セミナー「知識不足、運用環境、人手不足を乗り越えて成果を上げる経営者のためのBtoBマーケティング強化セミナー」開催レポート
2023年9月21日に「知識不足、運用環境、人手不足を乗り越えて成果を上げる経営者のためのBtoBマーケティング強化セミナー」と題して、セミナーを開催しました。
BtoBマーケティングがなかなか進まない原因として、企業が抱えている課題は大きく3つ。
まず、BtoBマーケティングの経験がなく推進ができない「知識」の課題。さらに、プロセスが複雑で業務が非効率的になってしまっている、もしくは外注に頼りきってしまっているなど、なかなか思うように施策の実行改善ができない「運用環境」の課題。そして、労働力減少の中、BtoBマーケティングに精通した人材の育成/採用が追いつかず社内にマーケティングを専門とする人がいない「人材」の課題。
BtoBマーケティングで成果を上げるために立ちはだかる各課題解決に特化したサービスを開発・提供している3社より、課題をどう乗り越え、どう成果に繋げていくのか、具体的なノウハウと打ち手をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.登壇者紹介
- 2.SESSION1:BtoBマーケの必要性-ゼロからわかる進め方と投資すべき理由とは-
- 3.BtoBマーケティングとは
- 4.BtoBマーケティングでやるべきこと「戦略編」
- 5.BtoBマーケティングでやるべきこと「施策編」
- 6.SESSION2:ヘビーマーケティングに陥らず、マーケティング成果を最大化させるための環境づくり
- 7.なぜヘビーマーケティングになるのか?
- 8.PDCAを回せる運用環境を作る
- 9.成果を最大化させるのは小さな改善を積み重ねるサイト運用
- 10.SESSION3:プロ人材を起用したマーケ組織の構築メソッド
- 11.デジタルに取り組む組織が直⾯する課題とは
- 12.⼈材不⾜の解決⼿段
- 13.「クロスファンクショナルチーム」の運営方法
- 14.まとめ
登壇者紹介
ナイル株式会社
デジタルマーケティング事業部 マーケター/SEOコンサルタント
青木 創平 氏
立教大学大学院修了。2019年ナイル株式会社に新卒入社。
Webコンサルタントとして大規模ECサイトから、BtoBサービスサイトなど幅広く対応する。特に技術的SEOへの造詣が深く、複雑なSEO案件や、100ページを超えるSEOガイドラインの執筆経験も。
現在は社内マーケターとしても、自社サイトの運営を主軸に、広告運用、メールマーケティング、ウェビナー企画・運営、YouTube出演、インサイドセールス業務など広く実施している。
著書「SEO初心者が知っておきたいGoogle機能の基礎知識」 (翔泳社)
株式会社BLAM
マーケティングDX部 部長
中島 崇光 氏
2014年、大手Web専業広告代理店である株式会社 OPTに入社。国内の大手金融機関、Fintechアプリ業界に特化したマーケティング支援を行う。2019年よりデジタルマーケティングの支援会社へジョイン。新規事業の立ち上げとクライアント支援事業の責任者を兼任。現在は株式会社BLAMにて顧客のマーケティングDX支援を行う部門の部長を務める。
株式会社ベーシック
ferret One 事業部 マーケティング部菊池 貴行
金融機関、メディア運営会社を経て、2018年より株式会社ベーシックへ入社。
ferret Oneカスタマーサクセス部にて、オンボーディングチーム立ち上げメンバーとして活躍。戦略立案からサイト運用まで、顧客の「BtoBマーケティング」の立ち上げ支援を行う。累計担当社数は120社以上。これまでの豊富な経験をもとにした、実務に使えるセミナー内容に定評がある
※セミナー当日、株式会社ベーシックの登壇者が変更になりました
SESSION1:BtoBマーケの必要性-ゼロからわかる進め方と投資すべき理由とは-
SESSION1では、ナイル株式会社青木 創平氏に「知識不足」の解決に向けて、取り組むべきマーケティング施策を見つける方法を解説していただきました。
BtoBマーケティングとは
青木氏:
BtoBマーケティングの商材は、BtoCのようにその場でネット上で売れるというものではなく、商談の場を設けて、「こういうふうにやっていきましょう」とか「こういう期間で取り組んでいきましょう」とか、話し合いの中で購入するかどうか決めていくことが多いため、営業活動もセットで考えなければなりません。
そのため、BtoBマーケティングをかみ砕いていうと、購入してくれる可能性のあるお客様(見込み顧客)と商談機会などの接点を創出する取り組みといえます。
なぜBtoBマーケティングは難しいのか?
