ターゲットユーザーとは?BtoBでの設定方法

ターゲットユーザーとは?BtoBでの設定方法

ターゲットユーザーとは、自社商品やサービスを必要としてくれる担当者や企業のことです。

BtoBマーケティングでは、まず初めに「どんな企業・担当者に最適か」という戦略設計から始めます。さらに、実際にマーケティングを実施しながら、自社にとって最適なターゲットユーザーを模索していく必要があります。

市場の反応からターゲットユーザーを改めて設定し直し、どう活用していくかを明確にすることで、より効率的に自社商品やサービスを求めている企業へアプローチできるのです。

この記事では、ターゲットユーザーの設定方法設定してからの分析や活用方法まで解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.ターゲットユーザーとは?
  2. 2.ターゲットユーザーを設定するメリット
  3. 3.ターゲットユーザーの設定方法とは?BtoBで活きる4ステップ
  4. 4.STP分析とは?
  5. 5.上手にターゲットユーザー分析ができるコツ
  6. 6.ターゲットユーザーの活用方法~コンテンツ編~
  7. 7.ターゲットユーザーの活用方法~広告編~
  8. 8.適切にターゲットユーザーを設定しよう


ターゲットユーザーとは?

ターゲットユーザーとは、自社商品やサービスを必要としてくれる担当者や企業のことです。「ターゲット」ということもあります。

ターゲットユーザーは、市場のニーズと商材の提供する価値を照らし合わせながら、見つけていきます。


BtoBとBtoCのターゲットユーザーの違い

BtoBとBtoCのターゲットユーザーでは、大きく異なる点があります。

それは、商品やサービスを購入する際に、検討し意思決定するのが「個人」ではなく「企業」であるということです。

CV(資料請求やお問い合わせ等)し、商談の場に出るのは現場担当者やその上長、決裁者ですが、最終的に購入を決定するのは企業です。そもそも担当者が商品・サービスを必要としたニーズも、企業の事業・業務があってこそになります。

そのため、ターゲットユーザーを設定する際は、企業・個人(担当者・決裁者)の両方を設定していく必要があります


BtoBにおけるターゲットユーザーを設定する意義

BtoBマーケティングでターゲットユーザー設定することは、効率的に企業へアプローチでき、売れる確率を高める役割があります。


ターゲットユーザーとペルソナの違い

ターゲットユーザーと似た概念に「ペルソナ」があります。ターゲットユーザーとペルソナの違いは、具体性の違いです。

ペルソナはターゲットユーザーよりも、当てはまる対象を絞り、顧客属性や悩みを詳細に書き出します。具体性があることで、顧客が商品・サービスを導入するメリットを明確に訴求できるようになります。

関連記事:ペルソナシートの作り方|BtoBで使える無料テンプレート


ターゲットユーザーを設定するメリット

BtoB企業の場合、自社商品やサービスを購入するまでの過程が、複数の部署や決裁者が介入して、ようやく購入に至るためやや複雑です。

正しいターゲットユーザーの設定を行えば、企業目線の思考を持つことができ、主に以下の3つのメリットがあります。

  • 社内(チーム)でターゲットユーザーの共有ができる
  • ターゲットユーザーの購買行動を予測できる
  • 目的に合わせたコンテンツ作成ができる


社内(チーム)でターゲットユーザーの共有ができる

ターゲットユーザーを設定していると、チーム内に共有できるため、ターゲットに合った施策のアイデアを出し、同じ目的を持って効率よくマーケティングを進められます

例えば、チームに新たにメンバ―が加わった際に、すぐに狙うべきターゲットの基準を伝えられます。1つの基準を設けておくことで、市場の変化からターゲットユーザーを修正する際にも、各々が思い描くターゲット微修正するのではなく、基準を変えることで、認識合わせも簡単に行えるようになります。


ターゲットユーザーの購買行動を予測して集客できる

ターゲットユーザーの購買行動の予測は、ターゲットユーザーとなる企業の「困っていること」や「悩み」から導き出せます。

ターゲットユーザーの課題感を設定しておくと、自社商品やサービスを検討している背景が予測でき、ターゲットユーザーを集客できるチャネルや施策にあたりをつけられるようになります。


課題や目的に合わせたコンテンツ作成ができる

よくあるマーケティングの間違いとして、Webサイトで”企業が”発信したい情報を発信してしまいがちです。

しかし、企業が見込み顧客を集客したり、問い合わせしてもらうために発信すべき情報は、見込み顧客が知りたい情報です。

ターゲットユーザーの課題や目的が明確であれば、その「お困りごと」に対する「解決方法」をホワイトペーパーや記事などのコンテンツのネタに困りません。


ターゲットユーザーの設定方法とは?BtoBで活きる4ステップ

BtoBでのターゲットユーザーの設定方法は、以下の4ステップで行います。

  1. STP分析で狙うべき市場とバリュープロポジションを明らかにする
  2. いま受注できている顧客の特徴を洗い出す
  3. ターゲットユーザーとなる「企業」を設定する
  4. ターゲットユーザーとなる「個人」を設定する


①STP分析で狙うべき市場とバリュープロポジションを明らかにする

市場を分析して、自社の商品・サービスへのニーズがあって、競合優位性のある市場を見つけましょう。

その際に、「STP分析」というフレームワークを使用するのがおすすめです。STP分析は以下の3つを決めていくフレームワークです。

  • 狙いたい市場を細分化し分類する(セグメンテーション)
  • そこからアプローチしたい企業をピックアップする(ターゲティング)
  • 競合他者との差別化や自社を選んでもらうための戦略を決める(ポジショニング)

