製造業「Webマーケティングの社内評価を高めたい」説得資料に盛り込むべき内容とは?
「ferret One」では、BtoB企業からリード獲得にお悩みの方から様々な相談をいただいています。特に、「製造業」からよくいただくご相談として、ルート営業や展示会への出展などが主流で、Webマーケティングが推進しづらいという課題があります。
- 「営業のマンパワーが強く、マーケ・営業組織間の連携が取りづらい」
- 「Webマーケティングに対する社内の理解がない」
売り上げを伸ばしていくためにはWebマーケティングが重要だと担当者が思っていても、会社に理解してもらえず、進めづらい状況にあるようです。
そこで、Webマーケティングの社内評価を高めるための説得資料に盛り込むべき内容を成功事例をもとに解説します。
これからWebマーケティングに取り組みたい企業、すでにWebマーケティングに取り組んでいる企業のどちらも活用できる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
■合わせて読みたい資料
→Webマーケティングの重要性について社内を説得したいときに読む資料
目次[非表示]
なぜ製造業はWebマーケティングを推進しづらいのか
製造業特有の考え方やマーケティングの重要性に対する認識不足から、製造業ではWebマーケティングが推進しづらいという問題があります。
弊社によくご相談いただく課題背景とその対策について解説します。自社でWebマーケティングが進めづらい原因の特定にお役立てください。
- 「良いものを作れば売れる」と思われているから
Web上に顧客がいないので、やっても意味がないと思われているから
営業組織間の連携が取りづらいから
- Webマーケティングのノウハウを持つ人材がいないから
「良いものを作れば売れる」と思われているから
「製品の品質が良ければ、おのずと売れる」という考え方が、製造業ではまだ根強く残っています。
説得材料に「良いものを作るだけでは売れなくなる」ことを盛り込もう
インターネットの普及やライフスタイルの変化から、顧客ニーズは多様化し、選ぶ製品の選択肢も多くなりました。製造業でも、「顧客にとって何が良いのか?」を反映した製品開発と製品を知ってもらうための情報発信がより重要になってきます。
ただ、製造業における新製品開発は、技術力や研究開発の結果に基づいて行われることが多く、その結果、技術者が開発可能な新技術や機能を追求するあまり、顧客が実際に必要としているものや使いやすさが後回しになることがあります。
そうした状況に有効な手法がWebマーケティングです。顧客情報をデータ化できるため顧客ニーズの変化を素早く察知した製品開発に役立ちます。また、Webサイトで製品情報やその関連情報を広く発信することで、今よりも多くの顧客に見つけてもらえるようになり、今までターゲットとしていなかった業界からの引き合いも増やせる可能性があります。
実際の調査データを見てみると、製造業では、特定のイメージがない企業との取引において、81%の人がブランドイメージを確認する、もしくは時々確認するという調査があります。
また、そのブランドイメージを形成する情報源として、62%の人が「企業のWebサイト」、26%の人が「ソーシャルメディアの企業アカウント」と回答しており、Web上でのブランド認知が新規顧客の獲得に有効であると分かります。
※イントリックス株式会社「製造業におけるブランド認知による購買行動への影響度調査」より
Web上に顧客がいないので、やっても意味がないと思われているから
製造業では「自社の顧客はWeb上では製品を探していないので、Webマーケティングに向いてない」と思われがちです。ただこの場合、イメージが先行していて検証が行われないままの誤解であるケースがほとんどです。
説得材料に製造業についてもWeb上で情報収集されていることを盛り込もう
調査によると、製造業従事者が製品選定する際にに利用する媒体は、1位が「Googleなどの検索エンジン」で75%、2位が「企業のWebサイト」で58%※。製造業従事者においても、営業経由や展示会によりも、Web経由の情報収集が重視されていることがわかります。
※イントリックス株式会社「【製造業】オンラインでの製品選定における実態調査」
特にコロナ禍以降、製造業についての検索ボリュームは増加傾向で、いまこの瞬間も多くの潜在的な顧客がWeb上で製品情報を探し求めています。
「製造業の製品はWebで検索されない」という誤解を解くには、実際に自社の顧客が検索しそうなキーワードのボリュームを調べてみると良いでしょう。
関連記事:「製造業の製品はWebで検索されない?」製造業の誤ったWebマーケ認識を解く
営業組織間の連携が取りづらいから
