サイトリニューアルを成功に導くペルソナ設定とは? BtoBのペルソナ設定のコツと注意点
「BtoBサイトリニューアルで失敗しないための7つのポイント」を個別に解説するシリーズ、今回のテーマは「ペルソナ設定」です。
具体的なユーザー像である「ペルソナ」は、リニューアルにあたっての施策の判断軸になり、本当にターゲットに「刺さる」サイト作りに貢献してくれます。
今回は、BtoBとBtoCの設定項目の違い、BtoBサイトのペルソナ設定の具体例などをご紹介します。
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BtoBとBtoCのペルソナ設定、何が異なるのか?
BtoBの場合もBtoCの場合もペルソナ設定の基本は変わりませんが、ビジネスの特性が異なるために設定すべき項目にも少し違いが出てきます。まずは同じ部分と違う部分を確認しましょう。
デモグラフィック属性は、BtoB・BtoCどちらも共通
デモグラフィック属性とは、年齢・性別・家族構成などの人口統計学的属性のことです。デモグラフィック属性の設定項目はBtoBもBtoCもあまり変わりません。
<ペルソナに設定する主なデモグラフィック属性>
- 名前
- 性別
- 年齢
- 住まい
- 家族構成・暮らし方
- 職業(学歴・企業規模・従業員数・役職など)
- 年収・貯金・お金の使い方など
BtoBではビジネス関連の項目が重要
BtoCでは上記に加えて「好きな芸能人」「趣味」などの個人的な好みを設定していきますが、BtoBではそうした部分はあまり重視しません。BtoBで重要なのは、ペルソナの「仕事」にまつわる部分。所属企業の業種や担当している事業の状況、ビジネス上の課題などです。
<BtoB事業のペルソナに設定すべき、ビジネスに関係する項目>
- 所属する企業の事業内容、業種、事業年度
- 担当している部署の事業内容と所属歴
- 担当事業の抱える課題
特に重要なのは課題の把握です。BtoBにおいては、問い合わせ、購入の意思決定を左右するのは個人的感情ではなく、製品やサービス自体の機能や実績、導入した場合のメリットなどの情報です。「何をメリットと感じるか」は「何に課題を感じているか」を把握するからひも解いていく必要があります。
困っていること(課題)→ この商品・サービスなら解決できます(メリット)
そのため、BtoBにおいてペルソナを設定する際は「ビジネスにおける課題」を徹底的に考えましょう。
▼ペルソナ設定については、こちらのワークシートをご活用ください。簡単に設定できます!
Webの戦略設計に欠かせない!BtoB事業のためのペルソナ設定ガイド
サイトリニューアル・制作時にペルソナを設定する重要性
サイトリニューアルの際、詳細なペルソナを設定することによる利点は主に次の2つです。
1.本当にターゲットに刺さる訴求を打ち出せる
顧客が何を解決してほしいのか理解していないと、本当に刺さるメッセージは作れません。明確なペルソナを設定して具体的な1人の人間のイメージを持つと、サービスをどのようなストーリーで表現したらよいのかがわかります。
ペルソナの事業内容や課題、これまでの履歴を詳しく設定することで、「こういった事業なら、このサービスの強みを訴求するのが最も引きが強いのではないか」「所属歴を考えると、サービス説明はもう少し専門的にしてもいいのでは」などのような仮説を立てやすくなります。
2.迷ったときの判断軸になる
たとえば、サイトデザインを「シンプルで無駄がなく見やすいA案」と「画像を多く使ってイメージがわきやすいB案」の2種類のどちらにするか検討していたとします。ペルソナが設定されていないと、「自分はこちらのほうがよいと思う」「なんとなくこちらの色が好き」などのように主観的な判断になりがちです。
ペルソナがあれば、「ペルソナはサイトをざっと見て問い合わせするか判断したい状態だからシンプルな方がいい」「あまりリテラシーが高くないから、画像やグラフをふんだんに使ったほうが訴求ポイントが伝わるはず」のように、ユーザー目線に立って適切なデザインや内容を検討できます。
