メルマガでセミナーの集客率をアップするには?マーケターが伝える活用に役立つコツ
セミナー集客をしたいとき、メルマガの活用は古いと思われがちです。しかし、メールはビジネスパーソンに最も定着している媒体のため、高い集客率獲得を狙えます。
今回、「メルマガはBtoBマーケティングの中心的な施策」であり、「セミナー集客に高い効果を発揮する」と話す弊社マーケターの菊池に、さまざまな質問をしました。この記事を読めば、メルマガ作りのコツ・考え方や、顧客への寄り添い方がわかります。
■合わせて読みたい資料:
→シーン別メールテンプレート集16選 ※セミナー集客やお礼メールなど!
解説をするのはこの人!
菊池貴行(きくち たかゆき)
株式会社ベーシック マーケティング部 マーケティンググループ マーケター金融機関、メディア運営会社を経て、2018年より株式会社ベーシックへ入社。ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍。戦略立案からサイト運用まで、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行う。累計担当社数は120社以上。これまでの豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある。
目次[非表示]
メルマガを活用して得られる3つのメリット
──まず、メルマガにはどんなメリットがあるのでしょうか?
はい。メリットは大きく分けると3つです。
- 高い集客率の獲得を狙える
- ハウスリストの顧客は反応を得やすい
- 高額な予算が必要ない
──メルマガが高い集客率を獲得できるのはなぜでしょうか?
メールはビジネスパーソンに最も定着している媒体だからです。Web利用が少ない業界でも必ず活用しますから。
──なぜ、そこまで定着率が重要になるのでしょうか?
発信内容を認識してもらうことが大切だからです。発信に気付かれないのは、「発信していない」のと同じ。とにかく認識してもらえることが大切です。
──なるほど。しかも、ハウスリストの顧客ですしね。
ハウスリストの顧客ということは、自社について何かしら知ってくれている方ということですよね。興味関心が一定以上あるため、新規顧客より前向きな反応を得やすいんです。
──しかも、高額な予算が必要ないんですね。
広告と比較して、費用がかからないのは大きなメリットです。たとえば、効果的なLPを作りたいとき、2つパターンを用意してABテストを行い検証するのが定番ですよね。もしハウスリストがあれば、リスト内の人向けにテストができます。例えば、セミナー申し込みページとなるLPを2種類作って、どちらのページからの申し込みが多かったか効果測定してみるとか。仮にリストが数百件だけでも、反応を見られる機会は非常に貴重です。
──既存顧客の反応を見て、好感触ならその後、本格的な広告として回す手が使えますね。
セミナー集客で高い効果を発揮するメルマガの特徴
集客率の高いメルマガにはどのような特徴があるのか、「メルマガを構成する要素」や「要素がメルマガに与える影響」について掘り下げます。
メルマガは要素ごとに与える影響が異なる
──メルマガが与える影響が知りたいです。
メルマガを構成する要素によって、読み手に与える影響は変わってきます。メルマガを作成する際に特に重要な要素は、タイトル・本文・遷移先のURL・LP・CVポイントの5つです。
──各要素が、ユーザーに与える影響はどう違うのでしょうか?
まず、開封率に影響するのはタイトルです。クリック率に影響するのは、本文と遷移先URL。CV率に影響するのは本文、遷移先URL、LP、CVポイントです。
──各要素と、結びつく影響の関係性を知っておくことが重要なんですね。
要素と影響の連動を知っておくと、対策がしやすくなります。たとえば「開封率が低い」メルマガなら、「タイトルを魅力的にしないといけない」などですね。
──読み手からの反応が薄い要素を把握して、対策するのですね。
「本文で離脱されてCV率が低い」など、データを集めて原因となる部分を改善し、メルマガの効果を最大化します。
──セミナーを集客するメルマガ作りだからこそ、使えるポイントはありますか?
セミナー集客だからこそというポイントはありません。愚直に「要素と影響の把握」をして、どこがネックなのかを見極めていきます。
──セミナー集客だけでなく、すべてのメルマガ作りに役立つ話なんですね。
自分ごと化は効果的なタイトル作りに欠かせない
──読んでもらえるメルマガのタイトルってどのようなものですか?
セミナー内容を自分ごと化してもらえるようなタイトルですね。「メールの内容と合っていて、読み手が自分事ごと化できる」タイトルを付けることが重要です。
──何だか難しそうな気がするんですが……。
実は私自身、タイトルとメールの内容をしっかり合わせられていない時期がありました。そのため、開封率が伸びずCV率も少なかったです。
──改善のために、どのような取り組みをしましたか?
