Pardot(パードット)の特徴と機能とは? Salesforceと連携させて活用しよう
Pardotは人気のMAツールのひとつで、世界的なCRM「Salesforce」と同じセールスフォース・ドットコム社が提供しています。Salesforceとの連携により、マーケティング活動がさらに効率的になることが期待できるでしょう。
この記事では、Pardotの基本的な特徴から、メリット・デメリットや実際の利用者の評判なども解説します。
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→8種類のMAツールを紹介!マーケティングオートメーションツール導入・活用ガイド
目次[非表示]
Pardot(パードット)とは
「Pardot」とは、セールスフォース・ドットコム社が提供するBtoB向けのMA(マーケティングオートメーション)ツールです。Pardotを活用すれば、リードの獲得・育成・選定までを効率化できます。
ここからは、具体的なPardotの特徴と、同社の代表的なサービスである「Salesforce」との関係性について解説します。
Pardot(パードット)の特徴
Pardotは、マーケティングで重要なリードの獲得・育成・選定までの工程を効率化させ、成約までの確度を高めて営業部門に提供できます。
Pardotは見込み顧客のキャンペーンやメール、Webサイトへの訪問などのアクションを感知してリアルタイムで通知を届けることができるため、顧客に適切なタイミングでアプローチできるのです。
また、Pardotには「Pardot Einstein(パードットアインシュタイン)」という人工知能が搭載されており、確度の高いリードを割り出して購買につながるタイミングを予測することもできます。
Pardotはマーケティングの分析や投資対効果も行えるMAツールとして、マーケティング活動の効率化を実現できるでしょう。
Salesforceとの連携
PardotはCRMプラットフォームのSalesforceと連携でき、お互いの顧客データを同期して活用し合うことが可能です。
Salesforceと連携することにより、マーケティング担当者はPardotにあるさまざまなデータを、営業担当者にスムーズに共有できます。そのため、確度の高いリードへの施策を打ちやすくなるというメリットがあります。
また、Salesforceのキャンペーン状況をPardotで確認でき、必要であればPardotからキャンペーンの追加や更新が可能です。クロスセルや確度の高いリードへの追加アプローチで、より成約を高められるのです。
Marketing Cloudとの違い
Salesforce内のサービスでは、PardotとMarketing Cloudという2つのMAツールが利用できます。PardotはBtoB、Marketing CloudはBtoCのサービスで使用されることが多いツールです。
また、Pardotは商談型ビジネスに向いているという特徴がありますが、Marketing Cloudは集客型ビジネスに向いているという点も異なっています。
自社の事業形態や利用目的によって、PardotとMarketing Cloudの利用を分けて考える必要があるでしょう。
Pardot(パードット)の4つの料金プラン
Pardotには以下4つの料金プランがあり、それぞれの料金プランで利用できる機能が異なります。
- GROWTH
- PLUS
- ADVANCED
- PREMIUM
以下の表では、それぞれの料金プランの料金と主な機能をまとめましたので参考にしてください。
GROWTH |
PLUS |
ADVANCED |
PREMIUM |
|
---|---|---|---|---|
料金(税抜) |
150,000円/月 |
300,000円/月 |
480,000円/月 |
1,800,000円/月 |
プロスペクト数 |
最大10,000件/年 |
最大10,000件/年 |
最大10,000件/年 |
最大75,000件/年 |
競合企業のモニタリング |
10社 |
25社 |
100社 |
100社 |
ランディングページ |
50 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
SEOキーワードのモニタリング |
100個 |
250個 |
1,000個 |
1,000個 |
自動化のルール数 |
50 |
100 |
150 |
150 |
独自ドメイン数 (サブドメインも含む) |
3 |
10 |
10 |
10 |
Pardot Einstein |
無し |
無し |
有り |
有り |
Pardot Marketing Data Sharing |
無し |
無し |
有り |
