BtoBのコンテンツマーケティングとは?成功事例から学ぶ成果につながる設計のポイント


「コンテンツマーケティング」という手法が普及し始めてから随分と経ちます。このマーケティング手法はBtoCビジネスでこそ効果を発揮すると思われがちですが、BtoBビジネスにおいても非常に重要な施策です。

本記事のテーマは「BtoB企業が取り組むべきコンテンツマーケティング」。Webマーケティングの支援を専門とする弊社が選んだ「成功事例10選」から見えてくる、BtoBコンテンツマーケティングの効果的な進め方や運用ポイントを解説します。

■合わせて読みたい資料:実践に必要な知識を網羅!
コンテンツマーケティングを始める前に知っておきたい!BtoB向け・9つのコンテンツ手法

  コンテンツマーケティングを始める前に知っておきたい!BtoB向け・9つのコンテンツ手法 今や知らない人はいないほどに普及したコンテンツマーケティング。しかし、なんとなく分かったつもりになっていても、その「コンテンツマーケティング」への理解が矮小化されたものになっていることも少なくありません。「コンテンツマーケティングって、何を指すの?」「具体的にどんな手法があるの?何から始めればいいの?」そんなお悩みを解決するために、本書ではコンテンツマーケティングの実践手法を9種類紹介します。 BtoBマーケティングのお困りごとをまるっと解決「ferret」


目次[非表示]

  1. 1.BtoBのコンテンツマーケティング成功事例10選
  2. 2.BtoBにおけるコンテンツマーケティングとは?
  3. 3.BtoBのコンテンツマーケティングは、BtoCとどう違う?
  4. 4.BtoBコンテンツマーケティングの種類とは?
  5. 5.BtoBコンテンツマーケティングのメリット・デメリットとは?
  6. 6.BtoBのコンテンツマーケティングを実践する手順とは?
  7. 7.BtoBのコンテンツ設計の手順とは?
  8. 8.BtoBのコンテンツマーケティングを成功させるためのポイント
  9. 9.BtoBのコンテンツマーケティングなら「ferret」
  10. 10.ポイントをおさえ、BtoBコンテンツマーケティングで成果を出そう!


BtoBのコンテンツマーケティング成功事例10選

コンテンツマーケティングで成果を出しているBtoBビジネスは、どのような施策を行っているのでしょうか。BtoB企業の中から、コンテンツマーケティングで成功している事例を10ケースご紹介します。


One Tip(ferret One)

弊社のサイト集客に関するブログページです。ゴールは資料ダウンロードとお問い合わせです。

コンテンツ例

  • コンテンツマーケティングを活用したBtoB事業のリード獲得ガイド
  • コンテンツマーケティングではじめる見込み客獲得入門

Webサイト https://ferret-one.com/blog

  BtoBマーケティングの成功のヒントとなるメディア|One Tip One Tipは、Webマーケティングツール「ferret One」からスピンアウトして生まれたメディアです。BtoBマーケティングにかかわる人にとって価値のあるコンテンツをお届けします。 Webマーケティングツール『ferret One』


ナイルのSEO相談室

「ナイルのSEO相談室」では、Webサイト運用担当者向けにビジネスに役立つSEOやサイト運用、コンテンツマーケティングのノウハウを、コンテンツとして発信しています。

コンテンツ例

  • サービスサイトのSEOを成功させるための「4つの心得」
  • 【多言語・多地域サイトを初めて制作する方へ】サイトの国際展開で押さえておくべきSEO要件

Webサイト https://www.seohacks.net/

Money Foward Bizpedia(株式会社マネーフォワード)

MFクラウド公式ブログの読者は、会計や税金関連でお悩みを抱える担当者や個人事業主向けにコンテンツを発信しています。ゴールはツールの無料トライアルや無料ダウンロードへの申込であり、そのためのコンテンツが掲載されています。

Webサイト https://biz.moneyforward.com/blog/


経営ハッカー(freee株式会社)

「経営ハッカー」は、freee株式会社が運営するオウンドメディアです。用語解説や経営者へのインタビュー記事のほか、会社設立/経営・戦略/経理・財務/人事・労務/上場準備/働き方改革などのテーマでコンテンツを配信し、会計初心者を育てる知識を提供。自社商品の無料利用を促し、顧客化に成功しています。

Webサイト https://keiei.freee.co.jp/


サイボウズ式(サイボウズ株式会社)

グループウェアを提供するサイボウズ株式会社が運営しているオウンドメディアです。働き方や、組織のあり方など、いわゆる「中の人」にフォーカスしたコンテンツを提供することで、潜在顧客のファン化に成功しています。

