MAツールのできることとは?使いこなす方法と導入のメリット
MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティングを効率よく、効果的に行うためのマーケティング活動であり、それを行うツールを指します。
MAツールを使いこなして効果を最大限に発揮させるためには、MAツールのできることを把握し、重要なポイントを理解しましょう。
今回の記事では、MAツールの主要な機能について説明するだけでなく、MAツールを使いこなす方法や導入するメリットについても解説します。
■当社は初めてでも使いやすいMAツールを提供しております!ぜひご検討ください。
>ferret Oneサービス紹介資料のダウンロード【無料】はこちら
■合わせて読みたい資料:BtoBならではの活用方法を知りたい方へ
→マーケティングオートメーションツール導入・活用ガイド
MAツールのできること
MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティングを効率よく、効果的に行うためマーケティング活動であり、それを行うツールです。
MAツールのできることとして、ナーチャリング活動の時系列に以下の4点が挙げられます。
- 顧客情報の蓄積
- 見込み顧客の育成
- 商談化しそうな見込み顧客の抽出
- マーケティング施策の効果検証
■合わせて読みたい資料:BtoBならではの活用方法を知りたい方へ
→マーケティングオートメーションツール導入・活用ガイド
①顧客情報の蓄積
ナーチャリング活動は、収集した顧客情報をもとに行います。顧客情報はWebサイトからのお問い合わせやセミナー参加、展示会での名刺交換など様々なチャネルで獲得していきます。
MAツールがない場合
担当者や担当部署が異なると、情報管理の形式や方法までばらばらになりがちで、管理するのは一苦労です。
MAツールを活用した場合
MAツールならば、さまざまな接点で獲得した顧客情報をひとまとめに蓄積し管理できます。Webサイト上で獲得した顧客情報ならば、自動で顧客情報が登録されるため、手間がかかりません。名刺情報などのオフラインの場合でも、csvなどでインポートすれば、数秒で顧客情報が登録できます。
このように、顧客情報を横断的に活用できるため、顧客とのコミュニケーションを円滑にすすめられるメリットがあります。
②見込み客の育成
BtoB企業では商品・サービスの購入に会社の承認が必要になるため、検討期間が長くなる傾向があります。そのため、定期的に接点をもつことで、予算消化のタイミングを待ったり、やはりこの商品が必要なのではないかと課題を顕在化させる必要があります。
MAツールがない場合
顧客がお問い合わせや資料請求の前にどのような行動をとっていたのか、行動履歴が分からないため、顧客と直接やり取りをする中でニーズを明らかにしていかなければなりません。
また、リード数が増えるとナーチャリングメールの作成が煩雑になります。数十人の場合は、顧客の属性やCVの種類を見て、ニーズに合ったメールを作成できますが、数千人単位になるとほぼ不可能です。
MAツールを活用した場合
MAツールを活用すると、顧客の行動履歴が分かるようになるため、電話やメールでやり取りする前に、何に興味があるのかを推測して、刺さる情報を準備しておくことができます。
また、蓄積した顧客情報や行動履歴からセグメント分けしたリストを作り、顧客に合った内容のメールを自動でメールを送ることができます。
MAツールを用いて顧客に自動でメールを送信する場合、例として以下のような方法があります。
- 会員登録後にコンテンツ紹介のメールを、3日おきに配信する
- 資料請求後に、セミナー紹介のメールを送る
- 製品ページを5回以上閲覧した顧客に、デモを訴求するメールを送る
このようにMAツールを利用することで、見込み顧客の育成に必要な作業を効率化できます。
③商談化しそうな見込み顧客の抽出
見込み顧客の育成をしていると、いつアポを打診できるかの見極めが難しいですよね。
ただ、検討度が上がった顧客は料金ページをみたり、資料ダウンロードを行うなど特定の行動を行いがちです。
MAツールがない場合
直接顧客とやり取りをして、ニーズが顕在化したならばアポを打診できますが、Webサイト上で商談化しそうな行動をとったかどうか判断することは、まず不可能です。機会損失になりかねません。
