BtoB企業がSEO対策で新規顧客を獲得する方法!進め方やツールを紹介
発注先企業をインターネット検索で探すのが一般的になっている今、BtoBビジネスにおいてもサイトのSEOは重要です。検索エンジンから流入してくるユーザーを増やすことは、新規顧客の獲得につながります。
この記事ではBtoBサイトSEOの基本的な進め方、おすすめのSEO支援ツールをご紹介します。やるべきことのチェックリストもありますので、ぜひご活用ください!
■合わせて活用しよう:5ステップでキーワード選定ができるワークシートです
→直接記入して使える!SEOキーワード選定シート
目次[非表示]
BtoB企業がSEO対策に取り組むべき理由
SEO対策は長期施策のため、今すぐリードが欲しい場合は後回しにされがちです。しかし、SEO対策はBtoB企業こそ取り組むべき施策です。その理由を解説します。社内で必要性を説明する参考にもしてみてください!
- BtoBの顧客はWebサイトで情報収集する
- 幅広い検討層にアプローチできる
- 広告費用を抑えられ、リード獲得単価を下げられる
BtoBの顧客はWebサイトで情報収集する
仕事上の製品・サービスの情報源として「企業のWebサイト」を利用している人は64.8%といわれており、BtoBの顧客の多くはWebサイトで情報収集しています。※1
しかも、BtoBの顧客は意思決定プロセスの57%を営業担当の接触前に済ませていることもわかっています。※2
検討度が高いリードがWebサイト上に存在しているのです。そのため、検索エンジンからの流入をいかに増やせるかがリード獲得のために重要になることがわかります。
※1出典:株式会社トライベック・ブランド戦略研究所 「BtoBサイト調査」
※2出展:The Digital evolution in B2B Marketing
幅広い検討層にアプローチできる
BtoB企業は検討期間が長く、その分検討フェーズが細かく分けられます。そのため、同じターゲットを獲得しようとしても検討フェーズごとに課題が異なるため、必要とされる情報と検索されるキーワードも異なるのです。
SEO対策でそれらのキーワードをおさえて、コンテンツを用意しておくことで、幅広い検討層にアプローチできるようになります。BtoBの場合、記事は集客だけでなく、ナーチャリング(検討度を高める施策)にも活用できます。
広告費用を抑えられ、リード獲得単価を下げられる
SEOに取り組んで検索上位を獲得できれば、そのキーワードでリスティング広告を出稿しなくてもよくなります。
その分広告費が抑えられて、リード獲得単価を下げることができるため、費用対効果の高いマーケティングを実現できます。
BtoBサイトでSEOに取り組む際のキーワードの選び方
BtoBサイトでSEOに取り組む場合、BtoCのオウンドメディアなどの取り組みとは異なるポイントがいくつかあります。成果を出すためには、特にキーワードの選び方が重要です。
- 「BtoBはキーワードの検索ボリュームが少ない」と心得る
- 「CVに近いキーワード」と「情報収集キーワード」を分けて考える
- 「CVに近いキーワード」→「情報収集キーワード」の順で取り組む
- 「CVに近いキーワード」の中でも「ロングテールキーワード」から取り組む
1.「BtoBはキーワードの数・検索ボリュームが少ない」と心得る
BtoBはBtoCと比べて、検索キーワードが少なく、しかも検索ボリュームが小さい傾向にあります。
この前提は必ず念頭に置いておきましょう。めBtoCと同じつもりでセッション・PVの目標を立てると、無茶を強いることになりかねません。検索ボリュームに見合った適切な目標を設定しましょう。
▼検索ボリュームの目安について、こちらで詳しく解説しています。
→【編集部が解説】SEOで狙うべきGoogle検索ボリュームの目安とは
2.「CVに近いキーワード」と「情報収集キーワード」を分けて考える
キーワードは検索するユーザーの検討段階によって大きく2つに分類されます。CVに近いユーザーが検索するキーワードと、まだ情報収集をしている段階のユーザーが検索するキーワードです。
CVに近いキーワードとは?
