産業機械メーカーのマーケティング戦略|既存取引の壁を越える新規開拓と事例3選

既存の取引先との関係は安定しているが、新しい業界や用途からの問い合わせが増えない。技術に強みはあるのに、別業界の顧客に「自社を選ぶべき理由」を言語化できていない。必要になったときに探してもらえても、仕様・用途・対応範囲の情報が足りずに取りこぼしてしまう。株式会社ベーシックが運営するferretには、産業機械メーカーのマーケティング担当者から、こうした相談が寄せられています。
産業機械・部品の調達では、「使えるか」だけでなく「安定して使い続けられるか」が重視されます。顧客にとって、新しいサプライヤーの採用は単なる価格比較ではなく、生産リスクの判断です。既存取引の壁が厚いのはそのためです。産業機械メーカーのマーケティングの肝は、新しい用途・新しい顧客に選ばれる入り口をどうつくるかにあります。
この記事では、産業機械メーカーのマーケティングを難しくしている構造を整理したうえで、狙うべき顧客、担当者別の情報設計、設備品と加工・カスタム品それぞれの導線・CTA、営業連携の考え方を解説します。後半では、ferret Oneを導入した製造業3社の事例と、自社の状況を確かめるチェック項目を紹介します。
製造業全般のWebマーケティングの基本は「【マーケターが解説】製造業が行うマーケティングの基本とは?必見の成功事例3選」で解説しています。この記事では、産業機械メーカーに特有の論点に絞ってお伝えします。
※この記事は、ホワイトペーパー「産業機械メーカー BtoBマーケティング強化のヒント」の内容をもとに、記事向けに再構成したものです。
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目次[非表示]
産業機械メーカーのマーケティングを難しくしている構造
この章のポイント
産業機械の案件が動くのは、既存のサプライヤーでは解決できない問題が起きたときや、設備更新・仕様変更のときです。顧客は設計・購買・品質保証など複数の部門で導入を判断し、新しいサプライヤーの採用を「生産リスク」として慎重に見ています。現状維持の安心と切り替えのコストを上回る理由を示さなければ、比較の対象にも入れません。
案件が動くのは、既存サプライヤーで解決できない問題が起きたとき
産業機械の導入は、設計・開発、購買、品質保証など複数の部門が、仕様への適合、供給、コスト、品質、納期を確認しながら判断します。判断材料は部門ごとに違い、設計は性能・CAD・仕様、購買は価格・供給・納期、品質保証は実績・保証、経営層は新しい用途の市場性を見ています。
案件が動くのは、既存のサプライヤーでは解決できない問題が起きた瞬間か、設備更新や仕様変更のときです。そのタイミングで「この会社なら対応できる」とすぐに判断してもらえるよう、用途別の技術情報と、相談から量産までの進め方を示しておく必要があります。顧客に不具合・原価・品質・納期に関する変化が起きた瞬間に、相談先として思い出してもらえる状態をつくることが、マーケティングの鍵です。
既存取引が強く、比較・切り替えが起きにくい
産業機械・部品の調達で重視されるのは、安定して使い続けられるかどうかです。既存のサプライヤーは、顧客の設計・生産工程・品質基準をすでに理解しています。新しい取引先に替えるには、図面・仕様・運用条件をあらためて説明しなければなりません。部品を変えれば、評価・試作・品質確認・生産調整も必要になります。不具合、納期遅延、供給停止は、顧客の生産計画に直接響きます。
そのため、技術や価格だけでは既存取引先の優位を崩しにくい構造です。ただし、新しいサプライヤーが検討されるのは、既存の取引先で問題が起きたときだけではありません。次のような変化も、受注のきっかけになります。
新製品・新規用途の開発
新しい業界・新しい顧客への展開
上位Tierからの仕様変更
原価低減・軽量化・省人化への要求
品質不良、納期遅延、供給不安
環境規制・材料変更・GX対応
設備更新、生産能力の増強
狙うべきは「今の取引先を替えたい企業」ではありません。従来の調達・設計のままでは、新たな要求に応えられなくなった企業です。
新規サプライヤーの採用は、「生産リスク」の判断
顧客が新しいサプライヤーを採用するときには、見積もりには表れない負担とリスクが発生します。
要求仕様・図面・現場条件の再共有
試作、評価、品質保証、承認のプロセス
金型・治具・設備・工程の変更
