サイトリニューアルの手順とは?事例に学ぶ成功のポイント
このようなお悩みはありませんか?
「上司から急にサイトリニューアルを任されたけど、何から始めればいいか分からない」
「サイトのパフォーマンスが悪く、リニューアルしたいけど、成功させられるか不安」
サイトリニューアルは、適切なタイミングで、適切な手順で進めることが重要です。
そこで、本記事では、サイトリニューアルを成功させるための手順と成功事例を紹介します。この記事を読むことで、以下のことが分かるようになります。
- サイトリニューアルが本当に必要かどうかを判断する基準
- サイトリニューアルを成功させるために必要な手順とポイント
記事を読み進めることで、サイトリニューアルについての知識が深まり、成功への近道を見つけられるはずです。サイトリニューアルを検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
■合わせて活用したいシート:発注先を選ぶのに活用できる!
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目次[非表示]
サイトリニューアルとは?
サイトリニューアルとは、Webサイトのページ構成やデザイン、構築しているシステムを変更して、新しいWebサイトに変えることをいいます。
Webサイトの一部を改修するだけでは解決できない課題がある際に、Webサイト全体を変更することで、その課題を解決します。
例えば、ブランドのイメージ刷新やSEO対策の向上、ユーザビリティの向上(使いやすくする)などがサイトリニューアルの主な目的です。
サイトリニューアルの目的
サイトリニューアルは、よりよいマーケティングを実行するための手段であることを抑えておきましょう。
BtoB企業のWebサイトは主にサービスサイトで、お問い合わせを獲得する「リード獲得」の役割を担います。
ただ、Webサイトを運用していると、アクセス数やお問い合わせが減ってきたり、ページが増えすぎて訪問者が欲しい情報を見つけづらくなってしまったりと、マーケティングが上手く実行できず、成果が出づらくなってきます。
そうした場合に、サイトリニューアルがマーケティング改善の1つの手段として上がってくるのです。デザインが古くなったからという漠然とした理由でサイトリニューアルを行ってしまうと、成果に結びつかないことが少なくないため、注意しましょう。
自社がサイトリニューアルをすべきタイミングや目的を明確にする方法については、以下の手順の中で解説していきます。
関連記事:リード獲得とは?見込み顧客を増やす方法一覧。始め方~ナーチャリング方法まで解説
【関連資料】→BtoBマーケティングのためのサイトリニューアルガイド
サイトリニューアルが必要なタイミング
サイトリニューアルが必要なタイミングを解説します。基本的に、マーケティング戦略の変更によって、Webサイトの構造やツールに修正が必要になったら検討すべきタイミングです。例えば、以下のような場合です。
1つでも当てはまったら、サイトリニューアルを検討してみましょう!
- Webサイトへのアクセス数・お問い合わせが減ってきた
- ページやコンテンツが増えすぎて、どこに何があるか分かりづらい
- Webサイト制作を内製化したい
- スマホ対応にしたいなど、機能面に不足がある
Webサイトへのアクセス数・お問い合わせが減ってきた
Webサイトを更新しているにも関わらず、アクセス数やお問い合わせが減ってきたら、マーケティングの戦略設計とWebサイトの構成を見直す必要があるかもしれません。
現代では、インターネット上に情報があふれているため、ユーザーは分かりやすく知ることができる情報を好みます。ユーザーが欲しい情報を、わかりやすく伝えるWebサイトになっていないと、商材を検討に上げてもらえない可能性があります。
ページやコンテンツが増えすぎて、どこに何があるか分かりづらい
Webサイトはコンテンツが増えると複雑になりがちです。ユーザーは欲しい情報が見つけづらくなり、企業も必要な情報を伝えづらくなります。
それが原因でユーザーが離れることもあり、お問い合わせも減ってしまうかもしれません。
そのような場合には、Webサイト全体の構造・内容を整理するタイミングです。
Webサイトの更新を内製化したい
CMSの登場により、Webサイトの制作や更新がコードを書くことなく行えるようになりました。そのため、CMSを導入して自社でWebサイトを更新できるようにする企業が増えています。
