インサイドセールス立ち上げ、失敗しないための7つのポイント

インサイドセールス立ち上げ、失敗しないための7つのポイント


お客様先を訪問して営業を行う従来の「外勤営業」に対して、訪問せずに営業を行うインサイドセールス。訪問コストをかけずに営業活動が行えるので、これから導入しようと考えている方も多いでしょう。

しかし、新しいチームを立ち上げるには困難がつきものです。

この記事では、新たにインサイドセールスチームを立ち上げる際のコツや注意点などのノウハウを解説します。

解説するのはこの人!

株式会社ベーシック川鍋 裕輔

川鍋 裕輔(かわなべ ゆうすけ)
株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 部長

リクルートで営業として新人賞、MVPなどの賞を受賞後、web業界へ転身。立ち上げ間もないSEOベンダーを経て2010年、ベーシックに入社。アプリ関連事業を中心に複数の事業を立ち上げ、アドネットワーク事業の事業責任者に。その後担当事業の事業売却を経て、現在はferret Oneのマーケティング責任者を務めている。
Twitterアカウントは@y_kawanabe

目次[非表示]

  1. 1.インサイドセールスがBtoB企業と相性がよい理由
    1. 1.1.効率的に、中長期の関係構築ができる
    2. 1.2.フィールドセールスと役割分担することで、属人化を防止できる
    3. 1.3.案件を精査することで、組織全体での成果につながりやすい
  2. 2.「なぜ」「何のために」立ち上げるのか、目的を明確に
    1. 2.1.インサイドセールスチームがどこまで役割を負うか決めておく
  3. 3.目的別、インサイドセールスのタイプ分類
    1. 3.1.1.BDR(主にアウトバウンドによるリード創出)
    2. 3.2.2.SDR(インバウンドリードへのBANT確認及び育成)
    3. 3.3.3.オンラインセールス(初回商談とサービス紹介、案件化)
  4. 4.インサイドセールス立ち上げ時の7つポイントと注意点
    1. 4.1.1.セールスのエース直伝、トークスクリプトを用意する
    2. 4.2.2.リードの管理はBANT条件の「N」と「T」で
    3. 4.3.3.立ち上げの成否はリードからの受注率で判断
    4. 4.4.4.インサイドセールス担当者には、フィールドセールス経験者を
    5. 4.5.5.すべてをインサイドでやろうとしない
    6. 4.6.6.単価が高い商材なら、インサイドセールスをマーケティング管掌に
    7. 4.7.7.業務が単調になりがちなので面白みを与える工夫を
  5. 5.どの工程をインサイドにすれば効率がよいかを考えて


インサイドセールスがBtoB企業と相性がよい理由

インサイドセールスは、お客様先に訪問せず、電話やメールなどで営業する手法の総称です。日本語でいうと「内勤営業」にあたり、最近は導入するBtoB企業が増えてきています

なぜ、インサイドセールスとBtoB企業は相性がいいのか? その理由は以下の通りです。


効率的に、中長期の関係構築ができる

BtoBは一般的に単価が高く、契約までの期間が長いため、中長期での関係構築が重要になります。その間のコンタクトをすべて訪問営業で行うとすると、遠方の場合はもちろん近距離でも多大な時間とコストがかかります。

その点、インサイドセールスは訪問コストをかけずに関係を構築することができるので、「今すぐ」ではない見込み顧客を訪問コストをかけずに、効率的に追うことができるようになります。

▼こちらの記事でも詳しく解説しています。
なぜ、BtoBマーケでインサイドセールスが重要なのか?その役割と運用方法


フィールドセールスと役割分担することで、属人化を防止できる

BtoBのリード獲得から商談化までの間には、以下のようなたくさんのプロセスが必要です。

  • BANT確認
  • サービス紹介
  • ヒアリング
  • 課題整理
  • 提案
  • プランニング
  • 購入のネック確認

これらをフィールドセールスがお客様先を訪問して行った場合、ヒアリングやトークの成果が個人の力量に依存する割合が大きくなります

その点、基本的に社内で活動するインサイドセールスは、各々がお客様先で個別に活動するフィールドセールスに比べて、各プロセスのデータ収集や分析を行いやすい環境です。これにより営業のプロセスを可視化して分析することで、個人の力量に依存しない仕組みを作っていくことができるというメリットがあります。

営業の流れ過去と現在


案件を精査することで、組織全体での成果につながりやすい

一般的に、商材の単価が低いほど契約締結においてインサイドセールスの果たす役割は大きくなります。決裁するまでの検討事項が少なく、インサイドセールスだけでクロージングできるものが多いためです。

しかし、高単価の契約締結にインサイドセールスが必要ないわけではありません。商談化に適切なタイミングをインサイドセールスが見極めて渡すことで、フィールドセールスが商談に注力できるようになり組織全体での成果につながりやすくなるのです。


