サイトリニューアルのタイミングと目的を見極めるコツを解説!
「見た目を変えたい、だからサイトリニューアルをしたい」と考えていませんか?
それだけではサイトリニューアル自体が目的化してしまう恐れがあります。
サイトリニューアルで成果を出すには、適切なタイミングで、目的・目標を明確にしてから進めていく必要があります。サイトリニューアルの目的を明確にすると、どのようなサイトリニューアルが必要なのかを明らかにできます。
そこで、本記事ではサイトリニューアルを進めようか悩んでいる方に向けて、一番初めに行うべき事前準備について解説します。
■あわせてよく読まれている資料:サイトリニューアルの手順がまるっとわかる!
→BtoBマーケティングのためのサイトリニューアルガイド
■合わせて活用したいシート:発注先を選ぶのに活用できる!
→BtoB事業のサイトリニューアルRFP[提案依頼書]テンプレート
目次[非表示]
サイトリニューアルが必要なタイミング
サイトリニューアルが必要なタイミングを解説します。基本的に、マーケティング戦略の変更によって、Webサイトの構造やツールに修正が必要になったら検討すべきタイミングです。例えば、以下のような場合です。
- Webサイトへのアクセス数・お問い合わせが減ってきた
- ページやコンテンツが増えすぎて、どこに何があるか分かりづらい
- Webサイト制作を内製化したい
- スマホ対応にしたいなど、機能面に不足がある
Webサイトへのアクセス数・お問い合わせが減ってきた
Webサイトを更新しているにも関わらず、アクセス数やお問い合わせが減ってきたら、マーケティングの戦略設計とWebサイトの構成を見直す必要があるかもしれません。
現代では、インターネット上に情報があふれているため、ユーザーは分かりやすく知ることができる情報を好みます。ユーザーが欲しい情報を、わかりやすく伝えるWebサイトになっていないと、商材を検討に上げてもらえない可能性があります。
ページやコンテンツが増えすぎて、どこに何があるか分かりづらい
Webサイトはコンテンツが増えると複雑になりがちです。ユーザーは欲しい情報が見つけづらくなり、企業も必要な情報を伝えづらくなります。
それが原因でユーザーが離れることもあり、お問い合わせも減ってしまうかもしれません。
そのような場合には、Webサイト全体の構造・内容を整理するタイミングです。
Webサイトの更新を内製化したい
CMSの登場により、Webサイトの制作や更新がコードを書くことなく行えるようになりました。そのため、CMSを導入して自社でWebサイトを更新できるようにする企業が増えています。
CMSを導入すると、制作会社に更新を依頼する場合に必要だったミーティングや資料作成の手間、時間と費用が減ります。さらに、自社でマーケティング施策をすぐに実行でき、PDCAを速く回せるため、結果的にお問い合わせが増えます。
スマホ対応にしたいなど、機能面に不足がある
既存のWebサイト制作ツールでは、実現できない機能を追加するには、サイトリニューアルが必要になります。
例えば、テクニカルSEOでは、サイトマップの送信や構造化の作成が必要です。しかし、最新のCMSでは自動化されていることが多いので、ツールを乗り換えることでマーケティング業務が楽になります。
特に、スマホ対応のWebサイトが制作できないツールを使用しているのであれば、リニューアルは必須です。スマホでの閲覧に対応していない既存のWebサイトは、SEO対策で不利になってしまいます。Googleは、モバイルサイトを基準にWebサイトの評価を行っているため、BtoBサイトでもスマホ対応が必要になります。
参考:Google 検索セントラルブログ「モバイル フレンドリー アップデートを開始します」
注意:Webサイトリニューアルが必要でないこともある
現在の課題や、サイトリニューアルの目的を改めて考え直してみると、そもそもサイトリニューアルが最適解ではないケースもありえます。
例えば、「受注数が伸びない」ことが課題ならば、サイトリニューアルよりも先に営業プロセスを改善して商談化率や受注率を高めたほうがいい場合もあります。もちろん、だからといってサイトリニューアルをしなくていいわけではありませんが、優先度は変わるでしょう。
目的を達成するため本当にサイトリニューアルが最善策なのか、も考えてみましょう。
Webサイトリニューアルの進め方
サイトリニューアルはWebサイトの目的や目標を明確にする要件定義フェーズとWebサイトを作っていく制作・開発フェーズに分かれています。
要件定義フェーズ
要件定義フェーズは、以下の流れで進めます。ちなみに、本記事では1~3について詳しく解説する形となります。
- マーケティングの全体像を把握し、現状の問題点を洗い出す
- サイトリニューアルの目的を明確にする
- 目的達成のためのKGI・KPIを設定する