Webサイト https://cybozushiki.cybozu.co.jp/


Live Commerce(株式会社デジタルスタジオ)

国内外のEC関連ニュースや最新トレンド、ECサイトのデザイン、スマホ対応など、EC事業者やこれからECに取り組みたいと思っている読者が気になるようなコンテンツを提供するブログです。記事は社員が専門家として執筆しており、自社の豊富なノウハウや仕事における信頼の高さをアピールするのに成功しています。

Webサイト http://www.live-commerce.com/ecommerce-blog/


バーコード講座(株式会社キーエンス)

幅広い分野の製造業において、測定機器、解析機器などを提供する株式会社キーエンスが運営するメディアです。メディア内では、バーコードの原理や選び方を丁寧に紹介するコンテンツが揃っており、その細かさや知識の深さから、コアなファンを獲得し実顧客化に成功しています。

Webサイト https://www.keyence.co.jp/ss/products/autoid/codereader/


CustomerSuccess(株式会社セールスフォース・ドットコム)

世界最大のCRM(顧客関係管理)ソフトウェアのベンダーである株式会社セールスフォース・ドットコムが運営するオウンドメディアです。メディア内では、企業のマーケティング、営業活動を支援する実用的なノウハウや知識がわかりやすく書かれたコンテンツを配信しています。

Webサイト https://www.salesforce.com/jp/blog/


ラクスルマガジン(ラクスル株式会社)

ネット印刷を手掛けるラクスル株式会社が運営するオウンドメディアです。お客様の声やラクスルの活用方法だけでなく、「印刷物の基本的な知識」や「デザインやレイアウトの知識」などのコラムを掲載しています。法人利用に特化した「法人向けコラム」も設置しており、幅広い顧客に向けてアプローチしているのが特徴です。

Webサイト https://raksul.com/magazine/


ガイアックス ソーシャルメディアラボ(株式会社ガイアックス)

企業のソーシャルメディアの構築・運営・監視をサポートする株式会社ガイアックスが運用するオウンドメディアです。ソーシャルメディアのマーケティングにおいての活用方法や、炎上を防ぐためのポイントや対処法などSNS運用担当者が知りたい情報を配信しています。

Webサイト https://gaiax-socialmedialab.jp/


BtoBにおけるコンテンツマーケティングとは?

そもそもコンテンツマーケティングとはどういうものなのでしょうか?コンテンツマーケティングをBtoBに活用するなら、どういったやり方があるのか見ていきましょう。


コンテンツマーケティングとは?

自社の商品やサービスだけでなく、ターゲットに対して価値ある情報(=コンテンツ)を提供し、注目を集めるマーケティング活動です。集客フェーズの一環として、または、既存顧客に対する顧客満足維持活動の一環としても行われます。

提供するコンテンツはあくまでも「ユーザーにとっての有益な情報」であり、自社の商品を積極的に売り込む営業的要素はありません。

コンテンツマーケティングは、興味を持ってもらうまでは売り込みをしない「インバウンドマーケティング」の一つです。

潜在顧客や既存顧客に対し、有益な情報や面白いと感じてもらえるコンテンツを配信し、関係性を築くことや関係を維持することを目的としています。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?BtoBの成功事例を解説


BtoBこそ、コンテンツマーケティングをやるべき理由

Webサイト上コンテンツは、いわゆる「記事」だけではありません。BtoBのサイトならば、製品・サービスの情報や企業情報、製品の導入事例などが挙げられます。セミナーの告知やお役立ち情報もあるかもしれません。これらすべてが「コンテンツ」です。

サイトを訪問した見込み顧客は、コンテンツを見て「この製品・サービスを導入するか」を検討します。だからこそ、訪問者にとって有益なコンテンツを掲載して興味を持ってもらうことがコンバージョンにつながるのです。

逆にコンテンツが少ない状態だと、「検討に必要な材料がないから候補から外そう」と思われかねません。勢いではなくじっくり検討されるBtoB製品のマーケティングには、コンテンツの充実が必要不可欠なのです。


BtoBのコンテンツマーケティングは、BtoCとどう違う?

