オウンドメディアの作り方と、無理をしない続け方
(2021-04-30 更新)
オウンドメディア、コンテンツマーケティングに取り組む企業は増えてきています。ただ、いざ始めてみようとすると「どのくらいの時間をかけて、何からやったら良いのか分からない…」となるパターンはよくありますよね。
また、本業もある中でサイトの更新をしなければならない、というリソースが限られている状況も多いと思います。
この記事の中では、オウンドメディア立ち上げにあたって「まず、何をいつまでにどのくらいやるのか」を整理しました。そして、立ち上げたあとの「続け方」のヒントも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
オウンドメディアの作り方①目的を決める
オウンドメディアを作るときは、まず目的を明確に決めなければなりません。どのような方向性で目的を決めるべきなのか、解説していきましょう。
ブランディング
企業やメディアの価値を確立するため、戦略的にオウンドメディアを運用することが可能です。ブランディングのためには、競合調査やペルソナ設計が必要です。どんな人やどんな企業が訪れるメディアにするのか。競合はどんなところがあるのか。
それらを正確に把握することは、オウンドメディアを立ち上げるための基軸になります。
リード獲得
オウンドメディアを運営することで、検索流入から見込み顧客リードを獲得することが可能です。検索ユーザーに対して、有益な情報をコンテンツ化し配信することで、見込み顧客からの信頼を獲得できます。
さらなる情報を取得してもらう目的で、メルマガ登録やホワイトペーパーを提供しましょう。ダウンロードする際に、担当者の連絡先を入力してもらうことで、リード獲得が可能となります。
商品・サービス販売
ユーザーが抱えている問題に対して、解決方法の1つとして商品を紹介するようなメディアをつくることで、商品・サービス販売に生かされます。宣伝用のLPではなく、自然な流れで自社商品を紹介することで、認知を拡大することが可能です。
採用強化
オウンドメディアは、採用のミスマッチを減らす・より良い人材の確保の目的でも活用できます。中で働く人や環境をコンテンツとして発信することで、自社の社風を理解した人材の確保が可能です。
オウンドメディアの作り方②自社運用か外注か
目的を決めた後は、自社で運用するのか外注するのか決めましょう。それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
自社運用のメリット・デメリット
自社で運用する最大のメリットは、自社で蓄積したノウハウをそのまま情報源として活かせることです。また、追加で外注コストがかからないこともメリットに挙げられます。
デメリットは運用担当者の負担が大きいことです。オウンドメディアでディレクションだけでなく、SEO対策に本腰を入れるようになると、なかなか他の仕事ができなくなってきます。運営のノウハウを持つ人材がいない場合、オウンドメディアの成功には相当の努力と期間が必要です。
外注のメリット・デメリット
外注する最大のメリットは、手間がかからないことです。指示を出すだけで運営できるので、社内の担当者の負担を軽減できます。また、オウンドメディアの運営の実績が豊富な会社に依頼すれば、クオリティも担保できるので安心です。
デメリットとしては、追加で費用がかかることが挙げられます。メディアの規模や依頼する会社にもよりますが、100万円~300万円以上かかることもあります。
一部外注のメリット・デメリット
一部分のみの外注のメリットは、費用を抑えつつ、質の担保が可能なことです。実働部隊がある企業は、戦略などを外部に委託を検討し、SEOの知識がない場合はSEOライターへの委託を検討しましょう。デメリットは、一部分を外部へ委託するため進行管理などに手間がかかることです。
オウンドメディアの作り方③制作方法を決める
オウンドメディアの運営方法が決まったら、サイトの制作方法を決めましょう。制作方法には、以下のような手段があります。
業務委託
オウンドメディアは最初の「サイトの設計段階」が非常に重要です。しっかりとした設計を基に制作をすすめなければ、失敗する確率が上がります。サイト設計の知識がない場合は、専門業者へ委託することを検討しましょう。
開発者を採用する
社内に知識やノウハウがあり、サイト設計が可能な場合は、エンジニアやデザイナーのなどの開発者を採用する手段があります。エンジニアやデザイナーは技術職なので、即戦力となる技術を持った人材を確保するためにはある程度予算が必要です。自社に開発メンバーが在籍していると、細かなブラッシュアップや施策の導入スピードがあがるというメリットがあります。
CMSを導入する
CMSを導入して制作するパターンもあります。ツールは、ドメインとサーバーの料金のみで利用可能のものがあり、月々数千円程度のコストです。ツールを導入すれば、誰でも簡単にブログ運営が可能になります。
オウンドメディアの作り方④期間とリソース配分を決める
どのくらいのペース配分でコンテンツを書けば良いのか、一概にコンテンツの量が数百あればお問い合わせにつながるような集客効果が出るかと言えば、そうとは言い切れません。
とはいえ、ほとんど記事がないとアクセスは集まりません。ユーザーの回遊のことを考えると、最低でも50本の記事は欲しいところです。
もしメインの本業が別にあり、Webサイト運営が空き時間を使って更新作業をすることを考えると、1週間に週2本のペースで書くことが現実的なところではないでしょうか。そのペースだと、約半年で50本近くになります。「コンテンツをつくる」というのは地道な作業でもありますから、腰を落ち着かせて作業できるように一定の時間を取ることをオススメします。
突発的にアクセスが増えるということはなかなか立ち上げ時期では難しいので、ひとまず「半年間という期間の中で何本の記事を作成するのか」、「そのために一週間で何本作るのか」ということを考えてたうえで計画をたててみましょう。
