BtoBマーケティングのペルソナ設定で、押さえるべきポイントとは?

BtoBマーケティングのペルソナ設定で、押さえるべきポイントとは?


「ペルソナ設定」とは、年齢・性別・職業といった定量的で一意なデータに加え、考え方や性格、価値観まで含め詳細な人物像を設定し、サービス開発やコミュニケーション設計時のユーザーモデルとして活用するマーケティングの手法です。

ペルソナを作ることで、「関係する担当メンバーの目線合わせ」「施策の一貫性を担保」「判断に迷ったときの意思決定スピードアップ」といったメリットがあります。

ただ、ペルソナの属性情報としてどんな項目を選ぶかは、BtoCとBtoBで異なってきます

この記事では、BtoBマーケティングのペルソナ設定で押さえておくべきポイントと、BtoCのペルソナとの違いについて解説します。

すぐに使えるテンプレートも配布していますので、現場ですぐに活用できる内容です!

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目次[非表示]

  1. 1.ペルソナとは
  2. 2.BtoCとBtoBのペルソナの違い
  3. 3.BtoC向けのペルソナ例
  4. 4.BtoBのペルソナ例
  5. 5.BtoBのペルソナの設定方法
  6. 6.BtoBのペルソナ設定は、購入フローを理解して作成しよう


ペルソナとは

「ペルソナ」の概要について解説します。


ペルソナとは「具体的な顧客のイメージ像」

ペルソナとは、自社の商品やサービスを提供する「顧客の具体的なイメージ像」「典型的な架空のユーザー像」を指します。

例えば、あなたが誰かに”無水鍋”をプレゼントとして送るとします。それを誰に送れば一番喜んでもらえるでしょうか?
おそらく、日々料理をしている方、さらにいうと料理好きで色々な料理を作っている方が喜んでもらえる気がしませんか?

このように、あなたの会社が取り扱っている商品・サービスを欲しいと思うのがどのような方か、というイメージ像がペルソナになります。


ペルソナを設定する意義

ペルソナを設定しておくと、商品・サービスを売っていく方法を思いつくことができます

先ほどの”無水鍋”を誰かに売るとして、ペルソナが設定されていなければ誰に売っていけばいいのか、どこで売ればいいのか、想像できませんよね。

また、ペルソナを自分の中だけで理解していては、社内のメーケティングチームのメンバーごとに認識がずれてしまう可能性があります。会社として、このような人に売っていくというペルソナが可視化されていると、チームで一貫性をもってマーケティングを推進していくことができます


ペルソナとターゲットの違い

ペルソナとターゲットの違いは、具体性の違いです。

ペルソナはターゲットよりも当てはまる対象を絞り、顧客属性や悩みを詳細に書き出します。具体性があることで、顧客が商品・サービスを導入するメリットをより明確に訴求できるようになります。

例)
ターゲット:20代男性 製造業会社員
ペルソナ:24歳男性 山田太郎 自動車部品の加工部門に従事。目標工数内で生産できるように日々努めている。

▼ターゲットについては、こちらの記事を参考にしてみてください
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BtoCとBtoBのペルソナの違い

BtoBとBtoCでは、作成すべきペルソナが異なります。


購入行動の違いにより、重視すべきペルソナの項目が違う



BtoCにおいては商品・サービスを購入する意思決定がペルソナ本人に100%委ねられています

そのため、デモグラフィックやスペック的な情報だけではない人物像や性格、嗜好を洗い出し、そのペルソナをモデルとしてカスタマージャーニーやランディングページ、メールなどのコミュニケーション内容を探っていく必要があります。

一方BtoBの場合、BtoCほど個人のペルソナの精度を高めてもあまり効果的ではありません。

BtoBで商品・サービスを導入する際には本人の気持ちや好き嫌いよりも、所属する組織の課題、その人の決裁権、事業の状況などの影響のほうがはるかに大きくなります

▼BtoBとBtoCの違いについては、詳しくは下記記事で解説しています
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BtoBのペルソナ設定では、組織のペルソナも作成する

BtoBでのペルソナ設定で「個人」「組織」の2種類のペルソナを作る

BtoBのペルソナ設定は購入フローと決裁フローに合わせて、

  • 商品・サービスを探している現場担当者や上司など「個人ペルソナ」
  • 実際に商品・サービスの導入を決定する「組織のペルソナ」

の2種類を作成するようにしましょう。

前の章で紹介した、BtoBペルソナは商品・サービスを探している現場担当者のペルソナです。その項目の中でも、特に重要なのが以下の3つです。

  • 担当している事業と所属歴
  • 担当事業の抱える課題
  • 事業内容、業種

これらは、所属する組織に依存する項目です。

実際に商品・サービスを導入する組織の解像度を上げるために、「組織のペルソナ」も合わせて考えることで、抱えている課題とその改善イメージができ、提案内容を思い浮かべられるようになります。


BtoC向けのペルソナ例

30歳男性、Webマーケティングやネット広告プロモーションを担当する方のペルソナを、BtoCのパターンで作ってみました。

基本属性








氏名
小泉 雅彦
年齢
30歳
性別
男性
住まい
川崎市高津区
学歴
中堅私立大学卒
家族構成
独身・一人暮らし
職業
会社員
自社企画・生産中心のグッズ販売サイト「On My Goods」 にて3年間のWebプロモーション、マーケティングに従事
年収/貯金
年収600万円、貯金400万円
行動属性