MAツールを活用した場合
MAツールには、特定の条件を満たしたリードを「ホットリード」として検出し、お知らせしてくれる機能があります。特定の条件については、
- 料金ページを見た
- 資料ダウンロードした
- メールを開封した
など、会社がMAツール導入時や日々のマーケティング業務をしながら適宜設定していくことができます。
「ホットリード」として検出されたリードの行動履歴などを改めて確認して、本当に検討度が高まっているのかを確認してアプローチすればよいので、機会損失を防ぎ、アポを増やしていくことができます。
④マーケティング施策の効果検証
マーケティング施策の成功率はGoogleやMicrosoftなどの世界的大手企業でも、3割程度と言われています。勝ちパターンを見つけるためには、試行回数をを増やして、いかにPDCAを早く回せるかが重要です。
MAツールがない場合
MAツールがない場合、データが蓄積されないため施策の効果検証は難しいでしょう。
- 顧客Aに○年〇月●日に電話したが、不在だった。
- 顧客Bに○年〇月●日にアポイントメールを送って、アポ獲得できた。
など、メモをとったり、エクセルなどで管理するのも非常に手間がかかり、分析のための数値データを作るのも大変時間がかかります。
MAツールを活用した場合
MAツールは、ナーチャリング活動をサポートするために、顧客の行動を分析するための機能が搭載されています。例えば以下のような機能です。
- 送信したメールの開封、メール内のリンククリックのデータ分析
- メールからのコンバージョン獲得
- Webサイトの閲覧履歴を追跡
そのため、「セミナー申込みを訴求するメールから何件申し込みがあったのか」「セミナー申込者からどの程度案件を獲得できたのか」といった数値が自動で算出されるため、簡単に効果検証を行うことができ、マーケティング施策のPDCAをまわすのに役立ちます。
▼MAの基礎知識については、こちらで詳しく解説しています
→MA(マーケティングオートメーション)とは?ツールを比較してわかりやすく解説
MAツールの主要な機能
MAツールには、リード管理、スコアリング、シナリオ作成など、多彩な機能が搭載されています。
MAツールでできる主要な機能について、解説します。
リード管理
リード管理機能とは、以下のようなリード情報を一元管理することを指します。
- Webサイトのアクセス情報
- 名刺交換リスト
- 資料請求の履歴
- セミナー申込み履歴
リードが別々に管理されている場合は横断的なデータ活用が行えないため、マーケティングの効率が低下するというデメリットがあります。
MAツールであればリード情報を一括で管理できるため、見込み客のステージに合わせて、適切な内容・タイミングでアプローチできるというメリットがあります。
MAツールを用いてリード情報を一元管理する際は、カスタマージャーニーを作成し、顧客の検討段階に合わせて適切なコミュニケーションが行えるようにマーケティング施策を検討すると良いでしょう。
スコアリング
スコアリングとは、MAツールに蓄積したリード情報がどの程度受注する可能性が高いかを算出する機能です。
「メールを開封したら1点」「資料請求を行ったら5点」「セミナーに申し込んだら10点」のように定められたルールに基づいて、顧客の行動に応じて点数が計算されます。
スコアリングの点数が一定以上になったら、デモを訴求するメールを自動で送信する、営業にコンタクトを依頼する、といった活用が行われています。
スコアリングで最も重要な点は、採点ルールの決定です。実態に基づかないルールを設定してしまうと、確度の高くない顧客ばかりが見込み客として上がってくる恐れがあります。
そのため、マーケティング部門だけでなく営業部門とも意見をすり合わせし、採点ルールを検討することをおすすめします。
▼スコアリングについて、こちらで詳しく解説しています
→BtoB営業のスコアリングとは?項目の種類とMAでの運用ポイント
シナリオ作成
シナリオとは、顧客の行動に合わせて、次に行うべきアクションを設定する一連の流れを指します。
MAツールを用いることで、以下のような一連のメール自動送信フローを作成することができます。
- セミナー終了時刻に、アンケートメールを送る
