AIで比較される時代、買い手は何を見て選ぶ?|2026年・BtoB購買行動調査

生成AIやAI検索の普及によって、BtoBの製品・サービスを探す方法も変わり始めています。
では実際に、買い手はどの段階でAIを使い、AIで得た情報をどこまで信用しているのでしょうか。また、AIで情報収集できるようになったことで、サービスサイトや資料ダウンロード、問い合わせの役割は変わっているのでしょうか。
株式会社ベーシックでは、BtoBの製品・サービスの情報収集・比較検討に関わる300人を対象に、AI時代の購買行動について調査しました。
この記事では、調査結果をもとに、AIによってBtoBの購買行動がどう変わっているのか、そして企業側はWebサイトやコンテンツ、問い合わせ後のフォローをどう見直すべきなのかを解説します。
※この記事は「AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート」のダイジェスト版です。調査結果の詳細は、「AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート」でご覧いただけます。
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目次[非表示]
- 1.調査概要
- 2.調査設問
- 3.Chapter1:AIは購買の入口を置き換えるのではなく、比較検討に入り込む
- 4.Chapter2:買い手はAIだけで判断せず、公式サイト・資料・事例で裏取りしている
- 5.Chapter3:AIだけでは足りない判断材料は、サービスサイトで確認されている
- 6.Chapter4:サービスサイトは、問い合わせ前の確認・判断の場になる
- 7.Chapter5:資料ダウンロード・問い合わせは、比較検討を前に進める
- 8.Chapter6:CV後のフォローは、関心・検討状況を考慮する
- 9.Chapter7:最終判断から逆算して、情報設計を変える
- 10.AIで比較される時代の情報設計見直しチェックリスト
- 11.まとめ:AIで比較される時代に、企業が整えるべき情報とは
調査概要
項目 | 内容 |
|---|---|
調査テーマ | AIの普及によりBtoB企業の購買行動はどのように変化しているか |
調査期間 | 2026年8月5日 |
調査方法 | Webアンケート |
有効回答数 | 300人 |
調査対象 | BtoBの製品・サービスの情報収集・比較検討に関わる人 |
主な分析対象 | 調査全体 n=300、生成AI・AI検索利用者 n=258 |
※クロス集計は項目間の関連を見るものであり、因果関係を示すものではありません。
※割合および差分は小数第2位を四捨五入して表示しています。差分は端数処理前の割合をもとに算出しているため、表示上の数値の差と一致しない場合があります。
調査設問
本レポートでは、BtoBの製品・サービスをどのように知り、比較し、最終的な判断に至るのかを確認するため、以下の設問について調査しました。
生成AI・AI検索の利用状況に加え、サービスサイトや資料、問い合わせなど、比較検討の各段階で求められる情報についても聞いています。
設問 | |
|---|---|
Q1 | 直近でBtoBの製品・サービスについて情報収集を始める際、 |
Q2 | BtoBの製品・サービスの情報収集で |
Q3 | BtoBの製品・サービスを検討する際、 |
Q4 | BtoBの製品・サービスを検討する際、 |
Q5 | 生成AIやAI検索を利用するようになってから、 |
Q6 | 生成AIやAI検索の回答は、 |
Q7 | 生成AIやAI検索で得た情報を信頼できると判断する際、 |
Q8 | 生成AIやAI検索で得た情報を確認・補足する際、 |
Q9 | 生成AIやAI検索だけでは十分に得られないと感じる情報は何ですか? |
Q10 | 生成AIやAI検索を利用した後について伺います。 BtoBの製品・サービスのサービスサイトで確認・実施したいことは何ですか? |
Q11 | BtoBの製品・サービスのサービスサイトで、 |
Q12 | サービスサイトに確認したい情報が見つからなかった場合、 |
Q13 | 生成AIやAI検索を利用するようになってから、 |
Q14 | 資料をダウンロードすることが最も多いのはどのようなときですか? |
Q15 | 問い合わせ・相談を行うことが最も多いのはどのようなときですか? |
Q16 | 資料ダウンロードや問い合わせ後、 |
