BtoBマーケティングはCVR改善から!コンバージョンを増やす方法
BtoBマーケティングで成果を出すためにはまず、サイトのCVR(コンバージョン率)を高めるための施策を打ちましょう。サイトのCVRが低いままでほかの施策に手を付けても効果が出にくく無駄が多くなってしまうからです。
これまでの記事の中からCVRを高める施策について解説したものをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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→BtoBサイトのCVRを改善する15のチェックリスト
目次[非表示]
CVRとは?
CVR とはコンバージョンレートの略で「最終的な成果の割合」のことで、「顧客転換率」と表現することもあります。
訪問したユーザーのうち、サイト運営者の求めている行動を起こした割合を示した指数と言い換えられます。通常、サイト訪問をした全員のうち何人がコンバージョンにつながったかと考えますが、比較項目を細分化することも可能です。細分化することにより、具体的か問題点を見つけ、対策を考えることができます。
例を挙げるなら、サイト全体の訪問人数に対してそれぞれのページにどれだけの人が立ち寄っているかでしょう。ひとつのページが特出して高いCVR、または低いCVRの場合、そのページを参考にして他のページを改善、またはそのページ自体を修正をすることができます。
サイトを訪れてもらうことは大切ですが、企業にとって最大の目的はCVRにつなげるこでしょう。そのため、サイト運営者にとってCVRの数は非常に重要でアクセス解析の基本とも言えるのです。
CVRの計算方法と現在のCVRの確認方法
CVR(コンバージョン率)は、「コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション数)×100」で計算します。CVRが高いほど、サイトの運用が効率よく行えている証です。例えば二つのサイトがあったとします。
サイトAは、訪問者100人・CV(コンバージョン)10・CVR(コンバージョンレート)10%
サイトBは、訪問者10000人・CV(コンバージョン)600・CVR(コンバージョンレート)6%
A、B サイトを比較すると、 B の方が訪問者とCVが多いです。一見すると、B の方は問題がないように感じます。
しかし、CVRがAの10%に比べて、Bは6%と低い数値です。つまりBは、訪問者をCVに導くためのあと一歩が足りていないと推察できるでしょう。対してAは、訪問者数アップが達成できればCVも一緒に増えると考えられますね。
CVRは企業が設定しているゴールによって変化します。例えば、商品購入と無料お試し商品申し込みだと、購入は無料よりCVを低く、無料は購入より高く設定するのではないでしょうか。
このように実際の運営内容でCVRの数値設定は異なり、それぞれでCVRを活かすサイト改善点を見つけることが可能です。
CVRを確認するには一般的に「Googleアナリティクス」を使用します。Googleアカウントを持っている人はインストールのみで手軽に使用できる機能で、サイト訪問者の行動を確認してデータ分析に活用できます。滞在時間、ページビュー数、観覧ページ別、流入別など細分化されているので、目標に対して改善策を考えやすいでしょう。
なぜ優先度が高いのか?CVR改善の重要性
CV(コンバージョン)は「集客率×CVR」で求めることができ、Web サイトの運営を行うなかで大切なポイントとされています。
CVR(コンバージョン率)の高さを言い換えると、サイト訪問者の多くがコンバージョンにつながる行動をとっているということです。サイトを管理運営する際の目標数値として活用することができます。
せっかくサイトの改善を行うなら、顧客に有益なサービスとして受け入れられ、企業の利益向上も目指せると嬉しいですよね。
そもそも売上とは「集客×CVR×単価」三つの掛け合わせです。つまり、売上を向上させるためには、集客サイト流入数を増やす、CVRを上げる、客単価を上げるの三つの視点から改善策を講じる必要があります。たとえば、以下のような改善策です。
- 集客を増やすため、キャンペーンの開催や、費用をかけた広告出しを行う
- CVRを上げるため、コンバージョンを増加させるサイト改善を行う
- 単価を上げるため、高単価商品・サービスのおすすめ、またはサービス自体の値上げを行う
広告、キャンペーン、値上げを行う改善策は、予算の問題やユーザーの満足度を変化させてしまう可能性もあります。なかなかアクションしづらい対策ですよね。
CVRを増やす改善なら、お金をかけずともユーザーに寄り添う工夫が大切です。
BtoBマーケティング強化はCVR改善から
なぜCVR改善施策から注力すべきなのか、もう少し深掘りしてみましょう。
下の図はBtoBマーケティングのステップの流れを表しています。見込み顧客に製品やサービスを知ってもらう(認知)ことから始まり、最終的に継続利用してもらうことが目標です。
サイトを改善しようと思った場合、最初に手をつけるべきなのはどのステップとどのステップの間でしょうか?
