BtoB営業のスコアリングとは?項目の種類とMAでの運用ポイント


見込み顧客を属性と行動で点数化し、アプローチの優先順位を決める「スコアリング」は、BtoBの営業活動において重要な役割があります。

今回はスコアリングの概要・項目の種類・スコアリングに重要なMA(マーケティングオートメーション)での運用ポイントについて解説します。導入の参考にしてください。

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目次[非表示]

  1. 1.BtoB営業のスコアリングとは
  2. 2.スコアリングの種類
  3. 3.BtoB営業でスコアリングを導入・運用する方法
  4. 4.BtoB営業でスコアリングする場合のコツ
  5. 5.BtoB営業でスコアリングする場合の注意点
  6. 6.BtoB営業でのスコアリングをMAで運用するポイント
  7. 7.BtoB営業でスコアリングを有効に活用しよう


BtoB営業のスコアリングとは

BtoB営業におけるスコアリングの概要や導入目的について解説します。


「スコアリング」とは

そもそもスコアリングは、英語で「得点」や「採点」を意味します。営業活動に限らず、金融・医療・スポーツなどさまざまな分野で使われる言葉です。

マーケティング用語では、見込み顧客が自社の製品・サービスをどのレベルで購入・導入してもらえるか、確度を得点化する意味合いで使われます。見込み顧客のアプローチを通じて製品・サービスの成約へとつなげる営業活動では、アプローチの方法や頻度を決める指標となるスコアリングが重視されます。


BtoB営業でスコアリングを導入する目的

BtoB企業が営業活動を進める上で、なぜスコアリングを導入するのでしょうか。3つの主な理由を解説します。


営業の効率向上

営業担当は非常に多くの見込み顧客を抱えています。成果につなげるためには適切なタイミングでの営業活動が重要です。しかし、見込み顧客が増えすぎると難しくなるでしょう。

スコアリングを導入すると、見込み顧客を購買の可能性に応じて点数化できます。点数の高い顧客から順にアプローチすることで、購買につながる可能性が高くなります。


ニーズが顕在化していない顧客に適したアプローチができる

スコアリングによって、購買の可能性の高い顧客がわかる一方で、まだニーズが顕在化していない顧客も把握できます。ニーズが低い層は興味が薄いため、すぐに購買を勧めるとかえって拒否反応を生み、逆効果になってしまいます。

まずは、情報収集段階の顧客が欲している商品の詳細や新商品についてなど情報を伝え、興味を強めることが大切です。

この段階の顧客ならではのアプローチを考えておくことで、購買の可能性が高い顧客へと転換させる確率を上げられるでしょう。


人材不足の解消

労働人口の減少により、人材不足に陥っている企業が増加しています。

たとえ新たな人材を確保し営業担当が増やせたとしても、ノウハウを覚え、契約につながる可能性の高い顧客を見極められるようになるには時間がかかってしまいます。

スコアリングがあれば、購買の可能性に応じて顧客を点数化できます。点数順に並べることで、優先してアプローチすべき顧客を視覚的に理解できるため、経験が多くない営業担当でも迷うことなく優先順位を決められるでしょう。


スコアリングの種類

見込み顧客をスコアリングする上で、得点化する項目の種類を何に設定するかは、悩ましい問題です。BtoB営業のスコアリングで点数化すべき項目について、大きく2つの種類をご紹介します。


属性に関するスコアリング項目

BtoB事業は企業相手に推進するビジネスなので、企業情報や役職がスコアリングの項目となります。また、顧客企業の担当者・決裁者によっても属性が変わるため、「企業」と「人」の軸を意識してスコアリングを進めるのがおすすめです。


企業規模

企業の規模は、属性に関するスコアリングの主要な項目です。具体的には下記のような内容が挙げられます。

  • 資本金
  • 従業員数
  • 業績         など

大手企業を相手どる事業戦略であれば、企業規模が大きければ大きいほどスコアを加算していきましょう。

意思決定がスムーズな中小企業にアプローチする方針であれば、理想の顧客企業像をイメージして、適切な規模感に近い企業のスコアを高くするよう設定します。


担当者の役職

自社の営業に対する担当窓口がどういう役職なのかは、営業の成約率や成約への難易度に直結します。

決裁権をもつ役職者・経営者が窓口担当として対応する企業は、決裁スピードが早く、案件をスムーズに進められるメリットがあります。決裁の権限を持っている経営者・幹部クラスを高得点に設定しましょう。