- 予算を決める
- ドメインやサーバーを変更するか決める
- 制作業者の選定・依頼
サイトリニューアルの要件定義フェーズの進め方としては、1~5を自社と制作業者ですり合わせて、より明確にしていきます。最終的に自社が納得のいくサイトリニューアルの内容・見積もりで、依頼できる会社を選定して、制作・開発フェーズに移ります。
▼要件定義フェーズの進め方について、詳しくはこちらで解説しています
→サイトリニューアルの要件定義とは?外注先から良い提案をもらうコツも解説
制作・開発フェーズ
制作・開発フェーズは、以下の手順で進めます。
- サイトマップの作成
- ワイヤーフレームの作成
- デザイン・コンテンツ作成
- コーディング
サイトの目的や目標が明確になってはじめて、サイトリニューアルに着手します。以下では、リニューアルサイトが完成するまでの手順を4つに分けてご紹介します。
1.サイトマップの作成
サイトマップとは、これまでの分析をもとに、どんなページをどれくらい作成するのか?どんなコンテンツを盛り込んでいくのか?など、サイト全体の構成をまとめた一覧表のことです。
サイトリニューアルには必要なものなので、必ず作成するようにしましょう。
2.ワイヤーフレームの作成
ワイヤーフレームでは各ページの構成要素を整理していきます。
各ページのレイアウトはどうするのか?TOPページはどんな内容にするか?など、主要となるページのワイヤーフレームを決めておくだけでも、今後の作業が進めやすくなります。
3.デザイン・コンテンツ作成
デザイン作成ではサイトに合わせたフォントや写真や画像の選定、コンテンツ制作では、原稿や写真の準備を行っていきます。
この作業は途中でデザインを変更することや、コンテンツを他社に依頼する場合もあるでしょう。どちらもコミュニケーションを取りながら進めていくことが重要になるので、余裕をもってスケジュールを組んでおくことをおすすめします。
4.コーディング
デザインのイメージが完成したら、プログラミング言語を用いてソースコードを作成するコーディング作業に移ります。
テストを行いながら問題がなければ、リニューアルの予定日を設定し、公開となります。
▼サイトリニューアルの進め方について、詳しくはこちらで解説しています
→サイトリニューアルの手順とは?事例に学ぶ成功のポイント
サイトリニューアルの目的を設定する3つの手順
サイトリニューアルの目的を設定するには、まずWebサイトの問題点を見つけて、その解決方法としてサイトリニューアルが適切かどうかを判断します。
- Webサイトのアクセス分析から、課題を洗い出す
- 課題の原因と解決策をまとめる
- サイトリニューアルの「目的」を明文化する
①サイト分析から、課題を洗い出す
Webサイトの現状を把握して、課題を洗い出しましょう。
サイト分析は以下の2つの方法で行うと効果的です。
- アクセス解析ツールを用いた定量的な分析
- ユーザー心理など、数値以外の情報で実施する分析
アクセス解析ツールを用いた定量的な分析
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールの数値から、定量的にWebサイトの課題を見つけだしましょう。
分析のコツは、Webサイト全体とページごとの2つの視点で数値を比較することです。
ユーザーはページを回遊して、検討度が上がったらCVします。流入が多いページ、流入は少ないがCVされやすいページなど、ページの特徴を踏まえて、関連性を見つけながら全体を分析することで、正しいユーザー行動が見えてきます。
見るべき数値と分かることの例
- PV数やユーザー数:Webサイトの集客力
- 流入経路:チャネル別に集客施策の効果がどのくらいあったのか
- 検索キーワード:ターゲットが検索しそうなキーワードで情報発信できているか
- 離脱率:サイトを回遊してもらえているか
ユーザー心理など、数値以外の情報で実施する分析
Webサイトに掲載している商品・サービスの訴求内容がずれていないかを確認しましょう。
導入企業にインタビューを実施して、導入前の課題や導入理由を聞くことがおすすめです。また、営業に検討中のユーザーの課題や響く訴求をヒアリングするのも有効です。
ユーザーニーズが変わって、訴求が響かなくなっているのか、訴求に問題はない場合はWebサイトの構造自体に課題があるかもしれないなど、定量分析と組み合わせることで、Webサイトの課題が見えてきます。
▼サイト分析の方法について、詳しくはこちらで解説しています
→サイト分析のコツとは?見るべき項目やポイントを解説
②課題の原因と解決策をまとめる
サイト分析で洗い出した課題について、何が原因で、どうすれば解決できるのか検討しましょう。
例えば、WebサイトのPV数が少ないという課題がある場合、その原因は
