【超入門】オウンドメディアの意味とは?編集部が伝えたい運用メリット
オウンドメディアをうまく活用すれば、潜在ユーザーと出会い、関係性を築くことができます。
どのようにオウンドメディアを運用すれば、潜在ユーザーと継続的なコミュニケーションが図れるのでしょうか。そのためにはまず、オウンドメディアを正しく認識することが大切です。
この記事ではオウンドメディアの定義や目的・作り方などのポイントを紹介します。オウンドメディアの構築・運営を考えている人はぜひ参考にしてください。
■合わせて読みたい資料:「集客」に効果的なコンテンツの作り方がわかる
→BtoB向け!コンテンツSEO 集客ガイド
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オウンドメディアの意味とは?
オウンドメディアとは、自社で管理するメディアのことです。
ブログやWebメディア、ECサイトやコーポレートサイト、パンフレットなどの紙媒体もオウンドメディアに含まれます。
BtoBマーケティングの観点では、ブログやWebメディアを活用することにより、潜在顧客からの認知を獲得し、継続的なコミュニケーションを行える点が重要です。
オウンドメディアとホームページの違い
オウンドメディアとホームページは広義の意味では同じものです。オウンドメディアは、自社が管理しているメディアを指すため、ホームページも該当します。
ただし、マーケティング施策としてのオウンドメディアは役割が異なります。オウンドメディアはターゲットユーザーに対して有益なコンテンツを提供して、リードを獲得したり、最終的には商品・サービスを成約させる役割を担うWebサイトです。
一方のホームページは、自社の情報を集約し提供することが主な目的としています。
また、BtoBでは「オウンドメディア」として企業ブログを立ち上げ、マーケティング施策として多く活用されています。
オウンドメディアはホームページとは別に作成されるケースと、ホームページ内にコンテンツを寄稿するケースがあります。ホームページとオウンドメディアの雰囲気やトンマナが同じであれば、ホームページ内にコンテンツを作成しても問題ありません。
ただし、ホームページの雰囲気と分けたい場合や管理を分けたい場合などは、別ドメインを取得してオウンドメディアを作成するのがおすすめです。
オウンドメディアの目的とは?
オウンドメディアの最終目的は、企業のファンを作ったりリードを獲得したりして、商品・サービスの成約率を高めることです。
また、オウンドメディアでのマーケティング施策ではSEOを行うため、広告に依存した集客体制の改善にもつながります。オウンドメディアを通して継続した情報発信を行うことで、企業のブランディングや見込み顧客との関係性強化、リクルーティングの強化も可能です。
オウンドメディアの目的を自社ごとで明確化し、マーケティングや採用の強化に役立てましょう。
▼自社で運用する目的を明確にする方法は、こちらの記事を参考にしてみてください。
→オウンドメディアを運用する目的とは?目標・戦略設計のやり方
オウンドメディアが「意味ない」と言われる理由とは?
オウンドメディアを作成しても意味がないと言われる大きな要因は、すぐに成果が上がらないことにあります。オウンドメディアによるマーケティング施策はSEOが必須なため、年単位の中長期的な目線が必要です。
そのため、一定期間はリソースや予算を回収できない時期が続き、成果が見えないまま「意味ない」と感じてしまいます。
成果が上がらない理由としては、主に以下5つの要因が考えられます。
- 成果を早く求めてしまう
- 社内理解が不十分で非協力的
- 運営体制が整っていない
- オウンドメディアの運営目的が不明確
- SEOの知見が足りていない
オウンドメディアは、ターゲットユーザーとの接点を増やし、徐々に関係性を構築することで最終的な商品・サービスの成約につなげる施策です。時間的リソースが必要なことを前提に考え、社内全体で共有しておくのがおすすめです。
