3日間で2,000件以上のターゲットリード獲得!ferret Oneが展示会で実施した「鬼速PDCA」とは
BtoB企業にとって、展示会はリード獲得(リードジェネレーション)が見込める有効な施策の1つ。企業や製品・サービスの認知度を高めるとともに、これまで出会えなかった見込み顧客の名刺を獲得し、さらに見込みが高い方については、そのままブースへ誘導して商談の機会を作るなど、売上にも貢献します。
ferret Oneも、2019年5月8日(水)〜10日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された「Web&デジタル マーケティング EXPO」に出展しました。3日間で獲得したターゲットリード数は、2,000件以上。しかし、その道のりは簡単ではなかったようです。
今回は、株式会社ベーシックが誇る展示会・セミナーの達人である河村に、展示会3日間で実施した「鬼速PDCA」について聞いてみました!
展示会を担当したのはこの人!
河村 和紀(かわむら かずき)
株式会社ベーシック マーケティングマネージャー
新卒で入った外資系人材紹介会社から、創業期の株式会社ベーシックに転職。サイト運用・商品企画・新規事業立ち上げなどに幅広く携わるなか、イチから手掛けたイベントが、累計来場者数70,000人を超える日本最大級の規模に成長。社長のムチャ振りで担当することになったBtoBセミナーは、今や開催200回以上を数え、気が付けば月に何度も登壇する日々を送っている。
Twitterのアカウントは@Kawamura_KZK
展示会1日目、ブースに人が来てくれない!
河村:当初、展示会で来場者へ訴求するメッセージ内容は、次の3つを考えていました。
- Webマーケティングのオールインワンツール「ferret One」
- 導入企業300社以上
-
グッドデザイン賞受賞
事前にセールスチームと打ち合わせをした際、見込み顧客の方にferret Oneを説明するには「Webマーケティングのオールインワンツール」というワードが有効だと聞いていました。
そのため、まずは来場者をキャッチする際にこのワードで興味を持ってもらい、「導入300社以上」と「グッドデザイン賞受賞」という安心材料を提示することで、デモ・商談へと進むことを期待していたのです。
メッセージがまったく来場者に刺さらない
河村:ですが、このメッセージがまったく来場者に刺さりませんでした。
まず「Webマーケティングのオールインワンツールです」と伝えても、「オールインワン」が何を意味するものなのかわからない。サービス内容を説明しても「よくわからない」「うちはまだそういう段階ではない」と言われ続けました。何ができるツールなのか、がわかってもらえなかったんです。
周りのブースは多くの人でにぎわっているのに、僕らのブースにだけ閑散とした状況を見て、本当に焦りました。1日目の16時頃には、絶望感すら感じていました。(笑)
メッセージが刺さらなかった理由
河村:メッセージが刺さらなかった原因を考えると、次のようになります。
「Webマーケティングのオールインワンツールです」が伝わらなかった理由
河村:まず、メッセージを受け取る側の「前提状況」が大きく異なっていたことがあります。
このメッセージは、セールスチームが見込み顧客の方に説明するには有効でした。ですが、それはferret Oneに対してある程度理解があった上での「まとめフレーズ」だったんです。
ferret Oneについて何も知らない人への「キャッチフレーズ」としては、説明が飛躍しすぎていて理解されず、「オールインワンと言われても、何なのかよくわらかない」まま素通りされることになってしまいました。
また、来場者の方のITリテラシーにも、バラツキがありました。例えば「CMS」「SEO」というワードをお伝えしても、理解いただけないこともありました。はじめてWebマーケティングに乗り出す方もいらっしゃる中、知らない単語を並べられても「うちには関係ないサービス」と思われてしまうのは、無理もなかったと思います。
「グッドデザイン賞受賞」が伝わらなかった理由
河村:受賞したことは信頼の裏づけにはなるけれど、興味は引けないメッセージでした。
