検索意図とは?分類とニーズの調べ方
ユーザーから求められる効果的なコンテンツ作りには、ユーザーが抱える検索意図に寄り添う姿勢が欠かせません。しかし、検索意図をしっかりと把握するにはどうすればいいのでしょうか?
この記事では、SEOで欠かせない検索意図の種類や、検索意図を想定する上で役立つツールを紹介します。
■合わせて活用しよう:5ステップでキーワード選定ができるワークシートです
→直接記入して使える!SEOキーワード選定シート
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検索意図とは?
検索意図とは、ユーザーが検索を行う目的のことです。英語で「インテント」と呼ぶケースもあります。
たとえば、自社に適したCMSでオウンドメディアを作りたいと考えているとき、「CMS オススメ」「CMS 使いやすい」などのキーワードを使った検索をするはずです。
GoogleやYahoo! などの検索エンジン(検索ボックス)に調べたいキーワードを入力するとき、解決したい課題をそのまま入力するとは限りません。キーワードの裏に、ユーザーニーズが眠っているのです。そのため、検索意図を知れば、ユーザーから求められるコンテンツを作りやすくなります。
検索者のニーズを満たすコンテンツは重宝され、ユーザーの目に触れる機会が増えます。結果として、自社認知につながるはずです。
検索意図の調べ方とは?代表的な5種類
検索意図は、多くのユーザーが検索したデータの蓄積を調べることで、有効的に活用できます。ここでは、検索意図の調べ方の代表的な5種類を紹介します。
- 「サジェストキーワード」をチェックする
- 「上位表示されている検索結果」をチェックする
- 関連検索をチェックする
- 「共起語」をチェックする
- 出稿キーワードをチェックする
「サジェストキーワード」をチェックする
「サジェストキーワード」とは、調べたいキーワードを検索ボックスに入力したとき、下に表示される検索ワードの塊のことです。
検索エンジンが、入力したキーワードと一緒に追加検索されやすいキーワードを提案してくれるため、「予測変換」ともいいます。
最も簡単な調べ方なので、検索意図を気軽に知りたい人におすすめの方法です。
▼サジェストワードの詳細については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→Googleサジェストとは?表示の仕組みと活用方法、抽出ツールを解説
「上位表示されている検索結果」をチェックする
検索順位が高いWebページは、ユーザーの検索意図を理解していて、内容の質が高いとGoogleに評価されているコンテンツだと考えられます。そのため、上位表示されているページは、検索意図を読み取る重要なヒントです。
検索上位のページでは、どのようなテーマやトピックを扱っているか共通点を探りましょう。加えて、自社が所有する知識やスキルも盛り込むことで、独自性があるコンテンツが作れます。
関連検索をチェックする
関連検索とは、入力したキーワードの検索結果ページ下部に表示されている「他の人はこちらも質問」の部分です。サジェストキーワードと同じで気軽に調べられるので、初心者にもおすすめの調べ方です。
例:BtoBマーケティングの検索意図 |
このように、「BtoBマーケティング」を検索したユーザーが感じているであろう課題が見えてきます。これらを満たしたコンテンツを作成することで、ユーザーの検索意図を深く理解したコンテンツ作りができるはずです。
ちなみに「関連キーワード」と「サジェストキーワード」は混同しやすいですが、それぞれ下記のような意味があるため違うものとなっています。
- 関連キーワード: 検索キーワードと関連性の高いキーワード
- サジェストキーワード: 自分を含めたさまざまなユーザーたちが、過去検索したキーワード
「共起語」をチェックする
共起語とは、検索したキーワードとセットで現れる、または頻繁に現れるワードのことで、複数からなる場合が多いです。
たとえば「共起語」の共起語では、「キーワード」「SEO」「ツール」「関連」「対策」などが挙げられます。