量産立ち上げ時の品質・納期のリスク
供給能力、BCP、継続取引への不安
調達・設計・品質の各部門での合意形成
顧客が新しいサプライヤーへの切り替えを決めるのは、次の関係が成り立ったときです。
新規取引先に変える価値 > 現状維持の安心+切替コスト+生産リスク
既存の付き合いがあるサプライヤーを替える強い理由がなければ、顧客はなかなか動きません。産業機械メーカーのマーケティングは、この不等式の左側を大きくし、右側の不安を小さくする情報をどう届けるかを設計する仕事だといえます。
狙うべきは不満企業ではなく、変化が起きた企業
この章のポイント
新しいサプライヤーが選ばれる理由は、「加工できます」「部品をつくれます」ではありません。変える負担を上回る成果と、失敗なく進める道筋を示せるかどうかです。狙うのは今の取引先に不満を持つ企業ではなく、製品・生産・外部環境・取引関係に変化が起きた企業です。展示会が主な接点になりがちなこの業界では、AI検索が新しい出会いの入り口にもなりつつあります。
比べられているのは他社ではなく、現状維持
顧客が天秤にかけているのは、新しいサプライヤーを採用する価値と、現状維持の安心です。
新規サプライヤーを採用する価値 | 現状維持の安心 |
|---|---|
新しい仕様・用途に対応できる | 現場・工程・仕様を理解している |
原価、品質、納期、供給の課題を解決できる | 評価や調整の負担が少ない |
設計から量産まで伴走できる | 品質・納期の実績がある |
将来の生産拡大・新市場展開にも対応できる | 担当者として説明責任を負いにくい |
右側の「担当者として説明責任を負いにくい」は見落とされがちですが、切り替えを止める大きな要因です。左側の価値を具体的に示すと同時に、評価や調整の負担を減らす情報を先回りして用意しておくことが、比較の土俵に乗る条件になります。
製品・用途/生産/外部環境/取引関係の4つの変化
変化が起きたタイミングでは、既存取引先との関係性よりも、次の要求に対応できるかどうかが評価されます。変化は大きく4つに分けて捉えられます。
1つ目は製品・用途の変化です。新製品の開発、高機能化、軽量化、新しい用途への展開などが当てはまります。2つ目は生産の変化で、設備の更新、増産体制への移行、自動化・省人化、新工場・新ラインの立ち上げなどが挙げられます。
3つ目は外部環境の変化です。原材料の高騰、調達難、サプライチェーンの再編、環境規制などがあたります。4つ目は取引関係の変化で、品質不良、納期遅延、コスト上昇、既存取引先の供給不安などが含まれます。
取引関係の変化だけを狙うと、既存取引先への不満が表に出るまで待つことになります。ほかの3つは、顧客のニュースリリースや設備投資の発表、規制の動向などから外側でも兆候をつかみやすく、マーケティングで先回りしやすい変化です。
展示会頼みの接点に、AI検索という新しい入り口が加わる
産業機械メーカーのマーケティングには、2つの壁があります。1つは既存取引先との関係の強さです。特定の1社への売上依存度が80%に達する例もあり、切り替えが起きるのはコスト・技術・品質・納期に重大な問題が起きたときに限られがちです。もう1つは、主要な接点である展示会が商談につながりにくいことです。名刺交換だけで接点が終わりやすく、確度の高い初回接触から商談化までに1年ほどかかることも少なくありません。
一方で、顧客がサプライヤーを探す段階でAIを使い始めていることを示す調査もあります。テクノポートが製造業従事者を対象に行った調査では、生成AIの利用用途として「サプライヤー/外注先/代替部材・製品の探索」を挙げた人が27.1%でした。
出典:テクノポート株式会社「製造業の購買活動における生成AI活用の実態調査【2026年版】」2026年3月17日発表、製造業従事者317名
また、Pifteeの調査では、BtoBの発注先選定でAI検索を利用した人のうち82.3%が、AI検索を通じてそれまで知らなかった企業・サービスを新たに発見したことがあると回答しています。
出典:株式会社Piftee「BtoB発注先選定におけるAI検索活用の実態調査2026」2026年6月9日発表、n=196(うちAI検索利用者147名)
既存取引の壁は厚いものの、AI検索は、これまで接点のなかった顧客と出会う新しい入り口になる可能性があります。そのためには、見つけてもらった後に「この会社に相談できる」と判断できる情報が、サイトに揃っている必要があります。
