BtoBマーケティングのペルソナ設定で、押さえるべきポイントとは?
Webマーケティングに欠かせない「ペルソナ設定」。年齢・性別・職業といった定量的で一意なデータに加え、考え方や性格、価値観まで含め詳細な人物像を設定し、サービス開発やコミュニケーション設計時のユーザーモデルとして活用する手法です。
ペルソナを作ることで、関係する担当メンバーの目線合わせ、施策の一貫性を担保、判断に迷ったときの意思決定スピードアップ、といったメリットがあります。
ただ、ペルソナの属性情報としてどんな項目を選ぶかは、BtoCとBtoBで異なってきます。
この記事では、BtoBマーケティングのペルソナ設定で押さえておくべきポイントと、BtoCのペルソナとの違いについて解説します。
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目次[非表示]
BtoCとBtoBのペルソナの違い
ペルソナが特に有効なのは、いわゆるBtoCサービスと言われています。
BtoCにおいては商品・サービスを購入する意思決定がペルソナ本人に100%委ねられているのが大きな理由です。だからこそ、デモグラフィックやスペック的な情報だけではない人物像や性格、嗜好を洗い出し、そのペルソナをモデルとしてカスタマージャーニーやランディングページ、メールなどのコミュニケーション内容を探っていくのです。
逆にいうとBtoBの場合、BtoCほどペルソナの精度を高めても効果的でない場合があります。なぜならBtoBの場合は本人の気持ちや好き嫌いよりも、所属する組織の課題、その人の決裁権、事業の状況などの影響のほうがはるかに大きいからです。
わかりやすく比較するために、同一人物のペルソナをBtoB、BtoC向けでそれぞれご紹介します。
BtoC向けのペルソナ例
30歳男性、Webマーケティングやネット広告プロモーションを担当する方のペルソナを、BtoCのパターンで作ってみました。
プライベートはそこそこ充実しつつも、仕事は会社から命じられたことを粛々とこなす無難な性格であることが読み取れると思います。
好きな場所、好きな店、好きなテレビ番組、好きな芸能人など、本人の好みについては、BtoC向けの商材の場合は、有効に働きそうです。ですが、BtoB商材の場合は、そのようなペルソナの好き嫌いがわかっても、商品購入にあまり寄与しません。
BtoBのペルソナ例
こちらは、同じ人をBtoB向けにペルソナ化した例です。
氏名 |
小泉 雅彦 |
年齢 |
30歳 |
性別 |
男性 |
役職 |
マネージャー |
決裁権 |
なし |
勤続年数 |
3年 |
所属部署 |
Webマーケティング企画部 |
業績 |
20億円 |
資本金 |
5000万円 |
担当している事業と所属歴 |
自社企画・生産中心のグッズ販売サイト「On My Goods」 にて3年間のWebプロモーション、マーケティングに従事 |
担当事業の抱える課題 |
商品力があり、リピーターも順調に獲得できている。 今後さらに売り上げをのばすために、 ①新しい客層の開拓 ②顧客単価や頻度の向上 などの作を検討しているがまだ決定していない |
事業年度、予算策定時期 |
決算期は3月 |
会社名 |
Oh My Goods |
事業内容、業種 |
自社企画・生産中心のグッズ販売事業「Oh My Goods」 全国20店舗とCE運営 |
BtoCのペルソナと比べてみると、だいぶ項目が異なっていることがわかります。上述したとおり、BtoBビジネスの場合、個人そのものよりも、その人のビジネス的な属性やビジネス自体の課題が重視されます。
この例の場合
- いったんのWebマーケ施策は一通りやっており、次の課題を迎えている
- マネージャーとして3年間、ある程度の結果を出しており社内である程度信頼されている
- 商材は自社企画生産なので粗利がそこそこ確保できているかも
- 実店舗も運営しており、ネットだけでないマーケティング機会がある
- 毎年、1月くらいから次年度の計画を検討しているのかも
といった仮説を立てることができます。個人にフォーカスするのとは異なった提案やコミュニケーションができる可能性が高まります。
BtoBのペルソナ設定でおさえるべきポイント
BtoCとBtoBのペルソナ設定の違いは、購入フローや決裁者が異なることから生まれます。ここでは、これまでの内容を踏まえて、BtoBのペルソナ設定でおさえるべきポイントをご紹介します。
- BtoBのペルソナ設定では、組織のペルソナも作成する
- ペルソナシートを利用して作成する
BtoBのペルソナ設定では、組織のペルソナも作成する
BtoBのペルソナ設定は購入フローと決裁フローに合わせて、
- 商品・サービスを探している現場担当者や上司など「個人ペルソナ」
- 実際に商品・サービスの導入を決定する「組織のペルソナ」
の2種類を作成するようにしましょう。
前の章で紹介した、BtoBペルソナは商品・サービスを探している現場担当者のペルソナです。その項目の中でも、特に重要なのが以下の3つです。
- 担当している事業と所属歴
- 担当事業の抱える課題
- 事業内容、業種
これらは、所属する組織に依存する項目です。
実際に商品・サービスを導入する組織の解像度を上げるために、「組織のペルソナ」も合わせて考えることで、抱えている課題とその改善イメージができ、提案内容を思い浮かべられるようになります。
ペルソナシートを利用して作成する
BtoBのペルソナ設定は、ペルソナシートなどのテンプレートを活用すると作りやすいのでおすすめです。
既存顧客へのインタビューやターゲットとなる企業を対象にしたアンケート調査などを利用して、顧客の生の声を収集し、テンプレートに落とし込みましょう。
出来上がったものは、マーケティングメンバーや営業メンバーで共有して、ブラッシュアップし、施策で活用していく中で精度を高めていきます。
【ペルソナシートの作り方】
- ペルソナシートの項目を決める
- 顧客企業のデータを収集する
- 情報の整理・カテゴライズをする
- ペルソナを項目に沿って具体的に書きだす
- メンバーにフィードバックをもらう
- 事業や施策の企画・立案に活用する
▼ペルソナシートの具体的な作り方は、こちらで詳しく解説しています
→【初心者向け】ペルソナシートの作り方|BtoBで使える無料テンプレ
BtoBのペルソナ設定は、購入フローを理解して作成しよう
BtoBのマーケティングにおけるペルソナは、BtoCとは一味違います。
BtoBでは個人と組織の2つのペルソナを作成するのが、一番のポイントです。購入フローを理解して、「どのようなことで悩んでいるのか?」そのうえで「購入時にはどのような情報が必要か?」を導けるようなペルソナをつくりましょう。
特に、法人向けサービスを扱っていて「コンテンツマーケティングやってるけどなんかしっくりこない」とお悩みの方は、見据えている顧客がぶれているかもしれません。ぜひこのBtoB向けペルソナ作成を一度試してみてはいかがでしょうか。
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