興味を持ったツールがグッドデザイン賞をとっていたら、購入の後押しにはなるでしょう。ただ、グッドデザイン賞をとっているからといって、「なら、話を聞いてみよう」「購入しよう」という決定にはなりません。
同じく「導入企業300社以上」のメッセージも、あくまでもサービスに興味を持ってもらった上での後押しとなるフレーズなので、この時点では力を発揮できませんでした。
こうして「人が来てくれない、失意の展示会1日目」が終わりました…。当然、このままでは終われません。改善策を練って、2日目に臨みました。
展示会2日目、メッセージを変えて他社ブースと差別化
河村:2日目は、キャッチの際のメッセージを次のように変えました。
- BtoB専門 Web集客・マーケティング支援サービス「ferret One」
- Web集客、Webマーケティングをお手伝い
- 専門のBtoBコンサルタントがついて、あなたのサイトを改善します
大きな変更点として「BtoB企業向け」とターゲットを絞ってメッセージを発信するようにしました。
これは、キャッチを担当してくれた新卒メンバーからのアイデアでした。彼女が話したお客様の中で数社、「BtoB向け」の看板に興味を持って、自らブースに立ち寄ってくれた方がいたそうです。
「BtoB専門」と言い切る。これを決定するのは、正直かなり迷いました。言い切ることで、1日目よりも更にリード数が減ることを危惧したからです。
ですが、このまま何も手を打たないよりは、「打ち出し方を変える」というトライをする。そして、その結果どうだったかというデータを持ち帰って検証した方が、今後につながると思い、2日目の朝に決断しました。
「自分たち向けのサービス」と気づいてくれるように
河村:結果、「BtoB向け」というメッセージを全面に押し出したことで、興味を持ってくれる人が増えました。
来場者の方から後で聞いたのですが、実は弊社の周りはBtoC向けのブースばかりで、BtoB企業の担当者は、自分たち向けのサービスはどこにあるのかを探している状態でした。なかには、とあるブースで「BtoB向けのサービスを探している」と伝えたところ、急に担当者の態度が変わったと憤慨している方もおられました。
そういった方が「BtoB向け」「BtoB専門」というキーワードによって、「ここが私たちの求めているサービスだ」と気づいてくれるようになったのです。
また、メッセージを伝える順番も重要でした。ブースの前での呼びこみメッセージは次の順番を徹底しました。
①「BtoB企業のみなさん、こんにちは!」
②「BtoB専門でWeb集客、Webマーケティングをお手伝いをしているferret Oneです」
③「BtoB企業でWeb集客にお困りなら、こちらのブースまでぜひお越しください」
あなた向けのサービスです
「BtoB企業のみなさん」と呼びかけることで、BtoB企業の担当者の興味を引きます。いわゆる、アテンションですね。
私たちは、こういう者です
「BtoB専門でWeb集客、Webマーケティングをお手伝いをしているferret Oneです」というフレーズで、「BtoB向け」であることを重ねて強調しました。
また、お客様の困り事を「Web集客」というわかりやすいワードに落とし、前に持ってきました。「Webマーケティング」という言葉は、人によって捉え方が異なることが1日目で分かったので、言葉の捉え方のズレ・解釈が入りにくく、より具体的にイメージしやすい「Web集客」という言葉を前面に押し出しました。
△「Webマーケティング、Web集客のお手伝いをしているferret Oneです」
〇「Web集客、Webマーケティングのお手伝いをしているferret Oneです」
また、「支援」「サポート」という言葉も、できるだけわかりやすい「お手伝い」というワードに変えました。
△「Web集客、Webマーケティングの支援をしているferret Oneです」
△「Web集客、Webマーケティングのサポートをしているferret Oneです」
〇「Web集客、Webマーケティングのお手伝いをしているferret Oneです」
Web集客のお困りごとがあれば、喜んで相談に乗ります!