良く行く場所
平日はスーパー、休日は郊外へレジャーへ出かける
休日の過ごし方・趣味
アウトドア派で、休日はBBQなどのアウトレジャーを楽しむ
情報収集
趣味についてはInstagram、ビジネスについてはFacebookを使用
行動の傾向
・仕事が楽しく、ビジネスに関する情報収集には積極的。休日でも、仕事に活かせるアイデアがないかと考えてしまう。
・流行には敏感で、すぐに取り入れる

プライベートの充実はもちろん、仕事についても積極的に成果を出していきたい性格であることが読み取れると思います。

ただ、休日の過ごし方やよく行く場所など、本人の好みについては、BtoC向けの商材の場合は、有効に働きそうですが、BtoB商材の場合は、そのようなペルソナの好き嫌いがわかっても、商品購入にあまり寄与しません


BtoBのペルソナ例

こちらは、同じ人をBtoB向けにペルソナ化した例です。

氏名
小泉 雅彦
年齢
30歳
性別
男性
役職
マネージャー
決裁権
なし
勤続年数
3年
所属部署
Webマーケティング企画部
業績
20億円
資本金
5000万円
担当している事業と所属歴
自社企画・生産中心のグッズ販売サイト「On My Goods」
にて3年間のWebプロモーション、マーケティングに従事
担当事業の抱える課題
商品力があり、リピーターも順調に獲得できている。
今後さらに売り上げをのばすために、
①新しい客層の開拓
②顧客単価や頻度の向上
などの作を検討しているがまだ決定していない
事業年度、予算策定時期
決算期は3月
会社名
Oh My Goods
事業内容、業種
自社企画・生産中心のグッズ販売事業「Oh My Goods」
全国20店舗とCE運営


BtoCのペルソナと比べてみると、だいぶ項目が異なっていることがわかります。上述したとおり、BtoBビジネスの場合、個人そのものよりも、その人のビジネス的な属性ビジネス自体の課題が重視されます。

この例の場合

  • いったんのWebマーケ施策は一通りやっており、次の課題を迎えている
  • マネージャーとして3年間、ある程度の結果を出しており社内である程度信頼されている
  • 商材は自社企画生産なので粗利がそこそこ確保できているかも
  • 実店舗も運営しており、ネットだけでないマーケティング機会がある
  • 毎年、1月くらいから次年度の計画を検討しているのかも

といった仮説を立てることができます。個人にフォーカスするのとは異なった提案やコミュニケーションができる可能性が高まります。


BtoBのペルソナの設定方法

ペルソナを作る際は、「ペルソナシート」を作っていくことになります。


BtoBのペルソナシートの作り方

BtoBのペルソナシートの作り方

BtoBのペルソナ設定は、ペルソナシートなどのテンプレートを活用すると作りやすいのでおすすめです。

既存顧客へのインタビューやターゲットとなる企業を対象にしたアンケート調査などを利用して、顧客の生の声を収集し、テンプレートに落とし込みましょう。

出来上がったものは、マーケティングメンバーや営業メンバーで共有して、ブラッシュアップし、施策で活用していく中で精度を高めていきます。

【ペルソナシートの作り方】

  1. ペルソナシートの項目を決める
  2. 顧客企業のデータを収集する
  3. 情報の整理・カテゴライズをする
  4. ペルソナを項目に沿って具体的に書きだす
  5. メンバーにフィードバックをもらう
  6. 事業や施策の企画・立案に活用する

▼ペルソナシートの具体的な作り方は、こちらで詳しく解説しています
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【無料配布】誰でも簡単!BtoB向け・ペルソナ設定シート


ペルソナシートを作成する際には、テンプレートを活用するのがおすすです。

特に初めての際は、どのような項目を用意すべきかという最初のステップでつまづきがちです。テンプレートに沿って書き出して、不要な項目は飛ばして、さらに必要な項目が見つかれば追加していくように作っていけば自社にあったペルソナシートが作れはずです。

こちらに、BtoB事業で使えるよう「個人(担当者)」「組織」2種類のシートを用意しています。必要な情報を収取・整理した後に、シートの項目を埋める形で具体的なペルソナを書き出してみてくださいね。​​​​​​​

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BtoBのペルソナ設定は、購入フローを理解して作成しよう

BtoBのマーケティングにおけるペルソナは、BtoCとは一味違います。

BtoBでは個人と組織の2つのペルソナを作成するのが、一番のポイントです。購入フローを理解して、「どのようなことで悩んでいるのか?」そのうえで「購入時にはどのような情報が必要か?」を導けるようなペルソナをつくりましょう。

特に、法人向けサービスを扱っていて「コンテンツマーケティングやってるけどなんかしっくりこない」とお悩みの方は、見据えている顧客がぶれているかもしれません。ぜひこのBtoB向けペルソナ作成を一度試してみてはいかがでしょうか。


もしもリード獲得などのBtoBマーケティングにお悩みなら「ferret One」がおすすめです。

ferret Oneは、ペルソナ設定をはじめ、マーケティング・営業体制の戦略設計や各種施策の伴走支援などBtoB事業の成果を最大化するサポートを行います。ご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。

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One Tip編集部
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One Tipは、Webマーケティングツール「ferret One」から生まれた、「リード獲得の打ち手が見つかるメディア」です。 BtoBマーケティングにかかわる人にとって、価値あるコンテンツをお届けしていきます。 Twitter:@ferret_One_

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