BtoBとBtoCではターゲットの特性が違うので、アプローチの方法も異なってきますコンテンツの内容も、ターゲット特性に合ったものにする必要があるのです。

特にBtoCマーケティングの経験はあるけれどBtoBマーケティングに初めて取り組む担当者様は、その違いに注意が必要です。BtoCのノウハウをそのままBtoBに適用しても、思うように成果が上がらない可能性があります。具体的な相違点を解説します。


BtoBは、意思決定に必要な情報を提示する。BtoCは、共感から入って感情に訴える

BtoCマーケティングは「共感」が大切とよく言われます。BtoCの購入意思決定には個人的な感情や嗜好が大きく影響するため、「気に入ってもらう」ことが非常に重要です。そのため、まずは共感を得て気持ちを引きつけ、感情に訴えて購買意欲を刺激するフローが主となります。

一方BtoBにおいては、問い合わせ、購入の意思決定を左右するのは個人的感情ではなく、製品やサービス自体の機能や実績、導入した場合のメリットなどの情報です。複数の情報から理性的に判断すると考えられます。

たとえば、新しく開発したボールペンを売りたい場合を考えてみましょう。

BtoCの場合

BtoCならば、デザインやブランド名をアピールするでしょう。あるいは、「こんなにすらすら書ける!」という動画広告を作って書き心地の良さを想像してもらうのもいいかもしれません。こうして「これを持っている自分はかっこいい!」「気持ちよく書けそう!」という感情を喚起するのがBtoCマーケティングのメソッドです。

BtoBの場合

一方BtoBで必要なのは、複数のビジネスマンが理性的にその製品・サービスの購入を検討した際に決定打となる情報です。ボールペンの場合ならば、「インクの持ちが従来製品と比べてどのくらいいいか」「価格を抑えてあるが十分な機能を有していることの証拠となるデータ」などの情報を提供するのがBtoBマーケティングのメソッドです。


BtoBでは「売上が上がる」もしくは「コストが下がる」を訴求すべし

BtoBマーケティングの基本は「この製品・サービスを導入するとどのようなメリットがあるのか」を提示し、データや解説を揃えて納得してもらうことです。この「メリット」は突き詰めていくと「売上が上がる」か「コストが下がる」の二種類に分類されます。

業務効率化のツールやシステムであれば人件費カットによるコストダウンにつながります。見込み顧客に効率的にコンタクトを取れるツールであれば、それによってどのくらい売上が上がるのかをアピールすることができます。

BtoBでは、このどちらかのメリットを明確に数字で示すのが重要です。

関連記事:BtoBマーケティングとは?マーケターが教えるBtoCとの違いと成功事例

関連記事:【5分でわかる】BtoBビジネスとは?BtoCとの違いをわかりやすく解説


BtoBコンテンツマーケティングの種類とは?

ここでは、コンテンツマーケティングの代表的な種類を7つご紹介します。

  • ブログ
  • ホワイトペーパー
  • 自社の導入事例紹介
  • メルマガ
  • 動画コンテンツ
  • ソーシャルメディア
  • プレスリリース


ブログによるコンテンツマーケティング

ビジネスブログは、コンテンツマーケティングにおいて、オウンドメディアの中心的存在になります。

単純に思いつくままブログを更新しても、その効果は発揮されません。ブログを有効的なマーケティングツールとするために、重要なポイントは以下の3つです。

  • サービスサイトとブログの相互の移動が簡単であること
  • SNSのシェアボタンがわかりやすい位置にあること
  • さらに深い情報取得のための資料ダウンロードやサービス紹介バナー

また、ブログのカテゴリー内は読者が知りたい情報の記事に簡単にたどり着けるように、カテゴリーや人気記事ランキングなど読みまわりやすいレイアウトになっていることが必要と言えるでしょう。

関連記事:【超入門】オウンドメディアの意味とは?編集部が伝えたい運用メリット


ホワイトペーパーによるコンテンツマーケティング

ホワイトペーパーとは、「顧客にとって役に立つ資料」をダウンロードしてもらう引き換えに、個人情報を入手する手法です。

商談などで直接会わなくても名刺交換と同等の情報を獲得できることは、ホワイトペーパーでのコンテンツマーケティングの最大のメリットと言えます。

ホワイトペーパーに記載する内容は、営業的要素ではありません。あくまでも、「顧客にとって役に立つ資料」であることが、ダウンロードにつながる重要な要素となります。

「どんな情報」が「どんな顧客層」にダウンロードされたのかを分析することで、顧客の興味や関心の高さを把握できるので、より上質な情報提供ひいては見込み顧客の実顧客化につなげられるでしょう。

