競合サイト分析とは?見つけ方やチェック項目、役立つフレームワークを解説
競合サイト分析とは、自社の競合企業のWebサイトを分析することです。
主にWebサイトを立ち上げる時やサイトリニューアル時、SEO記事作成・リライト時に行うべきものです。ただ、競合サイト分析は目的によってみるべきポイントが異なる点に注意しなければなりません。
そこで本記事では、目的に応じた競合サイト分析のやり方を2つご紹介します。
- 自社のポジションを明確化するための競合サイト分析
- SEOのための競合サイト分析
■合わせて読みたい資料
→他社に差をつける!競合分析の教科書
目次[非表示]
競合サイト分析とは?
競合サイト分析とは、自社の競合企業のWebサイトを分析し、自社サイトに活かすポイントを見つけることです。
競合分析サイト分析をいつ行うのか?
主にWebサイト立ち上げ時やサイトリニューアル時に行われ、サービスの立ち位置や競合優位性を明確にします。
また、SEOでも行われます。対策したいキーワードで検索結果上位に表示されているページの内容を参考に、自社の記事内容を考えることができます。
競合サイト分析の目的
競合サイト分析が必要な場面はさまざまで、その目的によって調査すべき対象も変わります。Webサイトにまつわる競合サイト分析の目的には、主に以下の2種類があります。
- 自社のポジションを明確化するための競合サイト分析
SEOのための競合サイト分析
1. 自社のポジションを明確化するための競合サイト分析
競合他社のWebサイトを通じて、他社の商品・サービスの特徴やターゲット、打ち出す訴求などを探ることで、どの市場を狙っているのかを探ります。そして他社のポジションを明確にすることで、自社のポジションをはっきりさせていきます。
顧客は商品・サービス導入時には複数社のWebサイトを見て、比較検討します。その際に、顧客が知りたいのは「自社の課題解決に一番役立つ商品・サービスはなにか?」「この商品・サービスは他社よりどこが優れているのか?」ということ。
最終的には、競合サイト分析の結果を、自社サイトで打ち出すべき商品・サービスの訴求や掲載すべき情報に落とし込んでいきます。
主な実施タイミング
webサイト立ち上げ時やサイトリニューアル時
2.SEOのための競合サイト分析
Webサイトへの流入を増やすべく、自社のWebサイトを検索エンジンで上位表示させるために、適切な戦略を選択するために競合サイト分析を行います。
サービスとしての類似性は低いものの、上位表示を狙う検索キーワードやリスティング広告のキーワードがかぶっていれば、同ジャンルの商品・サービスを扱っていなくても競合として扱うといったこともあり得ます。
主な実施タイミング
SEOのための新規記事作成やリライトで行います。上位表示の記事の内容を見て、自社記事に足りない情報を見つけていきます。
■合わせて読みたい資料
→他社に差をつける!競合分析の教科書
自社のポジションを明確化するための競合サイト分析のやり方
競合サイト分析の目的によって、競合サイト分析のやり方は異なります。
まず「自社のポジションを明確化するための競合サイト分析」について解説します。
「自社のポジションを明確にするための競合サイト分析」は、以下の3つの手順で行います。
- 競合サイト(サービス)を見つける
- チェック項目をもとに調査内容を整理する
- 自社のポジショニングを設定する
以下でそれぞれの手順を解説します。
1.競合サイト(サービス)を見つける
調査する競合サイトの見つけ方は、
以下のような点に着目し、 自社と共有点をもつ会社を探すことです。- 商品やサービス内容
- 訴求内容
- ターゲット
- 提供する価値や解決できる課題
まずは、商品・サービス自体が類似するものを優先的にピックアップしてみましょう。
サービス内容が異なっていても、提供する価値が近い場合は競合になりえますので、必要に応じてピックアップをします。同じ課題を持ったターゲットにとって比較対象になるためです。
2.チェック項目をもとに競合サイトを調査する
ピックアップしたサイトを調査し、以下のようなポイントで調査内容を整理します。
- TOPページのページタイトル
- CTA
- TOPページのキャチコピー(サービスを一言でどう表しているか)
- サイトで押し出している商材の強み(商品のセールスポイントや重要な点)
- デザイン比較
- 掲載しているコンテンツ
- 所感
比較しやすいように表にまとめて、サイトを見た際の所感も記入しておくのがおすすめです。その他、比較したい項目があれば追加していってください。
例)
サービス名 |
