サイト分析レポートの書き方とは?作成に役立つツール紹介
サイト分析レポートを使えば、現在の運用状況から、Webサイトが本来の役割を果たしているかを検証するのに役立ちます。Webサイトの課題点や改善点を自分で把握できるのはもちろん、上司やチームメンバーへの共有が可能です。
ただし、より有用なサイト分析レポートを作るには、いくつかの重要項目を押さえる必要があります。
本記事では、サイト分析レポートの重要項目、詳しい書き方や役立つツールを3つ紹介します。
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サイト分析レポートの重要性とは?
サイト分析レポートは、自社運営サイトがコンバージョンや利益の創出に役立っているかを把握するために重要です。Webサイトへのアクセス状況を記録するため「アクセス解析レポート」と呼ぶことがあります。
サイト分析レポートで自社サイトの運用状況を知れば、掲げた目標までの達成度の把握が可能です。
ユーザーの流入経路やページの滞在時間を把握することで、よりユーザー目線に立ったWebサイトが作成できます。
サイト分析レポートを活用する大きなメリットは、普段サイト運営に関わっていないメンバーへサイトの現在の状況や課題・改善点を共有できる点です。
サイト分析レポートで重要となる項目
よりコンバージョンを生み出すWebサイト作りのために、サイト分析レポートを作成する際、押さえておきたい項目が6つあります。
- サイト全体のアクセス状況
- ページ別のアクセス状況
- ユーザー属性
- ユーザーの流入経路
- コンバージョンの状況
- 流入キーワード
これらの項目を押さえれば、サイト運用状況の全体像を把握でき、多角的な視点でWebサイトの課題点や改善点を見出せます。
サイト全体のアクセス状況
サイト全体のアクセス数や滞在時間を示す数値をみて、サイトの状況を大まかに把握しましょう。「セッション数」「PV数」「ユニークユーザー数(ユーザー数)」の3つから計測できます。
- セッション数:ユーザーがサイトを訪問~離脱するまでの数
- PV数:サイト内のページが表示された数
- ユニークユーザー数(ユーザー数):同一ユーザーがサイトを訪問した数
1か月間など期間を絞り、サイトへのアクセス数やページビュー数をレポートすると、前月や前年同月と比較可能です。
【分析結果から分かるサイト改善方法の例】
数値が伸びない場合は、SEO施策などのキーワードを再選定すると数値改善を望める可能性があります。
ユーザーにとって優良なサイトは、平均滞在時間が長く、直帰率や離脱率の低い傾向が高く見られます。ユーザーにとって有益な情報を提供できているかの判断基準として、意識しておきましょう。
ページ別のアクセス状況
ページごとのアクセス数や滞在時間を示す数値をみて、ユーザーがどのような情報を求めているのかを計しましょう。
【分析結果から分かるサイト改善方法の例】
アクセス数が多いページは、類似のテーマでさらにページを増やしてコンテンツを充実させることで、ユーザーの満足度向上が可能です。
ユーザーがサイト内のページをどのくらい閲覧したかを示す割合を「回遊率」と呼び、「PV数÷セッション数」の式で割り出せます。
回遊率が低く、ページの滞在時間が短い場合は、コンテンツがユーザーのニーズに答えられていない可能性があるため改善が必要です。
コンテンツ内容の見直しや、場合によっては、Webサイトから削除することを検討しましょう。
【ページの平均滞在時間】=「訪問者の全ての滞在時間÷セッション数」で求められます。
ユーザー属性
性別・年齢・地域などのユーザー属性・ユーザーの使用デバイスが確認できる項目です。
【分析結果から分かるサイト改善方法の例】
スマホで閲覧しているユーザーが多ければ、スマホに最適化したサイト構成が必要です。
また、ターゲティングに活用できるため、性別や年齢に応じたサイトデザインへ変更や、コンテンツ内容の選定など、Webサイトの方向性を定める指標として役立ちます。
ユーザーの流入経路
流入経路をリサーチすることで、何を経由してサイトを訪れたのか、どの集客施策に注力すればいいのかを判断できます。
【分析結果から分かるサイト改善方法の例】
GoogleやYahoo! からの検索流入が少ない場合は、SEO施策でキーワードの選定に課題がある可能性が高いです。キーワードの見直しはもちろん、コンテンツの充実度も重要です。
SNSからの流入が多い場合は、SNS広告の予算を増やす、ユーザーにとって有益となる情報発信をするアカウント運用に注力するなどの必要があります。
コンバージョンの状況
サイトに訪れた人のうち、どれくらいの割合がコンバージョンしているかを把握できます。
コンバージョンはWebサイトの最終目的となるため、特に重要な数値です。
1セッションあたりどれくらいのユーザーがコンバージョンしたかを示す割合を「CVR(コンバージョン率)」と呼び、「コンバージョン数÷セッション数」の式で求めます。
サイト分析レポートでは、会員登録・商品購入・サービスの利用開始・問い合わせなどのコンバージョン数やコンバージョン率を、上司やチームメンバーが把握しやすいようにまとめる必要があります。
【分析結果から分かるサイト改善方法の例】
コンバージョンに至るユーザーがよく見ているページには、訴求のヒントが隠されています。
どのようなサービスのメリットを、どのような言葉で表現すると、ターゲットに欲しいと思ってもらえるのか、分析に役立ちます。
流入キーワード
検索でサイトを訪れたユーザーが、どのようなキーワードでサイトへ訪れたのかを示す数値です。
顕在ニーズを把握できるため、ユーザーにとってどのようなコンテンツが有益かを明確化できます。
【分析結果から分かるサイト改善方法の例】
企業が狙ったキーワードで検索上位に表示されているにも関わらず、クリック数が低い場合は、タイトルやディスクリプションの修正が必要です。
サイト分析レポートでよく活用されるGoogleアナリティクスでは、流入キーワードのデータを抽出できません。流入キーワードの詳しい分析には、「Googleサーチコンソール」を活用しましょう。