関連記事:ホワイトペーパーとは?顧客が欲しくなる資料の書き方


自社サービスの導入事例紹介によるコンテンツマーケティング

見込み顧客の比較・検討段階で購買につなげる有効な手法は、自社商品やサービスの導入事例紹介によるコンテンツマーケティングです。

自社の商品やサービスを導入したことでどのように業務改善が見られたのか、など第三者のリアルな声をコンテンツとして公開します。

自社サービスの導入事例紹介コンテンツマーケティングにおける効果は、以下の通りです。

  • 実際に導入した顧客のリアルな声なので、信用度が高い
  • 顧客視点から見る、商品の付加価値を伝えられる
  • 具体的な課題解決に向けての取り組み方を紹介できる
  • 導入企業へヒアリングは、関係強化やサービス改善につながる

導入事例を読み込むことで、導入後のイメージが湧き購買率が高くなるので積極的に活用していきましょう。

関連記事:効果的な導入事例の書き方とは?弊社の構成テンプレートで解説


メルマガによるコンテンツマーケティング

メルマガは、企業が任意のタイミングで配信でき、低コストでオウンドメディアへ誘導できるコンテンツマーケティングです。
ただし、営業色が濃く、ユーザーにとってメリットが少ないと判断されたメルマガは、なかなか開封してもらえません。

開封率の高いメルマガを制作する際に特に気を付けるべきポイントは3つです。

  • 件名の付け方
  • 読者にとってのメリット
  • 情報の鮮度

件名は30文字以内を目安とし、特に伝えたい重要な内容は前半15文字以内に配置するようにしましょう。「メルマガ会員限定・無料セミナー」など、読者にとってメリットを感じられる内容も開封率を上げることに繋がります。

「今だけ!」など期間限定の単語も、人が惹きつけられるポイントです。鮮度の高い情報を積極的に取り入れていきましょう。

関連記事:BtoBでメルマガは効果ある?成果を出す書き方・運用方法


動画コンテンツによるコンテンツマーケティング

動画コンテンツは、近年急激に注目を集めているマーケティング手法です。動画コンテンツが多くの人に受け入れられている要因は3つあります。

まず、スマートフォンやタブレットと言った軽量なデバイスが普及したこと。次に、高速通信回線が整備により、いつでも手軽に動画が視聴できるようになったこと。最後に、YouTubeなど、誰でも簡単にアップロード・視聴できる動画プラットフォームが整備されていることです。

動画コンテンツは、テレビCMに比べて制作や配信にかかる費用をぐっと抑えられるので、手軽に導入できるのも大きなメリットです。

また、テレビCMは想定しているターゲットへ的確に情報を届けられる確証はありません。しかし、動画コンテンツはターゲット自らが検索して視聴してくれるので、費用対効果が非常に高いと言えるでしょう。


ソーシャルメディアによるコンテンツマーケティング

どんなに魅力的なコンテンツを作っても、その存在自体が知られていなければ、見に来てくれる人はいません。

そこで、ある一定のテーマに興味のある人が集まっているソーシャルメディアでコンテンツを拡散することで、存在を認知してもらいます。更新を通知したり、作成した記事をイベント等に合わせて情報を拡散することで、コンテンツへの流入を増やすチャンスを作るのです。

コンテンツ次第では二次拡散も期待できるので、オウンドメディアへの流入のきっかけになる重要なフックと言えるでしょう。

また、ブログでコンテンツを公開し、ソーシャルメディアでコミュニケーションを取ると、より関係性が深まり、マーケティングとしての効果が高くなります。

関連記事:BtoB向けSNSマーケティングの効果的な活用手順を徹底解説【事例付】


プレスリリースによるコンテンツマーケティング

プレスリリースとは、企業・団体が経営に関わるニュースや新商品・新サービスの情報を、主にマスメディアに向けて発表する公式情報のことです。

公表した内容をマスメディアに記事として取り上げてもらうことを目的としています。マスメディアには連日多くのプレスリリースが届くので、記事として取り上げてもらえる確率は高くありません。しかし、取材依頼が来て実際に記事になった場合、広告費をかけることなく自社商品やサービスのPRを行えるので、しっかりと活用しましょう。

プレスリリースを行うメリットは、もう一つあります。それは、自社のサイトを訪問しない人にも情報が届くことです。

マスメディアは、その名の通り、大衆をターゲットとしたメディアですので、情報を受け取る人の属性が固定されません。不特定多数の属性の人に情報が届くことで、新たな顧客獲得につながる可能性もあります。


BtoBコンテンツマーケティングのメリット・デメリットとは?