企業の所在地、活動地区

提供するサービス内容によっては、顧客企業の立地や地区、活動拠点が成約率に影響します。たとえば製造業であれば、工場の立地条件によって資材・製品運搬のスムーズさや納品期日が変わるため、事前に確認が必要です。

顧客像を明確にイメージし、都心と地方でどちらが顧客企業像に近いのか、見極めましょう。


行動に関するスコアリング項目

顧客企業の担当者がどういう行動をとるのか、スコアリングの項目に設定して得点化することで、より確度の高い見込み顧客への絞り込みができます。企業属性の項目とセットで設定しましょう。


自社への関心度合いが高い行動

顧客企業担当者の行動から自社製品・サービスへの関心の高さを測ることが可能です。具体的には下記の行動が挙げられます。

  • 自社サイト、または製品・サービスページの閲覧
  • 問い合わせ数、資料請求数
  • セミナーでの名刺交換数   など

理想とする顧客企業像を具体的にイメージし、製品・サービスの成約につながる行動にどのようなものがあるか、検討して設定しましょう。


最新の行動時期や頻度

行動の種類に加えて、行動を起こしたタイミング・時期は、得点化すべき重要な要素です。

たとえば、自社サイトを頻繁に閲覧しているユーザーは、自社の製品・サービスに関心が高い層だと判断できます。逆に、資料請求のあった顧客企業が請求から1ヶ月以上経っても音沙汰ない場合は、自社の製品・サービスに関心が薄れているリスクが考えられるでしょう。

行動時期・頻度で加算するのに加えて、「最後に自社と接点があってから〇日以上経過している時点でマイナス〇点」というように、減算するスコアリング設定をしておくのがおすすめです。


BtoB営業でスコアリングを導入・運用する方法

BtoB営業でスコアリングを導入し、運用していくための方法を、6つの手順にわけてご紹介します。

  1. ターゲットを定める
  2. 成約に至るまでの顧客の行動を洗い出す
  3. 過去に成約に至った顧客を分析する
  4. 洗い出した行動に得点を設定する
  5. スコアリング基準や運用方法を関連部署に共有する
  6. 運用開始し、定期的に基準を見直す


①ターゲットを定める

自社がターゲットにしている顧客を、可能な限り具体的に挙げます。顧客がどういった課題を抱えているのか、年齢・性別・職業などのペルソナまで設定することで、スコアリングの精度が上げられます。

▼ペルソナ設定の方法をまとめた資料をご用意しています。下記ページよりダウンロードしてご活用ください。
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②成約に至るまでの顧客の行動を洗い出す

過去の受注企業などのデータを参考にし、購買に至るまでの行動を洗い出しましょう。購買までの行動を可視化することはカスタマージャーニーマップと呼びます。

たとえば複数の商品の比較や、レビューの確認などが挙げられます。カスタマージャーニーマップを作成する時、購買の決定権を持つ役職なども考慮しましょう。具体的には、最終決定を課長が行う、といった内容です。

▼カスタマージャーニーマップについては、下記の記事もぜひ参考にしてみてください。
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③過去に成約に至った顧客を分析する

洗い出した行動がどれだけ実行されているか、成約に影響を与えているか、分析し確認します。

過去に成約に至った顧客の行動と同じように行動する見込み顧客は、確度の高い顧客といえます。スコアリングの基準値になるので、具体的に分析しましょう。


④洗い出した行動に得点を設定する

成約にいたるまでの行動と、過去の顧客分析結果を照らし合わせ、成約につながる可能性が高い行動から、高得点に設定しましょう。

スコアリングは、役職などの「属性」・商品の比較などの「行動」という2つの視点で評価を行います。一定以上の点数に達した見込み顧客は、優先的にアプローチすべき顧客として、絞り込み集中的に営業活動をかけます。


⑤スコアリング基準や運用方法を関連部署に共有する

スコアリングで設定する得点の基準や運用については、チーム内の関連部署にきちんと共有する必要があります。運用をスムーズに進められるほか、客観的な視点でチェックをもらい、改善点に気づきやすくなるメリットがあります。