Webマーケティングをしなくても、昔ながらの御用聞き営業・ルート営業で顧客からの引き合いが十分とれている製造業の場合、新規開拓が後回しになりがちです。
営業のマンパワーが強く、Webマーケティングで獲得した顧客の対応をしてもらえない、頼みづらいという状況が生まれているようです。
成果を可視化してWebマーケティングの有用性を示そう
先に解説した「良いものを作るだけでは売れなくなる」という業界背景は、同時に御用聞き営業・ルート営業に頼った方法では、成長し続けられない現実を意味します。
そうした業界背景と合わせて、Webマーケティングの成果を可視化することで、Webマーケティングの有用性を理解してもらいやすくなります。
この時、部門ごとの目標だけでなく「Webサイト経由でどのくらい引き合いが取れていて、どれくらいの商談が増やせるのか?」などマーケティング部門と営業部門が連携することで生み出せる成果に結びつけて示すことが重要です。
関連記事:マーケと営業の壁を崩す、仕組みとマインド - ferret Oneチームの場合
Webマーケティングのノウハウを持つ人材がいないから
Webマーケティングのノウハウを持つ人材不足は製造業のみならず、各業界で課題となっており、採用できても人件費は高騰傾向です。
ルート営業が主流だった製造業では、長年のノウハウと人脈で営業力のある人材により、売上が立っているので、Webマーケティングのノウハウある人材の採用や育成を後回しにしてしまう企業がまだ多くあります。とはいえ、個々の営業担当者のスキルだけに頼る体制では、顧客ニーズやサプライチェーンの変化に対応して売り続けることが困難になる懸念があります。
Webマーケティングの伴走支援サービスの導入でマーケターを育てよう
政府でもこうした人材不足を懸念しており、リスキリングが推奨されてきています。ただ、未経験からセミナーや書籍で専門知識を身に着けても、それを現場で活かすのは難しく、時間もかかってしまいます。日々の通常業務もこなさなければなりません。
そこでおすすめなのが、伴走型のWebマーケティング支援サービスを提供している支援会社を頼ることです。プロのアドバイスを取り入れながら、現場でWebマーケティング業務を進めることができるため、既存の社員をマーケターに育成するリスキリングが可能になります。
身に着けたノウハウを会社に蓄積し、Webマーケティングを自分たちで遂行できるように支援してくれるので、自走できるようになれば「伴走支援サービス」を卒業し、より費用対効果をあげることも可能でしょう。
関連記事:BtoBマーケティングの支援会社を比較!おすすめ12社
関連記事:リスキリングとは?BtoB企業がDX人材を確保する方法
Webマーケティング推進の説得資料に盛り込むべき内容
Webマーケティングの社内評価を高めて推進していくには社内調整と、社内でWebマーケティングの有用性を示すためのデータを盛り込んだ説得資料が必要です。
Webマーケティング推進の説得資料に盛り込むべき内容を解説します。
大切なのは、それぞれの企業の状況に合わせて、適切なアプローチを選択すること。 自社の状況に照らし合わせながら、資料作りの参考にしてみてください!
Webマーケティングが必要な背景を解説する
Webマーケティングの費用対効果を試算する
競合他社の成功事例を紹介する
社外からの意見を取り入れる
①Webマーケティングが必要な背景を解説する
Webマーケティングが必要な理由を自社を取り巻く業界背景から解説しましょう。
「なぜ製造業はWebマーケティングを推進しづらいのか」の章を参考に、自社の課題に関連する情報を盛り込むのがおすすめです。
Webマーケティングの重要性を調査データをもとに解説した資料もご用意していますので、ぜひダウンロードしてご活用ください!
→Webマーケティングの重要性について社内を説得したいときに読む資料
②Webマーケティングの費用対効果を試算する
Webマーケティングの費用対効果を示しましょう。
会社から予算がもらえないなど、上層部がWebマーケティングの重要性を感じていない場合に特に有効です。どれだけの投資(予算、時間、リソース)で、どれだけの収益増やコスト削減が見込めるのかを具体的な数値で見せると、上層部も予算を出しやすくなります。
ご相談いただく企業の中には、会社に予算がもらえないため、無料セミナーや資料で知識をつけようとしているという方も多くいらっしゃいます。しかし、Webマーケティングを未経験で、しかも予算がない状況から始めて成果を出すには、相当な時間と実践に応用するスキルが必要です。費用対効果を計算して、最低限の予算だけでも確保して始めないと、成果が出せないまま早々に自社に合わないと判断されて終わってしまう可能性があります。そのため、予算の確保はかならず調整したい項目です。
どのように計算すればいいのか?