ferret One |
TOPページのページタイトル |
BtoBマーケティングをこれ1つで |ferret One |
CTA |
お問い合わせ/無料デモ/サービス紹介資料/導入事例集/セミナー/ホワイトペーパ |
TOPページのキャチコピー |
BtoBマーケにおけるリード獲得のお困りごとをまるっと解決 |
サイトで押し出している商材の強み |
・運用実績に基づいた独自のBtoBマーケティングのノウハウ提供 ・運用者視点で開発された学習コスト0のマーケティングツールの提供 |
デザイン比較 |
|
掲載しているコンテンツ |
ferret Oneとは/課題/業界別 活用法/導入事例・制作事例/料金・プラン/セミナー情報/動画でわかるferret One/お役立ち資料 |
所感 |
参考にできるポイント など |
調査出来たら、自社がサービスのどういった部分をサイト内で押し出していくべきかを探っていきます。サイトリニューアル時には調査した競合サイトの情報とリニューアル前の自社サイトを比較しましょう。
3.自社のポジショニングを設定する
競合の中での自社のポジションを明確にするため、整理した情報をもとに分類・分析していきます。2軸を設定して以下のようなポジショニングマップを作成すると、現在の自社の立ち位置やとるべきポジションがわかりやすくなるのでおすすめです。
例)
例えば、「B社とは得意な内容がかぶっているが、toBとtoCという違いがあるのでそこが顧客にはっきりわかるように伝えよう」というように、競合他社との間のポジショニングを視覚化することでリニューアルの方向性も定まります。
マップ設定の注意点①:似た軸は選ばない
注意すべき点として、ポジショニングマップの2軸を設定する際、似た軸や相関関係にある軸を選ばないようにしましょう。
例えば「価格帯」と「スペック」を軸にしても、一般的に価格とスペックは比例しますので2軸である意味がありません。
マップ設定の注意点②:軸を考えるときはターゲットなどから考える
2つの軸はそれぞれ独立性の高いものを設定しなければなりません。
軸を何にするか考える際は「顧客メリット」「商品仕様」「ターゲット」などから考えるとよいでしょう。
- 顧客メリット:商品やサービスを利用することで顧客が享受できるメリットを軸にする(例:節約できるコストの大小)
- 商品仕様:商品やサービスの特徴を軸にする(例:シンプル⇔多機能)
- ターゲット:ターゲットの種類を軸にする(例:BtoB⇔BtoC)
競合サイト分析に役立つフレームワーク4選
自社のポジションを明確にするフレームワークを紹介します。競合サイト分析と合わせて活用いただくと、より自社のポジションを明確にしやすくなります。
- 業界環境を分析する「3C分析」
内部環境と外部環境を分析する「SWOT分析」
マーケティング戦略を立てる「STP分析」
マーケティング戦略を分析する「4P分析」
それぞれ競合他社のサイトと自社サイトの強みや弱みをそれぞれ分析するのに用いられるフレームワークです。
フレームワークを覚えておくと報告書や分析レポートの作成など、情報をまとめる際にも便利に使えます。
業界環境を分析する「3C分析」
3C分析は、以下の3つの要素を洗い出すことで業界で自社が置かれている環境を分析するフレームワークです。
- Customer:顧客
- Competitor:競合
- Company:自社
競合他社と顧客のニーズを分析して、自社の訴求するサービスの要素を考える際に有効です。
3C分析は簡単かつシンプルに結論が導き出せるため、最低限取り組んでおきたいフレームワークになります。
関連記事:【5分でわかる】3C分析とは?テンプレートを使ったかんたんなやり方
内部環境と外部環境を分析する「SWOT分析」
SWOT分析は、以下の4つの英語の頭文字を取って付けられた代表的なフレームワークです。
- S:Strong(自社の強み)
- W:Weakness(自社の弱み)
- O:Opportunities(機会)
- T:Threats(脅威)
自社の強みと弱みだけを洗い出すだけでなく、外的要因から生まれるチャンスや機会損失の可能性を客観的に分析できます。
自社のポジションを業界内外から探っていくのに有効です。
関連記事:【図解&テンプレ付き】SWOT分析とは? 時代遅れにならないやり方を事例を踏まえ解説
マーケティング戦略を立てる「STP分析」
STP分析とは、マーケティング戦略を立てるのに有効なマーケティングのフレームワークです。
- Segmentation(セグメンテーション|市場を細分化する)
- Targeting(ターゲティング|狙うべき市場を決める)