たとえば、「◯◯ 比較」「◯◯ 外注」などのキーワードを検索するのは、すでに外注することを視野に入れた上で業者の比較検討の段階に入っているユーザーだと推測できます。これらはCVに近いキーワードです。上位表示の重要度は高いですが、競合が多いのでその分難易度も高くなります。
情報収集キーワードとは?
一方、「Webマーケティング」「Web広告 種類」などのキーワードを検索するのは、その分野について情報収集をしている段階のユーザーだと推測できます。CVにつながる確率は低めですが、コンテンツマーケティングの観点から幅広いリードを獲得したいならば、これらのキーワードについてもSEOの対象にすべきでしょう。
▼こちらのワークシートを活用して、キーワードを洗い出してみましょう!
→直接記入して使える!SEOキーワード選定シート
3.「CVに近いキーワード」→「情報収集キーワード」の順で取り組む
BtoBでは、どのようなリードを獲得したいかに応じて、どちらの種類のキーワードを集中的に狙っていくかのスタンスが決まります。ゼロから取り組むのであれば、成果につながりやすい「CVに近いキーワード」から狙っていくのがオススメです。
ただ、BtoBの場合「CVにつながるキーワード」の数は限られています。「CVにつながるキーワード」のほとんどで検索上位を獲得できたら、次は潜在層を獲得していくために「情報収集キーワード」を拡充していくフェーズになります。ただ、「情報収集キーワード」拡充のためには、定期的に更新を続けるか、早期に大量のコンテンツを揃えていく必要があります。
しかしBtoB企業の場合、コンテンツ作成担当を専任で置くのは難しい場合も多いでしょう。コンテンツを作り続けるリソースと、見合うだけの成果が得られそうか?は見極めたいところです。
定期更新が難しい場合は、CVに近いキーワードを網羅するところまでを目標にして、CVRを高めていく施策に移るのも1つの方法です。
4.「CVに近いキーワード」の中でも「ロングテールキーワード」から取り組む
「CVに近いキーワード」の中でも「ロングテールキーワード」から優先的に取り組むと成果が出やすくなります。しかもBtoBの場合、検索ボリュームは少なくてもニッチな需要があり、CVRが高くなる場合が多いのも特徴です。「ロングテールキーワード」を狙う手法と相性がいいともいえます。
ロングテールキーワードとは「SEO キーワード 選び方」のように、3つ以上の単語で検索される複合キーワードのことです。1つのキーワードがGoogleに評価されれば、関連するキーワードも相乗効果で上位を取りやすくなるため、効率よく上位表示を狙っていけます。
▼ロングテールキーワードについては、こちらで詳しく解説しています
→ロングテールキーワードでCVRを上げよう!選び方とおすすめツールも紹介
BtoBサイトのSEOの基本的な進め方3ステップ
勘違いされることも多いですが、そもそもSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)とは、検索エンジンで上位表示することだけを指す言葉ではありません。
上位表示を狙うのはあくまで検索者にニーズを満たす適切なコンテンツを提供するため。検索者が望む検索結果を検索エンジンが提供できる状況を作る(=最適化)ことで、検索者からも検索エンジンのアルゴリズムからも「このサイトは価値ある情報を提供している」と認識されていく、というのがSEOの基本的な考え方です。
BtoBでもSEOの基本は変わりません。SEOでやるべきことは、突き詰めると以下の3つに集約されます。
- 検索者のニーズを満たすコンテンツを用意する
- 検索エンジンにクロール&インデックスに登録されやすい状態を保つ
- アルゴリズムに価値あるコンテンツと認識され、優先的に表示される
それでは、それぞれの取り組みについて詳しく説明しましょう。
1. 検索者のニーズを満たすコンテンツを用意する
検索者は何か知りたい・調べたいことがあって検索をしているはずです。制作するコンテンツは、そのニーズを満たすものでなければいけません。
ただキーワードを本文にたくさん入れるだけではなく、「そのキーワードで検索する人がどのようなことを知りたくて、どのような意図で検索をしているのか」を想像し、そのニーズを満たすコンテンツを用意しましょう。
「何を書いていいのかわからない」「書くネタが見つからない」という人は、次のようにするとコンテンツを作りやすいです。