共起語を抽出できるツールを活用するのもおすすめです。単語を調べる時間を減らせるのに加え、検索上位に表示されるために不可欠なテーマを知ることができます。
マーケティング知識が少なくても、ツールを使えば自動で結果がわかるため、積極的に取り入れるといいでしょう。
出稿キーワードをチェックする
出稿キーワードとは、キーワードの検索結果に表示されるリスティング広告の部分です。
広告出稿されているということは、費用をかけてユーザーに発信することで、より多くの利益を見込めるキーワードだと考えられます。
キーワードに対し、どのような広告を出しているのかなどをチェックしましょう。
検索は「バーティカル検索」と「ユニバーサル検索」の2種類
「検索」はひとまとめに考えられがちですが、「バーティカル検索」と「ユニバーサル検索」 2種類に細分化ができます。検索意図を見分けたり、分析するときに役立つため、把握しておきましょう。
バーティカル検索
Googleの検索結果ページに表示される検索機能が「バーティカル検索」です。
検索したキーワードの情報をカテゴリで絞り込める検索手法で、多くの人が日常的に利用しています。
通常の検索時は、左側の「すべて(虫メガネマークの部分)」が選択されています。
たとえば、調べているものを視覚的に理解したい場合、画像や動画カテゴリをクリックすると、内容理解を深められます。
ユニバーサル検索
こちらもGoogleの検索結果ページに表示される検索の種類です。リッチリザルトやナレッジグラフと呼ばれることもあります。
検索結果で表示される情報(画像、地図、ニュースなど)に関する派生情報です。表示はユーザーの検索意図に沿っているため、知りたい情報を網羅的に知ることができます。
例:シャープ(人名や会社)
会社や人物の基本情報(プロフィール)・関連ニュース・直近のツイート内容が見られます。
例:国会議事堂(場所)
場所の住所や地図が表示されます。
このように、ユーザーの思考に寄り添った検索意図が反映されています。
検索意図は4つに分類できる
ユーザーがニーズを満たすために検索する内容は「クエリ」と呼ばれ、KNOW・GO・DO・BUYの4つに分類できます。クエリは「質問」を指す言葉で、一般的に「データベースに対して行う問い合わせ」という意味です。
ここでは、4つのクエリを具体的に紹介します。
検索意図①KNOWクエリ(○○が知りたい)
検索ボックスに入力・検索したキーワードについて「知りたい」という意図が含まれています。
検索例
- 「オウンドメディアとは」
- 「BtoB BtoC 違い」
- 「メルマガ 効果」 など
検索意図②BUYクエリ(○○が買いたい)
検索ボックスに入力、検索した商品・サービスを契約したいという意図が込められています。 検索例
- 「マーケティングツール 契約」
- 「セミナー 申し込み」
- 「飛行機 チケット」(出張に使うチケットを買いたい)など
検索意図③GOクエリ(○○へ行きたい)
検索ボックスに入力・検索したキーワードの場所やWebサイトに「行きたい」という意図が込められています。
検索例
- 「(社名) 本社」
- 「マーケティング会社 千代田区」
- 「(ツール名) ログイン」 など
検索意図④DOクエリ(○○をやりたい)
検索ボックスに入力、検索したキーワードのHow to(手順やコツ)を知りたい、やりたいという意図がある検索です。
検索例
- 「ウェビナー やり方」
- 「メルマガ 作り方」
- 「展示会 開催」 など
検索意図を知るために重要な検索クエリの分類
上記4つのクエリに加えて「検索クエリ」という考え方も知っておくと、検索意図の分類をよりわかりやすく行えるはずです。
検索クエリとは、「ユーザーが検索するとき、検索ボックスに入力するキーワード」のことです。何かを調べるため・ニーズを解消するために必要な言葉を言語化することを指します。
検索クエリは、以下の3つです。
検索クエリ①ナビゲーショナルクエリ(案内型)
特定サイトに訪れるという意図を持った検索キーワードが「ナビゲーションクエリ(案内型)」です。「指名検索」とも呼ばれるケースもあります。