BtoBにおいてコンテンツマーケティングを実施すると、売上や事業の拡大に貢献します。また、コンテンツマーケティングを進める上での注意点を把握し、対策をたてておくことで、スムーズな事業推進が可能です。

BtoBコンテンツマーケティングのメリット・デメリットをご紹介します。


BtoBコンテンツマーケティングのメリット

BtoB企業がコンテンツマーケティングに取り組んだ場合、期待できるメリットは主に以下の4つです。

  1. 低コストでスタートできる
  2. コンテンツが資産となる
  3. 良質なコンテンツは拡散される
  4. コンテンツ制作の外注が可能

それぞれ、詳しく解説します。


1. 低コストでスタートできる

コンテンツマーケティングの一番のメリットは、低コストで始められることです。

オウンドメディアの構築、ブログの開設や記事の制作、SNSの開設は自社の社員で対応できます。そのため、コンテンツマーケティングは初期費用を「人的コスト」のみで始められます。

また、良質なコンテンツを配信すれば、検索順位があがり、Web表出度が高くなります。広告費をかけることなく、努力次第で人の目に留まりやすくなることもメリットと言えるでしょう。


2. コンテンツが資産となる

過去に発信したコンテンツはWeb上に残り続け資産として貯まっていくことも、コンテンツマーケティングの大きなメリットと言えます。

従来のリスティング広告などは「消費型」とされ、コストをかけ続けなければその効果は保持できません。

コンテンツマーケティングでは、作成したコンテンツは蓄積され続け、さらにユーザーに求められる質が高いと評価された記事はGoogleにより上位表示されます。そのため、自動的にコストをかけず集客されるようになります。


3. 良質なコンテンツは拡散される

スマートフォンの普及に伴い、SNSの利用者は爆発的に増加しました。大半のユーザーはソーシャルメディア上に多く存在しており、「参考になる情報」や「面白い情報」などを共有(シェア)することで、自己実現欲求を満たしています。

特に「生活に役立つコンテンツ」や「実際に起きたできごと」などは拡散されやすい傾向です。ユーザーがシェアしたいと思う良質なコンテンツを配信できれば、一気に情報が拡散され、ソーシャルメディアから多くのアクセスを流入させられるでしょう。

広告にコストをかけることなく、自然と情報を拡散していける点は、コンテンツマーケティングの大きなメリットです。


4. コンテンツ制作の外注が可能

オウンドメディアを運営する上で、コンテンツの「質」と「量」と「新鮮さ」を担保することは非常に重要なポイントとなります。

コンテンツの「量」が多かったとしても「質」が悪ければ、ユーザーは離れていきますし、「質」が良くても「量」がなかったり情報が古ければ、ユーザーの固定化にはつながりません。

ここで問題となってくるのは、この3つのポイントを確実におさえるためには、担当者の負担が大きくなることです。

しかし、クラウドソーシングなどの活用により、コンテンツ制作は外注ができます。クラウドソーシングには、々な分野に特化したワーカーが登録しているので、新鮮で良質なコンテンツの量を確保することが可能となります。

外注することで企業の「運営する負担」を軽減でき、結果として息の長いメディア運営ができるでしょう。


5. 企業のブランド力強化につながる

発信を続けることで、商品・サービスの価値だけでなく、企業そのものの信頼度が高まります。BtoBにおける企業信頼度は、商品・サービスの成約に強く影響する重要ポイント。

そのコンテンツを受け取った顧客企業が、自社に対してどのような印象を受けるか。相手視点で考え、自社の魅力と信頼度を高められる情報発信に努めましょう。


BtoBコンテンツマーケティングのデメリット

BtoBコンテンツマーケティングのデメリットは、以下の3つが想定されます。

  1. コンテンツづくりが大変、業務量が増える
  2. 成果が出るまでに時間がかかり、評価しにくい
  3. よくも悪くも会社の印象を左右する

コンテンツマーケティング実施時に気を付けるポイントとして、それぞれ解説します。


1. コンテンツづくりが大変、業務量が増える

コンテンツマーケティングは、顧客企業に有益な情報をひねり出し、コンテンツとして発信し続けるWeb施策です。日々他の業務や案件と並行してコンテンツをつくっていくのは至難の業です。

コンテンツづくりの業務量が増えるため、人数規模が少ない組織では、別業務と並行してコンテンツを生み出さなければなりません。実際に運用がスムーズに進む組織体制・運用方法を検討しましょう。