有り |
B2B Marketing Analytics |
無し |
5ライセンス |
5ライセンス |
5ライセンス |
Pardot EinsteinやPardot Marketing Data Sharingは、リード育成やリード選定を行う際に重要な機能です。Pardotを最大限活用するのであれば、ADVANCED以上の料金プランがおすすめです。
Pardotは初期費用が無料で30日間の無料トライアルもあるため、気になるサービスを積極的に試すのもよいでしょう。
※公式サイト Pardotの料金ページ内の資料より抜粋
Pardot(パードット)の機能
Pardotには代表的な機能が6つあります。
- 見込み顧客の行動管理
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- コンテンツ作成機能
- 効果検証レポート
- 営業との連携
それぞれどのような機能で、何ができるのかを具体的に解説します。
1.見込み顧客の行動管理
Pardotでは、リード獲得後の見込み顧客がどのように行動するのかを一元管理できます。各Webページに、いつ・どのくらいのアクセスやセッションが起きたのかを詳細に表示可能です。
また、Pardot Einsteinにより、自動的に行動管理を行えます。オプションサービスである「Salesforce Engage」を導入すれば、見込み顧客がキャンペーンや広告に反応したタイミングで通知が来ます。
これにより、マーケティング担当者は、リードの行動管理がしやすくなるでしょう。
2.リードジェネレーション
Pardotでは入力フォームやLPを作成して、リードジェネレーションが実施できます。LPや入力フォームはテンプレートデザインが用意されているので、デザイナーへの外注や依頼を必要とせずに作成できます。
また、Google AdWordsと連携して、検索連動型広告のキャンペーンを打つことも可能です。LP作成後はA/Bテストや多変量テストを行えるので、より効果的なリードジェネレーションが実現できるでしょう。
3.リードナーチャリング
LPや入力フォームで獲得した見込み顧客を育成するためのリードナーチャリングも、Pardotで行えます。
AIのスコアリング機能により、成約確度の高い見込み顧客を優先順位付けして、適切なタイミングでメールマーケティングできるのです。
また、確度の高くない見込み顧客に対してもアプローチを行います。
スコアが一定以上になると営業部門へ通知を送り、すぐにアプローチできる体制を整えることができます。
4.コンテンツ作成機能
Pardotはセミナーなどの案内ページも作成可能です。テンプレートが用意されているため、日時や概要・コンテンツ内の画像を変更するだけでコンテンツを作成できます。
また、HTMLメールも作成できるため、見込み顧客に合わせて効果的なコンテンツにカスタマイズできるのです。簡単に顧客へのプロモーションを始められるのも、Pardotの特徴といえるでしょう。
5.スコアリング/効果検証
Pardotは見込み顧客のアクションに基づいて、興味関心を数値化して評価してくれます。
例えば、Webサイトのページ閲覧数が1ページであれば1点、ホワイトペーパーなどをダウンロードすれば20点など、細かく数値化してくれるため、効果検証しやすいのが特徴です。
また、リード獲得から成約までのプロセスを追跡できるため、マーケティング施策の投資対効果の測定も行えます。
効果検証のレポーティング機能を活用すれば、より効果的なマーケティング施策の強化につなげられるでしょう。
6.営業との連携
PardotはSalesforceとの連携により、マーケティング部門と営業部門との連携をスムーズに行えるようになります。
MAツールであるPardotで獲得した見込み顧客のデータを、Salesforceと連携して施策の効果検証と顧客管理を行えば、成約率の向上に役立てることが可能です。
たとえば、問い合わせフォームから獲得した見込み顧客に対して、Pardotから営業担当者を割り当ててTodoリストの作成まで行えます。
営業担当者は、Pardotと連携されたSalesforceでデータを確認するだけで、スムーズに見込み顧客へ商談などのアプローチに移行できるのです。
Pardot(パードット)のメリット・デメリット
Pardotは多機能で高性能なMAツールですが、メリットだけでなくデメリットもあります。Pardotの主なメリットとデメリットを解説します。
Pardot(パードット)のメリット
Pardotの主なメリットは以下の通りです。
Salesforceサービスとの連携により情報共有がスムーズ
