BtoBのオウンドメディア ゼロからの始め方【実践編】

BtoBのオウンドメディア ゼロからの始め方【実践編】


BtoBのオウンドメディア ゼロからの始め方【準備編】では「オウンドメディア」という言葉の定義とその目的、メリット・デメリットについて解説しました。

今回は実践編として、新しくオウンドメディアを立ち上げる際の流れと運用のポイントを、実例を交えながらご紹介します。「オウンドメディアを始めたいけど、何から手を付けてよいかわからない」と迷ったら、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.ゼロからオウンドメディアを構築する6ステップ
  2. 2.オウンドメディアの集客のためのポイント
  3. 3.オウンドメディアに関するよくある質問
  4. 4.「何のためのメディアか」を考え、有益なコンテンツを提供する


ゼロからオウンドメディアを構築する6ステップ

オウンドメディア構築の流れとやるべきことを、以下の6ステップでご紹介します。

1.目的を明確にする

2.テーマの決定

3.ターゲット設定

4.シナリオ設計

5.コンテンツ作成

6.システムの準備


1.目的を明確にする

前回の記事でも紹介したとおり、BtoBのオウンドメディアは「自社の事業やプロダクトに貢献する」ことが目的の場合がほとんどです。その中でも、特にどのような効果を重要視しているのかを決めておきましょう。

<目的の例>

  • 自社プロダクトをよく知ってもらい、問い合わせを増やす
  • 業界のノウハウを提供し、専門家としてのブランディングを行う
  • ユーザー・見込み顧客とのコミュニケーションの円滑化をはかる

「オウンドメディアを立ち上げる」=「記事を書くこと」ではありません。オウンドメディアは、事業や組織にどう貢献するかから設計するものです

組織のビジョンや事業コンセプトから考えて、何を目的とするかを明確にしましょう。目的を明確にすることで、コンテンツの方針が決まります。


2.テーマの決定

次にメディアのテーマを決めます。ここで言う「テーマ」とは、これからメディアを作り上げていくにあたって指針や軸になるものです。

具体的には以下のものを決めていきます。


■メディアコンセプト

メディアコンセプトとは、1で決めた目的を達成するためのコンテンツの方向性や枠組みのことです。これがコンテンツ作成のベースとなります。

たとえば、このブログ「OneTip」のメディアコンセプトは「BtoBマーケティングの成功のヒントとなるメディア」です。このコンセプトに沿って記事制作をしています。

BtoBマーケティングの成功メソッドがわかる One Tip

■メディア名

メディア名は

  • 企業や商品の名前が入った名称
  • メディアコンセプトを表す名称
  • 読者とコミュニケーションをとりやすいキャッチーな名称

など、メディアの目的と照らし合わせて検討しましょう。

このブログ名称「OneTip」は、「BtoBマーケティングの成功のヒントとなるメディア」というメディアコンセプトと表すことを重視しつつ、弊社の提供するWebマーケティングツール ferret One の「One」と、助言・ヒントという意味の「Tips」を組み合わせて生まれました。


■ドメイン名

Web上で情報発信するメディアの場合、ドメイン名を決めます。オウンドメディア専用のドメインを新たに取得するか、既存のサイトの一部として運用するか、2つの選択肢があります。

専用ドメイン

  • 中立性を保った、デザインの自由度が高いホームページを作ることができる
  • 充分な量の記事が蓄積されるまでは、検索されにくい


既存ドメイン

  • 新たにドメインを取得する必要がない
  • 既存サイトとデザインをある程度統一する必要がある

いずれの場合も暗号化された形でのデータ送受信(SSL)が求められるため、httpsから始まるドメインの利用が必須となります。必要があれば証明書を取得しましょう。


デザイン

オウンドメディアの目的や趣旨に叶う、統一されたトーンやデザインにしましょう。(例:ITノウハウ系ならば先進的でシャープなイメージ、堅い業界ならば安心感のあるイメージ、など)


3.ターゲット設定

どのような層をターゲットにするかの設定と合わせて、ターゲットを具体的な人物像に落とし込んだペルソナ設定、上位表示されたいキーワードの設定も行います。


ターゲット設定

業種、企業規模などで企業をセグメントし、どのセグメントが自社のターゲットであるのかを決定します。オウンドメディアでは、このターゲットが興味・関心のありそうなコンテンツを提供していくことになります。


ペルソナ設定

ターゲットをより具体的にするため、ペルソナの設定も行います。BtoBのペルソナ設定ではtoCほど個人的な趣味嗜好を掘り下げずに、社内での立ち位置やビジネス上の課題などを中心に設定するのが重要です。

