オウンドメディアを運用する目的とは?目標・戦略設計のやり方



企業とユーザーの結びつきを強めるために活用できる「オウンドメディア」。
成果につながる運営のためには、正しい目標設定や戦略の組み立てが必要です。

今回の記事では、オウンドメディアの運用についてのわかりやすく知識を深められる内容を紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.オウンドメディアとは?
  2. 2.オウンドメディアを運用する3つの目的
  3. 3.目的を達成するオウンドメディア戦略の設計手順
  4. 4.オウンドメディア運用の目的を果たすコツ
  5. 5.事例で解説!オウンドメディア運用の目的を果たすポイント
  6. 6.まとめ:オウンドメディアは目標設定としっかりとした戦略が成功のカギ


オウンドメディアとは?

一般的には「自社で運営するメディアの全て」がオウンドメディアと呼ばれ、企業のWebサイト、SNS、ブログ、紙パンフレットなども、オウンドメディアに分類されます。

自社のサービス・商品の理解を深めてもらう目的を持っており、顧客の育成、円滑な営業、ブランディングなどに役立つツールです。

オウンドメディアは「トリプルメディア」のひとつでもあります。トリプルメディアとは「ペイドメディア、アーンドメディア」そして、オウンドメディアの3つを合わせた呼び名です。

ペイドメディアは、テレビCMやYahoo! Japanなどのトップページに表示される広告(リスティング広告)を指します。お金を支払いユーザーの目に入りやすい場所に広告掲載を行うことで、企業やサービスの認知度の向上が図れます。

アーンドメディアは、TwitterなどのSNSや口コミサイトを指しています。閲覧ユーザーが情報発信源となることが特徴で、共感や話題性が広い拡散へつながるのです。

それぞれの働きを補い合うことで、大きな力を発揮してくれるでしょう。


オウンドメディアを運用する3つの目的

オウンドメディアの重要性はわかったうえで、運用する目的はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つの視点から目的を説明します。


1.新規顧客の獲得

継続的な情報発信を行うことで、多様なユーザーと触れ合うことができるオウンドメディアは、「新規顧客の獲得」に役立ちます。

企業認知、商品・サービス紹介などをコンテンツとして整理をすることで購入まで導くことができるのです。大切なのは、潜在顧客の悩みや疑問に寄り添い、役立つ情報を発信し続けること。

人々の情報収集の仕方やニーズは多様化しています。そのため、広告や集客方法は時代に合わせた変化を遂げて、ペイドメディアに広告を掲載しても効果が出にくくなりました。

現在はデジタルツールの発展によって、ユーザー自身が必要な情報を検索・収集したのち、比較・検討を行う特徴がみられます。

BtoB分野の場合、購入契約に至るまでに、上司への提案を繰り返し承認してもらう段階を踏むため、比較・検討期間はさらに長くなるでしょう。

企業内で比較・検討を行うとき、「決め手となる具体的な情報」が多いほど提案が通りやすくなります。

だからこそ、自社の具体的な情報で丁寧な発信し続けられるオウンドメディアは、新規顧客の獲得を目的としているのです。


2.潜在ユーザーとの関係性の構築

オウンドメディアは潜在ユーザーとの関係性を築くためにも活用されています。潜在顧客との関係性構築で重要なのは、リードナーチャリングです。

オウンドメディアを通じ、企業の魅力を伝え続けることで購入意欲を高め、購入・申し込みに繋げていくという手法です。

継続的なコミュニケーションは購入意欲はもちろん、企業への信頼感なども築いてくれます。普段の人間関係でも相手のことを知るほど仲が深まり、安心できる存在になるのと同様です。

しかし、「ユーザーにとって役立つ情報」が発信され続けなければ、継続的なオウンドメディア訪問はしてくれません。質の高いコンテンツ制作を行うことは、潜在顧客との信頼関係の構築にも繋がるのです。

さらにポイントとなるのは、問い合わせや資料請求などの誘導経路も設計しておくこと。
ユーザー情報の取得ができるため、DMやメルマガなどで、さらに密なコミュニケーションを取れます。