サイト分析レポートを作成するコツ
アクセスやコンバージョンの状況を自分で把握しただけでは、Webサイトの改善に活かせません。
サイト分析レポートの有用性を高めるためには、サイト分析を実施する目的を明確にし、課題点や改善点をほかのメンバーと共有する必要があります。
ここでは、サイト分析レポートを作成するコツを3つ紹介します。
- ゴールを明確にする
- 専門用語をなるべく使わない
- ツールの数値だけで判断しない
ゴールを明確にする
Webサイトの運営状況を把握しただけでは、アクセス数向上やコンバージョンに繋がりません。
サイト分析レポートによって明らかになった課題・改善から導き出し、具体的なゴール設定を行うことが重要です。
【一例】
- SEO施策を強化して、検索上位表示を狙う
- スマホからの閲覧者が多いため、スマホに最適化してPV数を〇件獲得する
このように、明確なゴールを設定することで、これから取り組むべき施策内容が具体的に見えてきます。
専門用語はなるべく使わない
サイト分析レポートを読む全ての人が内容を理解できるように、専門用語の使用は必要最小限に抑える心がけが必要です。
サイト運用者にとって馴染みのある用語を、サイトユーザーが同じように理解できるとは限りません。
専門用語を使う必要がある場合は、注釈を入れるなど、読む人へ配慮を欠かさない意識を持ちましょう。
ツールの数値だけで判断しない
テレビやラジオで自社サービスや商品に関連するニュースが取り上げられたり、影響力のある人物がSNSで発信したりした場合に、サイトのアクセス数が一気に増加するケースが見られます。
ツールの数値だけ追っているとその事実に気づけず、アクセス数の推移に対して誤った分析をしてしまう可能性があります。サイト分析レポートで数値の分析をする際は、あらゆる可能性を考慮した多角的な視点による判断が必要です。
Googleアナリティクス(GA4)でサイト分析レポートを作る方法
Googleアナリティクス(GA4)は無料で利用でき、サイト運用者によく活用されるツールの1つです。本章では、自分の好きなようにサイト分析レポートを作成できる探索レポートについて解説します。
- Googleアナリティクスを開く
- 「探索」を選び、レポートの土台を選択
- 「変数」「タブの設定」でほしいデータをカスタマイズして、レポート作る
- 「共有」により、他のメンバーも閲覧できるようになる
1.Googleアナリティクスを開く
Googleアナリティクスの利用には、無料で作成できるGoogleアカウントが必要です。アカウントを持っていない場合は事前に作成して、Googleアナリティクスの基本設定を済ませましょう。
2.「探索」を選び、レポートの土台を選択
Googleアナリティクスを開き、画面左のメニューバーから「探索」に進みます。
「テンプレートギャラリー」で自分の作りたいレポートをクリックします。
3.「変数」「タブの設定」でほしいデータをカスタマイズして、レポート作成
テンプレートギャラリーのテンプレートを活用すると、あらかじめ必要な項目が設定れています。
追加でほしいデータがある場合は「変数」「タブの設定」で必要に応じて表示項目を変更したり、集計期間の変更、表示形式の変更が可能です。
4.「共有」により、他のメンバーも閲覧できるようになる
「共有」をクリックすると、権限があるすべてのメンバーがレポートの閲覧できる仕様に変更できます。
報告書などへデータを添付したい場合は「エクスポート」を選択し、任意の形式で保存しましょう。
※UAのデータ計測は2023年7月に停止しました。GA4に移管する必要があります!
▼GA4へ移管する方、移管後の設定に苦戦している方はこちらをご覧ください!
→【GA4】切り替えガイド設定方法とレポートの見方
サイト分析レポート作成に役立つGoogleツール
本章では、サイト分析レポートに役立つGoogleツールをご紹介します。
Googleサーチコンソール
Googleアナリティクスを使って作成するサイト分析レポートは、検索キーワードの抽出ができません。
検索キーワードの数値をレポートに盛り込む場合は、Googleサーチコンソールの利用をおすすめします。Googleアナリティクスとの違いは、ユーザーがWebサイトへ訪れる前のデータ分析に特化している点です。
検索流入数や、クリック数などを把握できる高性能なツールであるのにも関わらず、無料で利用できます。
Googleデータポータル
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールと連携して、サイト分析レポートを自動作成できるツールです。全機能を無料で利用できます。
グラフや表に可視化した各項目の数値はリアルタイムで自動更新されるため、常に最新状況の把握が可能です。
作成したレポートはGoogleドライブに保存でき、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントと同じように他のメンバーへ共有できます。
サイト分析レポートで課題解決を目指そう!
本記事では、サイト分析レポートの重要性や作成方法について詳しく解説しました。
サイト分析レポートを作成する際は、次の6つの項目を押さえることで、サイトの運用状況をより詳しく把握でき、課題点や改善点を洗い出せます。
- サイト全体のアクセス状況
- ページ別のアクセス状況
- ユーザー属性
- ユーザーの流入経路
- コンバージョンの状況
- 流入キーワード
さらに、サイト分析レポートを書く際、3つのコツがあります。
- ゴールを明確にする
- 専門用語はあまり使わない
- ツールの数値だけで判断しない
サイト分析レポートを作成すると、客観的な視点で自社運用サイトが抱えている課題に気づけます。閲覧数の少ないページや滞在時間の少ないページなどを改善し、より効果的なサイト運用を目指しましょう。
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