Webサイト運営のKPI設定方法とは?事例を交えてご紹介!
Webサイトを運営する上で、成果を正しく評価するために欠かせないKPI。
しかし、「何を基準に設定すれば良いのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、Webサイト運営における効果的なKPIの設定方法を分かりやすく解説します。
「ferret」 が実際にお客様のWebサイトをご支援する中で寄せられたよくある相談や具体的な事例をもとに、課題解決のヒントをお届けします。目標設定に迷っている方はぜひ参考にしてください。
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目次[非表示]
Webサイト運営のKPIの立て方
Webサイト運営のKPIを立てる際、下記の手順で進めると効果的なKPIを設定できます。
- 自社サイトの運営目的からゴールイメージを持つ
- 目的に合ったKPI・KGIを選ぶ
- 目標に具体的な数字と期間を割り当てる
1.自社サイトの運営目的からゴールイメージを持つ
まず「Webサイトの目的」を明文化しましょう。「適切な目標」=「目的に合った目標」になります。
目的によってサイトの種類も変わってきますので、運営目的とサイトの種類が合致していることも確認してください。
サイトの種類 |
主な運営目的 |
サービスサイト |
リード獲得(問い合わせ件数の増加) |
採用サイト |
求人募集 |
オウンドメディア(企業ブログ) |
認知度拡大 |
2.目的に合ったKGI・KPIを選ぶ
「KPI」は「KGI」を分解することで決定できます。KPIはゴールに結びつく指標でなければなりません。
-
KGI(Key Goal Indicator):ゴール
最終目標が達成されているかを計測するための指標のことで、重要目標達成指標とも呼ばれます。 -
KPI(Key Performance Indicator):中間指標
最終目標である「KGI」を達成するために追うべき中間指標のことです。重要業績評価指標とも呼ばれます。
これを図示したものが「KPIツリー」です。樹形図のような形でその関係性を表すことができるものになります。 KGIをツリーの頂点にし、 KPIをその下に加えていきます。
KGIと紐づけないまま、アクセス数をKPIとしてむやみに追い続けるケースはよく見かけます。KPIツリーを意識して、KGIからKPIを逆算して設定しましょう。
KGI・KPIに悩んだ場合にまずおすすめなのが、CV数と訪問数を見ることです。当社ではそれぞれの数値について、3か月後、6か月後、1年後にどうなっていたいか、で設定していくことが多いです。
3.KGIとKPIに具体的な数字と期間を割り当てる
KGIやKPIは曖昧な指標では意味をなしません。誰でも公平に客観的に判断できるよう期間と具体的な数値を設定し、明確な判断基準としておくことが基本となります。
明確な目標値がある場合
よくある設定方法が、マーケティング部門と営業部門共通のKGI「売上」から逆算していくというものです。
この場合、受注数、案件化数、商談数から逆算して、お問い合わせ数(CV数)の目標を設けましょう。
次章「【具体例】Webサイト運営のKPI設定」で詳しく解説します。
明確な目標値がない場合
競合サイトや現状のサイトの数値を参考に、「これくらいのお問い合わせ数があったら嬉しい」というところから、訪問数を逆算してみましょう。
まずは目標を設定し、推移を追うことが重要です。実績が出てくれば前月比、前年比で目標が立てられるようになります。
この場合、実際にマーケティングを進めていて目標と実績の乖離が生まれやすいため、定期的なKPIの見直しが必要です。「WebサイトのKPIを変更する際の運用方法」の章で詳しく解説します。
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【具体例】Webサイト運営のKPI設定
WebサイトのKPIに具体的な数値と期間を割り当てる方法を具体例を交えて分かりやすく解説します。
ここでは、Webサイト運営のKPI設定として、多くの企業に見られる「明確な売上目標が設定されている場合」を取り上げます。
- 部門目標を設定する
- Webサイト施策の目標を設定する
1.部門目標を設定する
よくあるのが、営業部門とマーケティング部門が共通の売上目標を持っているというケースです。その場合、営業部門の目標は受注数、マーケティング部門の目標はリード数とされることが多いです。
このリード数は売上目標を達成するために必要なリード数で、資料ダウンロードやお問い合わせなど商談につながるCVを指します。このリード数は、売上目標・受注単価から逆算して計算していきます。
この目標を設定する際には、営業部門とマーケティング部門の責任者・担当者がしっかりと話し合うことが欠かせません。例えば、マーケティング部門が多くのリードを獲得しても、営業部門が商談化できなければ売上には結びつきません。また、その逆も同じです。