自社セミナー終わりに毎回実施するアンケートを確認して、「良かった点」や「印象に残った点」を大まかに分析しました。お客さんが使う言葉から、理解度やWebマーケティングに対するリテラシーレベルを見極めたいと思ったんです。
▼実際にferret Oneのセミナーアンケート結果からメールタイトルを作成した例
・アンケート結果から頻出語句を抽出し、タイトル案を作成
・アンケートをもとに作成した件名により、開封率はBefore 17.89% → After 21.22%に向上した
──アンケートの回答は、セミナーに参加することで得られるベネフィットを、お客さん目線で知れるツールですね。
はい。客観的に見て良い部分、セミナーで得られるメリットを抽出して、タイトルに反映させることが重要です。アンケートは毎回確認して、メルマガを作るようにしています。
──セミナーでアンケートをとっていない会社さんがいたら、お客さん(=読み手)目線を手に入れるために、アンケートを取りはじめるといいかもしれませんね。
あとはタイトルが魅力的でも、本文の内容にズレがないようにすることですね。タイトル詐欺になってしまうと、開封してもらえても、途中までしか読んでもらえなくなります。全体の連動性にはこだわるようにしていますね。
──ズレが出ないように、どのようなことを意識しましたか?
始めに、メルマガ本文で使うキーワードを、読み手の理解度に合わせました。タイトル作りで意識した、読み手に寄り添う考え方は、ここでも活きます。タイトルと本文が同じ内容でも、意味が伝わらなければ、受け手にとってタイトルとズレている内容になります。
▼実際にferret Oneのセミナーアンケート結果から、集客メールの本文を改善した例
アンケートで反響の大きかった会社の実績を掲載することで説得力を高めました
CV率(開封後)はBefore 0.40% → After 0.84%に向上した
↓
他にも、セミナーで扱うトピックを箇条書きで示し、参加するメリットを端的に伝えました。
──箇条書きなら、読みやすくわかりやすそうです。「興味を持ってもらう伝え方」の大切さを強く感じます。
メルマガの魅力を底上げする構成要素の活かし方
──メルマガをどのような構成で作成していけば良いのでしょうか。
ざっくり分けると、タイトル・アイキャッチ画像・CTA・セミナーLPのURL・本文・署名ですね。
──それぞれの項目で、意識すべき点はありますか?
「タイトル」は、ターゲットユーザを設定し、その人にとって魅力的で、今抱えている課題に対して、何かしらプラスの影響をもたらしてくれるような内容を意識しています。
──アイキャッチ画像で意識すべき点は?
「セミナーテーマ」「講師」「開催日時」が一目でわかる画像作りです。ちなみに、弊社のメルマガは、2枚の画像を組み合わせたGIF画像を使っています。1枚目は「セミナータイトル画像」、2枚目は「セミナースライドから一枚抜粋」してセミナーの内容をイメージしてもらえるような工夫をしています。
▼ferret Oneセミナーメルマガでは、資料を一部見せると以下のようにCTR・CVRの向上が見られた
──画像の工夫で大きな効果が現れていますね!では、差出人の設定は、どこに気をつけるべきですか?
団体名、事務局ではなく、「ferret One(会社名)運営事務局の○○です」と個人名を入れるようにしています。その方が、メールを読んでいただきやすい傾向があるためです。
──確かに、個人名の方が内容を身近に感じられるかもしれません。続いて、CTAで意識すべき点を教えてください。
目立つ色で視認性を高め、一目で「申し込みボタンだ」とわかるような心がけが必要です。また、メールを読み切った人向けのCTAを設置して、もう一度参加を促すのも効果的ですね。
また、テキストリンクの方がクリック率は上がります。ただ、CTAボタンもクリックされていますから、CTAボタンとテキストリンクは両方設置したほうがいいです。
▼ferret Oneセミナーメルマガではテキストリンクの方がCTAボタンよりもクリックされている
──CTAを複数設置することで、読み手がリンクを探さずに済みますね。
はい。その点はURLも一緒です。URLをハイパーリンク化するときは、青色にするなど一目で判る工夫を凝らせば、読み手のストレスを軽減できます。
──確かに。では、本文で意識すべきポイントは?
なるべく長くなりすぎないように注意することです。ferret Oneでは必要最低限の内容として、導入文、セミナータイトル、セミナーのポイント、どんな方におすすめか、という4点を記載しています。
──要点がまとまっていて、わかりやすい構成です。最後に、署名で意識すべき点はありますか?
