メールマーケティングで見るべき4つの指標と改善ポイント
BtoBビジネスの成約において、メールは集客からCRMまでを幅広くカバーすることができる重要なツールです。
「BtoBで成果を出す、メールマーケティング設計とは?」では、メール送信前の設計についてお伝えしました。この記事では、配信後のパフォーマンス改善のために見るべき指標と、改善ポイントについて解説します。期待したパフォーマンスが出たかのチェックし、次の配信までに改善していきましょう。
メールマーケティングで見るべき指標
メールマーケティングにおいて、見るべき指標は主に次の4つです。それぞれに改善ポイントとあわせて、ご説明します。
1.到達率
到達率は、送信したメールが受信ボックスに届いた割合です。
到達率 =(配信数−エラー数) / 配信数 × 100
<到達率が悪い原因として考えられること>
送信先のメールアドレスが間違っている・存在していないなど、リストの質が悪い。
<改善策>
エラーとなったアドレスをリストから除外する「リストの精査」を行います。
メールが届かなかった率をバウンス率と呼び、バウンス率が高くなると、スパム判定される危険が高まります。バウンスには
- 恒久的な配信失敗:ハードバウンス
- 一時的な配信失敗:ソフトバウンス
の2種類があり、「送信先のメールアドレスが間違っている・存在していない」はハードバウンスに当たります。一方のソフトバウンスの原因は、受信側のメールボックスの容量がいっぱいだった、サーバーがダウンしていた、などが考えられます。ちなみに、届いてはいるけれど、迷惑メールとして振り分けられているものはエラーに含まれません。
ソフトバウンスについては配信側で制御できないので、ハードバウンスにならないよう、メールアドレスが存在しないエラーが返ってきているものは、リストから削除していきましょう。
参考までに、Amazon SESでは、バウンス率は5%以下にすることを推奨しています。
2.開封率
開封率は、メールがお客様に開封された割合です。
開封率 = 開封数 / 有効配信数 × 100
(※母数を「配信数」とする計算式もあります)
<開封率が悪い原因として考えられること>
- 件名を見て、興味を持ってもらえなかった。
- 開封しにくい曜日・時間帯に送信していた。
<改善策>
まずは、読まれる件名(タイトル)にできているかチェックしましょう。詳しくは、次の章で解説します。また、開封されやすい曜日・時間を検証し、成功パターンを見つけていきましょう。
開封率の目安は?
開封率の目安については、ターゲットによって異なるので一概には言えません。例えば、まだニーズが顕在化していない「見込み顧客」へのメールと、すでに「顧客」となっているファンユーザーへのメールでは、開封率には大きな差があります。
ferret Oneの過去の数字でご紹介すると
・見込み顧客:5~10%
・既存顧客:30~40%が開封率の目安になっています。自社でのターゲットごとに、数値を定点観測し、目標設定と改善をしていきましょう。
3・クリック率
クリック率は、文中のURLをクリックされた割合です。
クリック率 = クリック数 / 開封数 ×100
(※母数を「配信数」や「有効配信数」とする計算式もあります)
<クリック率が悪い原因として考えられること>
- コンテンツの中身に興味を持ってもらえなかった。
- メールの構成がわかりにくかった。
- リンクへの誘導文章がわかりにくかった。
など、複数の理由が考えられます。
<改善策>
1.読者が必要としている内容を提供する
結果を見ながら、内容を見直して繰り返し検証していきます。精度を上げるために、ターゲットを絞って配信しましょう。
2.構成を見直す
目次をつける、文章内のタイトルを目立たせる、クリックしてほしいコンテンツを先に紹介する、など、構成を見直します。
3.「このリンクが何か」を明記する
メルマガ内にある各リンクに対して「このリンクは何か」「押すと何が起こるのか」をきちんと説明することで、クリックしてもらいやすくなります。「詳しくはこちら」「続きはこちら」など、リンクの誘導文を工夫しましょう。
クリック率の目安は?
クリック率の目安についても、開封率同様にターゲットによって異なります。
参考値としてご紹介すると、ferret Oneの過去の数字では
・見込み顧客:1~5%
・既存顧客:15~30%がクリック率の目安になっています。
4.コンバージョン率
コンバージョン率は、商品の購入・受注などの最終的な目的を達成した割合です。
コンバージョン率 = コンバージョン数 / 開封数× 100
(※母数を「配信数」「有効配信数」「クリック数」とする計算式もあります)
<コンバージョン率が悪い原因として考えられること>
- メールと遷移先のページの内容が合ってない
- ページのどこをクリックすればよいかわからない
- 商品・サービスが思ったほど魅力的ではない
などが考えられます。
<改善策>
メールからの直帰率(そのページだけを見て離脱した割合)を下げましょう。
メールからサイトに訪れたユーザーが「違和感なく」お問い合わせや資料請求といった目的を果たせたかどうかが鍵となります。メール本文の研磨はもちろん、シナリオ全体の見直しもしていきましょう。
コンバージョン率の目安は?