- 無料トライアルに申し込んだ顧客に、サービスの活用方法や機能説明の案内を送る
- メールの未開封者に、別タイトルのメールを送る
効果の高いシナリオを作成するためには、顧客の行動特性を理解することが非常に重要です。さまざまなマーケティング施策を試し、効果が高かったものをシナリオとして設定し自動化することから始めると良いでしょう。
▼シナリオ作成について、こちらで詳しく解説しています
→MAにおけるシナリオとは?設計手順と成功のコツ
メール作成・配信
MAツールには、メールを作成し配信する機能が備わっています。テキストメールだけでなく、HTMLメール作成機能も備えたMAツールもあるため、効果的なメールマーケティングを行う上で重要なツールです。
一般的なメール配信システムではなくMAツールを用いることで、リード情報の一元管理、シナリオ作成によるメール送信の自動化(ステップメール)が行えるため、見込み客の検討ステージに合わせたメールを送ることができます。
▼ステップメールについて、こちらで詳しく解説しています
→ステップメールの作り方とは?シナリオ設計や成功事例を解説
ランディングページ・フォーム作成
ランディングページや資料請求・セミナー申込みのフォームを作成する機能が、MAツールには備わっています。
メールの開封から、メール内リンクのクリック、ランディングページやフォームからの申し込みまでをMAツールで一括して分析することができるため、改善すべきボトルネックの分析に役立ちます。
また、ランディングページや申し込みフォームからのコンバージョンのデータもMAツールに蓄積されるため、クロスセルやアップセルに繋がる施策にも活用できるというメリットがあります。
▼ランディングページの作り方について、こちらで詳しく解説しています
→ランディングページの作り方を紹介!手順から注意点、ツールまで解説
分析・レポート作成
MAツールは、メールの開封やクリックだけでなく、MAツールで作成したランディングページや申し込みフォームからのコンバージョンといったデータを蓄積しています。
そのため、一連のマーケティング施策の効果を横断的に分析できるというメリットがあります。
また、広告連携や社内システムとの連携を行うことで、外部のデータの取り込みも可能となります。より広範囲なデータ分析が可能になるだけでなく、外部データも取り入れたレポート作成も行うことができます。
広告連携
GoogleやYahoo! の検索連動型広告やWebサイトのバナー広告だけでなく、TwitterやInstagramをはじめとしたSNS広告などを利用し、顧客との接点をできるだけ多く持つことでリード獲得の増加を図ることができます。
しかし、広告プラットフォームごとに分析ツールが存在しているため、どの広告がクリックされ、どのような人が広告をクリックしているのかデータを確認するには、時間と手間がかかります。
MAツールには、広告のデータ分析を一元管理する機能が備わっているため、広告プラットフォームをまたいだデータ分析を効率良く行うことができます。
社内システム連携
MAツールには、SFAや顧客の購入データといった社内システムと連携できる機能が備わっています。そのため、以下のような顧客へのアプローチが可能となります。
- 送信したメールから、案件獲得につながった顧客を確認する
- セミナー申込者の中から、案件未登録の顧客を抽出する
- 製品を購入した顧客に、フォローのメールを送る
社内システムと連携できるという点はMAツールの大きなメリットですが、社内システムのデータをどのように活用して顧客にアプローチを行うかを検討することが、MAツールを用いて成果を出すためには一番重要です。
マーケティングだけでなく、案件登録後の営業活動まで俯瞰して施策を検討できる体制を整えることで、MAツールの効果を最大化することができるでしょう。
▼MAツールの機能については、こちらで詳しく解説しています
→MAツールの機能とは?使い方や事例をわかりやすく解説
MAツール導入のメリット
今回紹介したMAツールの機能を活用することで、以下のようなメリットを得ることができるでしょう。
- マーケティング施策の自動化
- 横断的なマーケティング施策の分析
- 販売見込みの高い顧客情報の獲得
マーケティング施策の自動化
