BtoBランディングページ改善のコツ!BtoCとの違いや基本構成、改善事例を紹介
LP(ランディングページ)とは、訪問者に「商品の購入」や「問い合わせ」などのアクションを誘導することに特化したページです。
コンバージョンに近いぶん、LPを改善することは成果に直結します。
BtoBのLPの特徴は?成果の上がるLPの作り方は?LP改善するときに必要なポイントとは?などを整理しながら、せっかく作ったのに思うように成果の上がらないLPを改善して、CV(コンバージョン)の取れるLPにするためのポイントを解説します。
【BtoB特化版】LPの成果を最大化する「5つのチェックポイント」とは?
詳細資料「ランディングページ改善ガイド」も合わせてご覧くださいませ。
目次[非表示]
BtoBとBtoCのLPの違いを理解しよう
今回ご紹介するのは「BtoB」のLP改善メソッドです。BtoCに応用できる部分もありますが、BtoBとBtoCではターゲットとするユーザーの特性が異なるので、LPの内容や目標とする成果に違いがあります。
はじめに、BtoBとBtoCのLPの違いを把握しておきましょう。主な違いは次の4つです。
1.ユーザー行動の違い|BtoBユーザーは衝動では動かず、冷静に比較検討
BtoCでは、基本的にLPを閲覧している人自身が購入の意思決定者です。本人がLPを見て納得すればほかと比較検討せず即購入に至ることも多く、衝動買いもあります。
一方BtoBでは、LPを閲覧している人が意思決定者とは限りません。上司が部下に「こういう製品やサービスの導入を考えているからいくつかよさそうなものをピックアップしておいて」と指示をしていることも考えられます。
閲覧者がLPを見て納得をしてもその場で購入を決定することは少なく、問い合わせ以降も他社との比較や複数人による検討を経て、慎重に意思決定されることがほとんどです。
2.LPの成果地点の違い|「CV=売上」にはならないのがBtoB
BtoCのLPでは、多くの場合CV=LPで紹介している製品の購入です。CVが直接売上につながります。
しかし、BtoBの場合LPから直接購入に至るケースは少なく、CVは問い合わせ、資料請求、ホワイトペーパーダウンロードなどとなります。そこからアポ、商談につなげて初めて売上が上がるのです。BtoBのLPはゴール地点ではなく、商談へのきっかけ作りの場と考えておきましょう。
LPを改善するときも、ページのCVR(コンバージョン率)だけでなく、その後の商談化率、受注率までを見る必要があります。
3.デザインの違い|BtoBは信頼感、安心感のあるニュートラルなデザイン
BtoCのLPは、ターゲットとする層によって極端に特化した見た目・デザインにする場合があります。たとえば、男性向けの筋トレ器具ならば強さをイメージさせる見た目にしますし、女性向けの美容ドリンクならば美しさをイメージさせる見た目にするようなものです。
一方BtoBのLPは、ニュートラルで落ち着いたデザインが多く用いられます。極端な見た目で感性に訴えかけるよりも、安心感や信頼感を与えることが大切だからです。
4.内容の違い|BtoBで大切なのは理性に訴える適切な説明
BtoCのLPは、閲覧者の「これがほしい!」という感情を喚起するためのものです。理性的な判断を促すものではないので、判断材料となる「なぜこの製品がすぐれているのか」「どういう仕組みで実現しているのか」などの詳しい説明は必須ではありません。
対してBtoBでは、個人ではなく法人の判断としてさまざまな角度から製品・サービスの購入が検討されるので、興味を引きつけるための一点のアピールポイントやキャッチコピーだけでは不十分です。
判断材料となるように、機能やスペックの説明のほかにも数値データや導入企業数、メディア掲載実績などの網羅的な情報を掲載する必要があります。
BtoBとBtoC、LPにおける違いまとめ
このように、BtoBとBtoCのLPには大きな違いがあります。下の表に簡潔にまとめたので、今一度対比させながら違いを確認してみてください。
BtoB |
BtoC |
|
ユーザー特性 |
閲覧者≠意思決定者 |
閲覧者=意思決定者 |
CVポイント |
問い合わせ・資料請求 |
購入 |
売上への貢献の仕方 |
売上げに繋げるには 商談のステップが必要 |
LPのCVが直接売上に繋がる |
デザイン |
シンプルでニュートラル |
装飾的でターゲットに
合わせた偏りがある
|
訴求方法 |
理性的 |
情緒的 |
成果の上がるLPの基本構成
成果の上がるLPには基本の型となる構成があります。
必ずしもこの構成どおりに作らないといけないというわけではありませんが、アレンジを加える前に基本を学ぶことは大切です。はじめてBtoBのLP作成や改善に取り組む方は、ぜひ参考にしてみてください。
