マーケティングコミュニケーションとは?BtoBにおける代表的な手法と成功事例
マーケティングコミュニケーションとは、自社の商品・サービスと顧客が接触するための活動です。商品・サービスの認知や購買促進が目的であり、一般的な手法としてテレビや新聞での広告が挙げられます。
本記事では、BtoBにおけるマーケティングコミュニケーションの手法や手順を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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マーケティングコミュニケーションの役割とは?
マーケティングコミュニケーションの役割は、商品・サービスと顧客をつなげることです。認知してもらうことが、第一歩です。その役割について、詳しく解説します。
サービスを顧客の記憶に残せる
売り上げにつなげるためには、商品・サービスを認知してもらい、知ってもらうことが欠かせません。マーケティングコミュニケーションを通じて、名前だけではなく商品・サービスの概要を知ってもらうことが大きな目的です。
ナーチャリングができる
ナーチャリングとは、顧客に商品・サービスを選択するために必要な情報を提供し、自社サービスに興味がある状態へ引き上げるための施策です。
マーケティング・コミュニケーションにより、商品・サービスの使用方法や取り扱い方法、会社の価値観について伝えられます。情報を伝えることで、顧客は商品・サービスの必要性を感じ、検討度合いがあがる可能性が高くなります。
既存顧客に新商品・新サービスの営業ができる
過去に商品・サービスを利用した顧客に対し、新商品・新サービスについての情報を伝えられます。
具体的には、情報を掲載したメールやLINE、はがきなどを顧客へ送ることなどです。商品・サービスの認知を高め、リピーター獲得につなげられます。
マーケティングコミュニケーションの代表的な手法
マーケティングコミュニケーションには、数多くの手法が存在します。代表的なものを、7つ紹介します。
広告
テレビ、新聞、雑誌などへの広告掲載は、マーケティングコミュニケーションの代表例です。ただし近年は効果の減少が懸念されています。
急激にシェアを伸ばしているのが、Web広告です。テレビや新聞と比べ掲載料金が安く、顧客の反応をデータとして見られます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、オウンドメディアの記事やホワイトペーパーなど、自社の商品・サービスに関連する情報を用いたマーケティングのことです。顧客の課題を解決するために必要な情報と、その手段として商品・サービスを紹介することで、検討度合いを上げることが目的です。
BtoBの場合、検討~購入までの期間が長いため、継続的にアプローチすることで購入意欲を高めていくことが重要となります。コンテンツマーケティングは特に効果的な手法なので、取り入れる企業が多くなっています。
関連記事:初心者でも簡単にわかるコンテンツマーケティング│続けるメリットと成功事例
イベント
イベントは、顧客と直接コミュニケーションを取る機会として開催されます。実際にサービス・商品を体験してもらえることが大きな特徴です。自社サイトやメディアに掲載されると、情報が大きく広がる可能性もあります。
また、BtoBではリモートワークの増加に伴い、ウェビナーの実施が活発となっています。
1対多数の形式でも、顧客の関心の度合いに応じて複数のテーマごとにセミナーを開催することで、顧客が今欲しい情報を提供し、自社の商品・サービスに関心をもってもらえるように効果的にコミュニケーションをとることができます。
関連記事:明日から使える!「ウェビナー」を成果に繋げる10のコツ
広報・PR
PRとはパブリックリレーションズの略称で、商品・サービスについての情報を発信しメディアに取り上げてもらうことです。広報・PRの具体例としては、商品の発表会やプレスリリース、セミナー、講演会などが挙げられます。広告と比べ売り込みの意味合いが減るため、広告に拒否感のある顧客に受け入れられやすいことが特徴です。
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、メールやはがきで顧客に直接接近し、反応をみながら関係性を築いていくことです。DMと略されます。以前から通信販売や金融などで使われてきた手法です。メールなどインターネットを活用すると、費用を大幅に抑えられます。
特に、BtoBでメルマガ施策を実施するのは有効な手段です。ビジネスの現場では99.1%※がメールでのコミュニケーションを行っているという調査結果があります。(※一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査 2020」)
メールで定期的に顧客の欲しい情報を提供することで、見込み顧客の関心度を高めていくことができます。
関連記事:メールでナーチャリングする方法とは? ferret Oneの事例でノウハウ解説
人的販売
人的販売とは、顧客と直接会話して商品・サービスの情報を伝えることです。対面販売とも呼ばれます。セールスの手法として古くから使われており、現在は顧客の抱える問題を把握したり、問題の解決策を提案したりするためにも活用されています。
口コミ
口コミとは、実際に使用した顧客がWebやメディアに商品・サービスの評価を掲載したり、周囲の人におすすめをすることです。
BtoBにおいては、企業間での紹介から購入につながることも口コミに当てはまります。実際に使用した人の評価を参考にできるため、口コミの評価を上げる方法や件数を増やす方法について検討する企業が増えています。
