CACとは? BtoBビジネスでの活用ポイントと運用・計算方法


費用対効果を見つつ集客し、いかに利益を上げていくかがビジネスの成功を左右します。

企業の健全な経営のためにも、まずは自社の事業が理想の費用対効果で推進できているのか、正しく把握しなければなりません。

この記事では、費用対効果を見る指標のひとつ「CAC」に着目し、BtoBビジネスでの活用ポイントや、実際に運用・計算する方法をご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.CACとは
  2. 2.CACをBtoBビジネスで活用するための重要ポイント
  3. 3.CACの適切な計算方法とは?
  4. 4.CACの適切な運用方法とは?
  5. 5.CACを追いながら、費用対効果に見合った事業推進を実現しよう


CACとは


CAC(Customer Acquisition Cost)は、日本語では「顧客獲得費用」と訳されます。BtoBビジネスにおいては、顧客企業1社を獲得するために必要な総額コストを示す指標です。

CACは、顧客企業を理想の費用対効果で獲得できているか把握するのに役立ちます。1ヶ月、3ヶ月、半年…と期間を設定し、目標値通りに推移しているかを見るのが一般的です。

似た用語でCPA(Cost Per Acquisition)という指標も存在します。CPAが広告やプロモーション単位でかかった費用における費用対効果を示すのに対し、CACは事業単位でかかった費用全体で費用対効果を示す点が異なります。


CACをBtoBビジネスで活用するための重要ポイント

CACをBtoBビジネスに取り入れるには、最初に理解しておくべき重要なポイントがあります。事業に活用するためのポイントを3つに分けて説明します。


CACは下げればいいという訳ではない

効率的にビジネスを進める上で、顧客企業を1社獲得する費用は当然低く抑えるべきです。しかし、闇雲に低い目標値を設定し運用すればいいわけではありません。

一般的に、市場が成長すると、製品の認知が増え競合他社の数も増加するため、顧客企業を獲得しにくくなります。その分、新しい顧客企業を獲得するのにコストがかかってしまうのです。費用対効果を重視するあまり、CACを極端に抑えた運用をすると、そもそも新規企業の獲得が進まず、事業が立ち行かなくなる恐れがあります。

事業を大きくするには、適切な金額をかけて顧客企業を増やしていかなければなりません。自社の現状を把握し、自社が何件の顧客企業を獲得しようとしているのかを踏まえて、自社にとっての適切なCACを設定するのが重要です。


投資したコストを何ヶ月で回収するかを見極める

適切なCACの目標値を決めるために、投資回収の観点を持つのがよいでしょう。投資したコストをいかに早期に回収できるかが重要です。

顧客企業を1社獲得するのにかかったコストを、現状どのくらいの期間で回収できているのか。状況を正確に把握した上で、事業規模に合わせてCACの目標値を定めましょう。

理想的なCACの回収期間は1年以内だと言われていますが、会社の事業規模により変動します。

例えば、スタートアップ事業であれば、3~6ヶ月回収でないと経営するのが厳しくなります。
逆に大企業では、新規の顧客企業獲得に向けある程度のコスト増を呑む必要があり、2~3年スパンでの回収期間を目途に広告投資しているケースもあります。

また、扱う製品やサービス、業界によっても考え方が大きく異なります。
代理店と接点があるなら、他社情報として実際に競合がどのように運用しているのか、聞き出してみるのも手です。


顧客生涯価値(LTV)の指標と組み合わせて確認する

投資回収期間を測る上でもうひとつ重要な指標が「LTV」です。日本語では「顧客生涯価値」と訳します。
LTV(Life Time Value)は、企業1社が生み出し続ける利益を示す指標です。
製品やサービスの継続率や客単価が上がると、LTVもその分高くなります。

コストの指標CACと利益の指標LTVとで示される、顧客企業1社あたりの収益性を「ユニットエコノミクス※」と言い、CAC<LTVで算出されます。
顧客企業により生み出された利益が、顧客獲得・維持にかかるコストを上回って、初めて純利益になります。

※ユニットエコノミクス(Unit Economics)は、正確には「ビジネスの最小単位1つあたりの収益性」です。BtoBなら顧客企業1社、BtoCなら消費顧客1人を最小単位として考えるのが通例です。


また、ユニットエコノミクスの健全な状態はLTVがCACの3倍以上であるとされ、LTV/CAC>3と数式で表します。
もちろん、単に3倍以上を目指すだけでなく、早期に回収する(理想的には1年以内の回収を目指す)ことを念頭において事業推進するとよいでしょう。


CACの適切な計算方法とは?