Webページ閲覧・セミナー申し込み・メール開封といった顧客の行動をトリガーとしてメールを自動的に送信することができます。
そのため、マーケティング施策の自動化が可能です。
横断的なマーケティング施策の分析
セミナー申し込み・SFA・購入履歴といった、従来だと分散して管理されることが多いデータを、MAツールを用いることで一元管理することができます。
そのため、どのマーケティング施策が案件獲得や製品購入に繋がったのか分析することが可能です。
販売見込みの高い顧客情報の獲得
さまざまなデータを横断的に分析し改善を行い、効果の高い施策を自動化するという活動を繰り返すことで、販売見込みの高い顧客情報の獲得数を効率よく伸ばすことができます。
▼MA導入方法については、こちらの記事で解説しています。
→失敗しないMA導入の方法とは?ツールにできることと導入手順
事例から学ぶMAツールを使いこなす方法
当社が提供している「ferret One MA」導入事例より、MAツールを使いこなす方法を探ってみたいと思います。アピ株式会社の事例を紹介します。
MAツール導入前の課題
マーケティングチームではナーチャリング活動を行っておらず、60人以上の営業がそれぞれの顧客を管理し、休眠顧客や失注顧客に対してリベンジ営業を行っていました。しかし、リード数が多すぎて新商品を案内しきれていませんでした。
MAツールの活用方法と成果
これまで一斉メールを送ったことがないところから、マーケティングチームが「ferret One MA」を使って既存顧客・休眠顧客へ向けてのメール配信を実施。マーケティングチームでのナーチャリング後に、営業にトスアップするようになりました。
初動の成果としては、ハウスリスト約1,000件と展示会で名刺交換をしたリスト2,000件弱を対象に、ナーチャリングメールを4回配信したところ、80件のお問い合わせを獲得に成功しました。
編集部がみる成功の秘訣
初めてナーチャリングに取り組む場合は、シナリオ作成やスコアリングなど、設定の難しい施策かから始めてしまうと、使いこなせずに挫折してしまいがちです。
まずは、土台作りとしてマーケと営業チームのナーチャリング体制の構築を行いましょう。施策については、メルマガ送信のような簡単にできる施策から進めていき、成功パターンを見つけていくとよいでしょう。
メール送信は、今までアプローチしていなかった顧客にアプローチする手段として最適です。メールでお役立ち資料を送付して、閲覧者に「資料見ていただいてありがとうございます。○○にお悩みでしたらおすすめの商品がありまして~」など、改めて関係をつなげるきっかけを作りやすくなります。
MAツールでできることは幅広く、難しそうに感じてしまうかもしれませんが、自社に合ったMAツールを導入して、簡単な施策から始めていくのも1つの方法です。マーケティングの効率化に悩んでいる場合は、MAツールの活用を検討してみるとよいでしょう。
▼事例の詳細はこちらをご覧ください!
→https://ferret-one.com/cases/036-api
MAツールで効果的なマーケティングを実践しよう
MAツールには、メール作成・配信、スコアリング・シナリオ作成などの機能があり、以下のナーチャリング活動の効率化し、商談創出を促してくれます。
- 顧客情報の蓄積
- 見込み顧客の育成
- 商談化しそうな見込み顧客の抽出
- マーケティング施策の効果検証
MAツールは、ナーチャリング活動の一部を自動化したり、情報を可視化してくれるサポート役です。
そのため、MAツールを使いこなすために重要なのは、MAツールを利用して、自社のターゲットとなる見込み顧客の購買行動を十分に理解した上で、顧客への適切なタイミングでアプローチする方法を検討することです。効果検証を行って、マーケティング施策の精度を高めていくことで、より商談を創り出していくことができるでしょう。
当社は、初めてでも使いやすいMAツール「ferret One for MA」を提供しています。
「MAを導入したけど、使いこなせない」とお悩みではありませんか?
ferret Oneは、BtoB施策に必要な機能を、現場のマーケター・営業が使いやすい形で搭載。
ご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。