■ターゲット属性に近い人にインタビューをする
対象顧客や顧客像に近い人たち数名にインタビューして、どのようなプロセスで意思決定しているのかを調査します。すると、プロセスの途中で検索してデータや情報を集める必要が出てきた際に、どのようなキーワードで検索されるかが見えてきます。
顧客の行動から、リアルなキーワードや知りたい情報を探ってみましょう。
■営業現場で質問されたことをコンテンツ化する
商談中に質問されることは、ターゲットが明確に知りたがっているニーズが高い情報です。当然ほかにも知りたがっている顧客がいるはずであり、検索ニーズがある可能性も高いと言えます。同じ疑問を持って検索した人が疑問を解決できるようなコンテンツを作る、という考えのもとで、質問に対して回答したことをそのまま(もしくは多少補足をして)コンテンツにすればよいのです。
一度コンテンツ化しておけば、次から同じ質問をされた時にはURLを案内すればよいので業務の効率化にもつながります。
■提供しているソリューションの一部をコンテンツ化する
ソリューションの一部をノウハウ・知見としてコンテンツ化し、無償提供するという手法もあります。有料で提供しているようなノウハウは質の高いコンテンツになるはずですし、市場からニーズがあり検索される可能性も高いでしょう。
また、書籍の試し読みやツールのデモ版のように、「このサービスを導入するとどのようなメリットがあるのか」を顧客が想像しやすくなり、CVR(コンバージョン率)向上にも効果を発揮してくれます。
▼検索意図を想定する方法について、こちらで詳しく解説しています。
→検索意図とは?分類とニーズの調べ方
2. 検索エンジンにクロール&インデックスされやすい状態を保つ
検索エンジンはクローラーと呼ばれるプログラムでインターネット上のWebサイトの情報を収集(クロール)し、インデックスしています。適切にインデックスされるためには、このクローラーにとってわかりやすいサイトを作る必要があります。
プログラムであるクローラーがWebサイト上で見ている箇所は我々人間とは少し違うので、普段は人の目に見えないところまで気を配る必要があります。まずコンテンツの質が高いことが大前提ですが、その上で検索エンジンの性質を踏まえた対策をしましょう。
クローラビリティ(クローラーにとってのわかりやすさ)を高めるための主な施策をまとめました。以下のようなチェックリストを作って、一つ一つ対応してみてください。
<サイト全体について>
1 |
URL正規化 |
2 |
HTMLサイトマップ追加 |
3 |
階層構造変更 |
4 |
構造化データマークアップ |
サイト全体の構成を見直し、クローラーが巡回しやすいサイトにしていくための施策です。カテゴリ分けによる階層構造が整っていなかったり、http とhttpsの両方のURLが存在したりしていないか、チェックしましょう
<htmlタグについて>
5 |
h1テキスト変更 |
6 |
Titleタグ変更 |
7 |
画像タグalt属性追加 |
8 |
見出しタグ使用位置変更 |
Webサイトは主にhtmlという言語で作られています。正しいhtmlの記述をすることでクローラビリティが上がります。また、見出しタグで囲んだ内容は重要なものとされるので、見出しの位置や入れるキーワードに気を配りましょう。
<コンテンツについて>
9 |
コンテンツ内容改善 |
10 |
ファーストビューコンテンツ改善 |
11 |
重複コンテンツを正規化 |
12 |
低品質ページのnoindex化 |
コンテンツの内容を見直し、改善します。低品質なページや検索結果に表示させる必要のないページが多い場合、それらはインデックスされないよう設定しましょう。ユーザーにとって有益なページのみをインデックスさせることで、サイトの評価を高めます。
<内部リンクについて>
13 |
フッターリンク内アンカーテキスト変更 |
14 |
関連記事を追加 |
15 |
TOPページから各ページへのリンクを追加 |
16 |
SEO強化記事へのリンクを増やす |
17 |
サイトマップへの動線変更 |
クローラーはサイト内のリンクをたどって巡回します。クローラーが重要なページにたどりつきやすいよう、内部リンクを最適化しましょう。ただリンクさせればいいのではなく、関連のあるページ同士をリンクさせることが重要です。