- Webサイトの訴求内容がユーザーニーズと合致していない
- そもそもWebサイトが更新できていない
- SEO対策ができていない
など様々な考えられます。①の分析をもとに特定し、解決策を導き出します。
また、サイトリニューアル時には、それらが解決できるWebサイトにしていく必要があります。
③「サイトリニューアルの目的」を明文化する
課題解決後のWebサイトの理想像を言語化しましょう。
チームで共通認識を持つためにも、分かりやすい言葉で表現することをおすすめします。その目的を達成するために、具体的にどの数値を、どのくらい改善すればいいのか目標を設定します。
目標設定については、「Webサイトリニューアルの目標を設定する3つの手順」の章で解説します。
サイトリニューアルの目的を設定する際の注意点
BtoBの場合、「Webサイトからの問い合わせ数を増やす」(リード獲得)というのがサイトリニューアルの目的として多くみられます。サイトリニューアルでリード獲得を果たすには、2つのポイントを押さえてサイトリニューアルを実施していくことが重要です。
- サイトへのアクセス数を増やす施策が実施できるが?
- サイトのCVRをあげるため、現状サイトの問題点はなにか?
サイトへのアクセス数を増やす施策が実施できるか?
サイトへのアクセス数を増やすには、広告、PR、コンテンツSEO、SNS発信などの方法があります。リニューアル後に何の手も打たなければ、アクセスを増やすことは困難です。サイトリニューアルと同時に、「アクセスをどう増やすのか」のWebマーケティング施策まで同時に考えていきましょう。
サイトのCVRをあげるため、現状サイトの問題点はなにか?
サイトのCVRをあげるには、ランディングページ(LP)の改善、お問い合わせフォームの最適化、「お問い合わせ」や「資料請求」などのCTAといわれる部分の最適化、ABテストなどの方法があります。アクセス数とは違って、サイトリニューアルでは「CVRの改善」は見込めます。
そのためには、まずは今のサイトの問題点を見つけることからです。トップページの直帰率はどうか、離脱されているページはどこか、見られていないページはどこか、などアクセス解析を見たり、伝わりやすいメッセージになっているかをチェックし、サイトリニューアル時に改善しましょう。
Webサイトリニューアルの目標を設定する3つの手順
サイトリニューアルの目的が定まったら、その目的をかなえるために何をすればいいのか、目標を設定しましょう。具体例を用いて解説します。
ferret Oneにお問い合わせをいただく企業様の場合、お話をうかがっていくと多くの方が「サイトからの問い合わせ(リード)数を増やしたい」という目的を持っていらっしゃいます。
この場合は、具体的な目標数値からKGI、KPIに落とし込んでいくのが次のステップです。
そこで、目的が「お問い合わせ数の増加」である場合を例にして、目標設定の手順を解説します。
- 目的達成の基準とする受注件数を決める
- 受注に必要なリード件数を算出する
- リード獲得数から、サイト訪問の目標数を算出する
①目的達成の基準とする受注件数を決める
「Web経由での受注数増加」だけでは漠然としているので、どのくらい増えたら目的達成とするのかを明確にします。
これはリニューアル担当だけで決めるのではなく、社内にヒアリングして設定する必要があります。事業として目指している数字や現状など、関係各所に確認しましょう。現実的な成果数値を設定するためには、実際にお客様と接している営業担当とのすり合わせは必須です。
②受注に必要なリード件数を算出する
営業担当にヒアリングして、現在の「問い合わせからのアポ率」「アポからの商談化率」「商談からの受注率」などの転換率をそれぞれ確認します。
問い合わせ
|
100件 |
アポ |
アポ率 20% |
案件化 |
商談化率 50% |
受注 |
受注率 20% |
例えば、アポ率20%・商談化率50%・受注率20%で、月の受注目標が2件だった場合
問い合わせは、月100件必要だという計算になります。(100×0.2×0.5×0.2=2)
③リード獲得数から、サイト訪問の目標数を算出する
手順1で決めた数値から目的達成に必要な「アクセス数」「CVR」「リード獲得数」をなど算出し、これを目標数値とします。
CVRの平均は1~2%、会社名やサービス名などのブランドワードでも10%程度です。仮に1%だとすると、100件のリードを獲得するには、月間10,000セッション程度が目安になります。(10,000×0.01=100)
このセッションを獲得するために、どのようなWebマーケティング施策を行うかをセットで考える必要があります。
Webサイトリニューアルの目標を立てる際の注意点
ここでは、サイトリニューアルの目標設定で気をつけたいポイントを紹介します。
- リソース不足にならないか?
