メールマーケティングを成功させるには?効果測定と改善のための指標4つ
BtoBメールマーケティングの効果を上げるポイントを解説するシリーズの後編です。
前編の「BtoBで成果を出す、メールマーケティング設計とは?」では、BtoBビジネスにおけるメールマーケティングの有効性と、目的・ターゲット設定から何をどのタイミングで送るかまでの設計プロセスを解説しました。
この記事では、メール配信後の効果測定と評価のための4つの指標と、それぞれ改善ポイントについて解説します。配信の結果を分析し、次の配信までに改善していきましょう。
■合わせてよく読まれている資料:効果的なメールの書き方や送り方をまとめました!
→成約に結びつけるためのメールマーケティングの基礎
目次[非表示]
メールマーケティングとは何か
メールマーケティングとは、Eメールを用いたマーケティング手法の総称です。代表的なものにはメールマガジン(メルマガ)、ステップメール、ターゲティングメールなどがあります。
BtoBビジネスにおいて、Eメールは集客からCRM(顧客関係性マネジメント)までを幅広くカバーすることができる重要なツールです。たとえば、メルマガでセミナーやイベントの告知をして集客を行ったり、ステップメールで資料ダウンロードのフォローをして顧客との信頼関係を築いたりすることができます。
こうした活動を通して商談成約やサービス利用の継続などの成果を上げることが、BtoBメールマーケティングの目的です。
メールマーケティングの効果を測る4つの指標
メールマーケティングにおいて、施策の効果を測るための指標は主に次の4つです。
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- CV率
以下の章で、それぞれの指標の数値が悪い場合に考えられる原因と、どう改善すればよいかも合わせてご説明します。
メールマーケティングの効果を測る指標①到達率
到達率は、送信したメールが相手の受信ボックスに届いた割合です。送信したメールは必ず届くわけではなく、さまざまな理由により不達となる場合があります。
到達率 =(配信数−エラー数) / 配信数 × 100
到達率が低い原因
- 送信先のメールアドレスが間違っている
- 送信先のメールアドレスが存在していない
など、メール送信のためのリストの質が悪いと考えられます。
到達率を上げるための改善策
メールが届かなかった率をバウンス率と呼び、バウンス率が高くなるとスパム判定される危険が高まります。
バウンス率を下げて到達率を上げるには、「メール送信リストの精査」を行いエラーとなったアドレスをリストから除外する必要があります。
バウンスは不達の理由により「ハードバウンス(恒久的な配信失敗)」と「ソフトバウンス(一時的な配信失敗)」の2種類があります。このうち、「受信側のメールボックスの容量不足」「受信側のメールサーバーがダウンしていた」などの一時的な理由によるソフトバウンスは、送信側に原因があるわけではないのでどうすることもできません。一時的なものなので、次回送信時には回復する可能性もあります。
「送信先のメールアドレスが間違っている・存在していない」などの恒久的な理由によるハードバウンスになっているアドレスを見つけたら、リストから削除していきましょう。
参考までに、Amazon SESでは、バウンス率は5%以下にすることを推奨しています。
メールマーケティングの効果を測る指標②開封率
開封率は、メールがお客様に開封された割合です。
開封率 = 開封数 / 有効配信数 × 100
(※母数を「配信数」とする計算式もあります)
開封率が低い原因
- メールの件名を見て、興味を持ってもらえなかった
- 開封されにくい曜日・時間帯に送信していた
開封率を上げるための改善策
まずは、「読んでみよう」と思えるような件名(タイトル)にできているかチェックしましょう。詳しくは、次の項目「メールマーケティングを成功させるための3つのポイント」で解説します。また、開封されやすい曜日・時間は業種やターゲットによって異なります。効果測定しながら検証をくり返し、成功パターンを見つけていきましょう。
開封率の目安は?