Q17 | 資料ダウンロードや問い合わせ後の企業からのフォローで、 |
Q18 | BtoBの製品・サービスを導入・選定する際、最終判断で重視した要素は何ですか? |
Q1〜Q9の設問は、情報収集の入口からAIの利用方法、AIで得た情報の確認方法までを順に確認する構成になっています。
Q10以降では、AI利用後のサービスサイトでの確認、資料ダウンロード、問い合わせ、フォロー、最終判断までを扱っています。
Chapter1:AIは購買の入口を置き換えるのではなく、比較検討に入り込む
最初の情報収集では検索エンジンが依然として多く使われています。一方で、生成AI・AI検索は、候補となる製品・サービスを探したり、複数の製品・サービスを比較したり、情報を整理したりする場面で使われ始めています。
入口は検索エンジン。ただし、AI利用はすでに広がっている
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
情報収集を始める際に最初に利用した情報源を聞いたところ、「Googleなどの検索エンジン」が31.7%で最も多く、「生成AI・AI検索」は15.3%でした。
一方、BtoBの製品・サービスの情報収集で、ChatGPTやGeminiなど何らかの生成AI・AI検索サービスを利用した人は258人/300人で、86.0%でした。
つまり、AIが検索をそのまま置き換えているというより、検索を含むさまざまな情報源と併用されていると考えた方が実態に近そうです。
買い手はAIを「候補選定・比較検討の相談相手」として使っている
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
生成AI・AI検索利用者258人に、BtoBの製品・サービスを検討する際にどの段階でAIを利用しているか聞いたところ、「課題を整理するとき」57.4%、「解決方法を探すとき」55.8%、「製品・サービスの候補を探すとき」51.9%、「複数の製品・サービスを比較するとき」42.3%が上位でした。
AIへの聞き方では、「複数サービスの違いを聞く」が51.9%で最も多く、「条件に合うサービス候補を聞く」46.9%、「自社の課題に対する解決策を聞く」46.5%、「特定の製品・サービスのメリット・デメリットを聞く」44.2%と続きます。
AIは、候補を探す、違いを整理する、比較するといった検討に使われています。
AIによって、比較検討は速く・広くなっている
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
さらに、生成AIやAI検索を利用するようになってからの変化では、「情報収集にかかる時間が短くなった」が55.0%、「以前より多くの製品・サービスを比較・検討するようになった」が46.1%、「サービスサイトを見る前に、生成AIやAI検索で製品・サービスの概要を把握することが増えた」が40.3%でした。
また、生成AIやAI検索の回答が比較・検討するサービス候補を選ぶ際にどの程度影響するか聞いたところ、「大きく影響する」26.7%、「やや影響する」57.8%で、合わせると84.5%でした。
この調査からわかること
企業側から見ると、買い手がサービスサイトを訪れる前に、AI上ですでに概要把握や競合サービスとの比較が進んでいる可能性があります。
これらの結果から、企業には新たな検討候補として見つけてもらえる機会がある一方、サービスサイトを訪問される前に比較対象から外れる可能性もあると考えられます。
さらに、AI回答が候補選定に影響すると答えた人が8割を超えていることから、AI上で商材がどう整理・比較されるかが「候補に残る/落ちる」を左右するといえそうです。
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Chapter2:買い手はAIだけで判断せず、公式サイト・資料・事例で裏取りしている
AIで情報収集ができるようになっても、買い手はAIの回答だけで判断しているわけではありません。出典や公式サイトを確認し、複数の情報源を使って情報を補っています。
AIの回答は、公式情報や複数の情報源で確認されている
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
生成AIやAI検索で得た情報を信頼できると判断する際に確認することでは、「情報の出典や参照元が明記されているか」が49.2%で最も多く、「公式サイトに同じ内容が掲載されているか」44.6%、「複数の情報源で同じ内容が確認できるか」41.1%、「情報が最新か」40.7%と続きました。「特に確認せず参考にしている」は1.6%でした。