「なぜ」「何のために」立ち上げるのか、目的を明確に

BtoB企業にとってのインサイドセールスの重要性がお分かりいただけたところで、これから実際にインサイドセールスチームを立ち上げるにはどうしたらよいかを解説していきましょう。


インサイドセールスチームがどこまで役割を負うか決めておく

「インサイドセールス」という概念の厳格な定義はありません。人によって解釈や想定する業務範囲が異なる場合があります。

新規顧客の開拓も、アポ取り・商談化も、オンラインセールスも、訪問せずに行えばすべてインサイドセールスと呼ぶことができます。立ち上げ時に、この「インサイドセールスがどこまで担うか」の認識に差があると混乱につながります

インサイドセールスの役割

・アポ取りを効率化したいのか
・外勤営業を内勤営業に変えていきたいのか
・マーケと連携して顧客育成していく仕組みを作りたいのか

まずは、自分たちのインサイドセールスチームは何をするために立ち上げるチームなのかを明確にしておきましょう。何のためのチームかによって、「リード発掘」〜「案件化」工程のうちインサイドセールスがどこからどこまでを担うかが決まります。


目的別、インサイドセールスのタイプ分類

目的および担当する役割によって、インサイドセールスは次の3つのタイプに分類できます


1.BDR(主にアウトバウンドによるリード創出)

BDR(Business Development Representative)は主にアウトバウンドによってリードを創出する役割です。 Webサイトからのお問い合わせなどのインバウンドリードがないケース、もしくは大手顧客へのアプローチの為に設置するケースが多いです。

※役割としては1.リード発掘→2.課題ヒアリング→3.商談設定まで

BDR(Business Development Representative)


2.SDR(インバウンドリードへのBANT確認及び育成)

SDR(Sales Development Representative)はWebサイトから獲得した問い合わせや資料請求、ホワイトペーパーダウンロードなどのインバウンドリードに対して 、ユーザーの抱える課題のヒアリングと簡単なサービスや事例紹介を通して商談設定をするのが役割です。すぐには商談につながらないものは、BANTを確認しながら商談設定をするタイミングを管理するのも重要な役割です。

※役割としては2.課題ヒアリング→3.商談設定まで

SDR(Sales Development Representive)


3.オンラインセールス(初回商談とサービス紹介、案件化)

オンラインセールス(=OS)は、SDRチームやBDRチームが設定した初回商談を実施するチームです。事前にヒアリングした内容を確認し、サービスの紹介と追加ヒアリング、事例紹介などによる動機づけを行い、顧客が比較検討できるフェーズまで持っていきます

販売する商材の単価によって、そのままオンラインセールスが受注まで行うケースとフィールドセールスにパスするケースに分かれます。単価が安い場合は、オンラインセールスが受注まで行うケースが多いでしょう。

※役割としては3.商談設定→4.サービス紹介・動機づけ→5.案件化

オンラインセールス

このように、「インサイドセールス」の中にもいくつかタイプがあります。自社で立ち上げたい組織はどの形なのか?の認識を合わせていきましょう。


インサイドセールス立ち上げ時の7つポイントと注意点

目的を定め、担う役割を決めたら、実際にインサイドセールスチームを立ち上げて運用していきましょう。ferret Oneでの実体験にもとづき、立ち上げ初期のポイントと注意点をお伝えします。


1.セールスのエース直伝、トークスクリプトを用意する

インサイドはお客様に顔が見えないぶん、初コンタクト時のトークは非常に重要です。

セールスのエースが普段行っている営業トークをもとにして、トークスクリプト(営業トークの台本)を作りましょう。トークスクリプトがあれば、属人化を防ぎメンバー全員が質の高い営業トークを行うことができます


ferret Oneのトークスクリプトは、担当者につないでもらうためのトークから始まり

  1. リード獲得経路別の課題聞き取りトーク
  2. 課題別のヒアリングトーク
  3. BANT確認トーク
  4. 日程調整トーク

という流れに沿って作られています。

以下に抜粋した例のように、「こういう場合はこういうトークを行う」という台本を作っておき、営業トークが不得手なメンバーでも咄嗟に困らないようにしてあります。 


リード獲得経路別の課題聞き取りトークスクリプトの例(一部抜粋)

【担当者につながった際のトーク】

弊社は、ferretと言うマーケティングメディアを運営している会社になります。△△の資料をダウンロードいただきましてありがとうございました。その件で、今お電話よろしいでしょうか。

   

【経路別の課題聞き取りトーク(ホワイトペーパーダウンロードの場合)】

△△の資料をダウンロードをいただく方は、「サイトを運営しているけれど、なかなか流入が増えない」といった課題をお持ちの方が多くいらっしゃいます。そのため、ご状況次第ではお役立ちできそうな追加資料のご紹介やご提案もできるかと思い、ご連絡させていただきました。よろしければ、今回ダウンロードされたきっかけをお伺いできますでしょうか?