2. 成果が出るまでに時間がかかり、評価しにくい

コンテンツを配信しはじめてすぐに効果が出るとは限りません。BtoBでは意思決定にかかる時間が長くなるため、たくさんの情報からじっくり吟味して成約するか否かを決める傾向があります。そのため、発信された情報量が少ない段階では成約に至りにくいのです。

コンテンツマーケティングをはじめたばかりの企業では、半年そこらで十分な結果が出ないことから、コンテンツマーケティング自体を途中で止めてしまうケースがあります。長期的な施策であることを認識し、まずは継続して1年以上続けてみてください。


3. よくも悪くも会社の印象を左右する

コンテンツの内容がイマイチだったり、配信が止まったりすると、「この会社大丈夫かな?」とユーザーに不信感を与えかねません。製品やサービスのみならず、会社や企業としての評価に影響する旨を理解しましょう。

コンテンツマーケティングが自社ブランドづくりに関わると意識し、戦略をたてたコンテンツ配信を設計しましょう。


BtoBのコンテンツマーケティングを実践する手順とは?

それでは、実際にBtoBのコンテンツマーケティングを実践する場合は、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。詳しく解説しましょう。

  1. ペルソナの設定
  2. 価値あるコンテンツの作成
  3. 潜在顧客・見込顧客を顧客へ育成
  4. 顧客をファン・リピーター化する


1.ペルソナの設定

まずメディアを運営する上で一番大切なのは、「ペルソナ(=サービス・商品の典型的なユーザー像)」を細かく設定することです。

年代や性別、趣味趣向や居住地などを、自社の商品やサービスに照らし合わせてしっかりと設定することで、どういったコンテンツを作成すべきなのか明確になります。この手順を踏まずにいきなりコンテンツを作成しても、潜在顧客の心に刺さらず、自社の顧客化につながりません。

自社の商品やサービスを購入してくれるのはどんな人たちなのか、その人たちにはいったいどういう情報が有益だと判断されるのか、それらをまず熟考することで「カスタマージャーニー(顧客が商品やサービスを見つけ購入に至るまでの道のり)」を描きやすくなります。

関連記事:【初心者向け】ペルソナシートの作り方|BtoBで使える無料テンプレ


2.価値あるコンテンツの作成

ペルソナを明確に設定したあとは、その人たちに有益と判断されるコンテンツの作成に入ります。コンテンツの種類は主に以下の6つです。

  • ブログ
  • ホワイトペーパー
  • 自社の導入事例紹介
  • メルマガ
  • 動画コンテンツ
  • ソーシャルメディア
  • プレスリリース

まずはコンテンツを入れる箱の用意をします。この時、その箱の中でどのようにペルソナが巡回するのかを考えましょう。情報はすぐに見つけやすいかなど、使い勝手のいいデザイン設計をすることを忘れないでください。

箱の用意が完成したら、「良質」で「鮮度の高い」情報を、数多く入れ込んでいきます。この時にコンテンツの数や質の担保ができない場合は、積極的にクラウドソーシングなどを活用し、外注していきましょう。


3.潜在顧客・見込顧客を顧客へ育成

次の段階では、コンテンツで認知してもらった後ファンになっている潜在顧客を「実顧客化」するアクションに移ります。

潜在顧客は、配信し続けたコンテンツにより、自社の商品やサービス・企業としての姿勢などを理解した状態です。この状態の潜在顧客・見込顧客に対し、商品やサービスの購入検討に役立つ成功事例や実際の体験談、費用対効果の比較表などのコンテンツを提供します。

潜在顧客は、「営業を受けている」という感覚を抱くことなく、自然と商品やサービスの購入に至る可能性が高くなるのです。積極的な営業活動を行うことなく購入にまで至れれば、コンテンツマーケティングの成功と言えるでしょう。


4.顧客をファン・リピーター化する

潜在顧客・見込顧客からの購入に至ったとしても、まだコンテンツマーケティングは終わりではありません。ソーシャルメディアで顧客とつながっているからこそ、企業サイドの購買後の行動が非常に重要です。

商品やサービスの活用方法はもちろん、商品へ直接的な関わりは浅くても顧客にとって有益なコンテンツをメルマガやオウンドメディアを通じて配信することで、さらなるファン化に繋げられます。そうして顧客を繋ぎとめておくことで、リピートやサービスの継続利用の確率が圧倒的に高くなるのです。

また、利用者からの口コミや、知人などに勧めてもらうことができれば、企業は何もアクションを起こすことなく顧客を増やせます。

コンテンツマーケティングは、地道な努力が必要ですが、しっかりと取り組めば確実に効果が出せるマーケティング活動と言えるでしょう。


BtoBのコンテンツ設計の手順とは?

