マーケティングの成果を上げるデータ分析手法11選!ChatGPTを使った簡単なやり方も解説
「データを見ても『なぜこの数値になったのか』『どう改善すればいいのか』が分からない…」
このようなお悩みを抱えていませんか?
マーケティングにおいて、データ分析は戦略設計や施策の効果測定に欠かせません。しかし、適切な分析手法が分からないと、データを活用しきれず、感覚や経験則に頼った意思決定になりがちです。その結果、思うような成果が得られず、リードの質や施策の最適化に課題を感じることも多いでしょう。
本記事では、マーケティングにおけるデータ分析の基本から、具体的な分析手法まで詳しく解説します。さらに、「データ分析が苦手」「もっと効率的に分析したい」という方のために、AIツール「ChatGPT」を活用したデータ分析の方法も紹介します。
データを戦略的に活用し、リードの質向上やマーケティング施策の最適化を実現するためのヒントを見つけてください。
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マーケティングにおけるデータ分析とは
マーケティングにおけるデータ分析とは、顧客や市場のデータを収集・整理・分析し、分析結果をもとに施策の効果を高めるための意思決定を行うまでの一連のプロセスを指します。
これにより、顧客のニーズを正確に把握し、効率的にリードを獲得・育成し、商談成立に繋げられるようになります。
関連記事:マーケティング分析とは?成果につながる戦略設計のための分析手法
マーケティングにおけるデータ分析の主な目的
マーケティングにおいて、データ分析は必ず行わなければならないプロセスです。具体的にどのようなシーンで活用できるのかを見ていきましょう。
- リードの質を向上させたい
- 最適な施策を見極めたい
- MAツールの設定に活かしたい
- 顧客行動を予測する精度を向上させたい
リードの質を向上させたい
見込み顧客のデータを分析することで、積極的にアプローチすべき適切なターゲットを見つけられます。商談化率の向上や成約数の増加が期待できます。
分析と改善の例:
過去の購買データを分析し、特定の商品やサービスに関心を示すセグメントを特定。そのセグメントごとに最適化したマーケティング施策(メール配信、広告配信など)を実施することで、リードの質を向上させ、商談化率を20%向上させた。
最適な施策を見極めたい
マーケティング施策の効果測定を行うことで、施策の成功要因や改善の余地を見極められます。効果の高い施策を見極め、ROI(投資対効果)を最大化できます。
分析と改善の例:
Webサイトのアクセスログを解析した結果、特定のランディングページで離脱率が高いことが判明。そのページのコンテンツを改善し、CTAを最適化することで、コンバージョン率を15%向上させた。
MAツールの設定に活かしたい
分析したデータをもとに、MAツールの設定を行うことで、マーケティングプロセスの自動化や業務の効率化が可能になります。これにより、リソースを適切に配分し、より戦略的な業務に集中するための時間を作ることができます。
分析と改善の例:
データ分析の結果から、ターゲットにあったアプローチとそのタイミングを特定。それに基づいてステップメールを設定したことで、営業チームの負担を軽減し、適切なタイミングで有望なリードにアプローチできる体制を構築した。結果として、営業の成約率が向上し、工数も30%削減することに成功。
顧客行動を予測する精度を向上させたい
過去のデータをもとに未来の顧客行動を予測することで、より効果的なマーケティング戦略を立案できるようになります。
分析と改善の例:
季節ごとの購買データを分析し、需要のピーク時期を特定。事前に在庫調整を行い、広告費の適正配分を実施することで、無駄なコストを削減しつつ売上を最大化した。
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マーケティングでデータ分析を行うメリット
マーケティングで「データ」を活用するメリットを押さえておきましょう。
- 稟議を通しやすくなる
- PDCAを効率的に回せるようになる
稟議を通しやすくなる
ビジネスの現場では、個人の感覚や主観に基づいた提案はなかなか実現できません。意思決定をスムーズに進めるには、関係者全員が納得できるような客観的データの裏付けが不可欠です。
そこで、客観的なデータ分析に基づいた論理的な戦略や施策の提案が効果的です。説得力のある資料を作成でき、稟議の承認を得やすくなります。
PDCAを効率的に回せるようになる
自社の商品やサービスに長年携わっていると、新しい課題や改善の余地を見つけるのが難しくなることも少なくありません。このような状況を打破する方法の一つが、データ分析です。
客観的で具体的なデータを取り入れることで、より正確で効果的な施策を立案することが可能になります。さらに、これまで見過ごしていた改善ポイントを発見するきっかけにもなり、PDCAサイクルを効率的に回せるようになります。
マーケティングのためのデータ分析の手順
マーケティングのためのデータ分析を行う基本手順を解説します。どのような分析手法を用いる際も共通するステップです。
- 目的設定・仮説
- データ集計・整理
- データ分析
- マーケティング活用
1. 目的設定・仮説立て
まず最初にデータ分析で「何を明らかにしたいのか」という目的を明確にします。合わせて、分析結果についての仮説を立て、それを確かめるための分析手法も考えておきましょう。
この時点では「仮」でかまいません。事前に方向性を決めておくことで、どんなデータを集めればいいのか、どのように整理すればいいのかが見えてきます。
このステップが分析のコツです。このステップを踏むことで、分析がスムーズに進み、より有益なインサイトを得られます。
例)
- 目的:現在のリードが商談に繋がらない原因は何か?