運用方法は、設定した得点の基準に沿って、「いつ・誰が・どのタイミングで顧客を得点化するか」「得点化の情報をいつ・誰が・営業部門に共有するか」まで決めておくとよいでしょう。


⑥運用開始し、定期的に基準を見直す

変化が激しい市場環境において、顧客企業の価値観・行動は常に変容します。そのため、一度設定したスコアリングをずっと使い続けると、現状に則さないスコアリングになりかねません。

設定したスコアリングの基準が正しく機能しているか、定期的に確認の場を設けるのがおすすめ。営業の現場にヒアリングし、2~3ヶ月に一度は関連部門で集まって現状を把握するなど、自社に合う運用方法を検討してください。


BtoB営業でスコアリングする場合のコツ


スコアリングの精度を上げるためには、下記の2つのコツが大切です。


実践前にテストする

得点の設定が終わったのちに、既存の顧客情報を使いスコアリングのテストをしましょう。実際の顧客情報を使用することで、正確に精度の確認を行えます。テストをし、点数の付け方など微修正を繰り返しましょう


定期的にチェックする

テストが終わりスコアリングをするようになっても、定期的に見直しを行いましょう。

最適な点数の付け方はその時々で変わるため、精度を維持するためにはチェックが大切です。課題が見つかれば微修正を繰り返し、ブラッシュアップしていきましょう。


BtoB営業でスコアリングする場合の注意点


スコアリングを行う際に、注意すべき点を2つ紹介します。


スコアリングする対象を絞り込む

メールの開封を行ったり、自社のWebサイトを訪れた見込み顧客すべてスコアリングすると、膨大な数になってしまいます。

見込みがある顧客を洗い出すため、「比較サイトを通して資料請求を行った」など一定の条件を設けるとよいでしょう。


スコアリングを過信しない

スコアリングは、マーケティングにとって重要な指標です。ただし顧客の行動は一人一人異なりますし、点数が常に正しいとは限りません。

過信することなく、他の要素とも照らし合わせて判断するようにしましょう。


BtoB営業でのスコアリングをMAで運用するポイント


マーケティングにとって、スコアリングは有効です。ただしすべてを人の手で行うと、大きな手間となってしまいます。手間を削減するために、MA(マーケティングオートメーション)の導入が大切です。


MA(マーケティングオートメーション)とは 

MAとは、マーケティングを自動化してくれるツールです。ツールによって機能はさまざまです。顧客情報の収集やマーケティング活動を自動で行ってくれます。そのためスコアリングの手間を大きく削減できます。

▼MA(マーケティングオートメーション)について、こちらで詳しく解説しています
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MAツールが重要な理由

MAツールを使用することで、見込み顧客が自社のWebサイトのどのページを見たか、メルマガを読んだかなど、MAツールでなければ把握できない細かな情報を得ることが可能です。
現在のMAツールは、その他にもさまざまな機能を持っています。顧客ごとの詳細な情報を管理したり、顧客の反応に応じてアプローチの方法を変えたりしてくれます。


MAツールの選び方

いくら多機能なものであっても、使いこなせなければ意味がありません。自分にとって使いやすく、合っていると感じられるツールを選びましょう。

合ったものを選ぶためには、無料の試用期間があるものをいくつか実際に使い、最も適していると感じたものにするとよいでしょう。

▼MAツールの選び方について、こちらで詳しく解説しています。
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BtoB営業でスコアリングを有効に活用しよう

BtoB営業にスコアリングを取り入れ、効果的かつ効率的に顧客企業へアプローチするには、下記のポイントをおさえるのが大切です。

  1. スコアリングは、ニーズがある顧客企業を絞り込み、営業活動を効率的に実施するために実施する。
  2. BtoBの営業活動においては、企業・担当者の「属性」と「行動」の2軸で点数化する。
  3. スコアリングの導入する前に、ペルソナやカスタマージャーニーの設定をする。
  4. 運用開始後は関連部署にスコアリングの基準を共有し、定期的に見直す場を設ける。
  5. 実装前のテストを忘れずに実施する。
  6. スコアリングする対象の範囲はある程度絞り込み、スコアリングの得点以外の要素と組み合わせて判断する。
  7. 作業を効率化し、より細かな情報を収集して活用できるよう、MAツールを導入してスコアリングする。

適切なスコアリングで、営業活動の生産性をアップしましょう!


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One Tip編集部
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