EFOでよくある7つの疑問 BtoBの入力フォームを最適化し離脱を防ぐには?
BtoBサイトには、問い合わせフォーム・ホワイトペーパーのダウンロードフォーム・資料ダウンロードフォームなど、情報を入力してもらいユーザーをコンバージョンへ導くフォームがいくつか設置されています。
これらの入力フォームを改善し、離脱してしまうユーザーを極力減らしてコンバージョン率(CVR)を高めるのがEFO(入力フォーム最適化/ Entry Form Optimization)です。
この記事では「BtoBのEFOでよくある質問7つ」と「ferret OneサイトでのEFOの事例」をご紹介します。
■あわせてよく読まれている資料:Webサイトのセルフチェックに効果的!
→BtoBサイトのCVRを改善する15のチェックリスト
目次[非表示]
EFOとは何か
EFOとは、「Entry Form Optimization」の略で、「入力フォーム最適化(エントリーフォーム最適化とも)」と訳されます。Webサイトの入力フォームを改善することで離脱率を下げ、コンバージョン率(CVR)を高めるための施策全般を指します。
集客やCTAの改善に注力しても、入力フォームで離脱されてしまうとCVRは上がりません。入力フォームはCVに近い地点なので、うまく最適化できれば大きな効果が期待できます。
Q1. EFO、何から始めればいい?
EFOの基本は自社の状況(ターゲットや製品の特徴、営業体制など)に合わせて調整・改善と効果測定を繰り返して最適化していくことです。
この試行錯誤のターンに入る前に、前提としてクリアしておくべきチェックポイントがいくつかあります。まずはこれらを確認し、問題があれば修正することから始めるとよいでしょう。
<EFO 基本のチェック項目>
- どれが必須入力項目なのか、わかりやすく表記してあるか
- コンバージョンボタン(送信ボタン)はわかりやすいか
- 入力内容を消去するクリアボタンが表示されていないか(誤クリック、誤タップによる消去を防ぐため、ないのが望ましい)
- 入力欄にあらかじめ入力例が表示されているか
- 送信後にエラーがあった場合、内容がリセットされてしまわないか
Q2. EFOって、フォームの項目を減らせばよいのですか?
やみくもに項目数を減らせばよいわけではありません。
もし、入力項目を「名前」「メールアドレス」の2つだけに減らしたとしたら、気軽に入力できるぶんCVRは上がるかもしれません。しかし、名前とメールアドレスだけの情報からでは個人か法人かすらも判断できません。
▲取得できる情報が少なすぎる入力フォーム
何に悩んでアクセスしてきたのか、課題が自社のサービスとマッチしているかがわからないと、インサイドセールスが連絡の優先順位をつけることもできません。その結果、優先度が高いリードを見逃してしまい、商談化率や受注率が下がってしまう恐れがあります。
これでは、BtoBの入力フォームとして最適だとはいえません。
BtoBの入力フォームでは、入力を行っている個人の情報だけではなく、その人が所属する法人の情報や後の営業で使用する情報も入力してもらう必要があります。
例:
- 会社名
- 業種
- ビジネスモデル
- 従業員数
Q3. BtoBのEFOのポイントは何ですか?
BtoBサイトでEFOを行う際のポイントは、大きく分けて以下の3つです。
1.コンバージョン率(CVR)だけにとらわれない
コンバージョン率(CVR)はEFOの重要な成果指標ですが、CVRだけにとらわれずその後のステップも見据えて最適化しなくてはなりません。
入力項目を減らせば入力が楽になるので、CVRは上がります。しかし、CV=売上になることが多いBtoCとは異なり、BtoBではCV後に商談を経て受注に至って初めて売上となります。
BtoC |
BtoB |
フォームからのコンバージョン=売上 |
コンバージョン後に 商談ステップをはさんで受注となることがほとんど |
たとえCVRが上がったとしても、入力された情報をその後のステップでうまく使えなければ最終的な成果にはつながりません。
2.他部署と連携し、CV後の対応・アプローチまで含めて設計する
BtoBではCV後にWeb担当から情報を引き継ぎ、お客様へのアプローチはインサイドセールスや営業が行うケースがほとんどです。そのため、フォームからのCV後も他部署が引き続き入力情報を利用することになります。
入力項目はWebサイト制作部門だけで決めるのではなく、関係する他部署の意見もヒアリングして調整しましょう。
また、
「誰が(どの部署が)問い合わせに対応するのか」
「どんなタイミングでアプローチするのか」
「どのように情報を受け渡すか」
などの他部署と連携して体制を整えるのも、BtoBのEFOの一部と考えたほうがよいでしょう。
3.サンクスメール・ステップメールの設計も重要
「問い合わせ」ならそのまま商談へつなげられる可能性が高いですが、「ホワイトペーパーのダウンロード」などの場合は、そのまま商談化はしづらいものです。サンクスメール・ステップメールでサービス資料やセミナーの案内をするなど、さらに興味を引き上げる設計をあわせて行っていきましょう。
Q4. 最適な入力項目は、どう決めたらよいですか?