- 仮説:架電してもつながらないリードが多い?→リードの質が低いのが原因?→成約率の高い特定の業界があるならそこをターゲットにする?
- 分析手法:ファネル分析でボトルネックを明らかにする。→RFM分析で優良顧客を特定し、ターゲットの見直しを行う。
どの分析手法がいいのか、どの具体的な手法については「【ケース別】マーケティングで使えるデータ分析手法」で解説します。
2. データ集計・整理
次に、仮説検証に必要なデータを収集し、分析手法で整理します。マーケティングで集めるべきデータは主に以下のようなものです。
- 市場状況に関するデータ:競合他社の売り上げや市場規模など
- 顧客に関する基本データ:獲得したリードごとの名前・企業名、役職などの属性やフォーム入力情報・問い合わせ内容など
- 顧客行動に関するデータ:獲得したリードごとの Webサイトの訪問履歴、購入履歴、メールの開封・クリック履歴など
- Webサイトのアクセスデータ:流入数や直帰率、離脱率など
- 売上・収益に関するデータ:売上高: 製品やサービスごとの売上や利益率、LTVなど
- 営業活動に関するデータ:リード数、CV(コンバージョン)率、商談数、商談化率など(見込み顧客獲得から受注までの流れを分析するためのデータ)
各データの詳細や集め方については、「マーケティングデータ分析でよく使うデータの種類と集め方」で解説します。
なお、収集したデータは、エクセル・MA・SFAなど、分析に使うツールで一元化して、整理しましょう。
3. データ分析
収集したデータを、目的にあった適切な手法で分析しましょう。分析方法は「【ケース別】マーケティングで使えるデータ分析手法」で解説します。
膨大なデータから有益な結論を導き出すのは、時間も手間もかかる難しい作業です。そんなときは、ChatGPTなどのAIを活用してインサイトを得るのも一つの手です。素早く、しかも気軽に分析結果を教えてくれるため、作業の効率化につながります。
詳しくは「データ分析をChatGPTで効率化するアイデア」で解説します。
4. マーケティング活用
分析結果をもとに、マーケティングの戦略や施策を考え、実行・改善します。
例えば、特定のセグメントをターゲットにした広告キャンペーンを実施するなど、結果を施策に落とし込むことが重要です。
▼マーケティングの戦略設計については、こちらの記事を参考にしてみてください
関連記事:Webマーケティング戦略に必要な考え方とは?フレームワークと具体的な手法
関連記事:適切なマーケティングプロセスとは?事例で学ぶ設計方法
▼マーケティング施策については、こちらの記事を参考にしてみてください
関連記事:リード獲得とは?見込み顧客を増やす施策や事例をご紹介
マーケティングのデータ分析でよく使うデータの種類と集め方
マーケティングデータ分析でよく使われるデータの種類と、各データの集め方について解説します。
- 市場に関するデータ
- 顧客に関する基本データ
- 顧客行動に関するデータ
- 売上・収益に関するデータ
- Webサイトのアクセスデータ
- 営業活動に関するデータ
市場に関するデータ
狙うべき市場を明確にし、効果的な施策を立案するためには、市場規模や顧客ニーズを正しく把握するデータが不可欠です。
しかし、市場に関するデータは膨大で、必要な情報を取捨選択するのは容易ではありません。そのため、日頃から自社のマーケティングに活用できるデータに注意を払っておくことをおすすめします。
データ例
- 市場規模:特定の業界や地域での需要の大きさ
- 業界トレンド:市場での流行や競合の動向
- 顧客ニーズ:顧客が抱える課題や需要
データの集め方
- 公的機関の調査を探す:総務省統計局のデータベースや、各行政機関が公表する白書には様々なデータが掲載されています。
-
調査会社のレポートを探す:各社が独自に実施したアンケート調査の結果がインタ-ネットで公表されています。インターネット上で検索して探してみるとヒットするはずです。
また、レポートは「PRTIMES」などのプレスリリース配信サイトで配信されることも多いので、自社のマーケティングに関連がありそうなデータを発信している企業をチェックしておくといいでしょう。 - 独自調査を実施する:自社が欲しいデータが見つからない場合は、アンケートやインタビューを実施するという方法があります。アンケート会社を介して、不特定多数に調査を実施することができます。