具体的にどのようなコンテンツを作るべきなのか?

ポイントは購買プロセスから逆算することです。コンテンツをどのように設計・強化していったらよいのかを見ていきましょう。

  1. BtoBマーケティングの購買プロセスを理解する
  2. 購買プロセスのボトルネックを把握し優先ターゲットを決める
  3. プロセスを進めるためにコンテンツを活用する


1.BtoBマーケティングの購買プロセスを理解する

代表的なBtoBマーケティングプロセスに「The Model」というものがあります。クラウド型顧客管理ベンダー大手のSalesforce.comが生み出した組織営業の最適化モデルで、BtoBマーケティングの各プロセスにおいて、それぞれの組織がやるべきことと目標数値を定めたものです。

BtoBマーケティングプロセス

このプロセスのうち、マーケティングが担うのは「潜在顧客の獲得」から「見込み顧客の育成」までです。ここをさらに細かく分類すると、「潜在層」→「準顕在層」→「顕在層」→「明確層(十分に育成された見込み顧客)」となります。

「潜在層」→「準顕在層」→「顕在層」→「明確層(十分に育成された見込み顧客)」

このプロセスのうち、コンテンツの力が弱いために流れがせき止められてしまっている箇所があるならば、そこを強化しなくてはなりません。コンテンツの設計や強化を行う前に、まずはどこがボトルネックなのかを知る必要があります。


2.購買プロセスのボトルネックを把握し優先ターゲットを決める

購買プロセスのボトルネックを知るために、まずはデータを見て見込み顧客を分析しましょう。分析の結果、どこがボトルネックなのかを把握できたら、そこから逆算して優先ターゲット層や設計・強化の方向性を定めていきます

そもそも十分な潜在層を獲得できておらず、まずは母集団を形成する必要があるならば、潜在層向けのコンテンツの強化を優先するべきです。

潜在層や顕在層は順調に獲得できているのに明確層への遷移がうまくいっていないようならば、数ある競合の中で自社を選んでもらえるような顕在層向けのコンテンツを強化しなくてはなりません。

マーケティングのどの部分を強化したいかによって、取り組むコンテンツ内容は異なります。一度にすべて手をつけるのは難しいため、優先順位をつけて取り組みましょう。


3.プロセスを進めるためにコンテンツを活用する

どの層向けのコンテンツを優先的に強化するか決まったら、その層の顧客が次の段階へ進むのを後押しするようなコンテンツを設計します。潜在層を準顕在層へ進めるためのコンテンツと顕在層を明確層へ進めるためのコンテンツは違うので、優先ターゲットに合ったコンテンツを選択しましょう。

以下はターゲットごとの適切なコンテンツ例です。

潜在層~準顕在層向け(商品を知らない段階)のコンテンツの例

  • お役立ち記事/ニュース記事:多くの人が興味のある内容なので、見込み顧客との接触機会を増やすことができる

準顕在層~顕在層向け(情報収集段階)のコンテンツの例

  • ホワイトペーパー:より専門的な知識や経験に基づいたノウハウを提供することで、信頼を深めることができる
  • 成功事例・ユーザーの声:導入後の状況を具体的にイメージしやすくなる
  • セミナー案内:初期の情報収集を終えた段階の見込み顧客に、直接会って気になることを質問できる機会を提供できる

顕在層~明確層向け(比較検討段階)のコンテンツの例

  • サービス紹介資料:見込み顧客が社内検討に上げやすい形で提供すると受注確率が高まる
  • 比較コンテンツ:他社と比較して悩んでいる見込み顧客の背中を押す
  • デモ・無料トライアル:ツールなどの実際の操作感や利便性が決め手となる製品・サービスでは必須


BtoBのコンテンツマーケティングを成功させるためのポイント

BtoBコンテンツマーケティングを運用していく上で、以下4つのポイントを意識すると、マーケティング効果を最大化できます。ぜひ参考にしてください。

  • 顧客視点を常に意識する
  • コンテンツを量産し続ける体制を構築する
  • スケジュールを明確に決める
  • 中長期的な施策と捉え、短期で成果を判断しない


顧客視点を常に意識する

配信するコンテンツが、ペルソナ設定したターゲットにとって有益か否かが重要です。自社側が言いたいことをそのまま伝えても、顧客企業の担当者には届きません。

常にコンテンツを受け取る側の気持ちと視点で、ユーザーにとって魅力的でわかりやすいコンテンツ配信を心がけてください。

客観的な視点を得られるよう、コンテンツを作成したらチームメンバーに確認してもらうなど、他の人からチェックをもらうのが有効。チェックしてもらうのが厳しければ、コンテンツ作成後に1日おいて、フレッシュな気分で再度自己チェックすると、客観的な校正がしやすくおすすめです。