CMSを導入すると、制作会社に更新を依頼する場合に必要だったミーティングや資料作成の手間、時間と費用が減ります。さらに、自社でマーケティング施策をすぐに実行でき、PDCAを速く回せるため、結果的にお問い合わせが増えます。
スマホ対応にしたいなど、機能面に不足がある
既存のWebサイト制作ツールでは、実現できない機能を追加するには、サイトリニューアルが必要になります。
例えば、テクニカルSEOでは、サイトマップの送信や構造化の作成が必要です。しかし、最新のCMSでは自動化されていることが多いので、ツールを乗り換えることでマーケティング業務が楽になります。
特に、スマホ対応のWebサイトが制作できないツールを使用しているのであれば、リニューアルは必須です。スマホでの閲覧に対応していない既存のWebサイトは、SEO対策で不利になってしまいます。Googleは、モバイルサイトを基準にWebサイトの評価を行っているため、BtoBサイトでもスマホ対応が必要になります。
参考:Google 検索セントラルブログ「モバイル フレンドリー アップデートを開始します」
注意:Webサイトリニューアルが必要でないこともある
現在の課題や、サイトリニューアルの目的を改めて考え直してみると、そもそもサイトリニューアルが最適解ではないケースもありえます。
例えば、「受注数が伸びない」ことが課題ならば、サイトリニューアルよりも先に営業プロセスを改善して商談化率や受注率を高めたほうがいい場合もあります。もちろん、だからといってサイトリニューアルをしなくていいわけではありませんが、優先度は変わるでしょう。
目的を達成するため本当にサイトリニューアルが最善策なのか、も考えてみましょう。
サイトリニューアルの手順
成果を出すためには、以下の手順でサイトリニューアルを進めていきましょう。詳しく解説します。
- マーケティングの全体像を把握し、現状の問題点を洗い出す
- サイトリニューアルの目的を明確にする
- 目的達成のためのKGI・KPIを設定する
- 予算を決める
- ドメインやサーバーを変更するか決める
- 制作業者の選定・依頼
- サイトマップの作成
- ワイヤーフレームとデザインの作成
- コーディング
- 運用・改善
準備:RFPテンプレート
サイトリニューアルの手順は2つのフェーズに分けられます。
- 要件定義フェーズ(1~6)
- 制作・開発フェーズ(7~9)
「制作業者の選定・依頼 」する前に自社の要件や条件をまとめるのに役立つのが、RFP(提案依頼書)です。
外注先に伝えるべきことを整理するだけでなく、自社の課題の洗い出しやサイトリニューアルの必要性を見つめ直すのにも役立ちますので、RFPのテンプレートを活用しながら要件定義を進めてみましょう。
▼ぜひテンプレートをご活用ください!
→BtoB事業のサイトリニューアルRFP[提案依頼書]テンプレート
1.マーケティングの全体像を把握し、現状の問題点を洗い出す
施策を一覧にして、各施策の分析結果と問題点を洗い出しましょう。
それと同時に、問題点に対する解決策と解決するタイミング・優先順位を整理します。この際に、マーケティングの全体像に当てはめて考えると、優先度やリニューアルで解決しなければならないほどの大きな問題なのかが見えてきます。
分析の際は、必ず数値で分析することをおすすめします。例えば以下のような分析が可能です。
- どのコンテンツへの関心が高いか→ページ閲覧数(PV)、セッション数
- どのコンテンツが人気か→滞在時間、直帰率、離脱率
- どこから集客できているか→流入元
- 売上に貢献しているか→お問い合わせ数(CV数)、CVR
感覚だけで分析してしまうと、誤った仮説を立てがちです。数値で客観的にみることで、顧客の動きやニーズをより鮮明にできます。
Webサイトの問題点すべてが、リニューアルでしか解決できないわけではありません。例えば、顧客の課題と商品・サービスの訴求内容が合致していない場合、ペルソナ像を見直して訴求テキストを変えるだけでいいかもしれません。
無駄なサイトリニューアルを行わないためにも、問題点を見つけ出すことは重要な作業です。
関連記事:BtoBマーケティングとは?マーケターが教えるBtoCとの違いと成功事例
2.サイトリニューアルの目的を明確にする
サイトニューアルを決定したら、サイトリニューアルの目的をより具体的にしておきましょう。以下の点を明確にしておくとよいでしょう。
- 「誰に」→どのような人をターゲットをするのか
- 「何を」→どんなコンテンツを見せるのか
- 「どうしてもらう」→サイトを見た後にどのような行動を起こしてもらいたいのか
関連記事:サイトリニューアルのタイミングと目的を見極めるコツを解説!