コンバージョン率の目安は、訴求内容やキャンペーンによって異なります。
参考値としてご紹介すると、ferret Oneの過去の数字では、見込み顧客で0.2~1%がコンバージョン率の目安になっています。
「読んでもらえるメール」にするための3つのポイント
この章では「開封して、リンクをクリックしてもらえるメール」、つまり「読んでもらえるメール」にするためのポイントをご紹介します。
- 読まれるタイトルをつける
- メルマガですべてを伝えない
- 2種類のメールを使い分ける(キャンペーンメール / フォローメール)
1. 読まれるタイトルをつける
メルマガの開封率を大きく左右するのがタイトルです。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が行なった調査によると、仕事で1日に受信するメールの平均は「34.30通」です。そのメールの中で、いかに目を引くタイトルをつけられるかが鍵になります。
前提として、件名が途切れない文字数で
一般的に、メールソフトにおける件名の表示幅は初期設定で全角25文字程度で、それ以上になってしまうと件名が途切れる形になってしまいます。スマホだと更に短く、17∼20文字程度です。これらの文字数で収まるタイトルをつけることが前提になります。
タイトルを目立たせる
- 【】《》などのくくり符号 をつけて、重要性を強調する
- 「無料」「人気記事」「活用Tips」など、読者にとって有益な情報であることを示す
- 「締め切り迫る」「先着20社」「最終案内」など、即時の行動を促す文言を入れる
- 内容を要約した、具体的なタイトルにする
- 「クイズ」「知っていますか?」など読者が気になるワードを入れる
など、いくつかのパターンを試して、成果があるものに寄せていきましょう。
2 . メルマガですべてを伝えない
メール本文では、簡潔にわかりやすい文章を書くことが重要ですが、すべてをメールの中で完結させないことも大切です。自社サイトに誘導させて、商品のより詳しい説明を読んでもらったり、情報発信をしている自社メディアに誘導して、更なるファン化を狙ったりすることで、より効果的に顧客育成を行うことが可能です。
カスタマージャーニーマップで全体像を捉えながら、メルマガの役割を明確化しましょう。
3.2種類のメールを使い分ける(キャンペーンメール / フォローメール)
既存顧客に対して、リピートを促すことを目的にする場合には、
- 商品の再購入を促すキャンペーンメール
- 関係構築をするためのフォローメール
の2種類のメールを使い分けることがオススメです。
お客様が初回購買を済ませた後に送るメールは、関係構築のためのフォローメールにしましょう。
しつこく営業メールを送ることはぜず、キャンペーンメールはあくまで新商品の告知や、キャンペーンのお知らせのために使うなど、両者のバランスを考えながら、成果につなげていきましょう。
メールマーケティングにおいて重要な、もうひとつの指標
到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率といった、配信したメールのパフォーマンスを確認する指標に加えて、もうひとつ重要な指標は、「配信対象リスト(ハウスリスト)の規模」です。
- 営業で獲得してきた名刺情報
- 展示会やセミナーで接触した見込客
- Webサイトからの資料ダウンロード
など、さまざまな手段で、ハウスリストは常に増やしていく必要があります。
御社のハウスリストは潤沢でしょうか?
ferret Oneでできる、ハウスリスト獲得
Webマーケティングツール「ferret One」には、ハウスリストを増やす手段がそろっています。
・営業で獲得してきた名刺情報:法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」と名刺データの連携しています。Sansanに保存された名刺データを自動でferret Oneに取り込むことができ、最新の名刺データをいつでも同期できます。
・展示会やセミナーで接触した見込客:キャンペーン管理機能で、テンプレートから簡単にLP作成し、応募フォームまで作ることができます。
・Webサイトからの資料ダウンロード:ページ作成、フォームの設置、CTA設置の3ステップで、サービス紹介資料や、ホワイトペーパーをダウンロードしてもらうページを簡単作成できます。
メールマーケティングで、見込み顧客のセグメントに合わせたコンテンツ送信
上記の手段で獲得した、全ての見込み顧客の情報をデータベース化して管理し、セグメントに合わせてメール配信をすることができます。
配信後のパフォーマンスの確認
配信メールの到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率はレポート画面で確認し、次回の改善へ活かせます。
ステップメールで配信自動化
一斉配信メールはもちろん、あらかじめ設定したスケジュールに沿ってステップメールを送ることも可能です。獲得したリストを、メールマーケティングの中でナーチャリングしていくことができます。
お客様の事例
これまでサイト制作、フォーム、メール配信、営業管理を別々のツールで管理していたこちらのお客様は、一気通貫でデータが取得できず分析に苦労されていました。
マーケティングの効率を高めるためにferret Oneを導入され、メールマーケティングの機能もご活用されています。
ハウスリストの獲得と、その後のメールマーケティングにお困りならば、ferret Oneがお役に立てるかもしれません。