調べたい企業や商品・サービスの認知度が高く、固有名詞がしっかり認識されているときの検索クエリです。ユーザーの頭のなかに検索結果とアクセス先が明確にイメージされていることが伝わる結果でしょう。
直接アクセスになるため、競合他社や類似商品の名前をキーワードに含める対策をとることで、間口を広げたアピールも可能になります。
検索クエリ②インフォメーショナルクエリ(情報型)
網羅的に情報を把握するため、1つまたは複数サイトを訪れる際に検索するキーワードが「インフォメーションクエリ(情報型)」です。
3種類の検索クエリのなかで、最も多くのユーザーに使用される傾向があります。
「インフォメ―ショナルクエリ」を入力する場合は、行動をするためでなく情報を集めるために行うユーザーが多いのが特徴です。
そのため、自社サイトやオウンドメディアで有益な情報を発信し続けることで、自社認知度の向上を目指すなどの対策をとるべきでしょう。
検索クエリ③トランザクショナルクエリ(取引型)
「トランザクショナルクエリ(取引型)」は、問い合わせ・資料請求やサービス契約など、Web上で具体的な行動を起こすユーザーの使用頻度が高い検索クエリです。
多様な検索キーワードの組み合わせがありますが、「マーケティングツール 契約更新」など、商品・サービス名+ユーザーが目的とする行動を表すものが多くなっています。
検索意図はSEOを行う上で重要な要素
発信内容を多くの人へ届けるには、コンテンツを多くの人の目に触れさせる工夫が不可欠です。
ユーザーニーズに寄り添っているかはGoogleの評価基準の1つ
多くの人に見てもらうには、コンテンツを検索上位に表示させるSEO対策を行う必要があります。
Googleは、ユーザーニーズに寄り添う、深く網羅的なコンテンツ内容を評価します。たとえ労力をかけたコンテンツだとしても、検索意図が汲み取れていないものは、ユーザーに見てもらえません。
検索意図(ユーザーは入力・検索したキーワードで何が知りたいのか)を正しく理解し、検索意図と制作した内容のズレがないコンテンツを作るようにしましょう。ユーザーニーズに寄り添いつつ、自社ならではのオリジナリティが発揮されていれば、SEOに効果的です。
コンテンツ制作前はもちろん、コンテンツ公開後も流入キーワードの確認を行い、ユーザーニーズとの合致を確かめながら進めましょう。
キーワード選定でも検索意図の把握が役立つ
「自社のターゲットが課題解決のために、どのようなキーワードで検索するのか?」すぐに思いつくのはなかなか難しいかもしれません。
そのようなときは、クエリごとに、どのようなニーズがあるのかを手掛かりにキーワードを洗い出すとよいでしょう。手掛かりになるはずです。
▼キーワード選定については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→【基本】SEOはキーワード選定が9割!すぐ実行できる手順とツール
▼合わせて活用しよう:5ステップでキーワード選定ができるワークシートです
→直接記入して使える!SEOキーワード選定シート
検索意図に沿ったコンテンツを作るコツ
検索意図に沿ったコンテンツを作るために、挑戦しやすいコツを4つ紹介します。
- ペルソナ設定をしっかりとしておく
- 作りたいコンテンツは「どの検索意図にあっているか」を考える
- タイトルや見出しにユーザーがほしい情報を入れる
- 検索意図に寄り添いつつオリジナリティを出す
ペルソナ設定をしっかりとしておく
ペルソナとは、商品・サービスを契約するであろう人物像のことです。
似ている意味で使われるのは「ターゲット」で、「年代」「職種」「役職」など大まかな状況をまとめたイメージ像ですが、ペルソナはターゲットよりも当てはまる対象を絞り、顧客属性や悩みを詳細にあぶり出し、実際の人物のような詳細な情報まで作りあげます。
そのため、誰に向けて発信するコンテンツか明確になり、検索意図を見極めやすくなるメリットがあるのです。
▼ペルソナ設定に役立つこちらのテンプレートもご活用ください。
→Webの戦略設計に欠かせない!BtoB事業のためのペルソナ設定ガイド