<成果の上がるLPの基本構成>
- ファーストビュー
- 問題提起・興味づけ
- 自分ゴト化
- 解決法の提示
- 商品の裏付け・解決できる証拠
- クロージング
1.ファーストビュー
ページが表示された後、画面をスクロールさせずに見える先頭の部分がファーストビューです。
検索や広告クリックなどなんらかのきっかけでページ訪れた閲覧者は、ファーストビューを見て「このページには自分が想定している通りのものがありそうか」を判断します。
したがって、ファーストビューには「このLPではどのような製品・サービスが紹介されているか」が判断できる内容が表示されていなければいけません。また、想定されるキーワードや広告文とLPの内容は一致させるべきです。LPの内容が閲覧者の想定通りのものでなければ、どんなにデザインや内容の充実度がすばらしいLPでも離脱されてしまいます。
2.問題提起・興味づけ
想定されるキーワードで検索してLPに訪れる閲覧者は、多くの場合悩みや課題を抱えています。
その悩みを改めて目に見える形で提示し、解決できる製品やサービスがこのLPにあると示すことで、「もっと詳しく知りたい」という興味を喚起します。
3.自分ゴト化
提起した問題のよくある具体例を挙げると、同じ悩みを抱える閲覧者は「これは自社と同じ(似た)状況だ」と自分ゴトとして捉えてくれるようになります。
4.解決法の提示
製品名やロゴ、概要はファーストビューに入れますが、ここで初めて自社製品の詳しい説明に入ります。十分に興味喚起されてからのほうが説明を聞いてもらいやすいからです。
前段階で自分ゴト化されているので、「自社の状況も解決できるのではないか」と思ってもらえます。
5.裏付け・解決できる証拠
あまりよいことばかり書かれていると、「都合のよいことだけ書いているのではないか」と逆に不信感を持たれてしまう可能性があります。
閲覧者が考えそうな疑問点や懸念点を予め洗い出しておき、それに対する回答や懸念を払拭するデータを用意して掲載します。
6.クロージング
CTA(Call To Action:行動喚起)のための資料請求ボタンやお問い合わせフォームを掲載します。
CTAエリアは末尾だけではなくページ途中にもはさんでおくと、早く資料請求をしたい閲覧者のために便利です。対比色を使ったり余白を多くとったりすることで、ここから資料請求や問い合わせができることがひと目でわかるデザインにします。
CTAの位置やデザイン、商品特性にもよりますが、CVに向けて背中を押すための要素を盛り込むのも有効です。「期間限定」「今なら特典付き」など、早く行動を起こす理由を明示してあげましょう。
LPを作成・改善するときに必要な視点
冒頭でもお伝えしたとおり、LPは作ったらそれで終わりではありません。基本構成に沿って作ってもそれだけでは最大限に効果を発揮できるとは限らないので、常にデータをとりながら改善していく必要があります。
ここでは、LPをブラッシュアップするための3つの視点をお伝えします。
ターゲットの課題・達成したい目的を考える
LPのターゲット設定は明確になっていますか? 想定されている見込み顧客はどのような悩みを抱えていて、どのような情報を探している人でしょうか。
ターゲットを明確にし、その人がLPを訪問したら何を考えながら読み始めるのか、どんな情報を見れば納得するのか、その過程を想像してみるとCVに至るまでのリアルなシナリオを設計できるはずです。
そして、シナリオどおりに進むために足りない情報や変更したほうがよい箇所があるならば、そこを改善します。ターゲットの年齢や役職、職種や社内での立ち位置まで細かく設定する「ペルソナ設定」を行うと、より具体的に行動や考えをイメージできます。
CVポイントをどこにするか考える
目指す成果地点によって、LPに必要な情報や作り方、CV後の流れも変わってきます。
CVをフォームからの問い合わせとするならば、CVに至った閲覧者は製品やサービスに興味を持っているので、そのまま商談へつなげられる可能性が高くなります。
一方CVをホワイトペーパーのDLとした場合は、CVに至ったとしても閲覧者が製品やサービスに興味があるのか、ホワイトペーパーの内容のみに興味があるのかはわかりません。CV後も関係を継続してナーチャリング(見込み顧客の育成)をする前提のリード獲得となります。
自社でやりたいのはどちらなのかを状況に合わせて判断し、目的に応じてLPの設計やコンテンツを調整する必要があります。
ちなみに、問い合わせとホワイトペーパーDLではDLのほうがハードルが低いので、CVR(コンバージョン率)は高くなる傾向にあります。CVの設定が違うLP同士のCVRを単純に比較しても意味がないので注意しましょう。