上質なコンテンツで、ユーザーと長期的に触れ合えるオウンドメディアだからこそ可能な、関係性の構築といえるでしょう。


3.長期的な資産を確保する

自社の発信を行える場所や材料は、企業にとって貴重な資産です。

Web広告などのペイドメディアは、大勢に一気に認知されるメリットがあります。しかし、Web広告は消耗されていき資産として残すことはできないでしょう。

一方のオウンドメディアは、制作したコンテンツをサイト内に確保できます。自社の資産として、長く継続的に効果を発揮してくれるのです。

メルマガでの話題、潜在ユーザー向けのダウンロード資料、営業用資料としてなど、幅広い使い方ができる点も魅力です。


目的を達成するオウンドメディア戦略の設計手順

オウンドメディアの目的を達成するためには、闇雲にプロジェクトを進めてはいけません。

ひとつひとつの戦略が、ユーザーと自社どちらにとっても、質の高いオウンドメディア作りにつながるのです。

ここでは、目的を達成するオウンドメディア戦略の設計を9つの手順に分けて説明します。


1.解決したい企業の課題とゴールを明確にする

オウンドメディアは多様な情報発信を行える分、しっかりと軸を定めた運用をする必要があります。

企業が抱える課題や目標を洗い出すことによって、取るべき行動も異なるのです。例えば「新規顧客を獲得したい」のか「リピーターを増やしたいのなか」では、伝える情報の深さや網羅性も異なるでしょう。

オウンドメディアの向こうにいる相手に「何を伝えたいのか」「どう感じてもらいたいのか」「どんな行動をとってほしいか」をひとつひとつ考えることが大切です。

分析を行い集めた情報を元に、ゴールから逆算した軸がブレない課題を明確にしましょう。


2.ペルソナ設定と読了後のアクションを想定する

「誰に向けたコンテンツなのか」綿密なペルソナ設定を行うのも、オウンドメディア戦略で不可欠な要素です。

ペルソナとは「人物像」を示す言葉です。自社サービスを使うであろうユーザーの、年代、性別、職業、年収、悩み、価値観やライフスタイルなどを細かく考え作り上げます。

リアリティーあるペルソナ作りには、ユーザーアンケート、市場調査、営業担当者への聞き取り、社内のデータ分析など多角的な分析が必要です。

ペルソナの解像度が上がるたび「コンテンツの読後アクション」も想像しやすくなります。
自社の目指すゴールとペルソナのアクションが一致しているか見極めながら想定しましょう。


3.KPIを設定する

オウンドメディアで達成したいゴールができたら、ゴールのためには「いつまで」に「何を達成すべきか」というKPIを設定します。

KPIは、ゴールにたどり着くための「中間目標」を指す言葉です。オウンドメディアは長い時間をかけて取り組むプロジェクトのため、途中で方向性を見失わない目印が必要です。
プロジェクトの先導をしてくれるKPI。踏むべき手順を把握するためにも「的確な目標設定」をしましょう。

例えば、ゴールが「サービスの契約率を15%アップ」のオウンドメディアを立ち上げるとします。そのためには何が必要か、現在の状況につながる掘り下げを行います。

【ゴール】「サービス契約15%アップ」


→(そのために)サービスの魅力を知ってもらう必要がある
→(そのためには)充実したオウンドメディアの制作しないといけない
→(そのためには)わかりやすいコンテンツ整理、図や表を用いた視覚効果に訴える記事作りが必要
→……


このように掘り下げを繰り返すことで、現在足りていない部分が明確になるのと同時に、ゴールを視野に入れたKPI設定が可能になるのです。

では、実際にKPI設定するときどのようなことを意識すべきなのでしょうか。

まず考えるべきは「ゴール地点に直結する内容か」です。目的地に到達できない目標では意味がありません。せっかく労力を注いだプロジェクトです。無駄のなく効果的な道筋で達成できるか意識するようにしましょう。

そしてもうひとつ、「数値化できる指標であるか」もKPIにとって重要な要素です。
数字は、目標を可視化できる絶対的なツールです。認識のズレが生じない基準があると、全員で目標に向かって取るべき行動を共有できます。数値化できるKPIは、プロジェクト途中の進捗状態の把握にも役立つでしょう。


4.運用に必要な予算を確認する

運用コストを考えておくこともオウンドメディア運営にとって大切です。

ユーザーからの共感や信頼を得て、自社のファンになってもらうためのオウンドメディア。
そのためには、定期的なコンテンツ配信、レイアウトの見直しなどが必要になります。

一般的な相場は月額1万5,000円~5万円前後といわれており、メール・電話での問い合わせ対応、CMSのアップデート代行、サーバーの保守、簡易的なSEO対策などが含まれています。

最近は、サイトの企画・ディレクション代、デザイン代などを運用費あわせて、完全月額定額制の料金体系をとる制作会社も増加してきました。

そのほか、自社サーバーがない企業は運用費と別に「レンタルサーバー代」が必要です。

また、コンテンツ制作のために取材や撮影を依頼するケースも。
その際、「現場への交通費」などの費用は基本的にクライアントである自社の負担となることも覚えておきましょう。