Q1でも触れている通り、BtoBでは単純にCVRを上げれば即売上につながるとは限りません。最終的な受注に至るまでのフローが長いので、無理にCVRを上げるための施策が後のステップに悪影響をおよぼすこともあるからです。
たとえば、入力項目を減らした場合
CVR優先でフォームの入力項目を減らす
↓
CVRは高まる、しかし…
↓
入力された情報が足りず、適切なタイミングのアプローチを逃し、その後の商談化率が下がってしまう
↓
結果として受注効率が下がってしまう
という可能性があります。
一方で、項目を増やしすぎると
各部署の意見を聞いて事前に知りたい項目をすべてフォームに盛り込む
↓
項目数が多すぎて離脱するユーザーが増え、CVRが下がる
↓
リード数が足りなくなってしまう
という事態にもなりえます。
項目数を削りすぎても増やしすぎても、やりすぎれば成果を損なう可能性があります。BtoBのEFOでは、CVRと取得したい情報のバランスを取りながら最適な入力項目を探っていきます。
最適解はすぐに見つかるものではありません。サービス全体のKGIを見据え、テストとフィードバックをくり返しましょう。
Q5. どれを必須項目にするかは、どう決めたらよいですか?
「どれを必須入力にするか」よりも「どれを任意入力にするか」を考えましょう。
部署名のように、組織形態によっては存在しない可能性があるものは任意入力にします。また、URLやお悩み内容のように、入力に手間のかかるものやすぐに思い浮かばない可能性があるものは、離脱されてしまうリスクを回避するために任意入力にしてもよいでしょう。
ferret Oneお問い合わせフォームの必須入力項目
ferret Oneのお問い合わせフォームの項目は
- 氏名(必須)
- メールアドレス(必須)
- 電話番号(必須)
- 会社名(必須)
- 従業員数(必須)
- 運営サイトのURL(任意)
- ビジネスモデル(必須)
- 具体的なお悩み(任意)
となっています。(2020年1月現在)
▲ferret Oneサイトの入力フォームの例
「氏名」「メールアドレス」「電話番号」「会社名」
営業が連絡を取るために必要な項目のため、入力必須にしています。「ビジネスモデル」
営業が連絡を取るかどうかを判断するのに必要な項目のため、入力必須にしています。「従業員数」
必須になっているのは、ferret Oneとの相性に従業員数が関係しているのではないかという仮説検証のためとアプローチの優先順位づけのためです。「URL」と「お悩み」
任意入力になっているのは、入力の手間があるので離脱リスクを回避するためです。
Q6. 選択式と自由記入式(フリーテキスト)どちらにしたらよいですか?
回答のパターン数が限られているものは選択式にすると、ユーザーの入力負担を軽減することができます。
また、「従業員数」のように正確な数は必要なくおおよその規模がわかればよいものは、「50人以下」「51~100人」のように区切った選択肢を用意しておくと、「今は正確な数がわからないからまた後で」と離脱されるのを防ぐことができます。
ただし、入力している本人も詳しく把握していない可能性があるもの(予算や具体的なお悩み)は選択式にすると項目の並び順が上のものに回答が偏る傾向があり、正確な情報が得られない可能性があるので注意しましょう。
ferret Oneで、これまでにフォームに設定したけれど意味がなかった項目は?
ferret Oneチームはこれまで試行錯誤を繰り返しながら入力フォームの項目を調整してきました。その中には、やってみたけれど意味がなかったのでやめた項目もあります。
▼月々の広告費・外注費の目安(選択式)
正直に回答してもらえない場合が多く、「予算なし」が選択されていた場合でも実際の提案を通して十分な予算があると判明したケースも多くありました。また、回答された金額と受注率に相関関係はありませんでした。
→廃止しました
▼具体的なお悩み(選択式)
選択式の場合、項目が上にあるものに回答が偏る傾向があります。実際にヒアリングをしてみると、回答とは違うニーズを持っているケースもかなりありました。
→選択式をやめ、フリーテキストにしました
面倒がられてしまうかと思いきや意外と書いてくれる人が多く、書いてある人に優先的にアプローチするよう優先順位づけに使っています。
Q7. ferret OneにはどのようなEFO機能がありますか?
ferret Oneの入力フォーム作成機能では、フォームの送信先と追加したい項目を入力するだけで簡単に入力フォームを作成・設置することができます。
Q1で紹介した基本的な項目はクリア済みの入力フォームです。
項目の入れ替えや追加削除も後から自由に行え、すぐにWebサイト上に反映できるので、EFOのために改善と検証を繰り返すには便利なツールです。
管理画面ではコンバージョン数のレポートやユーザーの行動履歴、期間ごとやチャネル別にフィルタリングしたデータを見ることができます。
検証を繰り返して最適解に近づけていく
EFO(入力フォーム最適化)の概要と、よくある疑問7つをご紹介しました。
EFOはCVに近いのでリード獲得に結びつきやすい重要な施策ですが、「こうすればOK」という絶対的な正解が存在しないので各々が自社にとっての正解を探っていくしかありません。
CVRだけではなく、その後のステップや最終的なKGIも見据えて、他部署と連携しながらテストとフィードバックをくり返して最適な入力フォームに近づけていきましょう。
ferret Oneは、BtoBに特化したマーケティング支援を行います。自社で運用できるようになる運用支援はもちろん、人材が不足している場合は運用代行も承っております。ぜひ資料をご覧ください。
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