さらに、生成AIやAI検索で得た情報を確認・補足する際に主に利用する情報源では、「提供企業の公式サイト・サービスサイト」43.4%、「比較サイト・レビューサイト」38.8%、「製品・サービスの資料」37.6%、「導入事例・事例集」33.3%でした。「生成AIやAI検索だけで十分だと感じている」は1.6%にとどまっています。
AIで事前に概要把握・比較を進める人ほど、他の情報源も確認している
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
今回の調査では、「サービスサイトを見る前に、生成AIやAI検索で製品・サービスの概要を把握することが増えた」または「資料ダウンロードや問い合わせの前に、生成AIやAI検索で比較検討を進めることが増えた」と回答した人を、AIで事前に概要把握・比較を進める人と定義しました。
この人たちとそれ以外のAI利用者で、AIで得た情報を確認・補足する情報源を比較したところ、次の差がありました。
- 比較サイト・レビューサイトで確認:差分31.6pt
- 製品・サービス資料で確認:差分24.7pt
- 提供企業の公式サイト・サービスサイトで確認:差分13.9pt
いずれの情報源でも「それ以外のAI利用者」よりも「AIで事前に概要把握・比較を進める人」の割合が高くなっています。
この調査からわかること
AIで事前に概要把握・比較を進める人も、AIだけで情報収集を完結させているわけではありません。むしろ、出典や公式サイトなど、複数の情報源で裏取りしながら判断材料として活用しています。
そのため、AI検索への対応とサービスサイトの改善は、どちらか一方を選ぶものではありません。
AIに参照される情報を整え、その後に買い手が公式情報を確認しに来た際にも、判断に必要な情報を提供できる状態にしておく必要があります。
同時期にHubSpot Japan株式会社が2026年7月に公表したBtoB購買調査でも、生成AI・AI検索利用者のうち「候補となる商品・サービスの洗い出し」にAIを利用した人は50.3%、「各社の特徴・違いの整理」に利用した人は47.1%でした。また、売り手に接触する買い手のうち、複数候補のリストアップ以降まで検討が進んでいる人は63.5%でした。
調査対象や設問が異なるため数字の単純比較はできませんが、企業へ接触する前に買い手側で情報収集や比較が進んでいることは、他の調査からも確認できます。
Chapter3:AIだけでは足りない判断材料は、サービスサイトで確認されている
AIだけでは十分に得られない情報として最も多かったのは、「自社に合うかどうか」の判断材料でした。
サービスサイトには、一般的なサービス説明だけでなく、買い手が自社に合うかを判断するための情報が求められています。
AIだけでは足りない情報は「自社に合うかどうかの判断材料」
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
生成AIやAI検索だけでは十分に得られないと感じる情報を聞いたところ、「自社に合うかどうかの判断材料」が43.8%で最も多く、「料金・費用感」34.5%、「機能・サービス内容の詳細」32.6%、「導入事例・実績」31.8%、「他社サービスとの具体的な違い」30.6%、「導入後の成果・効果」30.2%と続きました。
AI利用後、買い手がサービスサイトで確認したいこと
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
一方、生成AIやAI検索を利用した後にサービスサイトで確認・実施したいことでは、「機能やサービス内容の詳細を確認する」46.9%、「サービスの公式情報を確認する」44.2%、「導入事例や実績を確認する」42.6%、「料金・費用感を確認する」40.3%が上位でした。
AIで事前に概要把握・比較を進める人ほど、事例や他社との違いを確認している
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
AIで事前に概要把握・比較を進める人と、それ以外のAI利用者で、サービスサイトで確認・実施したいことを比較すると、次の差がありました。
- 導入事例や実績を確認する:差分32.7pt
- 他社サービスとの違いを確認する:差分29.6pt
- 機能やサービス内容の詳細を確認する:差分19.0pt
- 料金・費用感を確認する:差分19.0pt