詳しくは後述の章で解説します。


バリュープロポジション

STP分析のの際にバリュープロポジションを設定しておくとよいでしょう。

バリュープロポジションとは、企業ニーズを満たしており、かつ自社商品やサービスだけが持つ価値のことです。

たとえば、企業ニーズを満たしていても、自社だけではなく競合他社も提供可能な価値である場合は、バリュープロポジションではありません。

また、自社だけの価値が特別なものだとしても、企業ニーズがなければ求められないため、バリュープロポジションとなりません。

市場や競合他社をしっかり分析し、自社だけの特別に持つ強みと価値を明確にして、バリュープロポジションを設定しましょう。


②いま受注できている顧客の特徴を洗い出す

「実際に狙えている顧客」を明らかにしておきましょう。

複数の特徴が洗い出せた場合は、特に優先的に狙うべきターゲットユーザーを決めます。基本的には、「人口が多く、受注率が高い」企業が受注効率がよいとされます。

実際に狙えている顧客が析でSTP分析で明らかにした「狙えそうなターゲットユーザー」と乖離がある場合、Webサイトや広告などマーケティング施策で使用している訴求や集客方法自体を見直す必要があります。


③ターゲットユーザーとなる「企業」を設定する

BtoBでは「どのような課題を抱えた企業に所属している人が、商品・サービスを検討してくれるのか」を考えていくことになります。まずは前提となる「企業」を設定していきましょう。

具体的には、以下のような項目を決めていきましょう。

  • 業種/業界
  • 企業規模(従業員数・売上高)
  • 課題
  • サービス選定で重視すること

)

業種/業界
製造業
企業規模(従業員数・売上高)
従業員数30名~100名の中小企業
課題
加工工程で生産効率の向上
サービス選定で重視すること
費用対効果


④ターゲットユーザーとなる「個人」を設定する

ターゲットユーザーとなる「企業」に所属し、購入を検討していく「個人」(担当者や決裁者)についてもどのような人物になるか設定していきます。

特に担当者ペルソナの設定では、自社商品やサービスの購入や問合せに影響するため、「状況」や「利用動機」などの心理状態が重要となります。詳しくイメージして設定しましょう。

具体的には以下のような項目を決めていきましょう。

  • 部署
  • 役職
  • 企業(部署)での目標
  • 情報収集の手段
  • 業務上の悩みや課題

)

部署
製造部など加工に関わる部署
役職
部長
企業(部署)での目標

規定した作業工数内での納品。工数をできるだけ抑える。

情報収集の手段
展示会、Webサイト
業務上の悩みや課題
加工工程で生産効率の向上
業務プロセスの改善したいが、どこで何がネックになっているのか、上手く可視化できていない


STP分析とは?



STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)・Targeting(ターゲティング)・Positioning(ポジショニング)の3つを軸に分析するマーケティングの手法です。

業界にはたくさんの競合がおり、自社の商品・サービスを選んでもらうにはそれなりの戦略が必要になるのは想像に難くありません。そこで、STP分析を用いると、競合、市場のニーズを把握して、自社の商品・サービスのどこを売り出していくのかを明らかできます

また、マーケティング施策が上手くいかないなと悩んだ際にも、適切な戦略が取れているかを判断するのに役立ちますので、点検としてもぜひ活用してみてください。

ここでは、STPそれぞれが持つ特徴を以下で解説します。

詳しい方法はこちらの記事で解説していますので、やり方が分からない方は記事の方もご覧ください。

関連記事:STP分析とは?戦略を導き出すやり方と実践のコツ【テンプレ付】


S「セグメンテーション」

セグメンテーションとは、大きな市場を細かく分けることで、狙うべき市場を明確化する前準備のことです。ターゲットユーザーを設定する際に、1番はじめに行う重要な作業でもあります。

市場を細分化することで、より自社の提供価値に合った分野を見つけやすくなります。


T「ターゲティング」

ターゲティングとは、セグメンテーションで細分化された市場の中から、どの市場に絞るかを決めることです。

細分化した市場からターゲティングを決めるには、現時点で成長過程にある大きな市場であり、かつまだ競合が少なく、自社商品やサービスのニーズがある市場を見つけ出します。


P「ポジショニング」

ポジショニングとは、狙うべきターゲットを決めたのち、競合他者の中で自社の立ち位置を見極めることです。

他の企業がアプローチしていない隙間を見つけることができれば、早めにポジション取りをすることができるでしょう。ただ同じような商品やサービスが乱立している場合、他者と自社ではどこで差別化できるのかを明確化して関心を持ってもらう必要があります。