感覚ではなくデータを元に改善する
LPの改善は「なんとなく」でやるものではなく、データを元に仮説を立てて検証していくものです。LPの仮説検証によく用いられる指標に「CVR」と「CPA」があります。CVRとCPAを求める計算式は次の通りです。
- CVR(コンバージョン率)= CV数 ÷ LPのセッション数
- CPA(CV1件あたりの獲得単価)= 広告費用 ÷ CV数
CVRの目安は、企業名や製品・サービス名などの指名キーワードで流入するユーザーで10%程度、それ以外の「一般キーワード」での流入ユーザーで1〜2%程度です。あくまで目安ですが、これよりも極端に低い場合はLPに何らかの問題があると考えられます。
CPAには一律の目安はありません。商品の価格、LTVによって適切なCPAは大きく異なるためです。低いに越したことはありませんが際限なく下げられるものではないので、その他の予算や製品の単価などを考慮してあらかじめCPA基準=1CVにいくらくらいかけてもいいのかを決めておきましょう。
LPの改善はデータを元にした仮説と検証なので、仮説を立てて改善施策を行ったらかならずCVRとCPAの数値を確認して効果検証を行います。
ferret Oneでも製品のLPを用意しているので、日々検証・改善しています。実例として、これまでに行った改善施策をご紹介します。
LPの改善施策1
失敗談1:業種別にLPを用意したが、セッション獲得に苦戦
ferret Oneでは、以前は設定したペルソナの業種別にLPをいくつか用意していました。しかし、作ってはみたものの特定の業種にアプローチする手段が少なく、セッション獲得に苦労することに。
商品・サービスを提供する業界業種がいくつかに偏っていて、かつその人たちにアプローチする手段があるなら有効な施策かもしれませんが、ferret Oneのようなある程度幅広い業種に提供可能なソリューションには不向きなプローチだったようです。
成果が上がらず、業種別ではなくペルソナの人物が抱えていそうな課題別のLPに変更することにしました。
改善策1:課題別のLPに変更
現在は、業種別ではなく「課題別」のLPを作成しています。具体的には以下の3つです。
左から
- 成果の出るWebサイトを立ち上げたい
- 煩雑なWebマーケティングの生産性を上げたい
- BtoBマーケティングのノウハウを得たい
結果としてCVRはいい方向に推移していますが、ここに至るまでも一つの失敗がありました。
LPの改善施策2
失敗談2:CVしたものの、成約に至らないケースが増加
課題別のLPを作成した当初は「サイト集客ニーズ」と「サイト制作ニーズ」の2種類のLPを用意していました。業種別で作っていたときよりもCVRは上がりましたが、今度は別の問題が出てきました。CVはしたものの成約に至らなかったり、一度成約しても継続利用に至らず解約になってしまったりするケースが多いことがわかったのです。
改善策2:ペルソナの解像度をあげ、提示する課題の内容をブラッシュアップ
調査・分析を行ったところ、LPを見てユーザーが持つ期待感とこちらが提供できる価値のミスマッチが原因でした。そこで、ペルソナの解像度を上げて課題を徹底的に洗い出し、こちらが提供できる価値や解決できる課題と突き合わせ、ピンポイントで合致するところを探りました。
提示する課題の内容をブラッシュアップした結果が、前述の3つの課題だったのです。
LPの改善施策3
失敗談3:CTAを「お問い合わせ」に設定
当初はCTAを「問い合わせ」にしていましたが、検討度合いがある程度進んでいる人しかCVに至らず、絶対数が不足していました。
改善策3:CTAを「問い合わせ」から「資料ダウンロード」に変更
ナーチャリング前提でより多くのリードを獲得したいと考え、CTAを「資料ダウンロード」に変更しました。
結果、問い合わせほど検討が進んでいない場合でも資料ダウンロードにつながり、アプローチできる見込み顧客数が増えました。
こうした改善を経て出来上がったのが現行の3種類のLPです。もちろん、これからも改善していきます!
大切なのは「ターゲット別のシナリオに沿った設計」と「データを元にした改善」
BtoBで成果の上がるLPを作るには、BtoBの特性を理解した上での「ターゲット別のシナリオに沿った設計」と「データを元にした改善」が大切です。
仮説を立てて改善施策を実行し、効果測定をしてまた仮説を立てる……をくり返していけば、成果の上がらない既存LPも、CVの取れるLPに生まれ変わるでしょう!
LPの成果を最大化する「5つのチェックポイント」をまとめた詳細資料も、
合わせてご覧くださいませ。
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