3.目的達成のためのKGI・KPIを設定する
サイトリニューアル後のWebサイトのKGI・KPIを設定しておくと、理想と現状のギャップが客観的に分かるようになります。「Webサイトの目的(KGI)を達成するためには、どのような施策で、どのくらいの成果が必要なのか(KPI)?」を考えます。
- KGI(Key Goal Indicator / 重要目標達成指標):最終的な目標数値
- KPI(Key Performance Indicator / 重要業績評価指標)KGIを達成する各施策の目標数値
KPI達成のために、既存のWebサイトに足りない部分を考えると、リニューアル時に見直さなければならないところが明らかになるでしょう。
例)Webサイト経由の売り上げを上げたい場合
- KGI:1か月で成約数を3倍にする
- KPI:3ヶ月でセッション数を2倍にする / 3か月でCVRを1.5倍にする
▼既存サイトでできていないこと
- そもそも記事の投稿ができておらず、コンテンツ数が少ない
- お問い合わせするための導線設計が考えられていない
【関連資料】BtoBのサイトリニューアルにおける、KGI / KPIの設計方法
4.予算を決める
サイトリニューアルの費用は、リニューアル内容やWebサイトの規模、依頼先によって異なります。費用相場と照らし合わせて、必要な費用と自社で確保できる予算を確認しましょう。
サイトリニューアルにかかる費用は、数十万~数百万円と高額になります。
ただ、Webサイトリニューアルによって、お問い合わせが増え、売上を上げることができるならば、十分な先行投資です。予算を確保する際には、サイトリニューアル費用とリニューアル後の利益をKGI・KPIから試算すると、最適な予算が見えてきます。
関連記事:Webサイトリニューアル費用相場とは?見積書項目の解説と事前に必要な準備
5.ドメインやサーバーを変更するか決める
ドメイン・サーバーの変更については、自社の状況に合わせて決めるといいでしょう。
サイトリニューアル時には、ドメインを引き継ぐと、ドメインパワーが維持されるため、SEOに有利になります。
もしも既存ドメインがSEO上で悪い評価の場合は新規ドメインを獲得したほうが、評価が0からになり、成果測定もしやすくなります。ただ、ドメイン取得に費用がかかります。
既存サイトから、十分な集客ができているのであれば、ドメインは変更しない方がメリットが大きいです。
関連記事:【5分でわかる】ドメイン取得の方法とは?弊社担当が伝えるメリットや料金相場
サーバーは、どのようなWebサイト制作ツールを使いたいのかによって、変更が必須となる場合があります。変更したくないのか、変更してもかまわないのか、その理由と合わせて確認しておきましょう。
関連記事:ホームページ作成に必須なサーバーとは?選び方まで簡単解説
6.サイトリニューアルの外注先を選ぶ
サイトリニューアルには、Webサイト制作のスキルとマーケティングのノウハウが必要です。
自社に専門的な人材がいない場合は、費用をかけてでも、ノウハウのある業者に依頼する方が、結果的に成果を上げるWebサイトへのリニューアルにつながります。
ただ、サイトリニューアルを行う業者は得意分野があり、自社にあった業者に依頼することが重要です。下記を基準に選ぶと、ぴったりの業者をみつけやすくなります。
- サービス内容:自社の目的に合ったサイトの種類を制作しているか(サービスサイト、コーポレートサイトなど)。素材の用意をしてくれるか。
- 実績:自社と同じような業種・規模の会社のサイトリニューアルを行った実績が豊富か
- 提案力:自社の目的をヒアリングして、必要なサービスや施策を新たに提案してくれるか
- 費用:費用が妥当か
- 納期:自社がリニューアルを完了したい時期に間に合うか
サイトリニューアルの外注先は1~6までの要件定義のフェーズで見極めましょう。
関連記事:サイトリニューアルの要件定義とは?外注先から良い提案をもらうコツも解説
7.サイトマップの作成