参考:https://imitsu.jp/cost/hp-design/article/owned-media


5.メディアのコンセプトを決める

自社の課題とユーザーのニーズを掛け合わせたものが、メディアのコンセプトと呼ばれます。

オウンドメディア運用するなかで新たな悩みが生まれたとき、基本に立ち返るためのツールとしても活用ができるのです。

注意すべき点は、競合他社との差別化を意識すること。同様のサービスを提供している企業は似通う課題を抱えるケースが多くなりがちです。そのため、競合会社と重複しない、オリジナリティが重要となります。

競合メディアの調査をすることで、どのような差をつけるか考えやすくなるでしょう。


6.入稿する記事コンテンツの方針を決める

コンテンツ制作時は、どのようなテーマで何を伝えたいのかを方針を明確にしておきましょう。

1つのコンテンツで紹介するのは、1つのテーマまで。ユーザーがどのようなキーワード検索をしたのかを予想して、コンテンツの公開方法やタイミングを考えることも大切です。

ユーザーにとって良質なコンテンツは、しっかりとした方針の下でしか生まれないのです。


7.流入元を把握する

ユーザーにどのようなルートを使ってメディアを訪れてもらうか考えるのも、オウンドメディアにおいて大切なポイントです。

検索エンジンからの流入を増やすには、SEOの知識を用いた的確なキーワード設定、検索意図に沿ったコンテンツ作成などが必要になります。

記事公開後も、「Googleアナリティクス」などのツールで分析を行いましょう。

サイトの訪問者数、ユーザーがサイトを訪れた経路、使用デバイス、サイトのなかをどのような経路で動いたかなど、のデータが把握できます。

こうしたユーザ情報の積み重ねが、分析の精度を増し、自社の貴重な情報となります。
手に入れた具体的な指標から、コンテンツの現状把握や改善策の提案も行えるのです。


8.運用体制を確認する

サイトの運用をする際には、運用体制を具体的考えておくべきです。

どんなに素晴らしい計画でも、コンテンツ制作を失敗してしまえば意味がありません。

「企画や立案、記事の制作、校閲・編集、コンテンツ公開、運用後のデータ分析、改善点の洗い出し、改善法の実行」のように運用手順を考え体制を整えましょう。

マーケティングと同様に、記事やコンテンツの内容も常にブラッシュアップしていく姿勢が大切です。

例えば、「集客はできているのに問い合わせにつながらない場合」は記事内容の改善が必要なのでしょうか。挿入するリンクの内容や位置が違うのでしょうか。コンテンツを見た人はどこで離脱したかなどの分析を細かく行いましょう。

せっかくメディアを制作するなら、ユーザーに必要とされるものを作りたいはずです。
運用体制が具体的に決まっていれば、各担当者が円滑な業務に取り組めるため、自社にとっても効果的な体制なのです。


9.メディアサイトを何で構築するか決める

自社メディアの使い方はさまざまです。
自由度が高いぶん大切なのは、「なぜ自社がメディアを構築するのか」の明確化でしょう。

理由の構築は、解決すべき課題の優先度判断、解決に向けて取るべき対策、運用体制など、多くの行動の基準となります。

例を挙げると、

「新サービスで月1,000万円以上の利益を上げ続ける」
「認知度の向上だけでなく、契約成立まで導けるサイト」
「自社サービスのリード獲得件数を増やす」

などでしょう。

なぜメディアサイトを構築したのか決めることで、企業全体で目標に向かって連携しながら取り組むことができます。


オウンドメディア運用の目的を果たすコツ

戦略的なメディア構築を行い、運営目的に沿ったオウンドメディアがついに完成。

しかし、実際に運用を開始すると予想外の出来事が起きたり、思うように運用できず目的が果たせないケースもあります。

せっかく完成させたオウンドメディアをよりよく活用できるよう、しっかりと目的を果たせる運用を行うためのコツを2つ紹介します。


1.効果が出るまでに時間がかかる

「オウンドメディアは、運用開始後すぐに効果が出る可能性は低い」メディアです。

ペイドメディア(テレビCMやWeb広告)と比べると、目立ちやすい広告ではないため、どうしても効果が出るまで時間がかかるのです。

SEO対策によって、コンテンツが上位表示されることでユーザー認知が広まるメディア。
そのため、短くても3ヶ月、通常は半年から1年以上かかることもあります。

ドメインの強さ、競合他社との関係性などで、ユーザー獲得や利益率アップなどの効果が見込めるまでの企業差も存在します。

基本的には時間がかかるのも事実。焦らず精神的にも余裕を持って運用に取り組みましょう。


2.継続的なリソースが必要

近年、多くの企業がオウンドメディアに取り組んでいます。そのため、ユーザーに自社を選んでもらう競争を勝ち抜くためには、かゆい所に手が届くコンテンツ制作が求められています。

