります。
また、根本的な解決策としては、先にお伝えしたようなマーケティングと営業の連携を強化し、協力体制を構築することが不可欠です。これにより、情報共有がスムーズになり、ツールの定着率も向上します。
関連記事:マーケと営業の壁を崩す、仕組みとマインド - ferret Oneチームの場合
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マーケティングの効果測定による成功事例
当社「ferret」がご支援している企業様の中から、マーケティングの効果測定を活用して成果を上げた成功事例をご紹介します。
それぞれの事例から、どのように効果測定を活用すれば成果につながるのかを見ていきましょう。
- 【予算確保】獲得したリードの投資対効果を可視化し、予算確保に成功
- 【予算配分】マーケティングの効果測定を通じて、施策への最適な予算配分を決定
- 【社内承認】マーケティング施策の効果を可視化し、社内承認を獲得
獲得したリードの投資対効果を可視化し、予算確保に成功
アルー株式会社は、法人向けの社員教育研修を提供する企業です。
課題
同社では、経営陣の間で「新規開拓を強化するために、インサイドセールスとマーケティングの両方を強化すべきだ」という方針が決まりました。しかし、限られた予算の中でどちらにより比重をかけるべきか?という議論が持ち上がりました。
解決策
そこで、インサイドセールスのリードナーチャリングとマーケティングのリードジェネレーションのそれぞれの結果を受注者数、 1社当たり単価・粗利、CAC、CAC Payback Period、ユニットエコノミクスで算出し、比較する形で提示しました。
その結果、マーケティング部門のPayback Period(投資回収期間)が短いことが判明。これにより、「マーケティング施策を強化すれば、初年度で利益回収が可能である」ことを経営陣に明確に伝えることができ、最適な予算確保に成功しました。
※Payback Period:顧客企業 1件を獲得するのにかかった単価(CAC)と、月次の収益(MRR)を用いて算出される、投資回収期間のこと
参考:https://ferret-one.com/blog/btob-marketing-success-alue
マーケティングの効果測定を通じて、施策への最適な予算配分を決定
こちらもアルー株式会社の事例です。
課題
次年度の全社予算が縮小傾向にあり、マーケティング予算をどのような基準で各施策に配分すべきか悩んでいました。
解決策
そこで、限られた予算の中で最適な配分を決定するため、チャネル別の効果測定を実施しました。
1つ目の観点として、リード獲得数の推移を比較しました。
- カンファレンス:お金さえ出せばリード取れるので予算次第
- セミナー:若干右肩下がりなので予算増やすよりも能率を上げるべき
- Web:SEO中心のストック型なので、獲得リードが増える見込み
各施策を比較すると、Webの領域は拡大の余地があるのではないかと、論理立てていきました。
2つ目の観点として、KPIを比較しました。特にCAC Payback Periodをみて、投資が回収できるところに重点を置くべきだと判断しました。
この分析をもとに、最適な予算配分を決定し、効果的なマーケティング戦略の実行につなげました。
参考:https://ferret-one.com/blog/btob-marketing-success-alue
マーケティング施策の効果を可視化し、社内承認を獲得
株式会社キトーは、国内市場で60%以上のシェアを持ち、世界50カ国以上に販売網を展開するホイストメーカーです。
課題
同社では、マーケティング部門の立ち上げやWebサイトのリニューアルを進める中で、社内の承認を得ることが課題となっていました。
特に、「効果が見えにくい施策」に対する社内の懸念が大きく、マーケティングの重要性を十分に理解してもらうのが難しい状況でした。
解決策
そこで、施策の成果を数値で可視化することに注力しました。
具体的には、Webサイトのアクセス数やリード獲得数のビフォーアフターを示し、施策のインパクトをデータで説明。これにより、マーケティング施策の有効性を明確に伝えることができました。
このアプローチの結果、社内の意思決定者からの理解を得やすくなり、スムーズに承認を獲得できるようになりました。
参考:https://ferret-one.com/blog/btob-marketing-success-kito
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まとめ
マーケティングの効果測定は、大きく「マーケティング部門全体の効果測定」と「個別施策の効果測定」の2つに分けられます。
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マーケティング部門全体の効果測定
社内でのマーケティング部門の役割を強化し、十分な予算を確保するためには、活動の成果をデータで明確に示すことが大切です。マーケティング責任者として、事業成長への貢献を可視化し、経営層に納得してもらえるような根拠を示しましょう。 -
個別施策の効果測定
Webサイト運用、広告、セミナーなど、各施策の成果を最大化するには、PDCAをしっかり回すことが欠かせません。KPIを達成するためにも、データをもとに改善のポイントを見極め、次のアクションにつなげていきましょう。
本記事では、効果測定の具体的な手法や実践のポイントを紹介しました。ぜひ、自社の課題に合わせて取り入れ、マーケティングの精度を高めてみてください。
とはいえ、
「効果測定のやり方が分からない」
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と感じる方も多いのではないでしょうか?
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