上記の内容に該当している場合は、まず該当理由を解消することから始めましょう。
オウンドメディアの具体的なメリット
企業がオウンドメディアを運用することのメリットには、さまざまなものがあります。具体的にどのようなメリットがあるのかを解説していきましょう。
潜在顧客からの認知を獲得できる
オウンドメディアに公開した記事が、Googleなどの検索エンジンで多く目につくようになると、悩みを持った潜在顧客に情報が届けられます。
潜在顧客が持ちそうな悩みに対応した検索キーワードを定め、SEO対策を施した記事を数多くアップすることで、より自社とマッチする潜在顧客と多く出会えるようになるのです。
検索でオウンドメディアの記事と出会い、潜在顧客から「疑問が解決した」「わかりやすかった」という評価を得られるようになれば、信頼してもらえるようになります。
オウンドメディアは「よい認知」を獲得する有効な方法なのです。
インバウンド施策で受け入れられやすい
「インバウンド施策」とは、顧客から自社にアプローチしてもらうプル型の施策のことです。営業自らアプローチを行うプッシュ型の施策と比較し、インバウンド施策はユーザーに受け入れられやすい特徴があるのです。
オウンドメディアを運用していると、潜在顧客が自社の情報へ自発的に触れてくれます。オウンドメディアに自発的に訪れた潜在顧客の期待に応えるだけで、信頼獲得が可能です。
プッシュ型の施策で信頼を得ることの難しさと比較すると、その差は絶大です。
他の施策と連携しやすい
オウンドメディアでの潜在顧客との出会いと信頼獲得を加速させるのが、他の施策との連携です。オウンドメディアによって、他の施策の効果増大も狙えます。
たとえば、オウンドメディアで検索流入を獲得し、オウンドメディアの記事上でホワイトペーパーを提供することにします。
ホワイトペーパーを届けるために、担当者にメールアドレスを入力してもらうようにすることで、リード獲得が可能となるのです。このように他の施策をオウンドメディアと連携させることで、新たな価値が生まれます。
■他施策との連携例
弊社では、各記事に関連するホワイトペーパーを設置。ノウハウを集めている読者に訴求することで、記事の流入をリードの獲得につなげています。
下記は、実際に「導入事例の書き方は? 効果とは? よくある10の疑問」という記事に設置している、ホワイトペーパーへの誘導例となります。
コンテンツが自社の資産になる
オウンドメディアによって、自社が持つ潜在顧客に有益な情報を言語化することは有意義です。これまでも言語化できていなかったり、口頭だけで伝えていた潜在顧客に喜んでもらえるような
情報があったのではないでしょうか。
そのような情報の言語化を進め、潜在顧客にも伝わるように追求することそのものに意味があり、言語化したコンテンツは自社のかけがえない資産となります。
まず、作成したコンテンツが、継続した集客効果を発揮します。さらに潜在顧客向けに言語化したことで、今後のソーシャルメディアやセミナー、資料などのクオリティが上がることでしょう。将来的に書籍化できるほどの情報が蓄積するきっかけになるかもしれないのです。
BtoB向けオウンドメディアの成功事例4選
オウンドメディアのメリットを十分に活かし、成功しているオウンドメディアは数多く存在します。その中でも、顕著な事例を4つ紹介しましょう。
ベーシック:BtoBマーケ支援会社のノウハウを自社メディアでも実践
弊社株式会社ベーシックが運営する本ブログ「One Tip」もBtoBマーケティングの実践情報を発信するBtoB向けオウンドメディアです。
オウンドメディア強化のために、潜在顧客向けのキーワードにも注力して公開記事数を増加させたり、CVやリンクの導線設計を見直すなど、オウンドメディア強化を行いました。その結果、1年でオウンドメディアセッション数252.9%増加、リード獲得数175.6%増加などの成果をあげることができました。
▼具体的な施策内容や成果についてはこちらの記事をご覧ください!