【相手が課題をあまり話してくれない場合】

サイト運営されている方のお悩みは、大きく2つに分かれるかと思います。「サイトのアクセスはあるけれど問い合わせの率があまり伸びない」というケースか、「問い合わせの率以前に、アクセスがそもそも伸びない」ケースのどちらかに分かれることが多いのですが、御社の場合どちらに当てはまりそうでしょうか?


2.リードの管理はBANT条件の「N」と「T」で

BtoBのインサイドの肝は、BANT条件のうち「N」と「T」をお客様と合わせていくことです。

※BANT条件:顧客の見込み度合いを判断する基準になる4つの条件のこと

  • Budget(予算)
  • Authority(決裁権)
  • Needs(ニーズ)
  • Timeframe(導入時期)

予算(B:Budget)があってもニーズがなければ意味がないので、ニーズの確認はもちろん重要です。

また、顧客側の担当者レベルでは「今導入したい」と思ってもらえても、会社として決算時期などの理由で導入できるタイミングではないこともあります。会社としての導入できるタイミングを合わせていき、タイミングが合ったら機を逃さないよう見極める必要があります。


BANT確認から商談・導入までの流れ(リード育成型の場合)

BANT条件の流れ


「あとはタイミングさえ合えば」という状態になった時にどうナーチャリングしていくか、どうタイミングを合わせていくかがリード育成型インサイドセールスの要となります。

ferret Oneのインサイドセールスチームでも、商談化する案件の条件を定めて「適切なタイミングの案件のみ」を商談化してフィールドセールスに渡すようにしたことで、無駄な商談が減り商談の質が上がりました。


3.立ち上げの成否はリードからの受注率で判断

新規チームを立ち上げてしばらくすると、「このやり方で問題ないのか」「立ち上げは成功しているのか」と心配になることもあるでしょう。

インサイドセールス立ち上げの成否は、「インサイドセールスを導入したことによってリードからの受注率が下がっていないか」で判断します。新規開拓もインサイドでやるタイプの場合は、これに加えて獲得リード数やリードの質もチェックして分析します。

リードからの受注率 = アポ率 × 有効商談率 × 受注率


リードからの受注率がキープできていれば、訪問コストのないインサイドにしたぶん営業の効率は上がっているはずです

もしリードからの受注率が下がってしまっていたら本末転倒です。インサイドセールスとフィールドセールスの接続やバランスを見直すべきでしょう。


4.インサイドセールス担当者には、フィールドセールス経験者を

リード育成型インサイドセールスの場合、目的が「アポをとる」ことだけになってしまうと成果が上がりづらくなります。アポを取って終わりではなく、その後フィールドセールスに商談を引き継いで「最終的に成果を上げるためにはどうしたらよいか」を考えて組織を整えていくことが大切です。

最終的な商談成立までを見据えて動くには、フィールドセールスも経験しているほうがよいでしょう。


5.すべてをインサイドでやろうとしない

インサイドはあくまでも手段です。何でもインサイドでやろうとせず、他のチームに任せたり分担したりしたほうが効率的である可能性もあります

たとえば、相手によってはオンライン商談ツールが使えない場合もあります。そういう場合にも「ヒアリングはインサイドの役割だから」と固執せず、フィールドセールスにヒアリングに行ってもらうなど柔軟に対応するとよいでしょう。


6.単価が高い商材なら、インサイドセールスをマーケティング管掌に

新しく立ち上げたインサイドセールスチームを、マーケティングとセールスどちらのマネージャーがマネジメントするべきなのか。これは商材単価とマネージャーの経験によりケースバイケースです。

単価が高い商材は使い方や導入時に注意すべき点が多く、顧客の状態や環境を踏まえずに売ってしまうとフィットしないし解約リスクが高まります。そのため、単価が高い商材を扱う場合はインサイドセールスをマーケティング管掌にして、きちんとリードナーチャリングしてから商談化するのが望ましいといえます。


ただし、マネージャーにセールス経験がないとインサイドセールスのマネジメントをするのは困難です。マーケティングのマネージャーにセールス経験がない場合、商材単価が高くてもインサイドセールスをセールス管掌にすることもあります。


7.業務が単調になりがちなので面白みを与える工夫を

分業化して誰でもできるような仕組みを整えるほど、業務は「仕事」ではなく単調な定型作業になりがちです。「自分がいる意味はあるのだろうか」と考えてしまうメンバーも出てくるかもしれません。

行った業務に対するフィードバックや、前工程のマーケティングや後工程のフィールドセールスとの連携など、自分で工夫できる範囲を作り単純作業にならないようにするとよいでしょう。

メンバーが気持ちよく働けるための工夫も、組織作りには必要です。


どの工程をインサイドにすれば効率がよいかを考えて

これからインサイドセールスのチームを立ち上げるためのコツと注意点をご紹介しました。

扱う商材の種類や単価、現在の組織の状態を踏まえて、どこをインサイドにすると効率がよいかを考えると立ち上げの目的や作るべきチームのタイプが定まってきます。

新しくインサイドセールスチームを立ち上げる際には、ぜひ参考になさってください。



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