現状のリソースや取り組み状況を考慮し、来期に取り組むべき課題や改善ポイントを踏まえて、実現可能な部門目標を設定しましょう。
▼部門目標となるKPI設計についてはこちらの記事で解説しています。
関連記事:BtoBマーケティングにおける「KPI設計」とは?フェーズごとの具体例を紹介
2.Webサイト施策の目標を設定する
WebサイトのKPIは、流入別の施策によって分解されます。取り組む施策が決まっている場合、施策ごとにKPIを設定します。
施策ごとに獲得したリードの商談化率は変わってくるはずです。リード数については、営業部門とも相談しながら、来期に目指す商談化率を設定の上、数値を決めましょう。
例として、下記の通り、広告施策とSEO施策に取り組む場合のKPIを設定しました。
それぞれの施策の「リード数」を達成するには、「Webサイトの訪問数」を増加させるか、「CV率」を向上させる必要があります。マーケティングの状況によってどちらをKPIにするかが変わってきます。
「Webサイトの訪問数」を増加させる場合:
取り切れていないキーワードがあったり、広告予算が増額されたなど、まだ流入数増加の余地がある場合は、流入数をKPIとして改善に取り組んでいきます。
SEO記事の本数をKPIにしている企業も多いですが、その場合は、検索ボリュームから想定される流入数を逆算し、必要な記事を割り出すことができます。
「CV率」を向上させる場合:
SEOによるオーガニック流入の増加が見込めなかったり、広告費の削減されたなど、すでに流入数が限界の場合は、CV率をKPIとして、今よりも向上させる施策に取り組んでいきます。
関連記事:コンテンツマーケティングのKPI設定方法とは?効果的な運用方法も紹介
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WebサイトのKPIになる指標
WebサイトのKPIとして活用される主要な指標と、それぞれが示す内容やマーケティングでの活用シーンをご紹介します。
どの指標をKPIに設定するかの参考にご活用ください。
自社サイトや特定ページの閲覧に関する指標 |
PV(ページビュー・表示回数) セッション数(訪問数・流入数) 訪問者数(ユニークユーザー数) 離脱率 回遊率 ページ遷移率 リテンション率 |
受注や登録、資料請求といった成果につながる指標 |
CV/コンバージョン(成果件数) CVR(成果獲得率) CPA(成果獲得単価) CPO(受注単価) CTC(クリック単価) CTR(クリック率) |
■PV(ページビュー・表示回数)
ユーザーがページを閲覧した回数(特定のページが表示された回数)を示す指標。
KPIとしての活用
オウンドメディアのKPIとして用いられることが多い指標です。サイト全体のPV数(全記事のPV数)はオウンドメディアの成長を測る際のKPIとしてよく使われています。
また、人気ページや訪問者の関心を特定する際にも有用です。
■セッション数(訪問数・流入数)
特定のサイトやページに訪問された回数を示す指標。ユーザーの訪問頻度を測定することで、関心の強さを把握することができます。
KPIとしての活用
主にSEO施策のKPIとして設定されています。
セッション数が少ない場合、記事の本数が十分ではなかったり、狙ったキーワードの検索順位が低かったりと、改善の余地があると考えられます。
セッション数をページ別に確認することで、どのページが課題を抱えているのかを具体的に特定することが可能です。これにより、低パフォーマンスのページを改善し、SEO効果を高める施策を計画的に進められます。
また、TVCMや広告キャンペーン後の流入数を測定することで、効果的な集客方法となったかを評価するのにも有用です。
■訪問者数(ユニークユーザー数)
訪問したユーザーの数を示す指標。「UU(unique user)」と表記されている場合もあります。
例)ひとりのユーザーが5回サイトを訪れ、特定のページを2回ずつ閲覧した場合、該当ページのユニークユーザー数は「1人」、アクセス数は「5回」、PV数は「10回」となります。
KPIとしての活用
PV数やアクセス数(セッション数)は、同じユーザーが何度もサイトを訪れてもその都度カウントされるため、実際にどれくらいの人がサイトを見ているかを正確に把握するには適していません。そのため、実際にどのくらいの人に見られているのかという数を追いたい場合は訪問者数(ユニークユーザー数)がKPIとして設定されています。
■離脱率
特定のサイトを訪問した後に、ブラウザを閉じたり別のサイトへ移動したりする割合を示す指標。
KPIとしての活用
上期・下期などの長期的なKPIというよりも、単発のページ改善施策の成果を判断するためのKPIとして設定されています。
特に、離脱率が低いページを分析することで、ユーザーがどのページで離脱しているのかを把握し、具体的な改善ポイントを特定することが可能です。