BtoBマーケティングは、担当者、起案者、決裁者など複数の関係者へのアプローチが必要です。その中でも、オウンドメディアでは、情報収集のために継続してメディアをチェックすることが多い担当者をペルソナとすることが多いです。

参考記事:BtoBのペルソナ設定のコツと注意点


キーワード選定

どのようなキーワードで検索したときに上位表示されたいのかを明確にします。

検索数が多い単一キーワードである「元素ワード」と、それを拡張した「検索キーワード」を組み合わせて考えていきます。

参考記事:BtoBのコンテンツSEOを始めるなら! 検索流入を増やす記事の作り方


4.シナリオ設計

ユーザーがどのような意図をもってメディアへ流入し、どのような経路で意思決定をしてコンバージョンに至るかのシナリオを設計します。そして、それを基にしてカスタマージャーニーマップを作成しましょう。

<シナリオの簡単な例>

社内の課題解決を指示される
→ いくつかのキーワードでインターネットを検索
→ オウンドメディアを発見し熟読する
→ 商品紹介セミナーに参加
→ 競合商品を比較検討する
→ 購入を決定

同じコンテンツでも、対象がそれを切実に必要としているときに差し出すのと全く興味がないときに差し出すのでは受け取られ方に大きな差があります。コンテンツ内容も大切ですが、コンテンツを提供するタイミングも大切です。

カスタマージャーニーマップを作成することにより、ユーザーが現在どのような状態に置かれておりどのような情報を必要としているかを時間軸で明確に把握することができます。


5.コンテンツ作成

ここまでに設定した内容を踏まえた上で、オウンドメディア上に掲載するコンテンツを作成します。

コンテンツの例には以下のようなものがあります。ターゲットやペルソナが何を求めているのかを検討し、コンテンツのタイプを決めましょう。営業担当や既存顧客へのヒアリングも有効です。

<コンテンツの例>

■ 開発の背景:商品に寄せる想い、開発の目的、経緯、開発秘話など

■ 基礎知識:課題や商品に関する基礎知識

■ 統計データ:課題や商品に関する調査統計資料の紹介

■ Q&A:顧客の様々な疑問への回答

■ ニュース:商品に関する最新のニュースや業界のトレンドなど

■ 事例:導入して利用している顧客の事例など

また、サイト全体の統一感を保つため、タイトル・見出しの文字数や文調、改行・段落の区切り方などのレギュレーションも決めておきます。


6.CMSの準備

多くの場合、オウンドメディアはCMS(コンテンツマネジメントシステム)を用いて運用されます。CMSはWebサイトの構築を手助けし、サイト内のコンテンツの追加・更新を一元管理できるシステムのことです。

CMSは世の中には非常に多くの種類があります。

  • 費用
  • 管理画面の使いやすさ
  • ほしい機能があるか
  • サイト規模に合っているか
  • セキュリティ対策

などを参考に、自社にあったものを選びましょう。

参考記事:CMSツールの選び方 後悔しないために知っておいてほしい5つのポイント


オウンドメディアの集客のためのポイント

無事に新規のオウンドメディアを立ち上げることができたとしても、当然ながら生まれたばかりのメディアには知名度がありませんし、まだファンもいません。

ここでは知名度に乏しい初期を乗り切り、安定して運用できるまでにもっていくためのポイントをご紹介します。「立ち上げ期」とその後の「運用期」で集客施策を切り替えて考えていきます。


運用のポイント~立ち上げ期~

立ち上げ期は知名度がない状態なので、検索エンジンからの流入はそれほど多くありません。PR活動や広告媒体を利用した宣伝などを行ない、流入数を補います。

<PR活動の例>

  • コーポレートサイトへの情報掲載
  • プレスリリースの配信
  • メールの署名欄にメディアの情報を記載する
  • FacebookやTwitterなどソーシャルメディアでの告知

同時に、定期的なコンテンツ更新も行います。


運用のポイント~運用期~

運用期は、ある程度の知名度を獲得し検索エンジンからの流入も増えてきた段階です。検索エンジンからの自然流入を増やすSEOやソーシャルメディアからの流入を増やす施策を中心に行いましょう。

コンテンツ更新は、立ち上げ期と同様の更新ペースを維持するか、コスト的に無理があるようならば、ある程度ペースを落とすことを検討します。


検索エンジンのための施策

構築時に計画した流入キーワードが期待通りのアクセスを得ているかどうかを確認します。同時に、想定していなかったキーワードからの流入があるようならば、そこから新たなユーザーニーズを汲み取ります。