上手にターゲットユーザー分析ができるコツ

STP分析をもっと効率的に行うためには、4つのポイントがあります。

  • STPの順番はこだわらなくてよい
  • 市場への参入が可能か
  • 市場の成長率の確認
  • ペルソナに落とし込む


STPの順番はこだわらなくてよい

STP分析で解説した、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングは、この順番で分析しなければならないということではありません。

企業によっても分析しやすい項目が異なるはずですので、どの項目から分析しても問題ありません。


市場への参入が可能か

セグメンテーションにより、自社に最適な市場を見つけたら、参入できるのかを検討しましょう。

自社商品やサービスがニーズに合い需要があるのか、競合は多すぎないか、またその中でも自社の魅力や強みなどアプローチできる施策はあるかなどを判断しましょう。


市場の成長率の確認

自社の最適な市場を見つけたら、その市場調査をしましょう。
大きな市場であるか、その市場は成長過程にあるかなど、将来を見据えた収益を得るためにも、多方面での調査をすることが重要です。


ペルソナに落とし込む

ターゲットの設定を行なったら、次はより細かな設定をするために「企業ペルソナ」と「担当者ペルソナ」の2つを決めましょう。

▼ペルソナが簡単に作れるテンプレート付きの資料をご用意しております。ぜひ参考にしてみてください。
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ターゲットユーザーの活用方法~コンテンツ編~

ターゲットユーザーについて、コンテンツ制作時の活用方法を解説します。


「企業」のターゲットユーザーの活用方法

サービスサイトの内容、サービス紹介資料や製品カタログ、セミナーなど、全てのコンテンツはターゲットユーザーとなる「企業」向けであることを前提に作りましょう

そうすることで、「個人」のターゲットユーザー向けへと絞り込んでも、一貫性をもってコンテンツを作成できます。


「個人」のターゲットユーザーの活用方法

「個人」のターゲットユーザーについては、担当者か決裁者かによって、知りたい情報が異なります。

例えば、担当者の場合日々の業務のやり方に課題を抱えて、具体的な解決方法をWeb上で探していることが多く、決裁者は部下が収集した商品・サービスについての情報をもとに、費用対効果を重視して導入するかどうかの判断を下していきます。

「個人」の立場、検討フェーズを考慮して、必要な情報をコンテンツ化していくと良いでしょう。


ターゲットユーザーの活用方法~広告編~

広告のメリットは、他の施策よりもスピーディにターゲットユーザーの検証ができることです。
何パターンかのターゲットユーザーを用意し、同時に複数クリエイティブのパターンを試すことができます。

ターゲットユーザー設定を活かすための代表的なWeb広告を用いた手法を紹介します。


Google広告

Google広告はターゲットの「興味関心」「性別」「年齢」など細かな設定をして配信できるため、ターゲティング精度が非常に高いのが特徴です。

またGoogleファインド広告では、Googleが保有するYouTube・Gmail・Discoverなど、Googleアカウントにログインしているターゲットユーザーに配信することも可能です。


Yahoo! 広告

Yahoo! 広告は、Googleと同様、細かなターゲティングを設定できます。検索広告やディスプレイ広告は、Yahoo! ニュースなどの媒体にも掲載可能です。

「Yahoo! に掲載=信頼できる」というイメージ向上につながるメリットもあります。


Meta(Facebook)・Instagram広告

Meta(Facebook)・ Instagram広告は、登録しているユーザー情報に基づいてターゲティングができます。

とくにMeta(Facebook)はユーザー情報が豊富で、ビジネスで活用しているユーザーも多いため、BtoBには非常に向いている広告です。


Twitter広告

Twitter広告は、「興味関心」「性別」「年齢」などのほか、フォロワーに基づいたターゲティングが可能な広告です。

日本でのSNS利用者数2位のTwitterは、フォローしているアカウントの傾向や、自身の投稿したツイート、検索したキーワードなどに関連して広告が表示されます。
また、拡散力が高いのも特徴で、うまく運用すれば低コストでアプローチ可能です。


YouTube広告

YouTubeの視聴者は日本で5,000万人以上いると言われており、Google広告と同様、ターゲティング精度が非常に高いのが特徴です。
また、基本的にYouTubeの広告費は、ユーザーに視聴された場合でしか発生しないため、ターゲットユーザーを絞り込み、低コストでの効果が期待できます。


LINE広告

LINE広告は、過去のユーザーデータを用いて、類似したユーザーへ配信可能です。
ほかの広告と比較すると、BtoB企業ではまだ浸透していない印象ですが、圧倒的なユーザー数がいるため、うまく活用できれば競合他社との差別化も図れます。


適切にターゲットユーザーを設定しよう

BtoB企業のターゲットユーザー設定は、明確化することで企業ニーズを具体化し、ユーザー視点の精度がアップします。

STP分析・ペルソナ設定を行い、そこで明確化したターゲットユーザーを基に広告配信の検討も視野に入れ、どの市場にアプローチすべきか、競合他社の中で自社の価値を正確に判断しましょう。


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ferret(One Tip編集部)
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