BtoBマーケティングが難しいといわれる2つの原因を解説いただきました。
できることが多い上、各施策の難易度が高いから
青木氏:
BtoBマーケティングですべきこと、つまり購入してくれる可能性のあるお客様と接点を持つ取り組みはシンプルにできることが多いのです。選択肢が多いため、何から取り組めばいいのか判断しづらくなってしまいます。
その上、各施策の難易度が高いのもBtoBマーケティングの難しいところだと思っています。私のファーストキャリアはSEOなのですが、SEOに関して自信をもって取り組めるようになるのに3年ほどかかってしまいました。
リードタイムが長く、営業がお客様と会えるまでに時間がかかってしまうから
リードタイムが長く、営業がお客様と会えるまでに時間がかかってしまう点も挙げられます。
実際に弊社でも、最初にお問い合わせいただいてから導入に至るのは1年ほどかかっているケースもあります。BtoBマーケティングはBtoCと違い、課題を持ってからすぐに購入するに至ることはなかなかありません。
しかもお客様は定期的に会っていかないと、我々のことを忘れてしまいます。
BtoBならではリードタイムの長さを考えると、長期にわたり顧客と様々な接点を持ち続ける、つまり覚えてもらい続ける必要があります。
BtoBマーケティングでやるべきこと「戦略編」
青木氏:
BtoBマーケティングに実際にどう取り組めばよいのか?まず最初にやっていただきたいのが、「見込み顧客の定義」です。
このようなことを考えていく作業になります。
- 自社にとっての見込み顧客は、どういう人なんだろう?
- どういう人が商品を買ってくれるのだろう?
- 自社の商品は、どういう人たちにとって役に立つものなんだろう?
見込み顧客の定義が決まれば、どのように接点を持つのか、具体的な施策を決めていくことができます。
①受注・有効商談分析から見込み顧客の定義を見つける
青木氏:
見込み顧客の定義をするには、受注・有効商談分析を行い、商談化しやすい企業の特徴の仮説を立てていくのがおすすめです。過去のデータから検討度の高い企業の特徴、受注率の高い企業の特徴、初回の提案額ごとの企業の特徴などを見つけましょう。
最初から細かく特徴を探していくのは難しいと思いますので、まずは最低限BtoB/BtoC・業界、売り上げを見てください。その上で、どういう課題を持ってるお客様に商品が刺さってるのかを見ていくと見つけやすくなります。
この時大切なのは、分析で明らかになった事実を文面通りに捉えるのではなく、そこから仮説を導き出す材料の1つにすることです。例えば、このような仮説立てをしてくことができます。
- マーケティングのチームがあるということは、既にマーケティングの重要性を理解しているのではないか?
- 商品単価が高いということは、マーケティングに予算を取りやすいのではないか?