サイトリニューアルの要件、外注先が決まったら、実際にWebサイト自体を作り変えていく作業を始めます。まず行うことはサイトマップの見直しです。
サイトマップはWebサイトにあるページをツリー上に表したもので、Webサイトの地図のようなものです。
サイトリニューアル時のサイトマップの作成手順
①現状のサイトマップを把握する
既存のWebサイトのサイトマップを把握し、現状の問題点や改善点を洗い出します。例えば、ページ更新を続けていると、ページ構造が複雑になってしまっている場合が多いです。
②新しいサイトマップの構想を練る
ターゲットユーザーが求める情報や利用シーンに合わせたサイトマップに作り変えることが重要です。BtoBのサービスサイトの場合に必要なページには型があるため、型に当てはめ直してみてもよいでしょう。
現状のサイトマップやターゲットユーザーのニーズを踏まえて、新しいサイトマップのページの構成や階層、ナビゲーションなど、サイトマップ全体の構造を決定します。
関連記事:BtoBサイトの役割と制作方法とは?マーケターが解説!
関連記事:サイトマップを自動で作成する方法とは?おすすめツール紹介
8.ワイヤーフレームとデザインの作成
サイトリニューアルでページのデザインを変更する場合、ワイヤーフレームを作成した後、デザインを行います。
ワイヤーフレームは、ページにイラストやテキストをどのように配置するかの下書きです。外注の場合は、ワイヤーフレームの確認後、問題がなければ、デザインに移る流れです。
ワイヤーフレーム
ワイヤーフレームでは、どのような順番で、どの情報を伝えると、ユーザーに期待する行動をとってもらえるか、を考えて作成することが重要です。Webサイト制作だけでなく、マーケティングの知識も必要となる作業になります。
デザイン
デザインでは、画像やテキストで商品・サービスをどのように訴求するのか、より具体的に形にしていくこととなります。
BtoBの場合は、見た目が美しかったり、インパクトがあるということは重要ではありません。決裁者が多いBtoBの購入プロセスでは、情報の分かりやすさと客観性が求められます。そのため、Webサイトをみる顧客の目線で、どのような言葉で、どのような図・動画と一緒に説明すると、響くのかを考えてデザインすることが重要となります。
9.コーディング・動作確認・公開
ページのデザインが決定したら、Webサイトとしてコーディングし、見た目や操作のエラーや問題点がないか、動作確認を行いましょう。問題なければ、公開作業を行います。
Webサイトは、ブラウザやデバイスによって、デザインが崩れることがあります。問題なく閲覧できるか実際に確認しましょう。また、誤植のチェックも欠かせません。
また、操作の確認については、マウス使用時のアクションが正常か、またリンクミスはないかを確認しましょう。
コーディングを外注する際に、外注先も動作確認を行っていることが多いですが、ミスはつきもの。自社でも確認しておくと安心です。
10.Webサイトの運用・改善
サイトリニューアル後はWebサイトの効果測定と更新を繰り返す「運用・改善」が欠かせません。
目標達成のために、Webサイトを土台とした施策を展開していきましょう。
例えば、下記のような施策です。
- コンテンツ・ブログの更新
- Web広告
- セミナー
- メールマガジン
関連記事:Webサイト運営とは? 具体的な業務や効果の出る改善方法
サイトリニューアルの公開直後にすべきこと
サイトリニューアルの公開直後にしておくべきことをまとめました。
- 旧ページから新ページへ転送確認
- ページ速度の確認と改善
- サイトリニューアルの告知
旧ページから新ページへ転送確認
サイトリニューアル時に、転送ができていなかった場合、旧ページの評価が新ページに引き継げず、検索順位が下がる恐れがあります。
事前に新旧のページリストを作成し、転送が行われているか確認しましょう。なお、301リダイレクト(ページが完全に移行したことを表す)で誘導することで、ページの評価を維持できます。
関連記事:301リダイレクトとは?SEOへの影響やhtaccessを使った書き方を解説