答えは「サイト訪問」と「CV」の間、つまりサイトを訪れた見込み顧客のうち、より多くの人数にCV(コンバージョン)してもらえるように、サイト改善から始めるのが正攻法です。
CVRが低いサイトに頑張って集客するのは非効率ですし、資料やホワイトペーパーの内容をいくら充実させても、CVしないのでは見てくれる人がいません。まずは適切な確率でCVが発生するサイトにしなければ、無駄が多くなかなか成果が出ないのです。
BtoBマーケティングにおける改善施策は、CVに近いところから始めるのが鉄則です。
CVRが低くなってしまう3つの原因
CVR(コンバージョン率)が低くなる原因は何があるのでしょうか。ここからは、3つの原因を例に挙げて説明をしていきます。
Webサイトにユーザー目線が足りていない
制作したサイトが、企業にとって有益な内容やSEO対策をし過ぎて、単に情報を羅列しただけの文章や、過度な強調をしたコンテンツになっているとユーザーの行動を促しにくくなります。
競合が多いサービスや商品は独自性をユーザーに伝えられない、または過度な表現を用いた宣伝とサービスや商品の中身が一致しておらず敬遠されてしまうケースもあるのです。
ユーザーの目線からWebサイトを作り、求めている内容を提供できているか意識することが大切です。
ターゲットを絞れていない
情報を受け取って欲しいターゲットに合わせた場所で広告掲載できているか、広告と記事の内容は一致しているかを振り返ってみましょう。
魅力を感じた広告とリンク先のWebサイト内容や構成に一貫性がない場合、CVは得られません。広告を見て興味を持った内容が、訪れたサイトであまり説明してもらえないと、自分の解決したい問題に役立つのか曖昧さを覚えCVRは上がりにくくなってしまいます。
また、ターゲット層を広くしすぎたりターゲットの設定を間違えると、サイト訪問者は増加しますがCVは増えずCVRが低下します。そのため、ターゲットに合わせたキーワードで広告を作り、それに合った内容のサイト作成を行いましょう。
Webサイト内部の構造に原因がある
流入元やページごとのCVRに大きな差がなくサイト全体を通してCVRが低い場合は、サイトの構成自体に原因がある可能性があります。
サイト内の情報が多すぎると、ユーザーが求めている情報を見つけるまで時間がかかります。求めている情報がすぐに得られないとユーザーはサイトを出る確率が上がるのです。
内容がしっかりしているが、申し込みボタンなどのコンバージョンポイントへ簡単にたどり着けないケースも改善点に挙げられます。
また、現在はスマートフォンやタブレットでサイトを見るユーザーも増えています。スマホで見やすいサイトになっているか、他のページへの移動はスムーズに行えるかなど、パソコン、スマホ両方の視点から使いやすさを追求する必要があるでしょう。
CVR改善のための手順
CVR(コンバージョン率)を改善させるために必要なのは、CV(コンバージョン)の確率を上げていくことです。つまり、ユーザーがCVをしたくなる誘導を取り入れたWebサイトにしていく必要があります。
CVRが悪いとは訪問者が多いのにCVをしていないということなので、サイトの内容に改善の余地があるということなのです。具体的な改善策をこれから5つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CVR改善施策① LP(ランディングページ)の作成・改善
LP(ランディングページ)は、サイト訪問者をダイレクトにアクションに結びつけることに特化したページです。
広告ごとに伝えたいメッセージを最適化し、広告からの着地点となるLP。他のページへの遷移を少なくするために1ページ内に情報を集約し、CV(Webサイトの最終的な成果)に直結させることを目的としています。
LPのCVR改善は、企業の成果に直結するため、優先度高く取り組みましょう。
BtoBの場合LPからのCVは「問い合わせ」「資料請求」「ホワイトペーパーダウンロード」などです。そこからアポ、商談につなげて初めて売上になります。BtoBのLPはゴール地点ではなく、商談へのきっかけ作りの場と考えておきましょう。
