化学工業メーカー/株式会社新菱
情報システム部 DX推進グループ
御社のサービスと、お二人のお仕事について教えてください。
三菱ケミカルグループの新菱はサーキュラーエコノミー事業、ファインケミカル事業、半導体製造装置部品等の精密洗浄、シリコンウェハの再生、ヘルスケア……と多岐に渡るのですが、私たちはマーケティングと情報システムを担当しています。(マーケティング:田中氏、情報システム:秋本氏)
ferret One導入前はどんな課題を抱えていたのでしょうか?
かつてない未知の領域の事業を創るため、営業からなど各分野の人材で新規事業開発室が新設され、そのなかのデジタルマーケティンググループには、デジタルツールを活用し、ニーズの拾い出しをする役割が課されたのです。
新業界にチャレンジするためにWebを活用するといっても、具体的にどういうことを行えば引き合いが増えるのかは、一切わかりませんでした。とにかく今の古いWebサイトを新しくすればよい、という方向でリニューアルを検討しはじめました。
ferret One導入の決め手は何でしょうか?
2つあります。
1つは、弊社側で考えていたサイトリニューアル構想を真っ向から否定されたことです。我々はWebマーケティングについては素人なんですが、素人なりにデザインにこだわろうとしていたんですね。サイトがかっこよければ問い合わせが増えるだろうと。しかしそれは違う、と本質的なことを指摘してもらえたことが、信用につながりました。
2つ目はSalesforceとの連携のしやすさです。当社はDX化の第一弾としてSalesforceを軸とした営業業務改善を進めており、サイトリニューアルと同時にSalesforceとPardotを導入しようとしていました。サイトから得られるリード情報が、Pardotに煩雑にならないように同期されることが、サイト制作をするうえでの必須条件でした。ferret OneはSalesforceとシームレスに繋がることがわかり、導入を決めました。
ferret Oneを実際に使ってみていかがですか?
導入によって変化できたことは大きく2つですね。
まずは、データの蓄積/解析ができるようになったことです。以前はサイトに来訪があるのかないのかがパッとわからない状態でした。サイト施策において、正解が分からない中でトライアンドエラーをしなければいけないことは理解していました。しかし、データが蓄積されていないとトライアンドエラーすらできません。
ferret Oneの導入により、データがパッと見やすいので、例えばスマホの流入が増えているからスマホの広告を増やそう、といった次の施策も判断しやすくなりました。
とくに行動履歴は、ユーザーがサイトのどのページに興味をもっているのかがわかるので、その興味度合いにあわせた施策を打つことができるようになりました。
例えば資料ダウンロードしたユーザーが、弊社の太陽光パネルリサイクルのページを閲覧していたので、太陽光パネルリサイクルに関するメルマガを配信したところ、メルマガ内に記載していた弊社の担当者に直接連絡があった、ということもありました。
2つ目は、UIが直感的で使いやすくなったことです。最近、組織編成があり、今までサイトを触ったことのないメンバーにサイトの編集を手伝ってもらったのですが、1〜2時間くらい操作レクチャーしただけで、ページをサクサク作ってもらうことができました。以前は全て外注していたのですが、サイト改善の意思決定から実際に反映されるまでのリードタイムは体感で3週間→1日程度に大幅に縮まりました。
また、Webサイトの状況を会議で伝える機会があるのですが、ダッシュボードのスクリーンショットをパワーポイントに貼るだけで資料が出来上がるので、とても楽になりました。
あとは機能ではないのですが、サポートの充実度合いが嬉しいです。ヘルプページを検索したら大体解決策が見つかるので、わざわざ電話で聞かなくても解決します。セミナーによく参加させてもらっていますが、参加するたびに理解度が増していき、自分がレベルアップしていると感じます。
ferret Oneを導入してどのような成果が上がりましたか?
大きく2つあります。
1つ目は、サイト訪問数が35倍に増えたことです。もちろん広告などを新たに始めたから訪問数が増えたというのもありますが、以前はデータがよく分からなかったので広告を出すという施策すらもできていませんでした。
また、サイトからの問い合わせの質も、上がっていると感じます。以前は年間30件くらい問い合わせがありましたが、サイト経由で発生する商談は0でした。営業からもサイト経由の問い合わせは質が悪い、という評価をされていましたね。しかし、現在では累計40件以上の商談が発生しており、受注もしていますし、サイト公開から現在までのCVRも増加傾向にあります。
それにより、サイト経由での問い合わせに手応えを感じた営業が、積極的に対応してくれるようになりました。これも組織としては大きな変革だと思っています。
サイト訪問者数の内訳も、最初は広告からの流入が9割を占めていましたが、最近では広告流入が7割、オーガニック流入が3割という内訳となっており、広告に頼らない体制づくりが少しずつすすんでいます。
2つ目は、顧客の新たなニーズ発見ができたことです。これはとても大きいです。美容院やアパレル業界など、今まで想定していなかった業界からの問い合わせがありました。「物流で使われている使い捨ての梱包の袋が、実はリサイクルできるのではないか」というご相談でした。今まで半導体や電子機器メーカーがメイン顧客層だった我々にとっては、とても大きなヒントでした。
美容院やアパレル業界は、アナログで営業活動をやっていたら絶対に出会えない顧客層です。これまでは、知っているところ・想定できるところにしかアプローチできませんでしたので、そういう意味でもWebマーケティングの可能性を肌で感じています。
また、副次的な効果として、別事業部がWebマーケティングに興味を持ちはじめたというのもあります。定例で事業部横断のナレッジシェアをする会議をしているのですが、そこでサイトの効果を発表したところ、別部署の部長が直々に質問してくれました。以前は、その部署はWebマーケティングに消極的だったのですが、新たな顧客開拓の手段としてWebマーケティングは有効だと思ってくれたようです。組織内変革を感じた瞬間でもあり、嬉しかったですね。
最後に、今後ferret Oneでやりたいことをお伺いできますか?
世の中の変化に合わせてどんどんタイムリーに変化していきたいと考えています。それができるのは、外注ではなく自分たちで完結できるからです。思いついたらすぐ実行できるので。
また、Pardotと連携をしたのですが、Pardot自体はまだ10%くらいしか使えていません。リードは順調に増えているので、育成施策を行い、問い合わせに繋げていく動きに集中したいと考えています。
せっかくデジタルマーケティンググループが組織として新設されたので、ferret Oneでの成果を通じて会社全体へマーケティング活動を推進していきたいと考えています。
本日はいろいろお話しいただき、ありがとうございました
ferret Oneで運用されているWebサイト
コーポレートサイト:https://www.shinryo-gr.com/
リサイクル事業部サービスサイト:https://ce3r.shinryo-gr.com/
お話いただいたみなさま
情報システム部 部長 山本 卓郎 様
情報システム部 DX推進グループ 秋本 健作 様
新規事業開発室 室長 石井 哲 様
新規事業開発室 デジタルマーケティンググループ 田中 新吾 様
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