【成功事例】ベーシックがBtoBのオウンドメディア「One Tip」で達成したこと
「SmartHR」:網羅性と専門性を両立
メディアURL:https://mag.smarthr.jp/
SmartHRは労務管理クラウドソフトです。「SmartHR Mag.」と「SmartHR ガイド」の2つのオウンドメディアを展開しています。とくにSmartHR Mag.は、2019年3月には前期同月比3.9倍の成長をし、検索上位を多数獲得しました。
記事のテーマにおいて選択と集中を行ったことで、網羅性と専門性のあるメディアを作ることに成功しています。たとえば、2019年4月に働き方改革法が施行されたため、その時期に集中して労務管理関連記事を公開していました。
「キーエンス」:高品質な資料でリード獲得
メディアURL:https://www.keyence.co.jp/solution/
キーエンスは東証一部上場の大手企業で、センサや画像処理機器など主に製造メーカー向けの製品を提供する企業です。自社の提供製品にかかわる技術資料をふんだんに掲載した辞書型のオウンドメディアを複数運営しています。
魅力的な資料をダウンロードするには会員登録が必要で、会員登録により多くのリードを獲得していることがうかがえます。
ダウンロードして数時間後には、営業部が状況ヒアリングと製品説明の電話を実施。日程が合えば、1週間後には営業担当者が製品サンプルを持って企業にデモや説明に行くスタイルを取っています。技術力に自信がある企業であれば、ぜひ参考にしたいオウンドメディアのスタイルです。
「サイボウズ」:インタビュー記事でノウハウを発信
メディアURL:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
サイボウズはソフトウェアの開発と提供を行う会社です。サイボウズが運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は、業務効率化を図るためのお役立ち記事に加えて、働き方や会社組織についての発信も行っています。サイボウズがどのような企業なのかなどの考え方や思想も見えるコンテンツもあり、採用強化にもつなげられる内容です。
著名人へのインタビュー記事も多く、読みやすい工夫がしてあるため、多くのビジネスマンに支持されているオウンドメディアです。
▼BtoBオウンドメディアの成功事例は以下の記事でも紹介しています。
>オウンドメディアとは?成功したBtoBオウンドメディア事例35選
成功するオウンドメディアの作り方
オウンドメディアを立ち上げるためには、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。オウンドメディアを成功へ導くために、具体的な手順をご紹介します。
1.目的を明確にする
オウンドメディアを運営することで何を狙うのか、目的を明確にしましょう。
資料のダウンロードでリード獲得を図ることでもよいでしょう。自社情報を発信することでブランディングに役立てようということも考えられます。自社の課題を認識し、課題解決にオウンドメディアを活用してください。
オウンドメディアの目的を明確に定めなければ、目標を定めることも、どのような運用が適切なのかも考えられません。
▼目標・戦略の具体的な立て方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→オウンドメディアを運用する目的とは?目標・戦略設計のやり方
2.ペルソナを定める
ペルソナとは、オウンドメディアの典型的なユーザー像・人物像のことです。自社のターゲットユーザーのことでもあります。
どのような方にオウンドメディアに触れてほしいのかを考えましょう。年齢や性別、年収、住まい、家族構成、役職、趣味、特技、ライフスタイルなど、より具体的な情報を設定する必要があります。オウンドメディアの方向性が明確にするための重要な工程です。
BtoB・BtoCによってもペルソナで設定する観点が異なります。
▼詳しいペルソナ設定については、こちらの資料をご覧ください。すぐにペルソナが作れるワークシート付です。
>Webの戦略設計に欠かせない!BtoB事業のためのペルソナ設定ガイド
3.KGI・KPIを設定する
KGIはオウンドメディアのゴール、KPIはKGIを達成するための中間的な数値指標のことです。オウンドメディアの運用では、この数値と現在の差異を定期的にチェックし、運用をしていきます。
たとえば、オウンドメディアの「KGI」がリード獲得数の増加であるとします。その場合の「KPI」は潜在顧客を集めるためのユニークユーザ数の増加、自然検索流入の増加などに設定できます。
▼WebサイトのKPI設定については、こちらの記事でもご紹介しています。
>教えて!Webマーケ・サイト制作の疑問「KPIは何を設定すればいい?」
4.実行計画を策定する
オウンドメディアを運用するには手間がかかり、期間も長期にわたります。そのため、実行計画を策定して、無理のない運用を行うことが重要です。
具体的には、編集やライターの体制、内製か外注か、どれくらいのペースで記事を投稿し、ライティングはどれくらいのボリュームで行うのかなどを策定します。
無理な計画を立てると、継続できずに頓挫してしまうので、実現不可能な計画を立てないように注意してください。
5.オウンドメディアのテーマを決める