- 無謀な目標になっていないか?
リソース不足にならないか?
目標を達成することばかりに気を取られて、リソースが足りない組み立てをしないか、は気をつけるポイントです。例えば、サイト訪問数の目標を達成するために、作成するコンテンツの目標数が膨大になってしまうなど、現実的でない計画を立てられているケースがあります。
計画に無理がある場合は、「目標を修正する」か「リソースを増やす」のどちらかをする必要があります。
無謀な目標になっていないか?
また、そもそも無理な目標を立ててしまうケースもあります。例えばですが、目標のリード件数を獲得するために月間100万セッション必要、というような目標です。
BtoCと比較してそもそものパイが狭いBtoBサイトでは、狙えるアクセス数にも限りがあります。あまり大きな数値を目標にしても、達成不可能になってしまいます。専門家に相談したり、SEO集客を狙う場合は検索キーワードの月間検索数を調べたりして、現実的な目標にしましょう。目的とする数値もあわせて調整しましょう。
Webサイトリニューアルで失敗しないためのポイントとは?
せっかく行ったサイトリニューアルを失敗で終わらせないためにも、以下3つのポイントは押さえておきましょう。
1.デザインばかりに目を向けない
よくある誤解として「Webサイトをリニューアルしたら自然とお問い合わせが増える」というイメージを持たれていることがあります。しかし残念ながら、サイトをリニューアルした「だけ」ではお問い合わせは増えません。
見た目のデザインを変更することで目新しくなりますが、Webサイトに訪れたユーザーが利用しやすいかどうかが大切なポイントです。「見た目を変えてどうしたいのか?」「その結果、どんな効果を期待するのか?」を掘り下げて考えることで、その先にある「サイトリニューアルの目的」を明確にしてみてください。
2.SEOを加味したサイトになっているか
サイトを検索エンジンで上位に表示し、たくさんのユーザーがサイトに訪れてもらうためには、SEO対策が必須です。ここをおろそかにするとアクセス数や問い合わせが増えず、リニューアルの効果を発揮できません。
SEO対策はこれだけしておけば大丈夫というものはなく、タイトルやタグ、コンテンツの質など複合的にSEOを意識してリニューアルを進めていくことで、多くのユーザーの目に留まるようになります。
→サイトリニューアル時に行うSEO対策とは?アクセス数を下げない方法
3.リニューアル後のサイト運用
サイトのリニューアルは公開して終わりではありません。このまま数年間はサイトを使い続けていくことになるので、継続的に新しいコンテンツを追加したり、改善が必要になります。
また、コラムやブログなど定期的にコンテンツをアップできるように作ったものの、利用していないケースは多くあります。現実的に運用していけるのかまで考えて設計することも大切です。
なおこれら3つも、リニューアルの「目的・目標」が明確で、社内で共通認識を持てていることが大前提のポイントとなります。
▼サイト運用でどのようなことをしていくべきか?こちらで解説しています。
→Webサイト運営とは? 具体的な業務や効果の出る改善方法
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サイトリニューアルは適切なタイミングで、目的・目標を明確にして始めよう
サイトリニューアルの目的・目標を明確にすることで、「目的を達成するためにはどこをどのようにリニューアルするべきか」が見えてきます。逆に目的・目標が明確になっていないとサイトリニューアル自体が目的になってしまい、ただ見た目を綺麗にしただけのリニューアルに終わります。
サイトリニューアルの先にある本来の目的を見つけ、そこから逆算して適切な目標数値を設定することで、リニューアルの方向性が定まり、成功確率が高まります。まずは、目的と目標の設定から始めましょう。
ただ、いざサイトリニューアルをするとなっても、何から手を付けたらいいのか不安ですよね。
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▼あわせて読みたい「サイトリニューアル 」シリーズ
BtoBサイトリニューアルで失敗しないために 押さえておきたい7つのポイント
ポイント1:サイトの目的・目標を設定しよう(この記事)