その上で「Web集客にお困りなら、こちらのブースまでぜひお越しください」と続けました。
上記にも記載しましたが、他のブースで「BtoB向けのサービスを探している」と伝えたら、急に担当者の態度が変わったと憤慨している方もおられました。そんな方々でも安心して、うちのブースに立ち寄れる状況を作りたかったんです。
お客様が困っていることは何か、適切な言葉を見つけるまで
「PDCAが実行できます」
この言葉をブースでは掲げていましたが、3日間でここに触れてくる方はいませんでした。「自社はPDCAに問題がある」と日ごろから思っている方は少なく、お悩みとは直結しないワードでした。
「煩雑なWebマーケティング業務をシンプルにします」
このフレーズと一緒にビラを渡そうとすると、『うちはまだそういう段階じゃないかなー』 と言われることも何度かありました。
すでにWebマーケティングをしていて、煩雑さを感じている人には刺さるワードだったかもしれません。ですが、展示会来場者の中には、まだそういった段階の方は少なかったようです。
「Webサイトにアクセスを集め、お問い合わせや資料ダウンロードを促すことで、御社の見込み顧客を集客します」
このキャッチフレーズで、話を聞いてくださる方が多かったです。具体的なので「自社でも必要かもしれない」 と思ってくれたのではないでしょうか。
先にあげた「Webマーケティングを一つのツールで実行し」「施策のPDCAを早く回せる」ことは、この「Web集客」という困りごとを解決する過程でのメリットなので、先にお伝えしても理解していただけなかったのです。
河村:展示会2日目は、このメッセージの変更が当たり、ブースに人があふれるようになりました。
展示会参加メンバーは
- ブース前で声をかけて、ferret Oneの簡単な説明をする「キャッチ担当」
- 興味を持ってくださった方へデモ・商談をする「セールス担当」
という役割分担をしていたのですが、途中から全員がお客様対応をすることになり、ブースの前で声をかける人がいなくなるという「全員フォワード状態」も発生しました。
嬉しい悲鳴ではありましたが、「このままのオペレーションだと、せっかく興味をもってくれた見込み客を逃してしまう」と反省をし、3日目は最高の布陣で臨むことにしました。
展示会3日目:セールス増員、キャッチはリード獲得に専念、説明は簡潔に!
河村:2日目に「全員フォワード状態」になった反省を活かし、商談を担当するセールスを増員しました。
3日間の展示会の布陣は、次のように変更していきました。
1日目(合計6名)
- キャッチ担当:5名
- セールス担当:1名
2日目(合計7名)
- キャッチ担当:5名
- セールス担当:2名
3日目(合計9名)
- キャッチ担当:5名
- セールス担当:4名
オペレーションもあらためて整理しました。まず、キャッチ担当が3分以内にサービスの説明ができるよう、「トークスクリプト」を改善しました。
その上で、3分の中でセールス担当に引き継ぐかどうかを見極める「判断ポイント」のルールを作って、徹底しました。「BtoC」のお客様や、代理店の方は、キャッチの段階で「BtoBに特化しているサービスなので」とご説明し、セールス担当にはつながないようにしました。
オペレーションルールを決めて運用することで、流れもスムーズになりましたね。
最終日は3日間で一番来場者数が多く、ブースへ来てくださる方も最多でしたが、行列を作ることなくお客様対応が回る状況を作ることができました。
鬼速PDCAで、ターゲットリード獲得
河村:「人が来てくれない1日目」の反省から、メッセージの見直し。「人が足りずにオペレーションがパンクした2日目」の反省から、布陣の変更とオペレーションルールの設定。
その結果、「すべてがうまくいった3日目」を終えることができ、獲得したターゲットリード数は、当初の目標の101%を達成しました。
3日間という限られた期間だからこそ、同じことをやって同じ結果を持ち帰っても仕方ない。打ち手を変えて、振り返り、最適化していこう、と意識していました。
以前からお客様向けのセミナーでもお伝えしていることですが、マーケティングにはウルトラCはなく、細かくPDCAを回していくことが重要です。この展示会を通して自分自身も改めて感じました。あと、諦めない気持ちの重要性も、です。(笑)
『ferret One』も、細かいPDCAを回しながら、BtoBサイトのリード数を最大化できるように設計したCMSです。「自社サイトの改善が素早くできていない・・」、「更新が止まってしまっている・・」などの課題をお持ちの方はぜひ資料をご覧ください。
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