AIで事前に概要把握・比較を進める人では、具体的な判断材料を求める割合が高い結果となりました。
この調査からわかること
ここから分かるのは、買い手はAIの回答だけで判断を完結しているわけではないということです。
特に、AIで事前に概要把握・比較を進める人ほど、導入事例や実績、他社サービスとの違いを確認したいと答えた割合が高くなっていました。
AIでサービスの存在や概要を知ったとしても、それだけでは自社で導入できるのか、予算に合うのか、本当に成果が期待できるのかまでは判断しきれません。
サービスサイトには、こうした疑問を確認できる情報を整備するようにしておくといいでしょう。
買い手が判断したいこと | サイトで用意したい情報 |
|---|---|
自社の課題に合うか | 対応できる課題、利用シーン |
予算に合うか | 料金、費用体系 |
必要な要件を満たすか | 機能詳細、仕様、対応範囲 |
自社でも成果が出そうか | 導入事例、導入前後の変化、成果 |
他の選択肢と何が違うか | 他社との違い、比較、向いている企業 |
導入後に運用できそうか | 導入フロー、サポート、運用方法 |
Chapter4:サービスサイトは、問い合わせ前の確認・判断の場になる
問い合わせ前の買い手は、機能だけでなく料金や成果、導入実績も確認したいと考えています。情報が見つからなければ、必ず問い合わせるわけではなく、他社サービスを調べたり、問い合わせを見送ったりする人もいます。
問い合わせ前には「機能・料金・成果・実績」が確認されている
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
問い合わせ前にサービスサイトで確認したい情報では、「機能・サービス内容」48.3%、「料金・費用感」47.0%、「導入後の成果・効果」44.0%、「自社と近い業界・企業規模での実績」35.7%が上位でした。
では、こうした情報が見つからなければ、そのまま問い合わせてもらえるのでしょうか。調査結果を見ると、必ずしもそうではありません。
情報が見つからない場合、問い合わせに進むとは限らない
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
サービスサイトに確認したい情報が見つからなかった場合の行動として、「企業に直接問い合わせる」と「他社サービスのサイトを確認する」がともに39.0%でした。
続いて、「製品・サービス紹介資料をダウンロードする」31.7%、「比較サイト・レビューサイトを確認する」28.0%、「生成AIやAI検索で追加確認する」20.7%でした。
また、「問い合わせを見送る」は20.0%でした。
この調査からわかること
BtoBサイトでは、価格やサービス詳細を掲載せず、「詳しくはお問い合わせください」としているケースもあります。
もちろん、個別見積もりが必要で、すべての価格を公開できないサービスもあります。
ただし、情報を掲載しなければ問い合わせが増えるとは限りません。費用の目安や価格が決まる条件、対応可能な範囲など、買い手が候補として残すために必要な情報は、可能な範囲で提示した方がよいでしょう。
特にAIで短時間に複数サービスを比較できる状況では、情報が不足していること自体が他サービスを調べる理由になる可能性があります。
Chapter5:資料ダウンロード・問い合わせは、比較検討を前に進める
AIで情報収集・比較検討が進んでも、資料ダウンロードや問い合わせが不要になったわけではありません。サービスサイト、資料、問い合わせは、それぞれ異なる目的で利用されています。
AI利用後も、資料DLは「増えた」が「減った」を上回る
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
生成AIやAI検索を利用するようになってから、資料をダウンロードする機会がどう変化したか聞いたところ、「増えた」と回答した割合は、「ホワイトペーパー」25.6%、「製品・サービスの概要」27.9%、「料金・プラン」26.7%、「導入事例・事例集」26.7%、「他社比較・選定ガイド」27.9%でした。
いずれも「減った」と回答した割合を上回っています。
資料DL・問い合わせは、比較検討を進める接点として残る
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