LPを改善する際は、ページのCVR(コンバージョン率)だけでなく、その後の商談化率、受注率までを見る必要があります。
まだ製品やサービスのLPを作っていない方、LPを作ってはみたけれど思うように成果が上がらない方は、まずはLP改善の解説記事を参考にLPの作成・改善から始めてみてください。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています
BtoBランディングページ改善のコツ!BtoCとの違いや基本構成、改善事例を紹介信頼を得ることができるLPに掲載しなければならない必須内容、ターゲットのシナリオに沿ったページ構成の作り方、ferret Oneのマーケティングチームが実際に取り組んでみたけれど成果が出なかったLP改善手法などを、図を交えてわかりやすく解説しています。
CVR改善施策② コンテンツ強化
製品やサービスを慎重に検討する傾向があるBtoBでは、サイト内のコンテンツ強化も重要です。サイトを訪問した見込み顧客はコンテンツを見ながら「この企業はどのような知識・ノウハウを持っているのか」「この製品・サービスは信頼できそうか」などを見極めます。
サイト訪問者は、まだ悩みや課題が明確になっていない潜在層、課題が明確で解決できるサービスを探しているがまだ決定していない顕在層などさまざまです。コンテンツを閲覧して検討しながら、最終的に「このサービスを使いたい」と意識している明確層へ変化していってもらうのが目標です。
上記のプロセスの中でどこがボトルネックになっているのかを分析し、そのプロセスを進めるのに適したコンテンツを強化しましょう。
潜在層→準顕在層のプロセスを進めるためには、お役立ち記事やニュース記事などの多くの人が興味を持つコンテンツで接触機会を増やすのがおすすめです。準顕在層→顕在層のプロセスを進めるには、ホワイトペーパーやセミナーでより専門的な知識やノウハウを提供するといいでしょう。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています
BtoBマーケティングの効果を高める「コンテンツ強化」とは?ferret Oneでの取り組みも紹介!自サイトの状況に合ったコンテンツを拡充していきましょう!
CVR改善施策③ EFO(エントリーフォーム最適化)
EFO(Entry Form Optimization)はエントリーフォーム最適化、つまり問い合わせや資料請求の申し込みを受け付けるフォームを最適化してCVRを高める施策のことです。
問い合わせをしようと思って問い合わせフォームまで行ったものの、フォームがわかりづらく余計なことまで入力させられるのが面倒で、問い合わせをやめてしまった経験はないでしょうか。不要な項目を削って入力項目を減らし、ユーザーの負担を軽減することはEFOの基本です。
かといって、減らせば減らすだけよいというわけではありません。項目を減らして入力を楽にすれば確かにCVRは上がります。しかし重要なヒアリング項目まで削ってしまうと、CV後の案件化率や商談の進行に影響する可能性があります。バランスをとりながら最適解を探っていかなければいけません。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています
BtoBマーケティングのEFOで、CVRだけを見てはいけない理由BtoBのフォームに必要な項目やEFOにおける注意点、資料ダウンロードの場合・スマホの場合などのケース別のEFO施策などを掲載しています。
ferret Oneで実際にエントリーフォームの項目数を減らしたり増やしたりしながら実験をした際の実例もご紹介しているので、流入はそれなりにあるのにフォームからの離脱が多くてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください!