コンテンツを量産し続ける体制を構築する

コンテンツを配信し続けるには、量産に耐えうる体制構築が重要です。

運用として、配信するコンテンツのアイデアが枯渇しないよう、2ヶ月先まで予定を決めておくのが理想的。また、チームでアイデア出しの時間を月に1回設けるなど、組織ぐるみで協力体制をつくるのがおすすめです。

アイデアを捻出するフレームワークのひとつに「オズボーンのチェックリスト」という思考法があります。9つの視点から、アイデアを別の切り口で発想するフレームワークです。

下記の項目に捻出したいアイデアのテーマを当てはめて考えると、新しい発想が見つかります。ぜひ参考にしてください。

転用
他の方法を使うことはできる?新しい使い道はある?
応用
似たようなアイデアはある?他のアイデアで応用できる?
変更
色・形・デザイン・仕様を変えるとどうなる?利用目的を変更できる?
拡大
大きく、高く、長くするとどうなる?付加価値をつけたり、頻度や割合を増やしたら?
縮小
小さく、低く、短くするとどうなる?機能や情報を減らしたら?
代用
別の素材を使ったらどうなる?人・モノ・場所を代用できる?
置換
要素や順次を変えたらどうなる?配置・プロセスを置換できる?
逆転
上下左右前後を逆にしたらどうなる?順序や考え方を逆にしたら?
結合
別のものとセットにできる?真逆の要素を組み合わせたらどうなる?


スケジュールを明確に決める

コンテンツマーケティングにはスピード感が重要です。競合他社より質のよい情報をスピーディーに配信するには、コンテンツをいつ決めるか、進捗をいつ確認するか、明確な期日を設定してください。

発生するタスクに期日が設定されると、対応が漏れたり遅れたりするリスクを軽減できます。着実にやるべきことをこなして、スピード感あるコンテンツマーケティングの推進を実現しましょう。

設定したスケジュールは可視化し、チームメンバーに共有するのがおすすめです。


中長期的な施策と捉え、短期で成果を判断しない

短くても半年から1年以上は続けないと、大きな成果にはつながりません。途中でコンテンツ配信をストップしてしまうのが一番もったいないことです。

商品・サービスや企業への信頼は、顧客にとって有益な情報を継続して配信し続けることで、少しずつ構築されていくもの。コンテンツマーケティングは中長期的な施策であると捉え、根気よく実施しましょう。


BtoBのコンテンツマーケティングなら「ferret」

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弊社の提供するferretは、BtoBマーケティングに特化した支援サービスです。BtoBマーケティングに必要な機能が全て揃ったマーケティングツールとコンサル・代行支援を提供しています。
以下は、サービスの一例です。

  • BtoBマーケコンサルティング:キーワード調査や競合調査などを通して情報を整理し、確実に成果を出すための計画を作っていきます。
  • SEO記事制作代行:ターゲット顧客像の整理・キーワード調査から、ライティング・校閲まで一貫したご支援で質の高い記事を制作いたします。

マーケティングにお困りごとがある方はぜひご相談ください!

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ポイントをおさえ、BtoBコンテンツマーケティングで成果を出そう!

インターネットが普及していなかった頃の、BtoB企業における営業スタイルは、サービスや製品の検討前に、顧客が営業担当から直接説明を受けたり、資料を取り寄せなければ情報が得られませんでした。しかし現代でインターネットが普及したことにより、その営業スタイルは変わりつつあります。顧客は、検索によって簡単に情報を手に入れられるようになり、比較ができるようになりました。

つまり、顧客の多くは営業担当の話を直接聞く前に、一定量の情報を手に入れている可能性が高いのです

そこでBtoB企業がすべきことは、顧客の思考を汲み、製品やサービスの導入にあたって顧客の参考になる情報を有益なコンテンツとして発信することです。これが、購入や導入に結びつける「コンテンツマーケティング」です。

比較検討期間が長いサービスにこそコンテンツマーケティングは有効であり、BtoBビジネスは顧客が購入に至るまでに長い検討期間を要します。コンテンツマーケティングはBtoBマーケティングと相性が良いのです。うまく活かして、ビジネスの成功へとつなげましょう。


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ferret(One Tip編集部)
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