資料をダウンロードすることが最も多いタイミングでは、「製品・サービスの基本情報をまとめて確認したいとき」が21.7%で最も多く、「サービスサイトだけでは分からない詳細情報を知りたいとき」16.7%、「料金・費用感を確認したいとき」16.3%、「他社サービスと比較したいとき」16.0%と続きました。
一方、問い合わせ・相談を行うことが最も多いタイミングでは、「複数サービスを比較しているとき」が21.3%で最も多く、「導入候補をある程度絞り込んだとき」17.0%、「課題を感じ始め、まず相談したいとき」16.0%、「解決策の候補を調べ始めたとき」13.7%でした。
この調査からわかること
この結果から、サービスサイト・サービス紹介資料・問い合わせそれぞれの役割は次のように整理できます。
接点 | 買い手にとっての主な役割 |
|---|---|
サービスサイト | 候補として残すか判断する |
サービス紹介資料 | 情報をまとめて確認し、比較・社内共有する |
問い合わせ | 自社固有の疑問や条件を確認する |
サービスサイトの情報を充実させれば、資料が不要になるわけではありません。
サイトでは必要な情報を探しやすくする。資料では社内でも共有・比較しやすいよう情報を整理する。問い合わせでは、自社の場合の費用や運用方法など個別性の高い疑問を解消する。
同じ情報を扱う場合でも、利用シーンに合わせて見せ方を変えることが重要です。
Chapter6:CV後のフォローは、関心・検討状況を考慮する
買い手は営業からの連絡を避けているわけではありません。一方、自分の関心と合わないフォローや、繰り返しの連絡は負担に感じられています。
求められるのは、単に早い営業より「関心に合った」情報
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
資料ダウンロードや問い合わせ後に企業から受け取りたいフォローでは、「関心のあるテーマに合った情報を送ってほしい」が35.3%で最も多く、「導入事例や比較資料を送ってほしい」29.7%、「営業担当者から早めに連絡がほしい」26.3%、「まずはメールで追加情報を送ってほしい」24.3%と続きました。
一方、資料ダウンロードや問い合わせ後の企業からのフォローで負担に感じるものでは、「何度も電話がかかってくる」41.7%、「関心と合わないメールが届く」37.0%、「一般的なメルマガが頻繁に届く」32.0%が上位でした。「すぐに電話がかかってくる」は24.0%、「すぐに商談を求められる」は20.7%でした。
この調査からわかること
この結果を見る限り、電話連絡そのものが嫌われているとは言い切れません。
問題になりやすいのは、買い手の関心や検討状況を考慮せず、一律に同じフォローを行うことです。
たとえば、製品概要の資料を初めてダウンロードした人と、料金ページや比較ページを繰り返し見ている人では、検討状況が異なる可能性があります。
これは調査結果そのものではなく、結果を踏まえた運用例ですが、CV後のフォローも次のように分けて考えられます。
行動の例 | 想定される状況 | フォロー例 |
|---|---|---|
入門・ノウハウ資料をDL | 情報収集段階 | 関連テーマの記事・事例をメールで案内 |
サービス資料・事例集をDL | サービス検討開始 | 関連事例、機能、比較情報を案内 |
料金・比較ページを閲覧 | 比較検討が進んでいる可能性 | 営業からの連絡や相談機会を案内 |
問い合わせ | 個別条件を確認したい | 問い合わせ内容を踏まえて早めに対応 |
重要なのは、CVしたという事実だけでなく、何に関心を持ち、どこまで検討が進んでいそうかを見ながらフォローすることです。
Chapter7:最終判断から逆算して、情報設計を変える
買い手が最終的に選ぶ際に重視しているのは、「自社の課題に合っていること」「費用対効果が見合うこと」「機能・サービス内容が要件に合っていること」です。コンテンツを作る際も、最終的にこの3点を判断できるかまで考える必要があります。
最終判断では「課題・費用対効果・要件」が重視されている
出典:AI時代のBtoBマーケティング 購買行動実態調査レポート
BtoBの製品・サービスを導入・選定する際、最終判断で重視した要素を上位3つまで選んでもらったところ、「自社の課題に合っていること」が74.0%で最も多く、「費用対効果が見合うこと」63.0%、「機能・サービス内容が要件に合っていること」54.0%と続きました。
一方、「導入後の成果・効果をイメージできること」は28.7%、「自社と近い企業の導入事例があること」は16.7%、「他社サービスとの違いが分かること」は12.0%でした。
この調査からわかること