②見込み顧客と接点を持てているかどうかで施策を検討する
青木氏:
見込み顧客を定義したら、見込み顧客との接点の有無に応じて、アプローチ方法が決まってきます。
例えば、まだ接点が持てていないのであれば、新規リード獲得施策を実施します。一方、既に接点が持てているが商談はできてないのであれば、メールを送って再アプローチをしてみます。
BtoBマーケティングでやるべきこと「施策編」
「施策編」では具体的にどの施策を実施すべきかの判断方法を解説いただきました。
施策の優先度の決め方
青木氏:
どの施策を実施すればよいかについては、商談獲得に不足しているものを解消する施策を探すと決められるはずです。リード獲得に繋がりにくい施策の優先度を下げるとか、スピード感を上げてやりたいから長期施策は後回しにするとか、対象ユーザーとの接触の可能性が高いかどうかとか。
ただ、この段階で各施策の特徴を把握して、何をすべきか絞り込むのは難しいと思います。まずは、詳しい会社の話を聞いてみたり、施策に関する書籍で勉強いただくといいのかなと思います。
BtoBマーケティングは施策が多いので、最初から全施策の勉強をスタートするよりも、施策が定まってからその施策について勉強する方が無理がないのでおすすめです。
施策実行が難しい場合は外注も検討する
青木氏:
やったことのない施策を実行する場合、自社だけでするのはかなり難しいと思います。
見込み顧客との接点を創出するためには、ある程度スピード感や予算に対して成果を出すことが求められます。
施策難易度の高さと成果の面で、最初は外注するのも1つの方法です。徐々に慣れてきてノウハウがたまっていったら、自分たちだけでやっていく内製化を意識していただくのがおすすめです。
▼ナイル株式会社様のご提供するサービスはこちら
https://www.seohacks.net/service/
SESSION2:ヘビーマーケティングに陥らず、マーケティング成果を最大化させるための環境づくり
SESSION1では、株式会社ベーシック菊池貴行が「運用環境」について解説いたしました。
BtoBマーケティングを実施する環境で重要となるのは、Webサイト。Webサイト運用環境を中心に、成果を上げるための運用方法まで分かる内容となっています。
なぜヘビーマーケティングになるのか?
作業に追われてコンテンツ制作に時間をさけない状態「ヘビーマーケティング」。その原因を探り、ヘビーマーケティングに陥らない運用環境を解説しました。
ヘビマーケティングとは?
菊池:
そもそも本来マーケターが行う仕事は大きく分けて2つです。
お客様の課題解決になるようなコンテンツを作成すること、そして作ったコンテンツをターゲットユーザーにお届けすること。
優先順位を考えると、マーケターが成果を出すために注力すべきは、コンテンツを作成する仕事の方です。お客様の課題を解決し信頼を得るためには、お客様がどのような課題を抱えているのか解像度を上げ、適切なコンテンツを提供することが重要です。その結果、商談の機会を生み出すことができます。
しかし、施策実行時のSEOや広告出稿などのコンテンツを配信する作業に時間を取られてしまうマーケターが多くいらっしゃいます。ターゲット分析をして、その課題解決に上がるコンテンツを企画する時間がさけていないのです。
そのような状態を当社では「ヘビーマーケティング」と呼んでいます。
なぜヘビーマーケティングに陥るのか?
菊池:
ヘビ―マーケティングに陥る原因は、BtoBマーケティングの各施策を実施するためのツールが沢山あることです。
コンテンツの配信やデータ解析業務は有効なツールが多く、効率化・自動化していくことができるようになっています。特に今年はChatGPTなどのAIが出現し、さらに効率化・自動化できる範囲は広がってきています。
しかし、施策ごとに使い分けること、そもそもツールの使い方を学ぶことが難しく、効率化・自動化できるまで使いこなせるまでに時間がかかってしまう原因にもなってしまっているのです。
ヘビ―マーケティングに陥らないようにするには?
菊池:
「ヘビーマーケティング」に陥らないようにする、または抜け出すためには、運用環境を整えることです。
そこで重要なのが、自社で使いこなせるかつ、使いやすいツールを選ぶこと。
例えば、弊社の「feret One」はBtoBマーケティングの認知~受注までのすべてのフェーズの施策を実行するためのオールインワンツールです。複数のツールを使いこなすのが面倒という方はこのようなツールを探してみると良いでしょう。
ヘビーマーケティングにならないように、自社に合ったツールを吟味して、マーケティングがスムーズに実行できる環境を整えていただけるといいかなと思います。
PDCAを回せる運用環境を作る
マーケティングで成果を出すための運用環境について、具体的に解説しました。
成果をあげている顧客の共通点
菊池:
具体的にどのような運用環境であれば、ヘビーマーケティングにならずに、マーケティングで成果を出していけるのか?