開封率の目安は、ターゲットによって異なります。例えば、ニーズが顕在化していない「見込み顧客」と既に「顧客」となっているファンユーザーでは、開封率に大きな差があります。
参考までにferret Oneの過去のデータでは
・見込み顧客:5~10%
・既存顧客:30~40%
が開封率の目安です。ターゲットがどちらなのかを踏まえて、適切な目標設定をしましょう。
メールマーケティングの効果を測る指標③クリック率
クリック率は、文中のURLがクリックされた割合です。
クリック率 = クリック数 / 開封数 ×100
(※母数を「配信数」や「有効配信数」とする計算式もあります)
クリック率が低い原因
- URL先のコンテンツに興味を持ってもらえなかった
- メールの構成や文章がわかりにくかった
- リンクへの誘導文章がわかりにくかった。
など、複数の理由が考えられます。
クリック率を上げるための改善策
1.読者が必要としている内容を提供する
配信結果を見ながら、内容を見直して繰り返し検証していきます。前回解説したターゲット・ペルソナ設定と自社分析をしっかり行いましょう。
2.構成を見直す
目次をつける、文章内のタイトルを目立たせる、クリックしてほしいコンテンツを先に紹介する、など、構成を見直します。
3.「このURLが何か」を明記する
メルマガ内にある各URLに対して「このURLは何のコンテンツか」「クリックすると何が起こるのか」をきちんと説明することで、クリックしてもらいやすくなります。「○○についてさらに詳しく見るにはこちら」「このエピソードの続きはこちらのURLで」など、リンクの誘導文も工夫しましょう。
クリック率の目安は?
クリック率の目安についても、開封率同様にターゲットによって異なります。
参考値としてご紹介すると、ferret Oneの過去のデータでは
・見込み顧客:1~5%
・既存顧客:15~30%
がクリック率の目安です。
メールマーケティングの効果を測る指標④コンバージョン率
コンバージョン率は、問い合わせやセミナーへの申し込み、資料ダウンロードなどのユーザーにしてほしい行動が達成された割合です。
コンバージョン率 = コンバージョン数 / 開封数× 100
(※母数を「配信数」「有効配信数」「クリック数」とする計算式もあります)
コンバージョン率が低い原因
- メールと遷移先のページの内容が合ってない
- ページのどこをクリックすればよいかわからない
- 商品・サービスが思ったほど魅力的ではない
などが考えられます。
コンバージョン率を上げるための改善策
メールからの直帰率(そのページだけを見て離脱した割合)を下げましょう。
メールからサイトに訪れたユーザーが「違和感なく」お問い合わせや資料請求といった目的を果たせるかどうかが鍵となります。メール本文の推敲はもちろん、シナリオ全体の見直しもしていきましょう。
コンバージョン率の目安は?
コンバージョン率の目安は、訴求内容やキャンペーンによって異なります。
参考値としてご紹介すると、ferret Oneの過去のデータでは、見込み顧客で0.2~1%がコンバージョン率の目安です。
メールマーケティングを成功させるための3つのポイント
この項目では「開封して、リンクをクリックしてもらえるメール」にするためのポイントを3つご紹介します。
- 読みたいと思わせるタイトルをつける
- メールの中ですべてを伝えない
- 種類のメールを使い分ける(キャンペーンメール / フォローメール)
リンク先に遷移後、コンバージョン率を上げる施策は以下の記事を参考にしてください。
→CTAを改善して、コンバージョンを増やすための5つのポイント
1. 読みたいと思わせるタイトルをつける
メールの開封率を大きく左右するのがタイトルです。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が行なった調査によると、仕事で1日に受信するメールの平均は「34.30通」です。多くのメールの中で、いかに目を引くタイトルをつけられるかが鍵になります。
件名が途切れない文字数で
一般的にPC用メールソフトの受信メール一覧で件名が表示される幅は、初期設定で全角25文字程度です。それ以上になってしまうと件名が途切れてしまい、一覧では件名の後ろのほうが表示されません。スマホでは更に短く、17∼20文字程度です。タイトルはこれらの文字数で収めましょう。
タイトルを目立たせる
- 【】《》などのくくり符号 をつけて、重要性を強調する
- 「無料」「人気記事」「活用Tips」など、読者にとって有益な情報であることを示す
- 「締め切り迫る」「先着20社」「最終案内」など、即時の行動を促す文言を入れる
- 内容を要約した、具体的なタイトルにする
- 「クイズ」「知っていますか?」など読者が気になるワードを入れる
など、いくつかのパターンを試して、成果があるものに寄せていきましょう。
2 . メールの中ですべてを伝えない
メール本文では簡潔にわかりやすい文章を書くことが重要ですが、すべてをメールの中で完結させないことも大切です。