マーケティングコミュニケーションを行う手順
マーケティングコミュニケーションを成果につなげるには、適切な手順に沿うことが重要です。順を追って解説します。
①ターゲット・予算を明確の選択
はじめに、ターゲットとする顧客を明確に決めましょう。商品・サービスをどの層に伝えたいか決めることで、効果の最大化を狙えます。
「ペルソナ」と呼ばれる、より具体的な人物像を設定すると有効です。同時に、予算も定めておきます。
▼ペルソナはこちらのシートで簡単に作成できますので、ぜひご活用ください。
②コミュニケーション手段の選択
ターゲットとする顧客、商品・サービスの特徴、目的などから、コミュニケーションマーケティングのどの手段を選ぶか決定します。
たとえば、以下のようなコミュニケーション手段です。
- 新たなサービスや商品を幅広い企業に知ってもらうための広告
- 限られた予算で企業に認知してもらうためのダイレクトマーケティング
- 実際に体験してもらうために企業向けイベントへの参加 など
③コミュニケーションの内容を考える
選んだ手段でどのような内容を伝えるのか、細かく決めましょう。売り上げ金額や資料請求の申し込み数など、具体的な数字で目標を決めることが重要です。
④効果を調べる
マーケティングコミュニケーションが終了したあとは効果を測定し、目標を達成できたのか判断します。達成できた場合はさらに数字を伸ばすための改善点を挙げ、達成できなかった場合は原因を分析し、次回達成するための方策を考えましょう。
マーケティングコミュニケーションの成功例
BtoBにおいて、マーケティングコミュニケーションが成功した例を2つ紹介します。
株式会社エフアンドエム:失注顧客のフォローにWebサイトを活用
株式会社エフアンドエムは、中小企業をサポートするサブスクリプション型サービス「F&M Club」を提供する会社です。
一度失注した顧客の管理ができておらず、追客体制に課題を感じていました。そこで、失注した顧客をフォローできる受け皿となるWebサイトを作成。顧客の課題解決に対応した記事やホワイトペーパーを掲載し、継続的に顧客の役立つ情報を発信できる仕組みをつくりました。
その結果、失注顧客から再度契約の連絡があったり、サイト設計8か月の稼働で40件の成約が決まったり、Webサイトの訪問数が約5倍、PV数は約4倍になったりと成果につながりました。
▼事例の詳細はこちら
→8ヶ月で40件の成約を獲得!一人マーケターでも、手厚い伴走サポートで成果は出せる
株式会社TANAX:顧客とのコミュニケーションの手段を増やし、良質なリード獲得に成功
株式会社TANAXは、段ボールケースを自動で製造する機械「Just fit BOX」を販売する会社です。以前のWebサイトは、問い合わせを案件に引き上げるための取り組みはほとんどできていませんでした。しかし、ターゲットを意識したWebサイトへの大幅なリニューアルを経て、良質なリードを獲得できるようになりました。
Webサイトのコンテンツ充実化のほか、ナーチャリングのための定期的なメールアプローチ、リスティング広告、製造や物流の専門メディアへの出稿なども行い、顧客とコミュニケーションの手段を増やす施策も実施。
広告経由/自然流入問わず、サービスサイトから獲得したリードの商談化率は35〜40%と高く、質の良いリードが獲得できています。
▼事例の詳細はこちら
→「1サイト1ターゲット」の法則でサービスサイトを再編! 40%近くが商談化につながる、質の良いリードを獲得
マーケティングコミュニケーションの注意点
マーケティングコミュニケーションには、注意すべきポイントがあります。3つの注意点を解説します。
市場によって難易度が変わる
市場規模によって、マーケティングの難易度は変わります。規模が大きいほど成功したときの成果は大きいですが、競合も多く、難易度は上がります。競合を分析し、自社の商品・サービスを選んでもらうために、他社にはない商品・サービスのアピールポイントの選定とその宣伝方法を工夫する必要があります。
▼【関連資料】競合分析の教科書
分析が必要
十分な分析をせずにマーケティングを行うと、効率が悪く、費用ばかりかかってしまい、期待したような顧客は獲得できません。
マーケティングの4P(Product:製品、Price:価格、Promotion:プロモーション、Place:流通)と4C(Customer value:顧客価値、Customer cost:顧客コスト、Communication:コミュニケーション、Convenience:利便性)のフレームワークを意識すると、うまくいく可能性が上がります。
▼【関連資料】マーケティングフレームワーク・テンプレート集
マーケティングに使えるフレームワークについては、こちらのテンプレをご活用ください。
大きな赤字となる場合がある
おおまかな予算も決めずにマーケティングを行うと、資金がいくらあっても足りません。
マーケティングに資金を使いすぎると、想定した数の商品・サービスが売れても赤字になる場合があります。
会社に利益が残るよう予算を決めて、マーケティングコミュニケーションを行いましょう。
顧客と上手くコミュニケーションを取ろう
マーケティングコミュニケーションには、商品・サービスと顧客をつなげる役割があります。効果の最大化には、適切な手法と手順を踏むことが重要です。
ターゲット像を明確にして、自社の商品・サービスと予算に応じたマーケティングコミュニケーションを行いましょう。
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