<パンくずについて>
18 |
パンくずリストの内容変更 |
19 |
パンくずリストのアンカーテキスト変更 |
内部リンクの一環として、パンくずリストについても見直し、改善を行います。トップページと現在ページしか表示されないパンくずはもったいないので、中間のカテゴリなどが表示されるようにして階層がわかりやすく、かつ巡回しやすいようにします。
3. アルゴリズムに価値あるコンテンツと認識され、優先的に表示される
ニーズを満たすコンテンツが用意されていて、かつそのコンテンツが適切にインデックス登録されていれば、検索ユーザーを満足させることができるはずです。
ユーザーの行動のデータを取得してみて思うような結果が出ていない場合は、「コンテンツが低品質」「キーワードのニーズとコンテンツが一致していない」などの問題が考えられます。今一度検索ユーザーのニーズやコンテンツの内容を考え直してみましょう。
主要な検索エンジンであるGoogleはユーザーファーストの方針を掲げており、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することを重視しています。小手先の対応でしのぐのではなく
- 「ユーザーのニーズを満たすコンテンツ作りを徹底する
- コンテンツの内容を適切にインデックスさせる
この2つの方針を忘れずにSEOを実践していけば、Googleのアップデートのたびに振り回されることもないはずです。
▼Googleのアルゴリズムの原理原則はアップデートでも変わりません。おさえておきましょう!
→【基本】Googleアルゴリズムとは?10年経っても変わらない原理原則
BtoBサイトで SEO対策をするなら必須のおすすめツール4選
最後に、BtoBのSEOを行うのに便利なツールを4つご紹介します。
1. キーワード調査の定番「Googleキーワードプランナー」
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
本来はGoogleに広告を出す際にキーワードの表示回数やクリック数の予測を表示するためのツールですが、キーワードの月間平均検索ボリュームを調べることができるため、SEOのキーワード選定にも利用できます。ただし、広告を出していない場合は検索ボリュームが「100〜1000」のように曖昧な表示になります。無料で使用できますが、Googleアカウントが必要です。
2. トレンド観測に便利「Googleトレンド」
https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP
キーワードの人気度の動向や、どの地域で人気があるかを調べることができます。また、自分でキーワードを入力する以外にも急上昇ワードや人気の話題をチェックすることも可能です。キーワードプランナーと併用すると、より正確なキーワード需要を確認できます。
3. 共起語検索ツール「Neo Inspiration」
https://neoinspire.net/cooccur/
共起語とは、ある言葉と同時に使用される確率が高い言葉のことです。「Neo Inspiration」は単語を入力するとその単語の共起語を調べることができます。このツールを使ってSEO対策キーワードの共起語をリストアップすれば、同時に検索されそうなキーワードの選定やユーザーニーズの把握に役立ちます。
4. 検索数予測ツール「aramakijake.jp(アラマキジャケ.jp)」
キーワードを入力すると、Google検索とYahoo検索それぞれの予測検索数や表示順位ごとの予測アクセス数を表示できます。Googleキーワードプランナーに比べてシンプルで手軽に検索ボリュームの確認ができることと、Yahoo検索のボリューム数も確認できることがメリットです。
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BtoBサイトのSEOはユーザーのニーズを第一に考えることが重要
BtoBの顧客のほとんどがWebサイトで情報収集するため、SEO対策はリード獲得には欠かせない施策です。ゼロから取り組む場合は「CVに近いキーワード」から対策すると成果が出やすいため、ぜひ取り組んでみましょう。
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