顧客に関する基本データ
「今よりもリードの質も高めたい」とターゲットを見直す際には、自社と接触のあった見込み顧客や既存顧客のデータを分析しましょう。
主なデータ例
- 属性情報:名前・企業名、業種、職種、役職など
- フォーム入力情報:問い合わせ内容やダウンロードした資料など
データの集め方
- 自社のWebサイトにフォームを設置する:Webサイトで資料ダウンロードや問い合わせ時に情報を入力してもらうことで見込み顧客の情報を獲得できます。フォームの情報はMAツールで管理するようにするとデータ分析がしやすくなります。
- 社内の名刺情報を一括管理する:名刺などのリード情報を営業担当個人で管理せず、名刺管理ツールやMAツール、SFAツールなどを活用して組織で一元管理します。
顧客行動に関するデータ
顧客行動から、顧客がどのように自社と関わっているかを把握することで、検討度の高さを推測したり、購買行動を予測できるようになります。
主なデータ例
- Webサイト訪問履歴:閲覧ページや閲覧時間など
- メールの閲覧履歴:メールの開封・クリック履歴など
データの集め方
- MAツールで集計する:MAツールを活用することで、今まで接点のあった顧客の行動を可視化できます。
売上・収益に関するデータ
売上や収益に関するデータを分析することで、売上につながりやすい顧客層を特定したり、費用対効果の高い施策を見つけられます。
主なデータ例
- 製品やサービス別の売上額
- 製品やサービス別の利益率
- 顧客ごとの購入履歴:過去の購入製品や頻度、購入金額・LTVなど
データの集め方
- 販売管理システムで集計する:売上データについては、経営企画部門や経理部門など、マーケティング部門とは異なる部署が管理していることが多いでしょう。担当部署を確認の上、売上データを管理しているツールから必要なデータを抽出してもらいましょう。
Webサイトのアクセスデータ
Webサイト改善には、Webサイトのアクセスデータの分析が欠かせません。今より流入を増やしたり、WebサイトからのCV(コンバージョン)率を高めるヒントを見つけられます。
主なデータ例
- セッション数:特定のサイトやページに訪問された回数
- 離脱率:特定のサイトを訪問した後に、ブラウザを閉じたり別のサイトへ移動したりする割合
- CV(コンバージョン):Webサイトで達成された成果の総数。お問い合わせ数や資料ダウンロード数が設定されることが多い。
データの集め方
- アクセス分析ツールで集計する:Webサイトの行動データを収集できるアクセス分析ツールを使えば、リード獲得前のWebサイト訪問者でもその行動データを把握することができます。Google公式のGoogle Analyticsなどが有名です。
- ヒートマップツールでページ上の行動を把握する:ヒートマップツールを使えば、ページのどの部分がよく閲覧されているのか、どのボタンがクリックされているのかなどを可視化できます。
営業活動に関するデータ
リード獲得から受注までのプロセスを可視化することで、どのフェーズが受注を妨げているのか、ボトルネックを見つけることができます。
主なデータ例
- リード数・商談数・案件数・受注数
- CV(コンバージョン)率・商談化率・案件化率・受注率
データの集め方
- SFA(営業支援システム)で集計する:SFAは営業活動のデータを管理・集計するためのツールです。MAツールと連携することで、リード獲得から受注までのデータを可視化できます。
【ケース別】マーケティングで使えるデータ分析手法11選
この章では、エクセルやスプレッドシートの集計だけで簡単に実施できる分析手法と、高度な統計ソフトを活用した方がよい分析手法を併せて紹介します。
統計ソフトの活用が推奨される手法には「★」を付けていますので、分析手法を検討する際の参考にしてください。
ケース |
分析手法 |
|
ボトルネックの特定に使えるデータ分析手法 |
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顧客セグメンテーションに使えるデータ分析手法 |
★ |
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データの関係性を明らかにするデータ分析手法 |