例えば、特定のページで離脱率が高い場合、そのページの内容やデザイン、導線に問題がある可能性があります。この情報を基に、該当ページのコンテンツを見直したり、ユーザーが次の行動を取りやすくする導線を強化するなどの改善施策を進めることができます。
■回遊率
1回の訪問でユーザーがどれだけ多くのコンテンツを閲覧したかを示す指標。PV(ページビュー数)÷訪問回数で求められます。
KPIとしての活用
ユーザーが興味を持ち続けているかを判断するのに使用されます。
例えば、ECサイトでは購入機会の増加が期待でき、メディアサイトではユーザーのファン化を促進する効果が見込まれます。そうした成果をはかりたい場合にKPIに設定されることがあります。
■ページ遷移率
ページからページへどれだけ遷移したかの割合を示す指標。
KPIとしての活用
上期・下期などの長期的なKPIというよりも、単発のページ改善施策の成果を判断するためのKPIとして設定されています。
よくあるケースとしては、CVを促したいページからフォームページへの遷移率を確認することで、その目的がどの程度達成されているかを把握します。
例えば、料金ページから資料ダウンロードページへの遷移率を分析することで、料金ページの内容がユーザーに「もっと詳しく知りたい」と思わせ、検討度合いを高める効果があるかどうかを判断できます。
このように遷移率を追うことで、ページの効果を具体的に評価し、改善点を見つける手がかりになります。
■リテンション率
特定のサイトやページを訪れたユニークユーザーが、一定期間内にどれだけ再訪したかを示す指標。
例)ある月に100人の新規ユーザーがサイトを訪問し、そのうち50人が再訪した場合、リテンション率は50%になります。
KPIとしての活用
固定客やファンを増やすためのマーケティングの成果を図るKPIとして有効です。ユーザーの満足度やサイトの魅力を分析し、リピート訪問を促進する施策を考えることができます。
■CV(コンバージョン・リード数)
conversionの略で、Webサイトで達成された成果の総数を示す指標。
KPIとしての活用
この指標は、Webサイト運営において必ずと言っていいほどKPIに設定される項目です。
特に、商談のきっかけとなる問い合わせ件数や、潜在顧客との接点を増やす資料ダウンロードのCV数は、リード数としてビジネスの成果を左右するため、優先的にモニタリングされることが多いです。
そのほかにも、ホワイトペーパーダウンロード数、サンプルや商品の注文件数・メルマガなどの登録件数、セミナー申し込み件数などが例として挙げられます。
マーケティング施策の成果となる指標で、施策の目的によって異なるため、施策の担当者と話し合って明確に決めておく必要があります。
■CVR(成果獲得率)
1件のCVを獲得する割合を示す指標。サービスサイトやオウンドメディアで効率的にリードを獲得できているかを判断することができます。
例)100人がサイトを閲覧し、その内10人がサイトから注文した場合、CVRは「10%」となります。
KPIとしての活用
流入の限界を補う改善施策を進める場合にKPIに設定されています。
例えば、検索順位1位を獲得してこれ以上流入を増やす余地がない場合でも、CVRを改善することで、同じ流入量からより多くのCVを得ることが可能です。
関連記事:CVRの平均はどれぐらい? 業界別・経路別に平均値と傾向を解説
関連記事:CVR改善の打ち手を解説!マーケティング施策の見直しに。サイト・LP・広告・フォームなど
■CPA(成果獲得単価)
Cost Per Action(あるいはCost Per Acquisition)の略で、1件のCVを獲得するためにかかった費用を示す指標。主に、広告費用対効果を測定する際に用いられます。
KPIとしての活用
最適な広告費を維持するために、「CPA○○円以下にする」といった形でKPIに設定されています。
何をCVとするのかは施策の内容により異なりますが、資料ダウンロード数や問い合わせ件数、サンプル申し込みなど、商談につながるCVが一般的です。
■CPO(受注獲得単価)
Cost Per Orderの略で、1件の受注にかかったコストを示す指標。商品・サービスの販売効率を評価するのに使用されています。
KPIとしての活用
CPAとCPOは似た概念ですが、大まかに次のように使い分けられます。
- CPA(Cost Per Action):1件の成果を得るためにかかった費用。商品注文だけでなく、資料ダウンロード、問い合わせ、セミナー申し込みなどの成果も含まれます。
- CPO(Cost Per Order):1件の受注を獲得するためにかかった費用。商品注文やサービス契約など受注が対象になります。
例えば、同じ商品でお試し品と本商品の両方を販売している場合、CPAはお試し品・本商品を問わず成果を得るためのコストを指し、CPOは本商品を獲得するためのコストに限定して測定する際に使用されることがあります。
■CTC(クリック単価)
1回クリックするのにかかった費用を示す指標。