当社でご支援いただいている企業様で成果を上げている企業様の共通点をまとめると、PDCAを早く回せる運用環境を整えていることが分かります。
Webページやブログ記事の作成を内製化をしており、更新頻度が高いことが挙げられます。修正があっても、パパっと5分で直されているような会社が多く、対応がすごく早い。こういったことができることによって、事例やホワイトペーパー、セミナーなどのコンテンツをたくさん制作できているのです。
その際、ただコンテンツをたくさん作るのではなく、きちんと目標を明確にして取り組まれているのも特徴です。例えば、受注目標から必要な問い合わせ数を逆算し、そのために何を、どれぐらいやらなければならないのかを念頭に打ち手を考えることで、成果にコミットしたコンテンツ制作ができています。
また、青木さんの解説にもありましたが、BtoBマーケティングの施策実施は難易度が高いです。なので、初期の立ち上げ段階では割り切って、一定の投資をして外注したり、広告運用をしたりなど、最初のサイト訪問数をしっかり生み出そうとされています。
運用環境を改善して成果に繋げた事例
菊池:
マーケティングの運用環境を改善して成果に繋げた事例として、組織人事コンサルの株式会社リンクアンドモチベーション様をご紹介させていただきます。
リンクアンドモチベーション様は限られたコストと人員しかいないところから始め、「ferret One」を導入いただきWebサイト制作の内製化を目指されました。
導入前のマーケティング課題は広告出稿されていたものの、結局のところ広告の受け皿となるWebサイト自体を改善しないと成果に繋がらないと感じていたということです。
また、外注の制作会社さんへの外注費用とコミュニケーションコストによる施策のスピード感も課題に感じられていました。
実際に「feret One」導入後は、Webサイト制作の内製化も進み、コンテンツの量産体制が整ったことで、8ヶ月の間で250以上の施策を積み重ねて、自然検索Webサイトの流入数が4倍になるという大きな成果を上げられています。
成果を最大化させるのは小さな改善を積み重ねるサイト運用
PDCAを回せる運用環境で、成果を最大化させるためにすべき具体的なサイト運用方法を解説しました。
60点でも良いので早くリリースし、100点に近づけていく
菊池:
よく皆さんからいただくご相談・ご要望で多いのが、最初から100点のサイトを作るということです。
ただ当社では、最初から100点のWebサイトは存在しないと考えています。なぜなら、本当に良いかどうかはユーザーが決めることで、最初はまず仮説を立ててたたきを作るしかないからです。
おすすめしているのは、まずは60点でも早くしっかりリリースし、ユーザーのデータや反応をしっかり見ながら、改善点を見つけること。PDCAを回して、残りの40点、あるいは100点以上の成果を追いかけていくのが重要です。
この方法は最初から100点を目指すよりも、むしろ近道だと考えています。
当社マーケティングチームによるサイト改善の例
菊池:
軽微な改善を積み重ねた方が、実はインパクトが大きかった結果として、当社サービスサイトがサイトリニューアル後のTOPページのCTA改善事例をご紹介します。
ファーストビューの訴求テキスト変更、CTAの変更を経て、CVRが約0.36%→約1.05%と約2.9倍に改善しました。
どんなに優秀なチームでも成功率は30%どまりだからこそ、思いついた施策の3~5倍の実行が必要だといわれています。
大幅なサイトの改善を1回行うよりも、こうした細かい改修を積み重ねていくことが非常に重要になります。
▼株式会社ベーシックがご提供するサービスはこちら
https://ferret-one.com/
SESSION3:プロ人材を起用したマーケ組織の構築メソッド
SESSION3では、株式会社BLAM中島崇光氏に「人手不足」の解決に向けて、多くの会社が直⾯している課題を紐解き、その対策を解説いただきました。
デジタルに取り組む組織が直⾯する課題とは
マーケティングを推進する⼈材の「量」と「質」の確保
中島氏:
マーケティング推進を行う上での最大の障壁とは何でしょうか?