Webマーケティングの土台はWebサイトです。「Webサイトにどれくらいの人が集められ、そこからどれくらい引き合いがとれるのか?」を数字で表現しましょう。すでにWebサイトを持っている場合、現状の成果を具体的な数字で表します。実際のデータを使って、「これらの数値がマーケティングの取り組みに、どのくらい向上できそうか」をアピールすることで、マーケティングの効果を見える化しやすくなります。
この時、最低限Webサイトの訪問者数、CV数(お問い合わせの数)、CV率(Webサイトの訪問者がCVした割合)は算出しておきます。そこに付随して、CAC(顧客獲得単価)や受注率・受注件から売上を算出するなど費用対効果がわかる指標を出していきましょう。
関連記事:BtoBマーケティングにおける「KPI設計」とは?フェーズごとの具体例を紹介
関連記事:立ち上げ初期のマーケティング組織、まずやるべきことは?戦略立案からスケールを目指すまで
③競合他社の成功事例を紹介する
同業他社がWebマーケティングを取り入れて成功している事例を説明するのも効果的です。
どのようにWebマーケティングを利用しているのか、またそれによってどのような結果を得ているのかを伝えます。明確な数字(引き合いの増加、売上向上など)があればよりイメージがつくので、そういった事例を選ぶのがおすすめです。
成功事例はもしも導入したいサービスがあれば、そのサービスサイトに掲載されていることがほとんどですので、ぜひ探してみてください。
関連記事:【マーケターが解説】製造業が行うマーケティングの基本とは?必見の成功事例3選
④社外からの意見も取り入れて説得資料を作成する
マーケティングのプロやコンサルタントなど社外の専門家から意見やアドバイスを得るのも一つの手段です。市場トレンドや競合情報を照らし合わせながら、今すべき打ち手を客観的に導き出してくれます。
当社含め、無料相談を受け付けている企業も多くあります。自社にWebマーケティングを導入することにつまづいた際は気軽に相談してみるとよいでしょう。
マーケティングの費用対効果、実現可能な1ヵ年〜3ヵ年計画などを、Webマーケティングの必要性を示すデータの作成も手伝ってもらえるため、社内説得もスムーズに行いやすくなります。
Webマーケティングの社内評価が高い組織の特徴
ferret Oneでご支援させていただいている製造業で、Webマーケティングの社内評価が高い組織の特徴をまとめました。
Webマーケティングで成果を出し、可視化できている
経営者がWebマーケティングへ理解がある
Webマーケティングで成果を出し、可視化できている
Webマーケティングで成果が上がると合わせて、社内での評価が上がっていくケースが多いです。
Webマーケティングで成果を出すには、目的・目標を明確にした上で、成果を出すために必要なツールを導入する手順が重要です。CMSやMAツール、SFAなど、Webマーケティングのツールを導入したものの、活用できず成果が出ず、予算が削減されてしまったというご相談が多くあります。何ができるかに加えて、自社の社員が扱いやすいツールを選びましょう。
さらに、成果を可視化できる仕組みも整えていく必要があります。
例えば、当社で支援させていただいている製造業企業は、Webサイトからどれくらいリードが取れたのか(Webサイト経由の引き合いの数)を可視化し、社内に周知されています。このように、目に見える成果が出ることで社内で「すごい!」と評価が上がり、モチベーションも高まるのです。
経営者がWebマーケティングへ理解がある
経営者がWebマーケティングに理解がある企業は、積極的に取り組みんで成果を出しています。
Webマーケティングの推進は、多くの場合DXの推進の一部として取り組まれています。経済産業省が公表しているデジタルガバナンス・コードで、企業のDXに関して経営者に求められる対応を取りまとめられているほど経営者の理解は重要です。Webマーケティングの推進は会社の営業スタイルを大きく変える事業のため、経営方針に組み込まれるべき事項になります。
もしも経営者が社内のWebマーケティングの推進に関わっていないのであれば、部署だけでなく、経営者も含めた会議で成果や取り組みを報告することが重要です。経営者が自社のWebマーケティングについて知らない状況にならないように、気をつけましょう。
製造業のWebマーケティング成功事例