メール内で話が完結してしまうと、ユーザーはそこで満足してメールを閉じてしまいます。自社サイトに誘導して商品のより詳しい説明を読んでもらったり、情報発信をしている自社メディアに誘導して更なるファン化を狙ったりすることで、より効果的に顧客育成を行うことが可能です。
カスタマージャーニーマップで全体像を捉えながら、メールの役割を明確化しましょう。
3.2種類のメールを使い分ける(キャンペーンメール / フォローメール)
既存顧客に対してリピートを促すのが目的の場合には、
- 商品の再購入を促すキャンペーンメール
- 関係構築をするためのフォローメール
の2種類のメールを使い分けることがオススメです。
初回コンバージョン後に送るメールは、関係構築のためのフォローメールにしましょう。立て続けにリピートを促すと煙たがられる可能性があります。
普段はフォローメールで関係を構築し、新サービスやセミナーの告知がある場合はキャンペーンメールを使うなど、両者のバランスを考えながら成果につなげていきましょう。
最大限の効果を出すにはハウスリストの充実も重要
メールマーケティングで最大限の効果を出すには、「配信対象リスト(ハウスリスト)の規模」も重要です。これまでに挙げた4つの指標で配信メールを改善するのと合わせて、ハウスリストを充実させる施策も行う必要があります。
ハウスリストは主に以下のような経路で獲得し、精査しながら充実させていきます。
- 営業で獲得してきた名刺情報
- 展示会やセミナーで接触した見込客
- Webサイトからの資料ダウンロード
メールマーケティングツールとしてのferret One
Webマーケティングツール「ferret One」には、以下のようなメールマーケティングのための機能があります。ハウスリストの管理からメールの配信、効果測定まで、メールマーケティングツールとしてもご活用ください。
各チャネルからのハウスリスト獲得を支援
・営業で獲得してきた名刺情報:法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」と名刺データの連携しています。Sansanに保存された名刺データを自動でferret Oneに取り込み同期させることができます。
・展示会やセミナーで接触した見込客:キャンペーン管理機能で、テンプレートから簡単にLPや応募フォームを作ることができます。
・Webサイトからの資料ダウンロード:「ページ作成」「入力フォームの設置」「CTA設置」の3ステップで、サービス紹介資料やホワイトペーパーのダウンロードページを簡単に作成できます。
見込み顧客のセグメントに合わせたメール配信
上記の手段で獲得した見込み顧客の情報をデータベース化してハウスリストとして管理できます。
全リストの中から、指定した条件に合う見込み顧客のみを抽出することも可能です。
メール配信後の効果測定と評価
配信メールの到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率はレポート画面で確認することができます。この記事で紹介した改善策を参考に、次回の配信に活かしましょう。
ステップメール機能で配信自動化
一斉配信メールはもちろん、あらかじめ設定したスケジュールに沿ってステップメールを送ることも可能です。獲得したリストを、メールマーケティングの中でナーチャリングしていくことができます。
ferret Oneを利用したメールマーケティングの事例
アピ株式会社様は、各営業担当者がそれぞれに顧客管理をしており、休眠顧客や失注顧客に効率的にアプローチできていないことに課題を感じていらっしゃいました。
そこでferret Oneを使い、ハウスリスト約1,000件と展示会で名刺交換をしたリスト2,000件弱にメールを配信。ナーチャリングを目的としたマーケティング施策として4回メールを配信したところ、80件のお問い合わせにつながりました。
まとめ:メール自体の改善とハウスリストの獲得、両方が重要
メールマーケティングを成功させるには、4つの指標「到達率」「開封率」「クリック率」「コンバージョン率」で効果測定をし、評価に基づいて改善を続けることが大切です。
また、配信のためのハウスリストを日々獲得し、精査することも欠かせません。この2つをバランスよく行っていきましょう。
弊社は、BtoBマーケティングに必要な機能をまるっとそろえたツール「ferret One」を提供しています。
Web制作からリード獲得、顧客管理までできる高機能をもちながら、操作はシンプルで簡単。やりたい施策がすぐできるから、生産性向上を実現します。 ご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。
>ferret Oneサービス紹介資料のダウンロード(無料)はこちら
▼あわせて読みたい
→BtoBで成果を出す、メールマーケティング設計とは?
→BtoBではステップメールの設計が重要! 活用のポイントと具体例