担当者別の情報設計と、用途・課題起点のサイト
この章のポイント
案件が動く瞬間に、顧客企業の開発・設計、購買、品質管理、経営層のそれぞれが「相談できる」と判断できる情報を用意しておきます。サイトも、製品一覧や保有設備を並べる自社起点の構成から、業界別・用途別の対応事例や対応範囲を示す、顧客起点の構成へと切り替えていきます。
開発・設計/購買/品質管理/経営層に、それぞれ何を用意するか
今ある技術・部品を別の業界・用途へ展開するには、顧客企業の担当者ごとに知りたい情報を漏れなく用意しておくことが大切です。そうしておけば、顧客企業に変化が起きた瞬間に、比較の候補に入ることができます。
担当者 | 知りたいこと | 用意するコンテンツの例 |
|---|---|---|
開発・設計 | 求める仕様・性能を満たせるか。技術資料による裏付け | 設計課題の解決事例、設備選定ガイド、技術解説、CADデータ・仕様比較 |
購買 | 安定供給とコスト。供給体制と対応範囲 | 設備コストの削減事例、更新時期チェックリスト、保守費用の比較、調達・入れ替えガイド |
品質管理 | 実績と保証体制 | 品質改善事例、不良削減事例、検査工程の改善ノウハウ、品質保証の考え方 |
経営層 | 新しい用途への投資判断。市場性の裏付け | 省人化事例、生産性向上事例、設備投資のROI、市場・技術トレンド、新規用途の事例 |
製品紹介から、用途・課題起点のサイトへ
従来の産業機械メーカーのサイトは、製品一覧、保有設備、加工方法、会社概要・沿革といった、自社起点の製品紹介が中心でした。これでは、初めてサイトを訪れた設計者や購買担当者が、自社の課題に使えるかどうかを判断しにくくなります。
これからのサイトでは、顧客の用途・課題を起点に、次のような情報を揃えていきます。
業界別・用途別の対応事例
不具合、原価、品質、納期といった課題別の解決方法
素材・サイズ・精度・ロット別の対応範囲
試作・評価・量産までの進め方
品質保証、供給体制、BCP
何をつくれるかだけでなく、どんな条件・課題なら任せられるかを判断できるサイトにすることが目標です。
設備品と加工・カスタム品で変わる導線・CTAと営業連携
この章のポイント
設備品は、更新・増設・仕様変更のタイミングで初めて比較が始まります。加工・カスタム品は、すでにモノが必要な状態で新しい発注先を探す顧客が多いのが特徴です。商材のタイプによって狙う層と優先すべきCTAが変わるため、それぞれに合わせて導線を設計します。そのうえで、発生したリードを仕様相談や見積もり案件へ育てる営業連携を組み立てます。
設備品:置き換えの可否や設置条件を、事前に判断できるようにする
設備品の場合、比較が始まるのは更新・増設・仕様変更のタイミングです。単価が高くなりやすく、1社の顧客が大量に購入したり、短期間にリピート購入したりすることはほとんどありません。
そのため製品情報だけでなく、既設設備から置き換えられるか、導入までの期間、設置条件、保守体制といった情報を、顧客が事前に判断できるようにしておく必要があります。また、新規案件を継続的に獲得するには、代理店経由の案件や、既存顧客の製品交換のタイミングでの問い合わせにつなげる構造も欠かせません。CTAは、相手に合わせて次のように用意します。
設計者向け:CAD、仕様書、設置条件の確認、型番検索
代理店・エンジニアリング会社向け:販売店相談、案件相談
既存顧客向け:保守、交換部品、更新・入れ替えの相談
設備品の検討段階別CTA・オファー
設備品では、まず製品資料、CADデータ、デモ機体験など、製品を検討している人に向けたCTAを優先して設置しましょう。
ポイントは3つあります。基礎知識やノウハウ、業界レポート、展示会、導入事例、製品カタログ、ウェビナーで見込み顧客の獲得を強化すること。説明書・仕様書、CADデータ・図面、規格情報、品質情報の閲覧から、検討状況の変化をキャッチすること。そして、デモ機、販売店情報、法律・補助金情報などで具体的な検討を後押しし、営業と連携して価格・納期の相談につなぐことです。購入後も、説明書やサポート動画、修理・点検、生産中止情報などで顧客との接点を保ちます。
加工・カスタム品:対応できる範囲を明示し、顕在層を取りこぼさない
加工・カスタム品の場合、今までの発注先では作れないといった理由で、すでにモノが必要な状態で新しい発注先を探している顧客が多くいます。顕在層・明確層を狙いやすいのが特徴です。