ferretを導入いただいた製造業企業の成功事例をご紹介します。
化学工業メーカー/株式会社新菱 ニーズの掘り起こし
化学工業メーカーの株式会社新菱様の事例です。
Webマーケティングに取り組むきっかけとなった 課題
資源リサイクル関連事業が、ゼロエミッションによる産廃処理のニーズ減少により伸び悩み、新規事業にチャレンジするも顧客を獲得できず、どの業界にニーズがあるのか分からないという状況に課題を感じていました。
Webマーケティングに取り組んだ結果
サイトリニューアルし、Webサイトからの情報発信やメルマガなどWebマーケティングに注力。
取り組みの結果、今まで想定していなかった業界からの問い合わせがあり、ニーズの掘り起こしに成功し、反響に応じた施策が打てるようになりました。
また、Webサイトの流入数、お問い合わせ数が増加したことで、Webマーケティングに消極的だった部署からも関心を持ってもらえ、新たな顧客開拓の手段としてWebマーケティングが有効だと組織内変革をすることにも成功しました。
▼事例の詳細はこちら
https://ferret-one.com/cases/041-shinryo
ホイストメーカー/株式会社キトー 成果の可視化
ホイストメーカーの株式会社キトー様の事例です。
Webマーケティングに取り組むきっかけとなった課題
既存取引先だけで引き合いがくる状態でしたが、代理店販売をメインとしているためお客様の顔が見えず、どのようなニーズがあるのか見えづらいことに課題を感じていました。
また、国内営業の市場で現状のままの営業体制だと、既存顧客からの売上はあるものの、これ以上飛躍的な売上は期待できないだろうという懸念がありました。
Webマーケティングに取り組んだ結果
サイトリニューアル後、情報発信を強化し、Webサイトから資料ダウンロードできるようにしたことで、Webサイトの訪問者が右肩上がりで公開から13~ 15%増加しています。
資料ダウンロード数も月500件、お問い合わせは月200件前後でと今まで見えなかった成果が数字で可視化されたことで、Webマーケティングをなぜやる必要があるのか、どういう効果が見込めるのかということも、社内で説明しやすくなりました。
▼事例の詳細はこちら
https://ferret-one.com/cases/kito
【製造業向け】おすすめ無料のお役立ち資料
ferret Oneでは、多くの製造業企業さまのマーケティングをご支援しております。そのノウハウをもとに、マーケティングに役立つ資料を作成しております。ぜひご活用ください!
まずはマーケティング施策・事例をひと通りざっくりと知りたい方へ
商材や業界構造を踏まえたマーケティング方法・体制づくりを知りたい方へ
→新規開拓したい製造業向け商材タイプ別マーケティング実践ガイド
新規事業にお悩みの方へ
→製造業の組織構造からみる新規事業におけるマーケティングの始め方
あなたにも当てはまる"勘違い"があるかも…!
→製造業のマーケティング担当者に一度は読んでいただきたいよくある勘違い集
Webマーケティングの重要性と成果を示そう
Webマーケティングの社内評価が低く、Webマーケティングが推進しづらいという課題を抱えた製造業の方は多くいらっしゃいます。その課題を紐解くと、以下のような業界特有の背景が見えてきました。
- 「良いものを作れば売れる」と思われているから
- Web上に顧客がいないので、やっても意味がないと思われているから
- 営業組織間の連携が取りづらいから
- Webマーケティングのノウハウを持つ人材がいないから
Webマーケティングを推進するには、こうした自社の課題背景を踏まえてWebマーケティングの必要性と成果を数字で示し、Webマーケティングへの社内理解を高めることが重要です。Webマーケティングがなぜ必要なのかを調査データをもとに解説した資料もご用意しましたので、ぜひ本記事と合わせてご活用の上、社内説得にお役立てください!
→Webマーケティングの重要性について社内を説得したいときに読む資料
弊社「ferret」はBtoBマーケティングを総合的にサポート。マーケティングツールやコンサル・代行支援など、幅広いサービスの中から貴社に最適な解決策を柔軟にご提案します。
CMSやMAなどのツール、戦略設計、Webサイト制作、コンテンツ制作など、BtoBマーケティングにお困りごとがある方はぜひ資料をご覧ください。