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★ |
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★ |
||
★ |
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時間や時期による傾向を明らかにするデータ分析手法 |
||
★ |
ボトルネックの特定に使えるデータ分析手法
マーケティング・営業部門の共通のKPIとして、リード数・商談数・案件化数・受注数を設定している企業も多いでしょう。そのKPIの達成のためにマーケティング・営業活動のボトルネックを見つけるのにも役立つ分析手法「ファネル分析」について解説します。
この分析手法は、マーケティング活動の何かを改善したいと思った際に必ず実施することになる手法になりますので、必ず押さえておきましょう!
関連記事:BtoBマーケティングにおける「KPI設計」とは?フェーズごとの具体例を紹介
ファネル分析
ファネル分析は、顧客が購買や商談に至るまでの各ステップでの離脱率を明らかにする分析手法です。これにより、どの段階でリードが減少しているのかを把握し、ボトルネックを特定して改善に活かすことができます。
例えば、営業プロセスにおいて「リード獲得 → 商談 → 提案 → 受注」という各フェーズごとに移行率を追跡し、どこでリードが離脱しているかを特定します。ボトルネックとなっているフェーズに適切な改善策を施すことで、最終的な成約率を高めることができます。
なお、ファネル分析は、マーケティングファネル(認知 → 興味 → 比較 → 購入)と、営業ファネル(リード獲得 → 商談 → 提案 → 受注)の両方に使えます。個別のマーケティング施策の最適化にも、マーケティング~営業活動全体の最適化にも使える汎用性の高い分析手法です。
【データ分析の活用例】
- リード獲得施策の最適化:広告やオウンドメディアなど、流入元ごとにファネル分析を実施し、施策ごとの商談・受注への貢献度を分析。SNS広告経由のリードについて他のチャネルと比較して初回アプローチへの移行率が低いことが判明し、ターゲティングや広告のクリエイティブを見直すことで初回アプローチへの移行率を改善した。
- ナーチャリング施策の強化:リード育成の各施策(資料請求、ホワイトペーパーダウンロード、ウェビナー参加、商談設定)の移行率を分析し、どのフェーズでリードが減少しているかの特定を試みた。その結果「ホワイトペーパーをダウンロードしたリードのうち、商談に進む割合が低い」ことが判明。その後のフォローアップ施策(例:メールによる追加コンテンツの提供、個別相談の案内)を強化することで、商談への移行率を向上させた。
関連記事:マーケティングファネルとは?弊社のBtoBマーケティングへの活用事例
顧客セグメンテーションに使えるデータ分析手法
セグメンテーション分析は、顧客データ(例:役職、職種、業種)をもとに共通点のあるグループを作る手法で、ターゲットに合った施策を展開したい場合に活用できます。ここではセグメント作成に役立つ具体的な手法をご紹介します。
関連記事:関連記事:顧客セグメントとは?マーケティング成功に欠かせない分類の方法やポイント
クラスター分析
クラスター分析は、データに基づいて似た特徴を持つグループ(クラスター)を自動的に分類する分析手法です。「どんなグループが存在するか分からない」「新しいパターンを発見したい」といった場合に効果を発揮します。
【データ分析の活用例】
- Webサイト訪問者の分類:閲覧ページ、滞在時間、コンバージョン率などの行動データを分析し、興味関心に応じたターゲットグループを特定。それぞれに最適なコンテンツを提供することでリード獲得率を向上させた。
- 顧客属性のクラスタリング:役職や業種、購買傾向をもとに分類し、各クラスターに最適な営業アプローチを設計した。
デシル分析
デシル分析は、顧客を売上額にもとづいて10等分し、各グループを比較することで優良顧客を特定する分析手法です。例えば「上位10%の顧客が売上全体の50%を占めている」といった分布を可視化し、優良顧客を特定できます。