顧客は問い合わせの前に、対応できる素材・寸法・精度・ロット・納期と、試作から量産までの進め方を確認しています。自社で対応できる範囲をはっきり示し、相談後の認識のずれを減らすことが重要です。具体的には、次の3点を意識します。
製品ごと・用途ごと・素材ごとなど、課題に合わせて製品を探せる導線をつくる
CTAに「サンプル請求」を用意し、顕在層のCVを獲得できる状態にする
フォームの項目は営業リソースに合わせて調整する。顧客のハードルを下げたい場合はシンプルに、営業が事前に詳細を把握したい場合は詳細にする
また、一度失注した顧客でも、発注元である上位Tierの要件が変わり、あらためて依頼先を検討している可能性があります。失注顧客の掘り起こしも有効な施策です。
加工・カスタム品の検討段階別CTA・オファー
加工・カスタム品は顧客の課題に合わせた提案が必要になるため、どのような内容で加工できるのかが具体的に伝わるコンテンツが特に重要です。
ポイントは3つあります。導入事例や制作事例・写真で技術力と実績をアピールすること。CADデータ・図面、規格情報、品質情報の閲覧から検討状況の変化をキャッチすること。そして、過去に失注した顧客や休眠顧客を掘り起こし、図面添付の仕様相談、試作・サンプル依頼、工場見学・技術相談へとつなげることです。
問い合わせを「案件化」する営業連携
マーケティングの役割は、問い合わせの数を増やすことだけではありません。営業が、どの案件に、どの情報を持ってアプローチするかを判断できる状態をつくることです。マーケティング施策で生まれたリードを、「仕様相談」「見積案件」といった次の営業ステップへ育てる取り組みも欠かせません。
発生したリード | 営業への連携・インサイドセールスの取り組み |
|---|---|
CAD・仕様書の閲覧 | 顧客の対象製品・用途・設計段階を確認する |
図面添付・仕様相談 | 対応の可否と不足している情報を、すぐに顧客へ返す |
展示会の名刺 | 用途別の事例・技術資料を送り、継続してフォローする |
過去の失注・休眠顧客 | 上位Tierの仕様変更、材料変更、増産など、顧客企業の変化を起点に再接触する |
製造業の成果事例3選
この章のポイント
ferret Oneを導入した製造業3社の事例を、導入の背景、決め手、導入後の状態の順に紹介します。3社とも、代理店や既存顧客、営業担当者のマンパワーに頼った新規開拓から抜け出し、Webサイトを顧客との接点と案件創出の基盤に変えています。
※各社の部署名・役職、導入の背景、成果の数値は、ホワイトペーパー「産業機械メーカー BtoBマーケティング強化のヒント」の掲載内容にもとづきます。
株式会社キトー|「待つ営業」から脱却し、月200件の問い合わせを生むデジタルマーケティングへ
株式会社キトー デジタルマーケティング部の森山氏、河相氏、赤﨑氏の事例です。
代理店販売が中心だったため、顧客の顔やニーズを把握しづらい状況でした。既存顧客に頼った営業では、飛躍的な成長は見込めなかったといいます。
リードが不足していたことから、MAの導入より先にWebサイトの刷新を選択。自社で簡単に更新でき、自由度の高いサイトを構築できることが決め手になりました。導入後はサイトの更新工数を大幅に削減し、運用の属人化も解消。訪問者数は13〜15%増え、資料ダウンロードは月500件、問い合わせは月200件に達しています。
事例の詳細:サイトリニューアル後に月200件のお問い合わせ獲得!サイトの運用工数も大幅に削減してデジタルマーケティングに取り組める状態に
大同興業株式会社|現状分析をもとに記事をリライトし、サイト訪問数1.8倍
大同興業株式会社 代表取締役社長の寺田賢一郎氏の事例です。
以前はサイトを編集するたびに制作会社への依頼が必要で、更新の頻度が低くなっていました。商品情報の発信を強化して、効率的に案件を生み出したいと考えていたといいます。
自社でコンテンツを追加し、簡単に編集できることが決め手でした。製品カタログ型サイトの導入事例を見て、再検討を決めたそうです。導入後は、記事のリライトで検索1位を獲得し、訪問数は前年比1.8倍に。Web経由の問い合わせは成約率が高く、営業からも高く評価されています。
株式会社TANAX|「1サイト1ターゲット」で再編し、商談化率35〜40%の質の高いリードを獲得
株式会社TANAX 物流ソリューション部 営業戦略部の張雅慧氏の事例です。