記事を制作する際には、SEO、ユーザーが求めているもの、拡散につながりやすいコンテンツなどを把握しなければならないでしょう。

「質の高いコンテンツ」の定義はターゲット層や、オウンドメディアの運営目的よって異なります。しかし、どんなオウンドメディアでも大切なのは、「目的からズレることなくユーザーの求めているものを察知したコンテンツ」です。

このような上質なコンテンツを継続的に作り続けるには、人的コストと金銭面のコストが必要になります。

さらに残念ながら、オウンドメディアは運用を開始してすぐに効果が出ないメディアです。即効性はないですが、運用のために継続的な資金をかけなければならないことを念頭におきましょう。


事例で解説!オウンドメディア運用の目的を果たすポイント

これまでオウンドメディア目的についてや運営のコツを紹介してきました。

これからは、企業の特徴やオウンドメディアの目的を明確に把握したメディア運営を実践している3つの事例を紹介します。


ばね探訪:東海バネ工業株式会社

金属ばねの設計、製造、販売を行っている東海バネ工業株式会社のオウンドメディア「ばね探訪」。

高い独自性と専門性を感じるニッチな内容は、狭い範囲の人に深く読んでもらえるものでしょう。

サイト訪問者数が少なくても届けたい相手であるメーカー部品担当者などに、しっかりと飲み込んでもらえるのです。

ばねを中心とした物造りについて、論文のように詳細なコラムを数多く掲載。
他のメーカーへのインタビュー記事も多いため、他社と友好な関係を築けている企業という印象付けもできています。

生活に身近な存在でありながら、注目されにくい「ばね」について語られる様々な切り口は、その道のプロにとって興味深い内容でしょう。

サイトURL:https://tokaibane.com/bane-tanbo/


Spotwrite magazine:株式会社ワークスメディア

オフィスビルに関するコンサルティングや仲介業務を行う、株式会社ワークスメディアのオウンドメディア「Spotwrite magazine」。

オフィス移転を考えている経営者がターゲットです。

働く環境に焦点を当てた情報発信を中心に行なっており、新しい働き方、仕事術、従来のオフィスワークに関することなどを掲載しています。

「Spotwrite magazine」以外にも「東京オフィス検索」というポータルサイトも運用しています。

こちらは東京の賃貸事務所についてのコンテンツなので、お互いを上手く連携させた誘導を行い、顧客を取りこぼさない対策を取っているのです。

サイトURL:https://and-l.jp/magazine/


テレアポ職人:株式会社インターパーク

テレアポに特化したリスト管理システムを提供している、株式会社インターパークのオウンドメディア「テレアポ職人」。

しっかりとしたSEO対策が取られており「テレアポ」関連のキーワードで、検索エンジンの上位表示を可能にしています。
営業担当者のためになるテレアポノウハウをまとめたメディアです。

記事本数は多くないのですが、具体性があり上質なテレアポノウハウが掲載されているのが特徴です。

驚くべきことに、記事の更新は4年以上されていません。しかし上位表示をし続けられるのは、的確なSEO知識を活用しているからこそでしょう。

サイトURL:https://www.saaske.com/telapo/column/index/


まとめ:オウンドメディアは目標設定としっかりとした戦略が成功のカギ

現在、数多くの企業がオウンドメディアを運営しています。

そのため、「しっかりとした目標設定」と「戦略の設計」を行いオウンドメディア運用をすることが必要です。ライバルが多く、運営するのは簡単ではありません。効果が出るまでにも時間がかかるのも事実です。

このような事実を踏まえたうえで「なぜオウンドメディアを始めるのか」目的を明確に洗い出しましょう。デメリットを上回るメリットはプロジェクト進行時の強いモチベーションにもなるはずです。

よりよいオウンドメディア運用が行えることを願っています。


弊社では、BtoBマーケティングのためのサービス『ferret One』を提供しています。マーケティングに必要なツールとノウハウが揃っているため、新規顧客の獲得を目的としたオウンドメディア運営にもオススメです。

ご興味のある方は、ぜひ無料の資料をダウンロードしてみてください。

>ferret Oneサービス紹介資料のダウンロード【無料】はこちら

One Tip編集部
One Tip編集部

One Tipは、Webマーケティングツール「ferret One」から生まれた、「BtoBマーケティングの成功のヒントとなるメディア」です。 BtoBマーケティングにかかわる人にとって、価値あるコンテンツをお届けしていきます。 Twitter:@ferret_One_

Seminar

開催予定のセミナー


Recommended

おすすめの記事

Tag

タグ

ferret Oneとは?

ferret Oneは、誰でも簡単に使えるマーケティングツールとBtoBマーケティングに必要な成功メソッドをセットで提供するサービスです。


One Tip

ワンティップ