この分析を活用することで、売上貢献度の高い顧客と同じ属性を持つ顧客をターゲットとし、より効率的なマーケティング施策を展開できます。また、各層の顧客の購買傾向を分析することで、「どの層をどのように育成すべきか」といった戦略的アプローチも可能になります。
【データ分析の活用例】
- 売上トップ10%の顧客に特別な割引を提供することで、LTV(顧客生涯価値)を向上させた。
- 売上に貢献していない下位層の特性を分析し、リテンション施策を強化した。
RFM分析
RFM分析は、顧客をRecency(最新成約日)、Frequency(成約頻度)、Monetary(累計売上金額)の3つの指標で評価することにより、優良顧客を見つけ出すための分析手法です。売上に大きく貢献している顧客やリテンション施策を優先すべき顧客が明確になります。
【データ分析の活用例】
- 高頻度で購入している顧客に対しロイヤルティプログラムを提供し、継続購入を促進した。
- 解約傾向のある顧客に対して、特別オファーを送ることで関係を再構築し、解約阻止を図った。
▼デシル分析・RFM分析についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:顧客分析とは?フレームワークとテンプレートを活用した分析方法
関連記事:BtoBにおける顧客データ分析とは?商談につながる顧客を見つける方法
ABC分析
ABC分析とは、売上・販売個数・在庫・コストといった評価軸を決めて、重要度の高い順からA(重要)、B(普通)、C(それ以外)と3つのグループに分けをし、優先度を決める分析手法です。少数の要因(20%)が全体の結果(80%)をもたらすというパレードの法則(80:20の法則)にもとづいた手法で、リソースを効率的に配分できるようになります。
- データ収集:売上、コスト、取引回数など、分類の基準となるデータを用意します。
- データの並べ替え:基準に応じてデータを降順で並べ替えます。
- 累積割合の算出:各項目が全体に占める累積割合を計算します(例:売上の累積割合)。
- A・B・Cランクに分類:累積割合に基づいてAランク(上位20%)、Bランク(次の30%)、Cランク(残り50%)に分けます。
【データ分析の活用例】
営業チームのリソースをAランク顧客に集中させ、Bランク・Cランク顧客には一斉送信のメールでアプローチするというリソースを効率的に配分して売上の最大化を図った。
データの関係性を明らかにするデータ分析手法
データの関連性を明らかにするためのデータ分析手法について解説します。
クロス集計分析
クロス集計分析は、複数のデータ項目を掛け合わせて分析することで、特定のパターンや傾向を把握する分析手法です。アンケートの集計や顧客セグメントの分析など、さまざまなシーンで活用できます。
例えば、役職と課題感をかけ合わせて、役職ごとに課題感の違いがあるかどうかを分析可能です。
【データ分析の活用例】
- 役職ごとの課題感の違いを分析し、それぞれに適したセミナーやホワイトペーパーを作成した。
- 業種別の商談成功率を比較し、ターゲット設定の精度を向上させた。
コレスポンデンス分析
コレスポンデンス分析は、クロス集計分析の結果を散布図にして見やすくする統計手法です。関連性の高いものは近くに、関連性の低いものは遠くに配置していきます。
大量のカテゴリデータが直感的に理解できるようになるのがメリットです。例えば、調査データやアンケート結果をもとに、顧客層と製品カテゴリの関連性を把握する際に役立ちます。
【データ分析の活用例】
企業とそのイメージについてのアンケート結果をコレスポンデンス分析し、ポジショニングマップを作成し、ポジショニングを明確にした。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、データの中に潜む項目間の関連性(ルール)を見つけ出す統計手法です。商品・サービスやCV(コンバージョン)ポイントの関連性に、仮説を立ててルールを見つけていきます。
例えば、購入履歴から「A商品を買う人はB商品も買う傾向がある」というように、よく一緒に購入される商品を明らかにすることができます。
【データ分析の活用例】