複数人で検討する際の判断軸になるので、チーム内の議論や認識合わせのためにも重要です。上司やクライアントからなぜこのデザインなのか説明を求められた際にも、「ペルソナの○○という特性により△△と考えられるので……」と説明材料になります。
注意!ペルソナ以外の閲覧者を意識するのも重要
ひとつ注意しなくてはいけないのは、「ペルソナだけを意識していればよいというわけではない」ということです。特にBtoBの場合、意思決定に複数名が関わることが多く、ペルソナと同じ属性を持つ人物だけがサイトを見て意思決定材料にするわけではありません。
決裁権を持っている人物をペルソナとして設定することが多いですが、決裁権を持たないペルソナを想定するケースもあります。その場合でもどこかのタイミングで決裁権を持つ人物(=ペルソナ以外の人物)がサイトを見て確認や承認をするでしょう。
ペルソナの課題に寄り添って解決策を提示することはもちろん大切ですが、ペルソナではない人物が見た場合でも論理的な判断をする材料になるよう、
- 数字(Before/After)
- 事例
- サービスの社会的背景
などの情報、データをわかりやすく盛り込む必要があります。
具体例:ferret Oneサイトの場合
具体例として、ferret Oneのペルソナ設定と、それらがどのようにサイトに反映されているかをご紹介します。
feret Oneでは、「ペルソナ」と「ペルソナが持つ課題」を3パターン設定しており、それぞれに対する「サービスの強みを訴求するページ」と「LP」を用意しています。
ペルソナ例1:なによりも「ノウハウ」と「リソース」を必要としている人
- 大手/中堅企業の新規事業担当者
- 一定の予算はあるが、リソースとノウハウがない
- 色々情報収集をしている
- BtoBマーケのノウハウを持っていて、一緒に伴走してくれるパートナーを探している
新規事業の担当ということで、ノウハウがなく情報収集をしている最中です。Webサイトの専任ではなく、リソースもそれほど割けません。何よりもノウハウを必要としており、一緒に伴走してくれるパートナーを探しています。
■このペルソナへの強み訴求ページ
https://ferret-one.com/needs/knowhow
ペルソナ例2:Webマーケティングを強化・改善したい人
- 大手/中堅企業のサイト運用担当者
- Webマーケを強化もしくは改善するためにサイトのリニューアルを検討している
- リニューアルにあたって、打ち出す内容や必要なツール(SalesforceやMAなど)を整理したいと考えている。
- 制作会社やコンサルティング会社など、複数の会社を比較検討している
- サイトは、デザインだけでなくリード獲得後の運用も重要視している
ある程度の運用期間を経て、自社のマーケティング活動に必要な要素がわかってきた状態の人たちです。これまでのノウハウを踏まえ、さらに強化もしくは足りない部分の改善のためにサイトリニューアルを検討しています。
ペルソナ例3:サイト運用にかかるお金と時間のコストを削減したい
- ベンチャー〜中堅企業のサイト運用担当者でWebマーケティングを比較的重視している
- 積極的にサイトを更新しているため、毎月30〜50万円程度の運用コストがかかっている
- また、サイトを修正するにも公開は3、4週間後と時間もかかる
- 自社で全てを更新したいわけではないが、軽微な更新ならば自社で対応してコストと時間を削減したい
積極的にサイトの情報を更新したいが、自分たちではできず、外注費や時間的コストが増加してきている状況にある人たちです。運用そのものに時間がかかっているため、もっといろいろな施策に取り組みたくても手が回らないので、業務を効率化したいというニーズがあると予想できます。
ペルソナ設定をすることで、より顧客の課題に寄り添ったサイトに
BtoBサイトのペルソナは、基本的なデモグラフィック属性に加えて事業内容やビジネス上の課題などを詳しく設定します。サイトリニューアルの際に改めてペルソナを考え直すことで、より顧客の課題に寄り添った、問い合わせをしたくなるサイトに改善していきましょう。
この記事で挙げたヒントを参考に、ペルソナの明確化に取り組んでみてください。
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