読者に伝えたい内容を、より伝わりやすくするために「テーマ」を決定しましょう。オウンドメディアが誰に、どんな気づきを与え、どんな行動を促すのか。どんな読者利益をもたらすのか。
メディアの存在意義を社内で共有することで、社内でメディアへの愛着も高まりますし、運営のモチベーションも維持できます。一貫性および統一性のある運用を行うためにも、チームでしっかり意見を出し合いましょう。
6.キーワードを選定する
ユーザーの疑問は検索キーワードに現れます。その検索キーワードに合わせたコンテンツを作る必要があります。
どのようなコンテンツを作るかを決めるために、キーワードを選定しなくてはなりません。メディアが想定するターゲットが抱えていそうな悩みから、検索しそうなキーワードを企画しましょう。
キーワード選定においては、Googleが提供する「キーワードプランナー」などのツールを活用します。月間の検索ボリュームがどれくらいあるかを参考に、ターゲットユーザーが検索するキーワードを探しましょう。
▼キーワード選定の具体的な方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→【基本】SEOはキーワード選定が9割!すぐ実行できる手順とツール
7.目標達成までの動線を設計する
オウンドメディアでは、記事を読んだ後にユーザーに取ってほしいアクションが何かを明確にしておきましょう。資料請求や問い合わせ、メルマガ登録、会員登録、ホワイトペーパーダウンロードなど、さまざまなものが考えられるはずです。
せっかくコンテンツを公開して一定のアクセスを獲得できたとしても、ユーザーに取ってほしいアクションを得られなくては成功とはいえません。
▼具体的な導線設計のやり方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→【担当者解説】オウンドメディアのコンバージョン率改善方法を共有します
成功するオウンドメディアの運用方法
成功するオウンドメディアにはいくつかの条件があります。オウンドメディアをより成功に近づけるため、成功するオウンドメディアの運用方法として、特に重要となるものをご紹介しましょう。
ユーザーファーストを徹底する
オウンドメディアは、コンテンツの内容や画面設計など、ユーザー満足を第一に考えて作ることが重要です。ユーザーの知りたい情報やユーザーが使い勝手のよいサイトにすることで、何度も訪問してもらえ、それによってメディアで成果を出すことができます。
オウンドメディアの運用では、何よりもユーザーファーストを徹底しなければなりません。ユーザーファーストを徹底することで、何度も見てもらうメディアとなり、目的達成が近づくのです。
競合に負けない魅力的なコンテンツを作る
オウンドメディアを運用する際、すでにあるようなコンテンツを発信しても意味がありません。同じテーマや同じ検索キーワードでコンテンツを作っている競合のメディアをチェックし「どうすればより魅力的なメディアになれるか」をよく考えましょう。
読者が競合メディアではなく、自社のオウンドメディアを読む価値はどこにあるのでしょうか。情報の濃さ、わかりやすさなどなど、さまざまな切り口があります。
▼記事の書き方については、こちらを参考にしてみてください。
→オウンドメディアの記事の書き方とは?編集部で共有しているライティングのコツ
コンテンツを拡散する仕組みを作る
公開したコンテンツは、ユーザーに拡散してもらうことで、これまでなら接点のなかった人たちにも情報を届けられるようになります。
そのためにも、企業のSNSアカウントのフォロワーを増やしたり、社員それぞれがSNSを運用したりすることが重要です。
■コンテンツ拡散例
弊社の運営しているBtoBマーケティングのメディア「One Tip」では、記事を公開したあとに社内メンバーでSNSによる投稿・シェアを行っています。
下記は、社内メンバーのツイートを元に社外の人々にもシェアをいただき、SNS経由で多くの流入を獲得した記事例となります。
長期的に継続運用する
オウンドメディアは長期的に運用すれば、将来の費用対効果が高い施策です。正しい運用を続ければ、将来大きな成果が得られる可能性があるので、長い目で見た運用をしましょう。
運営には手間や時間がかかります。そのため、運用計画が甘いとすぐに頓挫してしまい、運用がストップしてしまうので注意してください。実際に、オウンドメディアの運用を途中で諦めてしまう企業は数多く存在します。その大きな原因は準備不足です。
どのように継続させ、どのように効果を測るのか。しっかり考えてからオウンドメディアの運用を始めてください。
オウンドメディアでマーケティングを加速しよう
オウンドメディアは、潜在ユーザーから顕在ユーザーまで幅広いユーザーにアプローチできる手法です。成果を出すまでに時間はかかりますが、将来に大きな成果を出すことができるといえます。
ただ、実際にオウンドメディアを始めようとすれば、以下のような課題に直面することがあります。
- 自社内でのリソースが不足している
- 運用するときに必要な手順がわからない
オウンドメディアの構築・運用にあたって上記のような不安があるなら、弊社のサービス「ferret One」がおすすめです。
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