CACをみていく上での重要ポイントを踏まえ、実際に自社のBtoBビジネスにおけるCACを算出してみましょう。
この項では、適切な計算方法を4つの手順に分けてご紹介します。


1.確認する期間を決める

先に述べた通り、CACはLTVと組み合わせて投資回収期間を見極めるための指標です。
どの期間での回収状況を確認するのか、まずは1ヶ月、3ヶ月、半年、1年…と期間を設定します。

事業として立ち上げたばかりの会社であれば、「1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、半年…」など複数設定しておくと良いでしょう。
最初の3ヶ月の回収具合から完全に回収する期間を予測し、先手を打って改善施策を実行できると理想的です。

また、投資コストを回収した後に生み出される純利益を長期的に見ていくことも重要です。
仮に1年で回収できても、その後の純利益が出ないのであれば、継続率や客単価アップの策を検討する必要があります。


2.顧客企業の獲得までに発生するコストを洗い出す

顧客を獲得するには、マーケティングや営業活動で様々なコストが発生しています。

▼顧客獲得までに発生するコストの例

  • ディスプレイ広告をはじめとしたインターネット広告のコスト
  • SEO対策のコスト
  • 自社サイト運営にかかったコスト
  • SNSマーケティングにかかったコスト
  • アウトバウンドなどの営業のコスト
  • 顧客情報や営業進捗管理にかかるコスト(システム費など)
  • マーケティングや営業にかかる人件費

自社のビジネスにかかる費用項目を洗い出し、CACとして算出するコストの内容を決めましょう。
会社により判断が異なるので、算出前にすり合わせをしておくのがおすすめです。

項目が決まったら、それぞれの項目での金額を確認し、リストアップします。


3.獲得した顧客企業数を洗い出す

次に、獲得した顧客企業数を洗い出します。これもコストと同様にリストアップしておくとよいです。

原則は事業で獲得した全ての顧客企業をカウントすればOKですが、さらに細かく調べたい場合は、各顧客企業がインターネット広告なのか、電話営業なのか、どういう経路で獲得できたのかをまとめるとよいでしょう。

また、マーケティングや営業活動以外にも、口コミや紹介など能動的なアプローチなしに獲得できる顧客企業もいます。


4.かかったコストを顧客数で割る

CACの算出式はシンプルで、【費用÷顧客企業数】です。
例えば、100万円のコストをかけて10件の新規契約を獲得したら、CACは100万円÷10件=10万円 となります。

かかったコストの種類や顧客の獲得経路を絞って算出することで、さらに細かいCACの分析も可能です。
参考までに、マーケティングでよく使われる3つのCACについて以下にまとめています。

▼CACの種類

  • オーガニック CAC(Organic CAC):マーケティングや営業など、自社からの能動的なアプローチをせず、自然流入で顧客企業を獲得するのにかかったコストを表します。
    既存顧客企業からの紹介やクチコミによる獲得が該当します。
  • ペイド CAC(Paid CAC):マーケティングや営業活動など、自社からの能動的なアプローチで顧客企業を獲得するのにかかったコストを表します。
  • ブレンディッド CAC(Blended CAC):上記2つを合算したCACです。能動的なアプローチか否かにかかわらず、顧客を獲得するのにかかった総コストが反映されます。


CACの適切な運用方法とは?


CACの概要や計算方法を踏まえ、実際に自社に取り入れて運用するための方法を5つの手順にまとめました。


1.確認期間・コスト・顧客企業の内訳をすり合わせる

何ヶ月(何年)スパンで確認していくのか、コストはどの費用までを算出するのか、顧客企業は自然流入や広告など獲得経路を絞るのか。CACを算出する上で、まずは必要な要素の定義をしっかりと定めておく必要があります。

チームで事業を推進していく場合は、チームメンバーや上席者と認識を揃えておくとよいでしょう。


2.目標値を設定する

次に目標値を決めます。
先に述べた通り、投資したコストをどのくらいの期間で回収するかが重要ですので、先に回収期間の目標値を決めるのがよいでしょう。

例えば「1年回収」が目標なら、1年後のLTVがCACを超えるように金額を設定します。

もちろん、事業規模や展開する製品・サービスの変容に合わせて、目標値も設定し直さなければなりません。現状に合わせて目標設定し、半期に1回など、目標値を再検討する時期をあらかじめ決めるのがおすすめです。


3.定期的に数値を算出する

目標が決まったら、実際に数値を算出し、推移を一覧化しまとめていきます。
フォーマットも事前にチーム内ですり合わせておくとよいでしょう。

算出するタイミングと担当者を明確に決めておくのが運用のコツ。
月初に算出し、毎月10日前後にはチームで集まって数値を確認する…とルーティン化しておくと、実務で忙しくても対応漏れせずに続けやすいのでおすすめです。


4.回収期間が目標通りか確認する

算出したCACの金額が、目標として定めた金額と比べて高くなっていないか確認します。

目標との乖離だけでなく、推移も重要な観点です。目標値からして許容範囲の金額でも、月ごとに徐々に高騰している傾向があるなら、早めに改善策を打つ必要があります。


5.必要に応じて改善策を実行する

目標よりもCACが高い状態は、投資回収が想定よりも鈍っている状態を指します。
製品・サービスの見直しやコストダウン、顧客継続率の強化につながる改善策を検討し、早期に取り組むとよいでしょう。

その後は3~5を繰り返し、数値算出~確認~改善のPDCAを回しながら運用していきます。
スピード感を持って改善していきましょう。


CACを追いながら、費用対効果に見合った事業推進を実現しよう

投資回収の視点から適正な価格をCACとして設定し、算出結果をもとに改善策を打つことで、事業の費用対効果を最適化し、スピード感をもって推進できます。

CACを正しく理解・運用し、BtoBビジネスを成功に導きましょう。


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