例)バナー広告の出稿にかかった費用が100万円で、その広告が200万回クリックされた場合、CTCは「0.5円」となります。
KPIとしての活用
最適な広告費を維持するために、「CTC○○円以下にする」といった形でKPIに設定されています。
■CTR(クリック率)
1回クリックされた割合を示す指標。
例)特定のバナーが掲載されたページが100万回表示されたうち、バナーが1000回クリックされたとすると、CTRは0.1%となります。
KPIとしての活用
上期・下期などの長期的なKPIというよりも、特定の広告のパフォーマンスを判断するためのKPIとして設定されています。
ターゲットにとって魅力的なものであれば、クリックが発生するという考えから、ターゲット設定が適当かどうかや、広告バナーのキャッチコピーやデザインの良し悪しを判断する基準となっています。
WebサイトのKPI設定後のWebサイトの運営方法
WebサイトのKPIを設定した後は、モニタリングを通じて現状を把握し、適切な改善施策を実施することで、Webサイトのパフォーマンスを向上させることが重要です。具体的な手順と運営方法を解説します。
- 集計:効率的かつシンプルに行う
- 分析:データを定期的に分析し、目標・実績をチェックする
- 改善策を決める:「次の一手をどうするか」が重要
1.集計:効率的かつシンプルに行う
データの集計は、素早く、簡単に行えるようにするのが、成果につながるサイト運営のコツです。データ収集に時間がかかりすぎたり、モニタリングする指標が多すぎると、分析に割くためのリソースが足りなくなってしまうということになりかねません。
以下の点に気を付けて、集計作業を進められるようにしましょう。
●ツールを活用する
主要な指標(セッション数やCVRなど)を自動的に集計する分析ツールの活用は欠かせません。
ポイントはWebサイト担当者が簡単に使いこなせる分析ツールを導入することです。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどの基本のツール以外にも、数値の分析まで自動で行ってくれる分析ツールもあります。担当者と相談しながら導入を進めましょう。
●ダッシュボードを整備する
データの報告のたびにレポートを作成していては、分析や施策実行の時間を奪われてしまいます。
自動でレポーティングしてくれるツールや、分析ツールのダッシュボード機能を活用してリアルタイムで確認できる環境を整備しましょう。視覚的に分かりやすく、瞬時に必要な情報を把握できるようになります。
●KPIは重要な指標に絞り込む
あらゆる指標を確認して、改善点を見落とさないようにしたいという気持ちもわかりますが、見なければならない指標が多すぎると、データに惑わされて分析が滞る原因になります。
「全て」を見るのではなく、本当に重要な指標に焦点を当てるようにしましょう。KPIを選ぶ際は、以下のような基準を参考にしてください。
-
部門目標(KGI)との関連性:
KPIは、KGIから逆算して設定するのが基本です。KGIとKPIが連携しているかを確認してください。 -
モニタリングのしやすさ:
データを定期的に取得しやすい指標を選ぶことで、継続的な分析が可能になります。データは取れるが算出に時間がかかる場合はモニタリングをあきらめるというのも選択肢の1つです。
関連記事:【プロ厳選】Webサイト分析ツール20選!主な機能や種類紹介
関連記事:サイト分析レポートの書き方とは?作成に役立つツール紹介
2.分析:定期的にデータを見直し、目標と実績を比較
集計したデータを基に、設定したKPIと実際の数値を比較し、目標と実績のギャップを確認します。
なぜギャップが生まれたのかという原因を探っていきましょう。分析の際の主な着目点を紹介します。
指標間の関連性を確認
例えば、セッション数は多いのにCVRが低い場合、CV導線に課題がある可能性が高いです。
このような相関関係を把握することで、改善すべきポイントを特定できます。
トレンドの把握
どの時期に成果が上がっているか、あるいは低下しているかを把握します。これにより、季節やイベントによる影響を考慮することができます。
関連記事:サイト分析のコツとは?見るべき項目やポイントを解説
3.改善策を決める:「次の一手をどうするか」が重要
目標達成そのものよりも、次にどのようなアクションを取るべきかを明確にすることが重要です。
定例ミーティングでは、数値共有と合わせて次の一手の計画も併せて発表してもらうようにしましょう。
ただし、効果が大きく、実行コストが低い施策から着手するようにするのがコツです。思いつく改善策をすべて実行してもらうのではなく、担当者のリソースとマーケティング戦略に合致した施策を優先することで、短期間での改善が期待できます。
WebサイトのKPIを変更する際の運用方法
KPIは一度設定したら終わり、ではありません。市場環境やマーケティング状況の変化に応じて、定期的に見直し、必要に応じて修正することが大切です。
- KPI設定時点で見直しの予定を立てる