- Positioning(ポジショニング|自社の立ち位置を見極める)
自社のポジショニングを見極めるための、順序だてた思考を示してくれています。
競合サイト分析や3C分析、SWOT分析などで自社のポジショニングを見極めるために必要な材料が集まったら、STP分析でポジショニングを明確にしていくとよいでしょう。
「市場のどこを狙っていくのか」を判断し、そこで勝ち抜くためにどのようなマーケティング戦略が効果的かを見極めるのに有効です。
関連記事:STP分析とは?戦略を導き出すやり方と実践のコツ【テンプレ付】
マーケティング戦略を分析する「4P分析」
4P分析は、以下の4つの視点から構成されたフレームワークです。
- Product:製品
- Price:価格
- Place:流通
- Promotion:販売促進
自社のサイトやサービスと競合他社が取る販売戦略を比較する際に用いられるフレームワークです。4P分析をすることで競合分析シートが簡単に作成でき、自社と比較しやすい資料作りにも役立ちます。
関連記事:4P分析とは?進め方とBtoBでの業態別の事例を解説
関連記事:【基本】競合調査の方法とは?すぐ実践できるフレームワーク集
SEOのための競合サイト分析のやり方
次に、「SEOのための競合サイト分析」のやり方について解説します。ゴールは、競合サイトより優れた記事を作成し、自社の記事をより検索上位にすることです。
そのために、競合他社がなぜ検索上位に表示されているのかを理解し、その上で記事を作成・リライトすることで、効果的なSEOが可能となります。
以下では、競合サイト分析の方法について詳しく解説します。
- 競合サイトを見つける
- 競合サイトの内容を確認し、上位に表示に必要な要素を見つける
- 競合サイト分析の内容をもとに記事を作成・リライトする
1. 競合サイトを見つける
まず、対策したいキーワードで上位表示されているWebサイトを特定しましょう。それが競合サイトになります。
どのWebサイトが上位表されているかは、「Ahrefs」を使ったり、実際に自分で検索エンジンで調べてみると分かります。自分で検索する際は、パーソナライズされないようにシークレットモードを使うのがおすすめです。
検索結果の1ページ目(10位以内)、すでに自社のWebサイトが10位以内ならば、それよりも高い順位の記事をピックアップしましょう。
2.競合サイトの内容を確認し、上位に表示に必要な要素を見つける
ピックアップした記事を読んで、「なぜ上位表示されているのか?」「検索者が知りたい情報は何か?」を探ります。
【確認すべき内容の例】
見出し
見出しを洗い出すと、どのような情報が記事にあるかを短時間で把握できます。
またピックアップした記事の中に共通する見出しがあるならば、ユーザーが知りたい情報と言えますので、自社の記事にも必ず盛り込むとよいです。
内容
記事の内容をユーザー目線で確認してみましょう。Googleでは一次情報が特に評価されますので、その記事がどのような一次情報を盛り込んでいるのか、自社で追加で盛り込める一次情報があるかを特に意識して読むのがおすすめです。
ドメインの権威性
内容以外にも、上位に表示されている理由となりえます。Ahrefsなどで調べてみましょう。
タイトルタグとメタディスクリプション
対策キーワードと合わせてどのようなキーワードが含まれているか、どのような内容が主旨となっているのかを確認しましょう。
3.競合サイト分析の内容をもとに記事を作成・リライトする
競合サイト分析で得られた情報をもとに、記事を制作・リライトしましょう。競合サイトの強みを取り入れつつも、一次情報を提供することで、検索上位に表示される可能性が高まるはずです。
順位の維持・向上のためには、定期的に順位の確認を行い、下落した場合は競合分析を行い、最新のトレンドや競争状況に対応してリライトを続けていくことが欠かせません
関連記事:自分でできるSEO対策8ステップ!無料でできるやり方を徹底解説【初心者向け】
競合サイト分析に役立つツール3選
Webサイトの競合サイト分析でおすすめなのが、以下の3つのツールです。
流入元やエンゲージメントを確認できる「SimilarWeb」
競合サイトのSEO対策状況がわかる「Ahrefs」
- ユーザーの属性を確認できる「Dockpit」
流入元やエンゲージメントを確認できる「SimilarWeb」
SimilarWebは、競合サイトの調査では代表的な無料で使えるツールです。
サイトの流入元やWebサイトのエンゲージメントなどを表示してくれるので、競合サイトと自社サイトの比較分析に利用できます。