以前は、電話やサイトからの問い合わせを管理できていませんでした。マンパワーに頼らず新規開拓できる仕組みが必要だったといいます。
「1サイト1ターゲット」という的確な戦略アドバイスと、制作段階からの丁寧な支援、充実した伴走サポートが決め手になりました。導入後、サービスサイト経由のリードの商談化率は35〜40%に。初心者でも、ページ作成、メール配信、SEO分析ができるようになっています。
事例の詳細:「1サイト1ターゲット」の法則でサービスサイトを再編! 40%近くが商談化につながる、質の良いリードを獲得
3社に共通すること
3社の取り組みは、サイトの刷新、記事のリライト、ターゲット別のサイト再編とさまざまです。共通しているのは、自社でサイトを更新・改善できる体制を整え、誰に向けて何を伝えるかを絞ったうえで発信を続けた点です。代理店や既存顧客、営業のマンパワーに頼るだけでは届かなかった顧客との接点を、Webサイトでつくり出しています。
自社の状況をチェックする6項目
この章のポイント
ここまでの内容をもとに、自社のマーケティングを見直すための6つの項目をまとめました。1つでも当てはまれば、この記事で取り上げた打ち手のどれかが役に立つはずです。
チェック項目 | 当てはまるときに見直すこと |
|---|---|
既存のお客様との関係は深いが、新しい部署や業界からの問い合わせがほとんどない | 不満企業ではなく、変化が起きた企業を狙う発信。キトー様の事例が参考になります |
今の技術・部品が、ほかのどんな業界・用途で使えるかを、具体的に書き出したことがない | 業界別・用途別の対応事例と、素材・サイズ・精度・ロット別の対応範囲の整理 |
展示会で名刺交換した相手への、その後のフォローが手薄になっている | 用途別の事例・技術資料を使った継続フォローと、営業との連携 |
自社サイトが「今の取引先向け」「今の代理店向け」の内容ばかりで、新しい業界の担当者には響かない | 開発・設計、購買、品質管理、経営層それぞれに向けた情報設計。TANAX様の事例が参考になります |
AI検索で「未知の企業」が発見される時代だと聞いたことはあるが、対策は特にしていない | 見つけてもらった後に「相談できる」と判断できる情報が、サイトに揃っているか |
コスト・技術・品質・納期の問題が起きた「その瞬間」に選ばれる準備ができていない | 課題別の解決方法、試作から量産までの進め方、図面添付の仕様相談などのCTA |
出典:チェック項目は産業機械メーカー BtoBマーケティング強化のヒントより
明日からできること
何から手をつけるか迷ったら、過去の問い合わせ、失注案件、展示会の名刺を振り返り、今後狙いたい「業界×用途」を1つ選んでください。そのうえで、その用途向けに対応できる仕様、実績、試作から量産までの流れを1ページにまとめ、「図面添付の仕様相談」への導線を設置してみましょう。
1ページできれば、営業が新しい業界の顧客と話すときに使える資料になります。同じ用途で発注先を探している企業が、検索やAI経由でサイトにたどり着くきっかけにもなるはずです。
まとめ|製品名ではなく、解決できる課題で選ばれる
産業機械メーカーで成果を出している会社に共通するのは、製品名ではなく、どの業界・用途で、どんな品質・原価・納期の課題を解決できるかを伝えていることです。
そのためにまず、新しいサプライヤーの採用が顧客にとって「生産リスク」の判断であり、現状維持と比べられていることを前提にすること。次に、今の取引先に不満を持つ企業ではなく、製品・用途、生産、外部環境の変化が起きた企業に向けて発信すること。そして、開発・設計、購買、品質管理、経営層のそれぞれが判断できる情報をサイトに揃え、商材のタイプに合ったCTAと営業連携で、問い合わせを案件へ育てていくことです。
AI検索で新しい顧客に見つけてもらえる機会は広がっています。そのときに選ばれるかどうかは、見つけてもらった後に、顧客が「この会社に任せられる」と判断できる情報があるかどうかにかかっています。
- 資料のご紹介
この記事で紹介した内容は、資料「産業機械メーカー BtoBマーケティング強化のヒント」にまとめています。業界の特性、マーケティング強化のポイント、設備品・加工カスタム品それぞれの導線とCTA設計、製造業3社の事例を確認できます。
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