BtoBのコンテンツマーケティング 成果につながる設計のポイントは?

BtoBのコンテンツマーケティング成果につながる設計のポイントは?


コンテンツマーケティングは、見込み顧客とコンテンツを通して接点を作り、ニーズを育成しながら購買へとつなげる手法です。

顧客に自社サイトを訪問してもらうため、サイトを見て興味を持ってもらうためには、良質なコンテンツが欠かせません。特に製品やサービスを慎重に検討する傾向があるBtoBではなおさらです。

「BtoBでよく使われるコンテンツとは?」「コンテンツ設計のポイントは?」など、コンテンツ作成でよくある疑問にお応えします。

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BtoBのコンテンツマーケティングにおける、9つのコンテンツ手法

  コンテンツマーケティングを始める前に知っておきたい!BtoB向け・9つのコンテンツ手法 今や知らない人はいないほどに普及したコンテンツマーケティング。しかし、なんとなく分かったつもりになっていても、その「コンテンツマーケティング」への理解が矮小化されたものになっていることも少なくありません。「コンテンツマーケティングって、何を指すの?」「具体的にどんな手法があるの?何から始めればいいの?」そんなお悩みを解決するために、本書ではコンテンツマーケティングの実践手法を9種類紹介します。 Webマーケティングツール『ferret One』


目次[非表示]

  1. 1.BtoBこそ、コンテンツマーケティングをやるべき理由
  2. 2.BtoBでよく使われるコンテンツ
  3. 3.BtoBのコンテンツマーケティングは、BtoCとどう違う?
  4. 4.コンテンツ設計のポイントは、購買プロセスから逆算すること
  5. 5.コンテンツ強化でおすすめの、ホワイトペーパー作成
  6. 6.購買プロセスの推進力を補うようにコンテンツ拡充を行うのが鉄則


BtoBこそ、コンテンツマーケティングをやるべき理由

Webサイト上コンテンツは、いわゆる「記事」だけではありません。BtoBのサイトならば、製品・サービスの情報や企業情報、製品の導入事例などが挙げられます。セミナーの告知やお役立ち情報もあるかもしれません。これらすべてが「コンテンツ」です。

サイトを訪問した見込み顧客は、コンテンツを見て「この製品・サービスを導入するか」を検討します。だからこそ、訪問者にとって有益なコンテンツを掲載して興味を持ってもらうことがコンバージョンにつながるのです。

逆にコンテンツが少ない状態だと、「検討に必要な材料がないから候補から外そう」と思われかねません。勢いではなくじっくり検討されるBtoB製品のマーケティングには、コンテンツの充実が必要不可欠なのです


BtoBでよく使われるコンテンツ

BtoBマーケティングでよく使われるコンテンツには次のようなものがあります。

  • ホワイトペーパー(WP)
  • ブログ記事
  • 動画コンテンツ
  • ペイドメディアへの記事寄稿
  • 導入事例、成功事例

ブログ記事や動画はBtoCでもよく用いられますが、ホワイトペーパーはBtoBならではの特徴的なコンテンツです

ホワイトペーパーは日本語でいうと「白書」で、もともとは政府や公的機関が発行する報告書のことを指しました。BtoBマーケティングでは、業界の分析や課題解決メソッドなど、ユーザーにとって有用な情報をまとめた小冊子のことを指します。後半では、ferret Oneのホワイトペーパーの作成の流れも解説します。


BtoBのコンテンツマーケティングは、BtoCとどう違う?

BtoBとBtoCではターゲットの特性が違うので、アプローチの方法も異なってきます。コンテンツの内容も、ターゲット特性に合ったものにする必要があるのです。

特にBtoCマーケティングの経験はあるけれどBtoBマーケティングに初めて取り組む担当者様は、その違いに注意が必要です。BtoCのノウハウをそのままBtoBに適用しても、思うように成果が上がらない可能性があります。

具体的な相違点は次の通りです。


BtoBは、意思決定に必要な情報を提示する。BtoCは、共感から入って感情に訴える

BtoCマーケティングは「共感」が大切とよく言われます。BtoCの購入意思決定には個人的な感情や嗜好が大きく影響するため、「気に入ってもらう」ことが非常に重要です。そのため、まずは共感を得て気持ちを引きつけ、感情に訴えて購買意欲を刺激するフローが主となります。