ここは解釈に注意したいところです。
導入事例や他社比較が不要という結果ではありません。これまでの設問では、AI利用後や問い合わせ前の情報収集で、事例や他社との違いが確認されています。
事例や比較情報は、それ自体が最終的な選定条件というより、自社の課題に合っているか、費用に見合う成果を得られそうかを判断するための材料として使われていると考えると分かりやすいでしょう。
コンテンツを増やす際も、事例ページを増やす、比較ページを作るという施策だけで考えるのではなく、その情報によって買い手のどの疑問を解消するのかまで考える必要があります。
AIで比較される時代の情報設計見直しチェックリスト
ここまでの調査結果をもとに、自社のサイトやコンテンツで見直したい項目をチェックリストにまとめました。実務では、まず次の項目を確認してみてください。
確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
情報収集段階で「候補に入りやすい」情報の整備 | 自社のサービス名、提供領域、解決できる課題、主要機能、導入企業、導入効果などを、AIや検索エンジンが理解しやすい形で整理している。 |
AI回答後に確認される「公式情報」の整備 | サービスサイト、資料、導入事例、比較サイトなどで、AIで得た情報を裏取りできるように、最新かつ一貫した内容を掲載している。 |
「自社に合うか」を判断できる情報の掲載 | 機能・サービス内容、料金・費用感、導入事例、他社サービスとの違い、向いている企業、導入後の成果などを、買い手が比較・判断しやすい形で示している。 |
問い合わせ前の不安・疑問を解消する「サービスサイト設計」 | 問い合わせ前に確認されやすい機能、料金、成果、実績などの情報を掲載し、「詳しくは問い合わせ」だけに頼らず、候補として残すかどうかを判断できる状態にしている。 |
サービスサイト・資料・問い合わせの「役割分担」 | サービスサイトは候補として残すかを判断する場、資料は情報を整理して比較・社内共有する場、問い合わせは自社固有の疑問を確認する場として設計している。 |
資料ダウンロード後・問い合わせ後の「フォロー設計」 | どの資料をダウンロードしたのか、どのページを見ていたのか、何を比較していそうかを踏まえ、関心や検討状況に合った情報を届けている。 |
最終判断に必要な「判断軸」の一貫性 | 「自社の課題に合っているか」「費用対効果が見合うか」「機能・サービス内容が要件に合っているか」が、サービスサイト・資料・問い合わせの各接点で一貫して伝わるようにしている。 |
まとめ:AIで比較される時代に、企業が整えるべき情報とは
今回の調査から、AIで情報収集や比較が進むようになっても、買い手はAIの回答だけで導入を判断しているわけではないことが分かりました。
AIでサービスの候補を知った後は、公式サイトや資料、導入事例などを確認しながら、自社に合うか、費用は見合うか、必要な機能や条件を満たしているかを判断しています。
つまり、企業が対応すべきなのは、AIに自社サービスを見つけてもらうことだけではありません。
AIで候補に入った後、買い手が比較し、判断できるところまで情報を用意しておく必要があります。
また、サービスサイト・資料・問い合わせそれぞれの役割を踏まえ、買い手の検討状況に合わせて、必要な情報を適切な形で届けられるようにしておくことも重要です。
AIによって情報収集の方法は変わりつつありますが、最終的に買い手が確認したいのは、自社に合うのか、導入する価値があるのかという点です。
AIに正しく情報を伝えることと、その後に買い手が判断できる情報を用意すること。この両方を考えて、サイトや資料、問い合わせまで見直していく必要があります。
- 調査レポートのご紹介
本記事で紹介した調査結果の詳細は、こちらの調査レポートでご覧いただけます。
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- 関連記事のご紹介
今回扱ったAI時代の買い手の購買行動だけでなく、リード獲得やナーチャリングといった企業側の活動についても調査しています。ぜひ併わせてお読みください。
AI時代のBtoBマーケについてご相談ください

ferret Oneでは、市場環境の変化を踏まえたマーケティング戦略の見直しから、サービスサイトの改善、コンテンツ制作、ナーチャリング、マーケティングツールの活用まで、BtoB企業をご支援しています。
サイトや施策をどこから見直せばよいか、整理いたします。気軽にご相談ください。