- マーケティングの進行状況に応じて柔軟に調整する
- 修正した背景をチーム内で共有する
1. KPI設定時点で見直しの予定を立てる
部門目標については、四半期や半年ごとなどにKPIを見直すことでしょう。
ただ、初めて取り組むマーケティング施策がある場合や、ターゲットを変更した場合など、成果の見通しが立たない状態でKPIを設定する際には、そうした節目以外にも、あらかじめKPIを見直すスケジュールを計画しておくことが重要です。
見直しの頻度は、業界や市場の変化のスピードに応じて柔軟に調整してください。
また、日々の数値をモニタリングする施策の担当者に、目標が未達になりそうと分かった時点で相談してもらうように話をしておくことも重要です。異変をできるだけ早くキャッチすることで、KPIが不適切であることに気づけたり、改善施策を早期に検討することができます。
2. マーケティングの進行状況に応じて柔軟に調整する
マーケティング施策の進行状況が変化したり、目標と実績の乖離が大きくなっているなど、KPI設定が適当ではないと判断できる場合は、KPIを見直しましょう。
マーケティング施策の進行状況が変化した場合の例)
認知拡大フェーズでは「セッション数」や「オーガニック流入数」を重視し、リード獲得フェーズでは「CV数」や「CVR」に重点を移します。
目標と実績の乖離が大きくなっていた場合の例)
マーケティング・営業それぞれの数値や状況をヒアリングした上、目標が上振れた、または下振れた原因を探りましょう。原因が特定できたら、KPIの目標値を現実的な範囲内で調整します。
- 例:オーガニック検索の競争が激化している場合、SEO施策の成果を再評価し、目標流入数を下方修正します。
- 例:部門目標そのものが高すぎる場合、業界平均値や他社の事例を根拠として経営層に相談し、現実的な目標を設定します。
3. 修正した背景をチーム内で共有する
KPIの変更はチーム全体に影響を及ぼすため、その背景や意図を明確に共有することが重要です。
共有する内容の例)
変更の理由:
「認知度拡大が順調なため、次はリード獲得に注力する」「リード獲得は順調だが商談につながらないため、ターゲットを見直す」といった具体的な背景を説明します。
新しいKPIの目的:
変更後のKPIが何を目指しているのかをチーム全員が理解できるようにします。
期待されるアクション:
チームメンバーそれぞれがどのような役割を果たすべきかを明確に伝えます。
WebサイトのKPI設定で注意すべき点
- 施策同士の連携も意識する
- 使えるリソースで実現できる範囲でKPIを設定する
施策同士の連携も意識する
BtoBの場合、Webサイト内だけで完結しないことも念頭においておきましょう。
BtoCサイトやECサイトと違い、BtoBのサイトでは「お問い合わせ」=「売上(購入)」ではありません。売上には、リードの質や、その後の営業力も大きく関わってきます。
そのため、Webサイトから獲得したリードへのナーチャリング活動が欠かせません。その前提でKPIを設定すること大切です。
使えるリソースで実現できる範囲でKPIを設定する
目標を達成することばかりに気を取られて、リソースが足りない組み立てをしないようにしましょう。
例えば、サイト訪問数の目標を達成するために、作成するコンテンツの目標数が膨大になってしまうなど、現実的でない計画を立てられているケースがあります。
その場合は、「目標を修正する」か「リソースを増やす」のどちらかをする必要があります。「やること」自体が目標になってしまっていないかも、要注意です。
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- KPI設定やターゲット設定など、マーケティングの初期戦略設計
- 各種マーケティング作業の代行(サイト・LP制作、記事・ホワイトペーパー制作、広告運用代行)
- 施策実行の伴走サポート
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まとめ
目的に沿った目標を立てることが、Webサイト活用の第一歩です。
目標が決まったら、KPIとして設定した指標の現状を確認し、乖離がある数値の改善に対する施策を立て、実行していきましょう。
【復習】目標設定のポイント
- 自社サイトの運営目的から、ゴールイメージを持つ
- ゴールとなる目標を数値化して、KGIを設定する
- KGIを分解して、構成する要素をKPIとして設定する
- KGIとKPIは、具体的な数値目標と期間を設定する
- オンラインだけでなくリアルでのプロセスも含めて、KPIを設定する
- 目標達成が難しい場合は、「目標を修正する」か「リソースを増やす」
まずは、自社のマーケティングのKPIを設定してみましょう。
簡単に設定できるテンプレートをご用意しました。ぜひ記事と合わせてご活用ください!
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