一方BtoBにおいては、問い合わせ、購入の意思決定を左右するのは個人的感情ではなく、製品やサービス自体の機能や実績、導入した場合のメリットなどの情報です。複数の情報から理性的に判断すると考えられます


たとえば、新しく開発したボールペンを売りたい場合を考えてみましょう

BtoCの場合

BtoCならば、デザインやブランド名をアピールするでしょう。あるいは、「こんなにすらすら書ける!」という動画広告を作って書き心地の良さを想像してもらうのもいいかもしれません。こうして「これを持っている自分はかっこいい!」「気持ちよく書けそう!」という感情を喚起するのがBtoCマーケティングのメソッドです。

BtoBの場合

一方BtoBで必要なのは、複数のビジネスマンが理性的にその製品・サービスの購入を検討した際に決定打となる情報です。ボールペンの場合ならば、「インクの持ちが従来製品と比べてどのくらいいいか」「価格を抑えてあるが十分な機能を有していることの証拠となるデータ」などの情報を提供するのがBtoBマーケティングのメソッドです。


BtoBでは「売上が上がる」もしくは「コストが下がる」を訴求すべし

BtoBマーケティングの基本は「この製品・サービスを導入するとどのようなメリットがあるのか」を提示し、データや解説を揃えて納得してもらうことです。この「メリット」は突き詰めていくと「売上が上がる」か「コストが下がる」の二種類に分類されます。

業務効率化のツールやシステムであれば人件費カットによるコストダウンにつながります。見込み顧客に効率的にコンタクトを取れるツールであれば、それによってどのくらい売上が上がるのかをアピールすることができます。

BtoBでは、このどちらかのメリットを明確に数字で示すのが重要です


コンテンツ設計のポイントは、購買プロセスから逆算すること

ここまでで、BtoBマーケティングでよく使われるコンテンツ、BtoCとBtoBの違い、コンテンツによって訴求すべきことを押さえることができました。次はそのコンテンツをどのように設計・強化していったらよいのかを見ていきましょう。


STEP1:BtoBマーケティングの購買プロセスを理解する

代表的なBtoBマーケティングプロセスに「The Model」というものがあります。クラウド型顧客管理ベンダー大手のSalesforce.comが生み出した組織営業の最適化モデルで、BtoBマーケティングの各プロセスにおいて、それぞれの組織がやるべきことと目標数値を定めたものです。

BtoBマーケティングの購買プロセスを理解する

このプロセスのうち、マーケティングが担うのは「潜在顧客の獲得」から「見込み顧客の育成」までです。ここをさらに細かく分類すると、「潜在層」→「準顕在層」→「顕在層」→「明確層(十分に育成された見込み顧客)」となります。

「潜在層」→「準顕在層」→「顕在層」→「明確層

このプロセスのうち、コンテンツの力が弱いために流れがせき止められてしまっている箇所があるならば、そこを強化しなくてはなりません。コンテンツの設計や強化を行う前に、まずはどこがボトルネックなのかを知る必要があります。


STEP2:購買プロセスのボトルネックを把握し優先ターゲットを決める

購買プロセスのボトルネックを知るために、まずはデータを見て見込み顧客を分析しましょう。分析の結果どこがボトルネックなのかを把握できたら、そこから逆算して優先ターゲット層や設計・強化の方向性を定めていきます

そもそも十分な潜在層を獲得できておらず、まずは母集団を形成する必要があるならば、潜在層向けのコンテンツの強化を優先するべきです。

潜在層や顕在層は順調に獲得できているのに明確層への遷移がうまくいっていないようならば、数ある競合の中で自社を選んでもらえるような顕在層向けのコンテンツを強化しなくてはなりません。

マーケティングのどの部分を強化したいかによって、取り組むコンテンツ内容は異なります。一度にすべて手をつけるのは難しいため、優先順位をつけて取り組みましょう。


STEP3:プロセスを進めるためにコンテンツを活用する

どの層向けのコンテンツを優先的に強化するか決まったら、その層の顧客が次の段階へ進むのを後押しするようなコンテンツを設計します。潜在層を準顕在層へ進めるためのコンテンツと顕在層を明確層へ進めるためのコンテンツは違うので、優先ターゲットに合ったコンテンツを選択しましょう。