「ホワイトペーパーをダウンロードした人は、その後当日中にサービス紹介資料もダウンロードする傾向がある」という傾向を発見。ホワイトペーパーダウンロードページに関連資料としてサービス紹介資料ダウンロードページへ遷移するCTAを設置した。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析は、答えが2つしかない事象について、「行動が起きる」かどうかを確率から予測するための統計手法です。起こる確率を予測するために必要なデータ(説明変数)を洗い出し、集計し、それらをヒントに行動が起きる(目的変数)確率を割り出します。
【データ分析の活用例】
リードの属性や行動データを基に、商談成立の確率が高いリードを予測し、営業チームが優先的にアプローチする対象とした。
時間や時期による傾向を明らかにするデータ分析手法
時間や時期による顧客行動の変化を探るためのデータ分析手法を解説します。
時系列分析
時系列分析は、1か月ごとの売上のように「時間ごとに集めたデータ(時系列データ)」を使って、これまでの流れを調べたり、未来を予測する統計手法です。どんなルールがあるのかを見つけたり、次にどうなりそうかを考えます。
例えば、「この1年で売上が増えてるのか、減っているのか」という全体の傾向を把握したり、「年度末は予算消化のための問い合わせが増える」というような季節・時期ごとに繰り返されるパターンがあるかを探すことができます。
【データ分析の活用例】
月ごとの問い合わせ件数と問い合わせ内容を分析し、「年度末は予算消化のための問い合わせが増える」という傾向を見つけたため、休眠顧客に「予算消化にお困りではありませんか」というアポ取りメールを送ることにした。
コホート分析
コホート分析は、特定の期間やグループ(コホート)で分け、時間の経過に伴う行動変化を明らかにする分析手法です。ユーザーグループの動向まで加味している点が時系列分析との違いになります。
例えば、特定のセミナーや展示会に参加した見込み顧客の動向を探りたい場合に有効です。
【データ分析の活用例】
展示会参加者の商談化率を時系列で追跡し、フォローアップ施策を改善した。
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データ分析をChatGPTで効率化するアイデア
「データ分析をできるだけ簡単に行いたい」という方に向けてChatGPTを活用したデータ分析についても解説します。
具体的な活用アイデアとプロンプト例をご紹介します。どれも手軽に試せるものですので、ぜひ試してみてください。
- 顧客フィードバックの要約
- 競合分析のポイント抽出
- データのトレンド分析
- 顧客セグメントごとの施策提案
顧客フィードバックの要約
アンケートや口コミのデータを素早く要約し、主要な課題点を抽出してくれます。大まかに内容を把握したい時や、報告用の資料作成時に掲載したい時に便利な活用方法です。
プロンプト例
# 指示 以下の顧客フィードバックを要約してください。 - 否定的な意見の代表的な内容を3つ挙げる - 肯定的な意見の代表的な内容を3つ挙げる - 主要な改善ポイントを2つ提案する # データ [顧客のフィードバック一覧] |
競合分析のポイント抽出
競合企業のWebサイトやニュース記事から、強み・弱みを要約し、自社のマーケティング戦略に活かせるポイントを分析してくれます。
プロンプト例
# 指示 以下の競合サイトの情報を分析し、要点を整理してください。 - 強みを3つ挙げる - 弱みを3つ挙げる - 競争優位性を生み出す戦略を1つ提案する # データ [競合サイトの情報] |
データのトレンド分析
売上や問い合わせデータを元に、増減の傾向と原因を特定し、改善案の提案まで行ってくれます。マーケティング施策の振り返りに便利な活用法です。
プロンプト例
# 指示 以下の月別売上データを分析し、傾向を説明してください。 - 過去6か月の売上推移を要約 - 売上増加・減少の可能性のある要因を3つ挙げる - 改善策を2つ提案する # データ [売上データ一覧] |
顧客セグメントごとの施策提案
顧客データをもとに、セグメント別のマーケティング施策を考案してくれます。統計手法が使いこなせない場合は、AIにセグメントを見つけてもらうのも一つの方法です。
プロンプト例