作りたいコンテンツは「どの検索意図にあっているか」を考える
ユーザーが何かしらの検索をするとき、行動の根底には「解決したい課題」があります。ネットサーフィンやSNSの流し見のように、何となく眺めるユーザーは、あまりいないはずです。
コンテンツ制作時は、どのようなキーワードで検索されているかだけでなく、「なぜそのキーワードを検索したのか」の意図を考え、ズレはないか確認しましょう。
タイトルや見出しにユーザーがほしい情報を入れる
網羅性の高さは、質の高いコンテンツの条件のひとつです。ユーザーに網羅性を認識してもらうための工夫は、タイトルや見出しにユーザーニーズの高い情報を入れることでしょう。例えば、以下のような情報です。
- 検索上位ページのタイトルやh2見出しに、使われている情報を取り入れる
- サジェストや関連キーワードを見出しに活用する
- ユーザーの課題を解決したら、新たに生まれるであろう疑問(潜在意図)の見出しを作り、網羅性をだす
大切なのは、このコンテンツは知りたいことを教えてくれるものだと認識してもらい、クリックされるきっかけを作ることです。ユーザーの検索意図を反映した情報選択を意識しましょう。
▼タイトルのつけ方については、こちらの記事で解説しています
→【編集部が解説】読まれる記事タイトルの付け方とは?重要な3つのポイント
検索意図に寄り添いつつオリジナリティを出す
コンテンツ制作では、検索上位ページを参考にすることに加え、自社ならではの「独自性を出す」必要があります。独自性とは、具体的に以下のようなものです。
- 自社ならではのノウハウや経験を発信
- 理解しやすい解説画像も掲載
- 独自調査したデータを掲載
- 自社サービスを使ったユーザーの成功事例などの記載
検索意図に寄り添いつつオリジナリティもあるコンテンツは、ユーザーに有益だと感じてもらいやすくなります。
▼SEOを意識したライティングについては、こちらの記事で解説しています
→記事構成3ステップでSEOに評価される文章を作る!
検索意図の把握に役立つツール
検索意図を活用するために有効なツールを3つ紹介します。
幅広い内容の情報を取得できる「ラッコキーワード」
ラッコキーワードは、登録なし・無料で使えるツールです。GoogleやYouTubeなどのサジェスト(ユーザーが過去検索したキーワード)が調べられます。
「Q&Aサイト、共起語、見出し」などの情報も得られるため、幅広い視点から検索意図を確認できるはずです。
▼公式サイト
https://related-keywords.com/
共起語検索ツール
サクラサクラボが提供する「共起語検索ツール」。会員登録が必要ですが、無料で使用できます。
代表的な検索エンジンである「Google」と「Yahoo!」の共起語を調べられる点が特徴です。
▼公式サイト
https://www.sakurasaku-labo.jp/tools/cooccur
Googleサーチコンソール
「Googleサーチコンソール」は、Googleアカウントを所持していたらすぐに使用開始できるツールです。
Googleで検索されたキーワードの情報を細かく確認できる点がメリットでしょう。
オーガニック流入(広告からではなく自然にサイトへ訪れた流入)の検索クエリ情報や、掲載順位なども調べられます。
▼公式サイト
https://bit.ly/3PLn1EE
検索意図を理解してユーザー目線のコンテンツを作ろう
自社の役立つ知識や情報の価値は、ユーザーニーズに寄り添った発信をすることで、何倍にも膨れ上がります。
ユーザーの検索意図を理解して、自社コンテンツのブラッシュアップをし続けましょう。
また、キーワード選定とライティングの方法について、より詳細な資料もご用意しました!ぜひ記事と合わせてご活用ください!
▼5ステップでキーワード選定ができるワークシートです
→直接記入して使える!SEOキーワード選定シート
▼ライティング方法について解説した資料です
→文章が苦手な人でも書ける!Webマーケティングのためのライティングポイントまとめ
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