世界中のWebサイトを分析できるため、海外サイトを参考にしたい際にも有効です。
公式サイト:https://www.similarweb.com/ja/
競合サイトのSEO対策状況がわかる「Ahrefs」
Ahrefs は、競合サイトをSEOの観点から調査できるSEOツールです。
競合サイトの検索上位キーワード、被リンクの数、ドメインパワーなどを可視化してくれます。
Webサイト立ち上げ時やリニューアル時には、Webサイト公開後どのような記事を公開していくべきかマーケティング戦略を考えるのに役立ちます。
また、自社が対策したいキーワードの上位を獲得しているWebサイトが分かることから、自社の競合サイトを見つけるのにも活用できます。
公式サイト:https://ahrefs.jp/
ユーザーの属性を確認できる「Dockpit」
Dockpitは、無料でも利用できるサイト分析ツールです。
サイトのユーザー数だけでなく、訪問ユーザーの性別、年齢、エリアなどもグラフィック情報で取得できるので、詳細な競合分析ができます。
最大5サイトの結果を一括表示でき、ダッシュボードで分析できるため、初心者にも優しいツールとなっています。それらの情報は、モニター登録に同意した国内最大規模約250万人のネット上での行動データを元に算出されます。
ユーザーの流入経路の全体像を確認したい場合はSimilarWeb、より詳細な分析へと深めたい場合はDockpitがおすすめです。
公式サイト:https://www.valuesccg.com/dockpit/
Webサイト立ち上げに競合サイト分析が必要な理由とは
最後に、よくいただくご質問について回答します。
そもそも、Webサイト立ち上げ時やサイトリニューアル時、自社サービスのポジションを明確化しなくてはいけないのはなぜでしょうか。
それは、数ある選択肢の中から「選んでもらうため」です。
顧客には複数の選択肢がある
顧客へ向けてメッセージを発信する際、企業側はターゲットを絞り、ペルソナを設定し、その層に合わせた伝え方を考えます。
これに対し、顧客側はその企業だけを見ているわけではありません。顧客側には競合他社を含めた複数の選択肢があります。
顧客は当然それらを比較検討しながら意志決定します。機能、価格、サポートなどを比較されたとき、勝ち抜けるポイント、つまりUSPを持っていないと顧客から選んでもらえません。
USPの記事でも解説しましたが、USPとは他社にはない自社独自のセールスポイントのことです。競合他社のことをよく知らないままでは、「他社にはないものが何か」「自社だけが持っているものは何か」はわかりません。
複数の選択肢の中から選ばれるためのUSPを考えるには、競合サイト分析が必要不可欠なのです。
BtoBは特に競合サイト分析が大切
特にBtoB商材は、以下のような要因によって顧客側がより一層厳しい目で比較・検討する傾向があります。
- 高価格な商品が多い
- 検討者=意思決定者ではなく、決裁者も含めての合意が必要
- 導入した場合に会社としてどの程度利益貢献するのかを合理的に判断される
複数人の厳しい目を通って選ばれるためには、しっかりと自社として前面に打ち出すべき強みを明確にしておかなければなりません。だからこそ、BtoBでは特に競合サイト分析が大切なのです。
関連記事:BtoBサイトの役割と制作方法とは?マーケターが解説!
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自社のポジションを明確化するには、競合他社を知ることから
Webサイト制作時・サイトリニューアル時に重要なのは「自社サービスのポジションを明確化するための競合サイト分析」です。競合他社をよく知り、その強みや戦略を比較・分析することで、競合の中での自社のポジションやマーケティング戦略が明確になります。
また、Webサイトへの流入を増やす際には「SEOのための競合サイト分析」が重要です。検索上位に表示されている競合サイトの内容を分析し、分析結果をもとに記事を作成することで、より上位を獲得できる記事を作成できるようになります。
なお、Webサイトの競合分析についてのさらに詳しい情報は、下記の資料にまとめております。競合サイト分析に役立つ内容ですので、ぜひ本記事と合わせてご活用ください。
→他社に差をつける!競合分析の教科書
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BtoBサイトリニューアルで失敗しないために 押さえておきたい7つのポイント
ポイント5:競合サイト分析をしよう(この記事)