Salesforceとの連携による部門間の情報共有のスムーズさは、Pardotの大きな魅力です。MAツールを導入しても営業部門とマーケティング部門の連携がうまく取れずに、使いこなせないまま解約してしまうこともあるでしょう。しかし、PardotとSalesforceは同じ企業のサービスであるため、連携が他のサービスよりもしやすいのです。
見込み顧客の確度を見える化で適切なアプローチが可能
AIによるスコアリング機能と、スコアが一定以上になった際の通知などで、目に見えない見込み顧客の確度を定量的にしてくれるのもメリットです。
重要なメールでのアプローチのタイミングに苦戦している場合は、その現状を改善できます。
ROI(投資対効果)の測定でマーケティング施策の考案がスムーズ
Pardotは、MAツールの利用でもっとも重要な投資対効果も測定できます。効率化だけでなく成果が出ているかも見える化してくれるため、どのようなマーケティング施策を打てばよいかの判断もしやすくなるでしょう。
Pardot(パードット)のデメリット
Pardotの主なデメリットは以下の通りです。
Salesforceとの連携ありき
Pardotは単体だけであれば、大きな効果は発揮できません。あくまでもCRMのSalesforceとの連携で機能を最大限に活かせます。
そのため、Salesforceを利用しない場合であれば連携のスムーズさなどは期待通りにはいかない可能性もあるでしょう。
他ツールと比較して料金が高め
Salesforceとの連携ありきで考えると、コストはSalesforceの料金も加味しなければいけません。
また、人気MAツールのHubSpot「Marketing Hub」だと単体で5,400円/月から利用できるのに対して、Pardotは150,000円/月からとなります。料金差が大きいため、コストがかさんでしまうデメリットがあります。
Pardot(パードット)の評判・口コミ
では、Pardotを実際に利用した企業からの評判や口コミはどのようになっているのでしょうか。以下では、「ITreview」で記載のあるPardotの、よい評判と改善要望それぞれ紹介します。
Pardot(パードット)の良い評判・口コミ
Pardotのよい評判・口コミは以下の通りです。
Pardotの評価 |
良いポイント |
どのようなメリットがあったか |
---|---|---|
☆5 |
・顧客データを溜めれるだけでなく、各顧客への課題が可視化されるところ
・接触頻度を定量的に見れるので、次の施策を打ちやすくなる
|
肌感覚による定性的な営業課題を可視化できたので、分析と改善につなげられた |
☆4.5 |
・Salesforceとの併用でマーケティング部門と営業部門の連携がスムーズに |
・導入前は500だった見込み顧客が、現在では10,000以上に伸びた
・より戦略的にマーケティング施策を打てるようになった
|
☆4 |
・Salesforceとの連携でメールの開封状況などが把握できるところ
・見込み顧客のセグメントやアプローチする優先順位付けは非常に助かっている
|
今まではメールを送っても反応が分からなかったので、一斉メールでアプローチするしかなかった。しかし、スコアリングや自動セグメントなどで、効率的にアプローチできるようになった。 |
Pardotのスコアリング機能や、Salesforceとの連携による営業部門とマーケティング部門の情報共有のスムーズさが評価されている結果となっています。
これまでは肌感覚だった事象も、Pardotで定量的に見える化されることで、より戦略的なマーケティング施策を打てるようになるようです。
Pardot(パードット)の改善要望・口コミ
Pardotの改善要望・口コミは以下の通りです。
Pardotの評価 |
改善してほしいポイント |
---|---|
☆2 |
・リスト作りでのフィルター項目が他のMAよりも少ない
・HubSpotやWixのように気軽にデザインを変更できるようにしてほしい
|
☆1.5 |
・HTMLメールにハイパーリンクを入れられない
・UIをもっと感覚的に使用できるようにしてほしい
|
☆1 |
・費用が高い
・マニュアルが整備されていないため、MAに強い人がいないとメールを送るだけになってしまう
|
UIに使いにくさを感じてしまう利用者もいるようです。また、費用が高くコストを回収できないという口コミもあるため、企業や事業規模が大きい場合に利用する方が向いていると考えられるでしょう。
参考:ITreview Salesforce Pardotのレビュー(口コミ・評判)
Pardot(パードット)とその他MAツールとの比較
Pardotとそれ以外のMAツールとを比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。以下では、人気のMAツールである「Marketo」とHubSpotの「Marketing Hub」を比較して解説します。