ページ速度の確認と改善
サイトリニューアルにより、ページや画像が増えることで、ページ速度が遅くなることがあります。ページの表示が遅くなると、ユーザーが離脱する原因になりますので、公開後にページ速度に変化がないか確認しましょう。遅くなっていた場合は、画像の大きさを最適化したり、スクリプトを最適化するなどの改善策を行います。
関連記事:ページスピードインサイトの測定方法とは?合格点とSEOに有効な改善策
サイトリニューアルの告知
サイトリニューアルは、自社イメージの刷新や企業認知を図る機会になります。積極的に告知しましょう。
告知方法の例)
- メルマガ:見込み顧客に対して、リニューアルの告知を機に商材を再アピール
- SNS:新規顧客・既存顧客どちらにもアプローチ可能。ユーザーとの距離が近いため、サイトリニューアルにまつわる小話や思いも気軽に発信しやすい。
- プレスリリース:リニューアルの概要やポイントをまとめたプレスリリースを作成し、ニュースサイトやビジネスメディアなどに配信
サイトリニューアルのメリット
サイトリニューアルで改善できることを紹介します。
- デザインを変えることで、イメージアップを狙える
- ユーザービリティが向上し、お問い合わせが増える
- SEO対策が実施しやすくなり、検索エンジンの検索結果上位に表示されやすくなる
デザインを変えることで、イメージアップを狙える
Webサイト全体のデザインを変えることで、ブランドイメージを刷新できます。特に、リブランディングの際は合わせてサイトリニューアルを検討するのが、有用です。
ユーザビリティが向上し、お問い合わせが増える
Webサイトのコンテンツが多く、ページの構造が複雑になっている場合は、Webサイトの構造を整理するサイトリニューアルを行うことで、ユーザビリティの向上が期待できます。Webサイトのページ構造が複雑だと、欲しい情報を見つけづらく、ユーザーの離脱につながります。
導線設計がなされたWebサイトにリニューアルを行うことで、ユーザーの検討度を適切に高めることができ、結果としてお問い合わせを増やすことができます。
SEO対策が実施しやすくなり、検索エンジンの検索結果上位に表示されやすくなる
Webサイト制作ツールをCMSに変更するリニューアルを行うことで、SEO対策が簡単になります。
CMSはコーディング不要で、検索エンジンに提供すべき情報を自動で送信したり、構造化やメタタグを入力しやすくしてくれるため、SEO対策にかける時間や手間を削減できます。
サイトリニューアルのデメリット
サイトリニューアルによって、起こりうるデメリットを紹介します。あわせて、その対処方法をまとめていますので、トラブルを未然に防いで、サイトリニューアルを成功させましょう。
- URLが変わると、検索エンジンでの順位が下がる可能性がある
- コンテンツのリライトや削除により、流入が減る可能性がある
- 時間と費用がかかる
URLが変わると、検索エンジンでの順位が下がる可能性がある
サイトリニューアルに伴い、URLやページ構成が変更される場合、検索エンジンのクローラーが新しいページを正しくインデックスする前に、一時的に順位が下がることがあります。
対処方法
なるべくドメインを引き継ぎ、URLも変えないことをおすすめします。
もしも、URLを変更しなければならない場合は、リダイレクトが正しく行われているか、必ずテストするようにしましょう。古いものから新しいものへと、301リダイレクト(ページが完全に移行したことを表す)で誘導することで、ページの評価を維持できます。
関連記事:サイトリニューアル時に行うSEO対策とは?アクセス数を下げない方法
コンテンツのリライトや削除により、流入が減る可能性がある
サイトリニューアル時にWebサイトの構成を見直した結果、過去のコンテンツをリライトしたり、削除することもあります。その場合、リンク先が失われ、サイトの価値の低下やリンク切れによりアクセス数が減少する可能性があります。
対処方法