デジタルに取り組む組織が直面する課題についての調査結果を見てみると、80%以上の方が人的リソース(量)・スキルセット(質)ともに足りてないと回答しています。
実際、我々も定期的にお客様へアンケートや対面形式でのヒアリングをさせていただいており、約7割程のお客様が人手不足からやりたいことがあっても進められないとおっしゃっています。
こうした課題が生まれる背景として、マーケティング領域の人手不足が深刻化していることがあります。
国内でWebマーケターなどマーケティング領域に従事している方々は約2万名ほどと言われています。これはセールスやエンジニアなどの職種と比べると非常に少ないです。しかもコロナ禍を契機に、「DXに取り組みたい」「デジタルの流入経路を作りたい」という企業が増えており、採用は非常に難しくなっているのです。
人手不足を解決できると成果が出る
中島氏:
もう1つ、マーケティングの各施策について、兼務と専任でどのくらい成果が違うのか分かる調査結果を見てみます。
取り組みが十分に進んでいて、成果が出ているという回答は、兼任担当者は約15%~20%、専任担当者は30%~50%と専任担当者の方が取り組みの進捗も成果も良い結果となっています。
当たり前の結果ではあるのですが、専任でリソースを特定領域に割り当てられた場合、戦略を考える時間と、施策を実行する時間、さらに施策実行で得られた気づきから次の打ち手を考えて実行する時間を増やすことができるのが、この結果となった要因でしょう。
菊地さんのパートであった通り、PDCAを早く回して試行回数が増やせることで、成果が出やすい結果になっていると思います。
「良いツールを導入できた」「戦略をしっかり練ることができた」となっても、実行することができなければ成果に結びつきません。実行するための人手不足を解決できることで、求めている成果が期待できるのです。
⼈材不⾜の解決⼿段
BtoBマーケティングはやることが非常に多いのに、人の採用は難しくなってきています。そうした中でするべきは、今いる社員で無理をして頑張るということではなく、体制の組み方や人の配置の仕方を工夫することだと中島氏は解説します。
おすすめは「クロスファンクショナルチーム」の結成
中島氏:
では、マーケティングの推進に成功している会社はどのようにして取り組んできたのか?
人材不足を解決する主な手段として良く思いつくのが、社内教育、正社員採用、外注です。
今いる社員をデジタル人材に育てていく社内教育は、成果を出すまでに時間と研修費用の投資が必要になります。
即戦力として正社員を採用することもできますが、採用コストがかかる上、アンマッチによる早期退職リスクはつきものです。
外注が求める成果を一番早く出すことができます。ただコストが高くつき、外注をやめてしまうとまたリソース不足の課題が戻ってきてしまいます。
なので、我々は各手段のメリットデメリットを良いとこどりできるのが一番良いと思い、その組織体制を「クロスファンクショナルチーム」として提唱しております。
「クロスファンクショナルチーム」とは、「全社的な経営課題を解決するために、部署や役職にとらわれず、場合によっては社外からも必要な⼈材を集めて構成されるチームのこと」です。
実際に我々も取り入れており、新しいサービスをリリースする時やマーケティング施策を実行していく時に、プロジェクトチームに社員だけでなく外部のプロ人材に入っていただいています。ただ、外部のプロ人材が入るのは1ヶ月、3ヶ月といった短期で、一定の成果を出した後は社員だけで自走するという取り組み方をするケースが非常に多いです。
クロスファンクショナルチームのメリット・デメリット
中島氏:
クロスファンクショナルチームのメリット・デメリットを解説します。
メリット①専門家が参加するので成果が早く出る
副業の方や領域に長けた方など、外部から1人専門家が社内のチームに入ることで、外注と同じように早く成果を出すことができます。
メリット②小回りが利きやすい
クロスファンクショナルチームは小回りの利くチームです。
マーケティングでは、状況に応じてすべき取り組みが変化していきます。YouTubeをやりましょう、オウンドメディアを育てましょう、CRMの環境を整えましょうなど、施策は色々。
適切なタイミングで、適切な取り組みに変えていくには、小回りの利くチームであることが良いと思っています。
メリット③社内に知見を蓄積できる
専門家と一緒にマーケティングをすることによって、マーケティングノウハウを社内の知見として蓄積することができます。