オウンドメディアの作り方⑤ペルソナを決める
誰に見て欲しいかが定まっていないコンテンツというのは、結果的に誰にも刺さらなくてお問い合わせが伸びません。ターゲットとする属性を広く取りたいというのは最初に考えがちですが、まず「どこの誰に」その記事を見て欲しいのかを決めた上で書きましょう。
ペルソナ設計の目的は、ターゲットユーザーになりきり、その思考過程を洗い出すことで、「どんなコンテンツに興味をもってもらえそうか」を考えやすくするところにあります。
オウンドメディアの作り方⑥キーワードを選定する
ペルソナが決まったという段階で、すぐに記事を書いてはいけません。記事の中にペルソナが反応しそうなキーワードを含ませることを考えていきます。
キーワードの選定にはキーワードプランナーや、Q&Aサイトを利用します。
キーワードの検索ボリューム(月間検索回数)をみて、最低200以上あるものをひとまず選んでエクセルに載せていきます。あまりにボリュームが多いものになると(10万以上)競合が非常に多くなるので、ある程度絞り込んでピックアップするのがいいでしょう。
Q&Aサイトは狙っている周辺のキーワードを拾うために行います。実は狙っているキーワード周辺で思いがけず意外なニーズがあることがあります。そうした発見を自身の目で見ていくことで、検索のニーズを拾う感覚が養われます。選定にはまとまった時間をかけるようにしましょう。
オウンドメディアの作り方⑦記事のアウトラインを決める
記事を読んだ人に向けて「どうなって欲しいか」を考えて簡単な骨子を作成することで記事が書きやすくなります。
アウトラインがなくても書ける人であれば問題ありませんが、フリーフォーマットとなるとハードルが一気にあがります。最低限「記事の概要」、「ユーザーが望んでいること」、「書き手側からの提案、解決策」のアウトラインを作成すると、だいぶ書きやすくなるでしょう。
また、記事を書く人が増えていったときに「アウトラインがないと統制しづらくなる」という点もあります。まずアウトラインを用意してから、記事作成という流れで作成していくと良いでしょう。
オウンドメディアの作り方⑧記事を執筆する
ペルソナ設計からキーワードの洗い出しと、中々地味な作業が続きました。しかしながら、オウンドメディアを作成していくというのは、そうした地道な作業の積み重ねでもあります。
「誰に記事を読んでもらって、どうなって欲しいのか」ということを、一つ一つ考えてながら書いていくことが、のちのち社内のコンテンツとして残り、財産となります。目先の大変さよりも未来のことを考えて書いていきましょう。
はじめのうちは、かける時間の目安として、1記事あたり、400~800字で4~5時間程度を見込んでおきましょう。校正の時間も含めたものです。もちろん、慣れてくるともっと早く書けるようになります。
オウンドメディアの作り方⑨サイトマップの整理をする
記事作成が終わったらサイトマップの整理をします。初めからカテゴリを網羅する必要はありませんが、ある程度分類してそのカテゴリ配下に記事を作っていきます。
大まかな考え方として、記事のタイプを「集客用のコンテンツ」、「お問い合わせが欲しいコンテンツ」の2分類に分けてから小分類カテゴリに分けていくと良いでしょう。サイトマップの役割は各コンテンツの目的をハッキリすることにあります。
オウンドメディアの成功事例
オウンドメディアの成功事例をご紹介していきましょう。
ブランディングを確立「経営ハッカー」
経営ハッカーは、freee株式会社が運営するオウンドメディアです。多忙な経営者・個人事業主に向けに役立つ情報をコンテンツとして提供。テーマは、「会計、経理、人事労務、税務、確定申告、給与計算、起業、会社設立」など。役立つ情報を発信することで、クラウド会計ソフト販売会社としてのブランディングを確立し、顧客化に成功しています。
リード獲得に成功「LIG Blog」
Webサイト制作やオフショア開発事業などを展開している株式会社LIGが運営する、ブログ形式のオウンドメディアです。エンジニアやデザイナー、ライターがそれぞれの専門領域に関する情報を発信しています。質の高いコンテンツを配信することで、クリエイターが集まるサイトとして、ファン獲得に成功。数多くのリードを獲得しています。
コアファンから初心者まで楽しめる「バーコード講座」
自動車や半導体、電子・電気機器、通信や機械など幅広い分野の製造業へ、測定機器や解析機器などを提供する株式会社キーエンスが運営するオウンドメディア。バーコード講座では、バーコードの原理や選び方を紹介するおもしろい内容をコンテンツとして発信。コアなファンや、初心者でも楽しめる内容となっておりファン化・顧客化・リード獲得に成功しています。
オウンドメディア運営を続けるために
ペルソナ設定からコンテンツ作成までの流れはイメージできたでしょうか。
あえて各項目に関しては細かく書きませんでしたが、オウンドメディアを立ち上げる際に必要なのは「コンテンツの作成計画と段取り」です。さらに、記事を書くという地道な作業が求められます。
1人でのオウンドメディア運用は、最初こそ熱が入りますが、継続していくには無理が出てきます。オウンドメディアを無理なく続けていくには、必ず社内の協力が必要になります。
社内の各部署からコンテンツの素材を提供してもらう、月に1本書いてもらえるよう各方面に協力依頼する、など社内を巻き込めるかが、継続していけるかどうかのカギになるでしょう。1人でがんばりすぎず、周囲を巻き込んで、資産となるコンテンツを作っていきましょう。
弊社では、BtoB事業に必要な機能がそろったマーケティングツール「ferret One」を提供しています。
オウンドメディアの制作(CMS)・リード獲得・お問い合わせ管理・LP作成など、BtoBマーケティングの強化をお考えの方は、ぜひ無料の資料をご覧くださいませ。