自然検索で多くの人が訪れるコンテンツの場合、どのキーワードで訪れたかを確認し、テキストを大幅に削除しないように心がけましょう。サイトをリニューアルすると、ユーザーにわかりやすくするために画像や図を多用し、ついついテキストを減らしてしまうことがあります。しかし、リニューアル後にテキストがなくなってしまうと、Googleからの評価が下がり、検索順位が下がってしまい、アクセス数が減ってしまう可能性があります。
コンテンツを削除する場合は、必ずリダイレクト設定を行いましょう。
時間と費用がかかる
サイトリニューアルには、多くの場合、時間と費用のコストがかかります。規模の大きなサイトのリニューアルほど、多くの作業が必要になります。
対処方法
サイトを更新するには、多額の費用がかかる場合があるため、リニューアルを進める前に予算を確保し、コストと利益をバランスよく考慮することが重要です。
また、サイトを更新するには専門知識が必要なため、自社でできない部分については、がむしゃらに進めず、Web制作会社やマーケティング会社に依頼することで、成果の出る更新になり、費用対効果が高くなることがあります。
サイトリニューアルの注意点:リスクを考える
サイトリニューアルは、実施すれば必ず成果が出るというものではありません。
特に商談の場では良い面を話されることが多いですが、先の章で解説した「デメリット」は成果が落ちるリスクであることを、担当者であるあなた自身がしっかりと理解した上で進めていきましょう。
そのためには、サイトリニューアルの目的を達成するために、自社で優先すべき点、妥協できる点を明確にして、許容できる方法を選ぶのが成功のポイントです。
ここでは、成果に関するリスクを取りたくない場合「サイトリニューアル」だけでなく、「リプレイス」という選択肢についてもあることをご紹介します。この2つのメリット・デメリットを理解しておきましょう。
- リニューアル:デザインを一新する。合わせて別のCMSに移管することもある
- リプレイス:既存サイトを別のCMSに移管する
成果が落ちるリスクを取ってもより高い成果を求めるなら「リニューアル」
既存のWebサイトのパフォーマンスを徹底的に分析し、活かす要素・不要な要素を把握した上で分析に基づいた要件定義を行うことが、成果を落とさずにリニューアルする方法となります。
しかし、リニューアルして公開するまでは「仮説」にとどまってしまうのです。想定以上に成果が落ちるリスクもあります。
現状の成果を落とすリスクをとってでも、より高い成果が必要であるならば、「リニューアル」をすべきでしょう。
例えば、現状のWebサイトが企業情報とちょっとした製品情報だけという「名刺のようなWebサイト」で、マーケティングを実施していけるようなサイト構成ではない場合、抜本的なデザイン変更が必要となるでしょう。その場合はリスクをとってもでもサイトリニューアルと判断できるかもしれません。
成果を落とさないことを優先したいなら「リプレイス」
現状ある程度成果が出ており、どうしても成果を落としたくないという場合は「リプレイス」という選択肢もあります。ここでいうリプレイスとは、Webサイトを制作しているツールをより使いやすいCMSなどのツールに移管することです。
この場合、Webサイトのデザインや構造自体は現状維持となりますが、Webサイト運用環境を改善したいという目的は優先的に果たすことができます。
成果を横にらみしながら少しづつWebサイトを改修し、長期的にみてサイトのデザインや構造も変えていくことで、成果をできるだけ落とさない形でサイトリニューアルも実現していくことができます。
参考:サイトリニューアルとリプレイスのメリットデメリット
サイトリニューアル |
リプレイス |
|
メリット |
・デザイン・構造が一新され、成果が上がる可能性がある
・運用環境の改善
|
・既存の成果を保てる可能性が高い
・運用環境の改善
・施策ごとの成果がわかり、施策の再現性が保てる
|
デメリット |
・デザイン・構造が一新され、
想定以上に成果が下がる可能性がある