常に効果測定と改善を行い、検索エンジン経由の来訪ユーザーの期待に応えるコンテンツを計画的に公開していきましょう。


SNSのための施策

検索エンジン経由でアクセスを得やすい記事と、SNSでアクセスを得やすい記事は異なります。SNSで拡散されることで、検索行為をしない潜在層にまでアプローチすることができます。メディア運営のコストが許せば、コンテンツ制作のSEOとは別に、SNSで拡散されやすいコンテンツも企画し、制作していきましょう。


たとえばこのブログ「OneTip」では、以下の記事がSNSで多く拡散されました。

3日間で2,000件以上のターゲットリード獲得!ferret Oneが展示会で実施した「鬼速PDCA」とは


成果の出ないホワイトペーパーを作り直す!CVを2.5倍にしたferret Oneの改善事例



SNSでは、タイムリーな話題や、インタビュー記事、実例をもとにしたストーリーが好まれる傾向があります。逆に、検索エンジン経由でアクセスを得ている記事は、ノウハウ・Tips系といった「時期を問わず検索される有益な情報」です。


オウンドメディアに関するよくある質問

オウンドメディアを構築・運用していくにあたって、よくある質問をまとめました。


Q.費用はどのくらいかかる?

A.オウンドメディアの構築費用は、目指す規模によって千差万別です。オウンドメディア単独の構築を想定したケースで標準的と思われる数字をご紹介します。


■ オウンドメディア構築費用:50,000円~500,000円

(※初期の立ち上げ費用として、ドメイン獲得費、デザイン料などを含んでいます)


■ 記事制作費(外注の場合):30,000円~100,000円/1記事

クラウドソーシングなどを活用すればもっとコストを抑えられるかもしれませんが、記事の質を担保するにはそれなりのコストが必要になります。特にBtoBの場合は信頼性が大切になるので、ある程度予算をかけたいところです。


Q.立ち上げ時はどのくらいの量のコンテンツを用意したらいい?

A.立ち上げ当初は、最低でも週に1回の新規記事の作成と更新を目指したいところです。コンテンツが蓄積されてきて閲覧数もある程度の規模になれば、ペースを落とすことや、更新を止めるという選択肢もあります。

立ち上げ時にはスタート時から掲載するある程度の分量の記事と、週一更新で1ヶ月もたせられる程度のストック記事をあらかじめ用意しておくと安心です。


Q.運用は自社でやるべき?外注すべき?

A.可能ならば自社による運用を行うのが望ましいです。しかし、割くことができる人手や時間、コストと相談して、自社で行うのが難しければ必要に応じて外部の手を借りるのは悪いことではありません。自社でできることとできないことを切り分けて、外部リソースを上手に活用しましょう。

外注する際は、メディアの目的やコンセプトをきちんと伝えて信頼できる業者に依頼することが大切です。


Q.記事のアイディアが尽きてしまったら?

A.アイディアが尽きて制作に行き詰まってしまったら、社内の関係者のグループディスカッションや既存顧客の座談会を開いて、多様な意見や感想をヒアリングするのが有効です。

参考記事:記事コンテンツ作成でアイディアに困った時の5つのヒント


Q.何を指標として運営すればよい?

A.オウンドメディアを運営していると、ページビュー数の増減に一喜一憂することもあるでしょう。しかしBtoBのオウンドメディアの主な目的は、潜在顧客の開拓とその顕在顧客化、有望顧客化です。

ページビュー数よりも、新規問い合わせ数など「事業に貢献していると言える数字」を運営の指標としましょう。


「何のためのメディアか」を考え、有益なコンテンツを提供する

オウンドメディア構築時に考えなくてはいけないことと、運営上のポイントをご紹介しました。実際の構築作業に入る前に考えなくてはいけないこと、決めなくてはいけないことは「目的」「テーマ」「ターゲット」など、多岐に渡ります。

新規オウンドメディアの構築には多くの時間やコストがかかりますが、技術的な難易度はそれほど高くはありません。スキルが足りなければ外部の手を借りることもできます。

何より大切で、何より難しいのは、「何のために作るのか」「何を伝えるのか」を明確にし、有益なコンテンツの提供することです。これからオウンドメディアを立ち上げる皆さんの、ヒントになれば幸いです。

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One Tip編集部
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One Tipは、Webマーケティングツール「ferret One」からスピンアウトして生まれた、「BtoBマーケティングの成功のヒントとなるメディア」です。 BtoBマーケティングにかかわる人にとって、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

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