署名内に複数のURLを貼らないことです。セミナー情報・サービスサイト導線・プロダクトツアーなど複数のURLを貼ると、本来見てほしいセミナーLP以外への離脱が起こってしまいます。
──メルマガの本題はあくまでセミナー。メールに関係ないリンクを載せたい気持ちはわかりますが、離脱を防ぐために我慢すべきですね。
内容を充実させることはメルマガの大切な要素
──メールのデザインには、こだわるべきですか?
デザインにこだわりすぎる必要は無いと感じます。BtoBマーケティングで大切なのは「何を提供しているか」です。綺麗で読みやすいデザインはいいと思いますが、デザインだけでは集客に繋がりません。
──ブランディング的な意味だと、どうですか?
効力はあると思いますが、そこだけを一定以上こだわってもテーマに共感できなければ、「良さそうだけど、よく分からない」で終わってしまいますね。
──では、どこから手をつけるべきですか?
まずは、「ターゲットユーザーの理解」「タイトル」「セミナー内容の伝え方」などに集中して取り組み、余裕ができたらデザインに力を入れると良いかと思います。
──メールの本文(文字数)の長さと、集客率は関係しますか?
文字数が長くなりすぎると、読むストレスで離脱が発生する可能性が高まります。本文は「LPへ遷移してもらう通り道」と捉えて、必要最小限でわかりやすく伝えることが不可欠です。
──セミナー集客において、メールはパス役、LPがシュート(セミナー参加の申込み)を決める役ですね。
おっしゃる通りです。セミナーのLPを見ていただければ、そこ詳しい内容や、開催日時なども書いてあるはずです。メールでは、セミナーのテーマが誰のどんな課題に対して役に立ち、参加することで何を得られるかなど、必要な要素だけを本文にしてください。
メルマガ作りは送信相手選びも重要
──これまでの話から、メルマガの送信相手選びも重要だと感じています。選定のコツやポイントはありますか?
やはり1番は、アンケートの声を拾うことです。BtoBのターゲットは、基本的に悩みが共通しやすい特徴があります。「会社でどういう課題を抱えているか」「どの程度の知識レベルの人が多いか」「セミナーで取り上げているテーマについて普段、どのようなキーワードで認識して考えているか」などに着目します。
──アンケートをとっていない場合は、どうしたらいいでしょうか?
過去の受注顧客の傾向を、営業担当者にヒアリングするといいですよ。それだけでも解像度が上がり、ターゲットイメージが掴みやすくなります。
セミナー集客のメルマガでニーズを掴むコツ
──セミナー集客率が高いメルマガに共通したポイントはありますか?
「最初のタイトル」や「メールを開いたファーストビュー作り」が上手であること、ですかね。自分自身が普段悩んでいることを言語化されている感じが与えられるといいですね。ズバッと言い当てられると興味が湧くし、「この会社わかってるな」と思えます。
──実際に、自分でメルマガを作るときのコツはありますか?
アンケートを確認して、何回も出てくるキーワードを掴むのがコツです。複数回出てくる言葉はメモして、1回しか出てこないマイナーなワードは除いていきます。
──キーワードから、セミナー参加者の一般的な認識を把握するんですね。
そうです。アンケートで使用される言葉を可視化してユーザーの悩みを掴み、そこから掘り下げていくイメージですね。
──悩みを掴み掘り下げる方法は、どのようなセミナー形態においても役立ちますか?
はい。自分たちの業界で特にどのようなことが課題なのか仮説を立て、アンケートでユーザーに寄り添い、そこにあったセミナー紹介を考えるためにも、とても役立つ方法だと思います。
──今回は役立つお話、ありがとうございました。
メルマガでセミナーの集客率をアップさせよう
メルマガによるセミナー集客は、BtoBマーケティングにおいて非常に効果的な施策です。
自社セミナーが、ユーザーの悩み解決に役立つことを、わかりやすく的確に伝えることで集客率の向上が目指せます。
メルマガを効果的に活用し、集客率のアップにトライしてみてください。
■合わせて読みたい関連資料
→【2022年最新版!】受注に繋がるウェビナー運営とは?ウェビナー運営の教科書
→シーン別メールテンプレート集16選 ※セミナー集客やお礼メールなど!
当社は、初めてでも使いやすいMAツール「ferret One for MA」を提供しています。
「MAを導入したけど、使いこなせない」とお悩みではありませんか?
ferret Oneは、メルマガ配信を始め、BtoB施策に必要な機能を、現場のマーケター・営業が使いやすい形で搭載。 ご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。