・どの施策が成果につながったか分かりづらく、今後の施策に活かせない
|
・デザインは現行サイトのままとなる。変更する場合は時間がかかる |
サイトリニューアルの成功事例3選
サイトリニューアルの成功事例をみると、サイトリニューアルの目的をはっきりさせることが重要であることがわかります。
そこで、成功事例より
- サイトリニューアルに至った課題
- サイトリニューアルの目的
- リニューアルの内容
- リニューアル後の成果
をまとめました。
CMS導入
Webサイトのシステムが古く、社内で扱えず、外注費も多額のため、Webサイトを更新できていないことから、Webサイトからの集客やお問い合わせを獲得できていなかったケースです。
そこで、CMSを導入するリニューアルを行いました。
CMSにより、コーディングの知識がなくてもWebサイトを更新できるようになったため、社内ですぐに、追加の費用なくコンテンツを発信できるようになりました。その結果、今まで獲得できていなかった検索キーワードでを中心に、オーガニック流入を増やすことに成功しています。
サイトリニューアルに至った課題 |
・Webサイトが更新できない ・問い合わせ数が減ってきていた |
サイトリニューアルの目的 |
Webサイトへのアクセス数・お問い合わせ増やす |
リニューアルの内容 |
CMSの導入 |
リニューアル後の成果 |
・Webサイト制作の内製化 ・コスト削減 ・オーガニック流入の増加 |
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コーポレートサイトとサービスサイトを分ける
マーケティング部門の立ち上げにより、マーケティング施策を進める土台ができたことから、検討度の高い見込み顧客のお問い合わせを増やすためにサイトリニューアルを検討したケースです。
サービスサイトがなく、コーポレートサイトの一部でサービスの紹介をしており、リード獲得の仕組みができていませんでした。
そこで、コーポレートサイトからサービスサイトを切り出すリニューアルを行いました。BtoBに特化したWebサイトに設計し、お問い合わせ件数を1.6倍に増やすことに成功しています。
サイトリニューアルに至った課題 |
リード獲得のためのWebサイトがなかった |
サイトリニューアルの目的 |
検討度の高い見込み顧客のお問い合わせを増やす |
リニューアルの内容 |
コーポレートサイトから商品・紹介ページを切り分けて、サービスサイトを立ち上げる |
リニューアル後の成果 |
お問い合わせ数が1.6倍 |
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活用できていないコーポレートサイトを、BtoBに特化した構造に変える
情報が整理されておらず、CV導線も考慮されていないコーポレートサイトを、BtoBに特化した構造のサービスサイトにリニューアルしたケースです。サイトリニューアル実施に合わせて、Webサイトを軸にして、広告配信や、既存顧客・休眠顧客へ向けてのメール配信などのマーケティング施策も行う体制を整えました。
メールによるナーチャリングの体制も構築し、3ヶ月で80件の問い合わせを獲得できるようになりました。
サイトリニューアルに至った課題 |
Webサイトはあるものの、情報が整理されておらず、CV導線も考慮されていない |
サイトリニューアルの目的 |
新規顧客の獲得 |
リニューアルの内容 |
コーポレートサイトをサービスサイトにリニューアル |
リニューアル後の成果 |
サービスサイトを中心にマーケティング施策を実施。3か月で80件のお問い合わせを獲得するなどの成果を上げている。 |
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サイトリニューアルのよくある質問
サイトリニューアルに関するよくある質問をまとめました。
サイトリニューアルで自社に合ったCMSの選び方が知りたい