Marketo(マルケト)
Marketoとは、世界で5,000社以上が導入しているMAツールです。9つのアプリケーションを利用して、マーケティングの効率化を実現します。
MarketoはBtoCとBtoBの双方のマーケティングに対応しているため、より幅広い見込み顧客を対象とできるでしょう。また、toC向けに効果的なSNSを活用したマーケティング施策も可能です。
BtoBに特化したマーケティング施策を行うのであればPardotがおすすめですが、toC向けにもアプローチしたい場合はMarketoも検討してみるとよいでしょう。
▼Marketo(マルケト)
https://jp.marketo.com/
Marketing Hub(マーケティングハブ)
Marketing Hubは、HubSpotが提供するMAツールで、見込み顧客の獲得や育成を効率化できるツールです。Marketing HubはPardotと比較して費用が抑えられるため、小規模組織であればMarketing Hubでも十分でしょう。
小規模のマーケティング施策であればMarketing Hubがおすすめですが、ビッグデータなどを取り扱う大規模な組織であればPardotとSalesforceでの連携による管理の方が向いています。
▼Marketing Hub(マーケティングハブ)
https://www.hubspot.jp/products/marketing
関連記事:最新のMAツール10選!ツールでできることや比較ポイント
Pardot(パードット)の利用がおすすめな企業
ここまで紹介してきた内容を踏まえると、Pardotの利用に向いている企業は以下のような企業といえるでしょう。
- Salesforceを使用している企業
- リード数が多く規模の大きい企業
詳しく解説します。
Salesforceを使用している企業
PardotはSalesforceとの連携により、機能性を最大限に活かせるMAツールです。そのため、すでにSalesforceを利用しているBtoB向け企業がMAツールを検討している場合はPardotがおすすめできるでしょう。
Salesforceとの連携により、多くの企業が課題としているマーケティング部門と営業部門との連携を改善できるのは大きなメリットです。
リード数が多く規模の大きい企業
Pardotは、リード数が多く規模の大きい企業は、特に効果を実感できるMAツールといえるでしょう。
PardotとSalesforceを連携して利用するとなると、費用規模も大きくなり、費用対効果を見込めるだけの大量のリード数が必要です。
また、多くのリード数を抱えている企業であれば、リード数に応じて費用の決まるようなMAツールはかえって割高になってしまう可能性もあるでしょう。
Pardotはもっとも低い料金プランでも10,000件のプロスペクト数が保証されているため、リード数追加によるコストの増加を考えずに利用できます。
CMSとの連携でPardotをより効果的に活用
MAツールであるPardotでもLPや入力フォームの作成は可能ですが、CMSとの連携でより見込み顧客獲得を効果的にできるようになります。
CMSとは
CMSは、文字や画像などのデータを一元管理することで、それらを組み合わせるだけでWebサイトを制作できるツールです。Webサイト制作が簡単に行えます。
関連記事:CMSとは?導入すべき?基本から初心者にもわかりやすく解説
リード獲得~商談化までのプロセスが効率化できる
同じリードにアプローチし続けても、必ずアポイントにつながるわけではありません。MAツールを活用するには、そもそものリード獲得やコンテンツの作成が必要不可欠です。
MAとCMSを連携すると、Webサイト経由で獲得したリード情報が自動でMAに蓄積されるため、データインポート不要で、効率的にナーチャリング活動が行えます。
自社の目的や用途に合わせてPardotを検討しよう!
Pardotはセールスフォース・ドットコム社が提供するBtoB向けMAツールです。Salesforceとの連携により、マーケティング部門と営業部門の情報共有がスムーズになり、リードジェネレーションから成約までの確率向上に最適なツールといえます。
しかし、十分なリード数や活用するためのコンテンツがなければ、効果を最大化することはできません。MAツールだけではなく、CMSと連携することで、マーケティングをより効果的に行えるでしょう。
MA導入の「ベストなタイミング」について解説した資料もございます。合わせてご覧ください。
→【BtoB向け】Webマーケの体制構築における、MA導入のベストなタイミング
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