CVR改善施策④ ABテスト
主にサイトのクリエイティブ改善の際に、良し悪しを判断するためによく行われるABテスト。AパターンとBパターンの2種類を用意して、どちらがより成果がでるかを検証するテストです。
非常に便利なテスト手法なのですが、BtoBはターゲットの絶対数が少ないためサンプル(ページへのセッション)数が集まりづらく、ABテストに適していないケースも多いので注意しなくてはいけません。
比較的トラフィックが集めやすいLPは、BtoBの中でもA/Bテストに向いています。改善インパクトが大きいファーストビューのビジュアル要素から始めていきましょう。CTAの種類やバナーデザインもテストしておきたいところです。特にCTAの種類(「問い合わせ」か「資料請求」か、など)はCVRだけではなくその後のプロセスとの兼ね合いも考慮しなくてはならないので、ABテストを行って比較しながら調整するといいでしょう。
また、ABテストは複数箇所の変更を同時に行わずに一箇所ずつ行う、流入するユーザーの条件をできるだけ揃える、などの注意点もあります。また、サンプルが集まりづらいので有意差が目に見える形で表れない場合もあります。
場合によっては有効な施策であることは間違いないので、記事を参照の上でABテストを実践してみてください。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています
BtoBマーケティングのABテスト、理解しておきたい特徴と注意点BtoBサイトでA/Bテストを行うべき/行うべきではないケースのほかにも、テスト箇所の例や実施の際の注意点も紹介しています。
CVR改善施策⑤ CTA(Call To Action)設計
CTAとはCall To Actionの略で、サイトに流入したユーザーに、製品やサービスの導入へ向けて何らかの行動を起こしてもらうための呼びかけのことです。
BtoBではサイトを訪問したユーザーがその場で購入を即決することはほぼないため、CTAは「問い合わせ」「資料請求」「セミナー申込」など多くのバリエーションが存在します。その中から自社の製品・サービスに最適なCTAを選択し、サイトに組み込んでいくのがCTA設計です。
具体的な「問い合わせ」よりも、気軽な「資料請求」や「メルマガ登録」をCTAに置いたほうがCVRは高くなる傾向があります。しかし、ハードルが低ければ低いほどよいのかというとそうではなく、設置するページの内容によって最適なCTAは異なります。料金表やFAQのように導入を見据えたページを閲覧しているユーザーに対しては、具体的な問い合わせをCTAに置いたほうがCVしやすい場合もあるのです。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています
PVを増やさずにCVを増やす秘策!BtoBサイトのCTA設計の重要施策まとめBtoBでよく使われるCTAの種類、BtoCとの手法の違い、製品やページ内容に合った最適なCTAの選び方を解説しています。適切なCTAを設定できると、それだけでCVRが上がることもあるので、早い段階から取り組みたい施策です。
まとめ:まずはCVRを改善してから、ほかの施策に取り組もう!
BtoBのサイト改善は、まずCVRの向上から始めましょう。SEOやSNSに本格的に取り組むのは、その後でも遅くありません。
今回ご紹介したCVRアップのために効果的な改善施策は以下の5つです。
- LP改善:ユーザーを納得させ、信頼してもらえるLPづくり
- コンテンツ強化:見込み顧客の段階ごとに適したコンテンツを拡充
- EFO:フォームの項目は最低限、かつ必要なものを網羅
- A/Bテスト:LPやCTAのCVRをパターンごとにテスト
- CTA設計:ページを閲覧するユーザーに合わせた適切なCTAを置く
自社サイトの状況と予算やリソースに合わせて優先度をつけて、これらの施策を着実に行っていきましょう!
また、弊社ではWebサイトのCVRを改善据えるためのセルフチェックができるリストを配布しています。早速診断に活用ください!
→BtoBサイトのCVRを改善する15のチェックリスト
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