以下はターゲットごとの適切なコンテンツ例です。


潜在層~準顕在層向け(商品を知らない段階)のコンテンツの例

・お役立ち記事/ニュース記事:多くの人が興味のある内容なので、見込み顧客との接触機会を増やすことができる


準顕在層~顕在層向け(情報収集段階)のコンテンツの例

・ホワイトペーパー:より専門的な知識や経験に基づいたノウハウを提供することで、信頼を深めることができる

・成功事例・ユーザーの声:導入後の状況を具体的にイメージしやすくなる

・セミナー案内:初期の情報収集を終えた段階の見込み顧客に、直接会って気になることを質問できる機会を提供できる


顕在層~明確層向け(比較検討段階)のコンテンツの例

・サービス紹介資料:見込み顧客が社内検討に上げやすい形で提供すると受注確率が高まる

・比較コンテンツ:他社と比較して悩んでいる見込み顧客の背中を押す

・デモ・無料トライアル:ツールなどの実際の操作感や利便性が決め手となる製品・サービスでは必須


コンテンツ強化でおすすめの、ホワイトペーパー作成

最後に、実際に「ferret Oneでコンテンツの強化をするために取り組んだ事例をご紹介します。


まずは課題別にホワイトペーパーを作成する

ホワイトペーパーとは?書き方は?ホワイトペーパーについてよくある10の疑問

CVに近く、コンテンツの効果を出しやすい部分を優先しようという方針から、潜在層や準顕在層向けのコンテンツとしてホワイトペーパーを充実させることになりました。

ferret Oneではホワイトペーパーを「なくてはならないすべての源泉」として位置付けています。

なぜなら、ホワイトペーパーは非常に利用シーンが幅広く、一度作ると下記のようにさまざまな場面で使えるからです

  • ダウンロード用コンテンツとしてWebサイトに掲載する
  • 見込み顧客向けのステップメールの中で訴求する
  • 展示会で「興味があればこちらの資料をダウンロードしてください」と案内することで、その場でトークを聞いてもらえなくても次につながる可能性を残すことができる
  • 営業部門がお客様のニーズに応じて提供するなど、マーケティング部門以外でも活用可能


<ホワイトペーパー作成の流れ>

ホワイトペーパー作成の流れを簡単にご紹介します。

  1. 「ferret Oneで満たせるニーズってなんだっけ?」を洗い出す
  2. それらに結び付くテーマを網羅的に挙げる
  3. その中でターゲットの「知りたいニーズ」が熱そうなところから作成する
  4. ターゲットと若干遠いが、広くニーズがあるテーマで作成する

まず、「ferret Oneを使うことで満たせるニーズは何?」ということを徹底的に考え、洗い出しました。その上で、洗い出したニーズや課題に結びつきそうなホワイトペーパーのテーマを考えていきます

現在ferret Oneに掲載しているホワイトペーパーには「BtoBのWebマーケ組織立ち上げの教科書」や「BtoBサイトリニューアルに失敗しない3ステップ」などがありますが、これらは洗い出された「BtoBマーケティングで成果を出したい」というニーズから連想して設定されたテーマです。


テーマがいくつかに絞りこめたら、その中でよりターゲットにとってホットなテーマ、見込み顧客に刺さりそうなテーマから順に書いていきます。ある程度コンテンツが充実してきたら、「グーグルアナリティクスの使い方」などのferret Oneと若干遠いけれど見込み顧客となるユーザーが潜在的に大量にいそうな層を狙うテーマにも幅を広げていきました。

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同じテーマをほかの媒体でも活用

まず手始めにホワイトペーパーを作成しましたが、設定したテーマはその他の媒体にもスライドさせて活用できます。たとえば「BtoBマーケティングの基礎」というテーマでホワイトペーパーを作成したら、その内容をブログ記事、マンガ、動画、セミナー、オフライン広告(デジタルサイネージ、電車広告、DM)など、別のフォーマットにも変換していくイメージです。

もちろんそれぞれの媒体に合わせて内容や表現を調整する必要はありますが、すでに作ったものを軸にして多媒体展開していくことで、コストを抑えて効率的にコンテンツを増やすことができます。

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購買プロセスの推進力を補うようにコンテンツ拡充を行うのが鉄則

BtoBマーケティングのコンテンツ強化を行う際は、BtoCとの違いを理解し、購買プロセスの推進力が弱いところを補う形で取り組むと上手くいきます。そのために、まずは購買プロセスのフレームを理解し、自社にとって効果的な部分から着手する思考が重要です。

購買プロセスの段階を進める後押しとなるコンテンツを作ることを意識して、効果的かつ効率的にコンテンツを強化していきましょう。

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One Tip編集部
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