CMSには大きく分けて、「オープンソース型CMS」「クラウド型CMS」「パッケージ型CMS」の3種類があります。その中からCMSを選ぶ手順は以下の通りです。
- CMSを導入する目的、導入後の目標を決める
- 導入するCMSの要件定義を行う
- 要件定義に合ったCMSの種類を見定める
サイトリニューアルにかかる費用が知りたい
サイトリニューアル費用の目安は下記のとおりです。
費用相場 |
CMSへの乗り換え |
Webサイト設計~公開 |
戦略設計 |
~100万 |
オープンソース型やシンプルな機能のCMS |
既存ページの数ページのリデザイン |
なし |
100万円〜200万円 |
企業サイトの運営ができる機能やセキュリティが担保されていCMS |
Webサイトの設計から刷新 |
なし |
200万円以上 |
CMSのカスタマイズも可能 |
Webサイトの設計から刷新 |
3C分析、競合調査、ターゲット・サービス訴求の見直など |
ただ、サイトリニューアルの費用は、各社のノウハウに左右されるところが大きく、標準価格はありません。
費用だけでなく、自社のサイトリニューアルの目的を達成にどれだけ近づけるのか、費用対効果を見ることが重要です。
関連記事:Webサイトリニューアル費用相場とは?見積書項目の解説と事前に必要な準備
BtoBのサイトリニューアルでよくある失敗が知りたい
おしゃれなデザインにこだわりすぎるサイトリニューアルを行ってしまうケースです。
BtoBでは、成約に至るまでに複数の決裁者によって、その商品・サービスが自社に適しているかを判断できるかどうかが重視されます。そのため、BtoBのWebサイトでは客観的に魅力をアピールできる設計にすることが重要です。どのような情報を、どの順番で伝えるかなど、多くの人に分かりやすい情報の伝え方になるようなリニューアルをしましょう。
関連記事:BtoBサイトリニューアルで失敗しないために 押さえておきたい7つのポイント
BtoBのサイトリニューアルなら「ferret」
弊社の提供するferretは、BtoBマーケティングに特化した支援サービスです。BtoBマーケティングに必要な機能が全て揃ったマーケティングツールとコンサル・代行支援を提供しています。以下は、サービスの一例です。
- サイト・LP制作:BtoB事業に適したサイトを要件定義から一貫して制作します。
- BtoBマーケティングツール「ferret One」の提供:WebサイトをPowerPointのように「見たまま編集」できるCMS機能搭載で、日々のちょっとした更新や施策実行を自分ですぐに行えるようになります。
サイトリニューアルなど、BtoBマーケティングにお困りの方はぜひご相談ください!
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最初に目的を明確にするのが、サイトリニューアル成功のポイント
サイトリニューアルに必要な手順は下記10ステップです。
- マーケティングの全体像を把握し、現状の問題点を洗い出す
- サイトリニューアルの目的を明確にする
- 目的達成のためのKGI・KPIを設定する
- 予算を決める
- ドメインやサーバーを変更するか決める
- 制作業者の選定・依頼
- サイトマップとワイヤーフレームの作成
- デザイン
- コーディング
- 運用・改善
サイトリニューアル成功のポイントは、サイトリニューアルの目的を明確してから、Webサイト制作に取り掛かることです。実施している各マーケティング施策を分析し、サイトリニューアルしなければ解決できないWebサイトの問題点があるのか、確認しましょう。
ただ、サイトリニューアルのために自社の要件や条件をまとめるのが大変ですよね。そういった方に向けて、外注先へ伝える要件や条件が簡単にまとめられるRFP(提案依頼書)のテンプレートをご用意しました。ぜひ記事と合わせてご活用ください!
→BtoB事業のサイトリニューアルRFP[提案依頼書]テンプレート
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