# 指示 以下の顧客データを基に、セグメント別のマーケティング施策を提案してください。 - 3つの主要セグメントを特定し、それぞれの特徴を要約 - 各セグメントに適した施策を2つずつ提案 # データ [顧客データ一覧] |
マーケティングのデータ分析の活用例:商談数が増えない原因を見極める
本記事でご紹介した分析手法をどのように組み合わせて活用していけばよいのか、具体例を用いて解説します。当社でサポートさせていただく企業様に多い「リードが獲得できているのに、商談につながらない」「商談数が増えない原因を特定したい」というケースを例として選ばせていただきました。
- 獲得できているリードを確認する
- ファネル分析を実施して、ボトルネックを見つける
- デシル分析またはRFM分析を実施して、ターゲットを見直す
1.獲得できているリードを確認する
いま、どのようなリードが獲得できているのかを整理しておきましょう。
属性情報(業種、企業規模、役職など)と獲得チャネル(Web広告、オーガニック検索、SNS、紹介など)を見て、獲得できているリードの特徴を把握します。
→ターゲットのリードが取れている場合
「2」へ
→そもそもターゲットにしていた顧客層と異なるリードを獲得してしまっている場合
集客方法や広告のターゲットを変更したり、コンテンツの内容を修正するなどして、狙っているターゲットを集客できるように調整する必要があります。
2.ファネル分析を実施して、ボトルネックを見つける
マーケティング・営業活動のフロー「リード獲得→商談→案件→成約」におけるボトルネックがないか調べます。
数字の大小だけをみるだけでなく、各フェーズの担当者にヒアリングして状況を把握し、その原因まで確認しましょう。
→リードの質に原因がある場合(情報収集段階だったり、予算のないリードが多いなど)
「3」へ
→営業活動に原因がある場合(インサイドセールスのリソース不足で架電ができていない、商談時の提案が競合に負けることが多いなど)
架電体制の強化や、フォローアップの強化、営業資料の見直しを行いましょう。
3.デシル分析またはRFM分析を実施して、ターゲットを見直す
既存顧客のデータから、優良顧客を特定し、今狙っているターゲットとの乖離がないか比較しましょう。リードの質に問題があるならば、ここで乖離が見つかるはずです。
市場の状況を加味して、リード獲得できる見込みがあれば、ターゲットを見直しましょう。
関連記事:BtoBマーケティングのペルソナ設定とは?個人と組織の2つ作成するのがポイント
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「ferret」は、BtoB企業に特化したマーケティング支援サービスを提供しています。
BtoBマーケティングの幅広い領域を網羅しているのが特徴で、企業ごとの現状や課題を丁寧にヒアリングした上で、本当に必要なサービスだけをご提案します。
そのため、無駄なく効率的にマーケティングを強化できます。戦略立案から施策実行、運用、ツール導入まで一貫したサポートが可能なので、どの段階からでも安心してご相談ください。
【サービス例】
- 施策実行の伴走サポート
- 各種コンサルティング(戦略設計、SEO、広報)
- 各種マーケティング作業の代行(サイト・LP制作、記事・ホワイトペーパー制作、広告運用代行)
- マーケティングツール「ferret One」の提供
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まとめ
マーケティングにおけるデータ分析は、戦略を考えたり施策の効果を高めるために欠かせない大切なプロセスです。目的に合った分析手法が揃っているので、「型」に沿って進めていけば、きっと知りたい答えが見つかります。
また、ChatGPTを活用すれば、要約やトレンド分析、競合調査などの作業をもっと効率化することもできます。AIをうまく取り入れることで、データ分析は思っている以上に手軽に始められるはずです。
まずは、シンプルに「何を知りたいのか」を整理するところから始めてみませんか?小さな一歩を積み重ねることで、マーケティングの成果を着実に伸ばしていきましょう!
もしも、マーケティングの戦略設計や効果測定についてサポートが必要であれば「ferret」にご相談ください。貴社の目的や状況にあった戦略を提案し、サイト構築・施策の実行・改善までを伴走しサポートします。