例えば、我々もオウンドメディアの運営について、専門家と一緒にプロジェクトを進めながら、記事の書き方をマニュアル化し、同じようなクオリティの記事を量産できるようにする取り組みをしています。
デメリット:社外に任せきりにできない
ただ、外部の専門家に丸投げしてしまうと要件定義ができないので、求める成果に繋がりにくく、途中でプロジェクトが頓挫してしまうケースが非常に多いです。
そうならないためには、社内チームの中にディレクションする立場の人が必要になります。
「クロスファンクショナルチーム」の運営方法
クロスファンクショナルチームの運営方法について解説いただきました。
クロスファンクショナルチームの体制イメージ
中島氏:
クロスファンクショナルチームで外部プロ人材にどのような役割を担ってもらえば良いのか解説します。図の青色のところが外部プロ人材、それ以外が自社でやっていくところになります。
戦略立案・施策立案
マーケティングで何をやるべきなのかという戦略立案・施策立案の際には、アドバイザーとして入っていただくことができます。
専門家の目線から、「今の戦略だとここがずれているので、もう1回練り直した方がいいですね」というような形でフィードバックをもらうことが可能です。
施策実行・計測
施策実行・計測の際には、OJTとして相談しながら業務を進められます。
例えば、記事の作成をお願いしつつ、自分たちでも並行して施策実行してやり方を教えてもらっています。そうすることで、外部プロ人材がいなくなった後も自分たちでできるように仕組化する取り組みを一緒に進めることが可能です。
研修・教育
研修・教育をミッションとしていただくことも可能です。
我々もそうですし、我々がご支援してる会社の組織作りにおいても、外部プロ人材に戦略や施策の壁打ち、あと一部施策実行をになっていただきつつ、定期的に研修を行っていただいて自社人材のレベルアップを図っています。
業務で施策を進める中で、レベルアップできるのは非常に効率的な組織作りだと思っております。
クロスファンクショナルチームでの業務の進め方
クロスファンクショナルチームの立ち上げから、軌道に乗るまでを時系列に沿って解説いただきました。
中島氏:
では、クロスファンクショナルチームでどのように業務を進めていけばいいのでしょうか?
適用段階
最初の段階では外部プロ人材の方に自社人材よりも多くの業務の稼働量を持っていただきます。
SEO施策を例にすると、コンテンツ作成の業務を外部プロ人材に多めに持っていただいて、自分たちはそれを一緒にやりながら学んでいくという形で進めていきます。
運用~安定段階
運用フェーズに入っていくと、外部プロ人材の稼働量は少し減らし、ページの複製や新しいコンテンツ作りを自分たちのチームでやっていくという形で、徐々に業務の引き渡しを進めていきます。
CRMやMAなどのツールの運用について、半年で安定段階まで進めてしまい、その後は3ヶ月に1回の壁打ちのみ外部プロ人材に依頼して軌道修正をしているという企業も直近は増えてきております。
マーケティングチーム立ち上げの時に、成果を出せないのは仕方がないと割り切れないですよね。
クロスファンクショナルチームでこのように業務を進めることで、ちゃんと求める成果を最短で出しつつ、社内育成して社内のマーケティングチームを作っていくことができます。
▼株式会社BLAM様がご提供するサービスはこちら
https://blam.co.jp/business
まとめ
本セミナーでは、知識不足、運用環境、人手不足を乗り超えるための方法をお話しいただきました。
- 知識不足:見込み顧客の定義、見込み顧客との接点の有無により施策の方向性を決め、実行すると決めた施策から勉強する
- 運用環境:PDCAを早く回すための運用環境を整える
- 人手不足:外部のプロ人材+自社人材でクロスファンクショナルチームを作る
ぜひ本セミナーでご紹介した方法を明日からの打ち手に活かしていただければ幸いです。
ferret OneではBtoBマーケティングに関する打ち手が見つかるセミナーを随時開催しています。ぜひご参加ください!
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> https://ferret-one.com/seminar
また、BtoBマーケティングマーケティングに関するご相談も受け付けておりますので、気軽にご相談ください。