マーケティングミックスとは? 実例から活用方法までゼロから解説


マーケティングで具体的な戦略を立てる際に役立つのが、マーケティングミックスです。しかし概念的であるため、「調べてみたけど、いまいち理解できなかった…」と感じることもあるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、マーケティングミックスの構成要素である4P&4Cを中心に、実例から活用方法までを解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.BtoB事業におけるマーケティングミックスとは?
  2. 2.BtoBにおけるマーケティングミックスの構成要素 ―「4P」&「4C」
  3. 3.BtoBマーケティングはどう設計する?マーケティングミックスの実践手順
  4. 4.BtoBでマーケティングミックスを成功させる5つの活用ポイント
  5. 5.BtoB事業のマーケティングミックス事例
  6. 6.BtoBマーケティングの戦略設計は「ferret」でもっとスムーズに!
  7. 7.BtoBで適切にマーケティングミックスを活用してみよう


BtoB事業におけるマーケティングミックスとは?

BtoB事業のマーケティングにおいて、具体的な戦略を立てるときに効果を発揮するマーケティングミックス。具体的にどういうものなのか説明します。


「マーケティングミックス」とは

マーケティングミックスとは、​​成約率アップやリード獲得増加などのマーケティングの目的を果たすため、複数のマーケティング要素を組み合わせることです。

マーケティングで成果を出すには、多角的な視点で顧客のニーズを見極め、適切な戦略・戦術を練ることが重要です。そのため、複数の要素を組み合わせるマーケティングミックスの考え方は、BtoBマーケティングを推進するのに役立ちます。


BtoBでマーケティングミックスを実施する目的

マーケティングで具体的な施策を検討する上で、複数の要素を組み合わせて検討することは、顧客のニーズを見極めるのに有効です。

顧客の価値観は環境変化に合わせて常に変容します。例えば、新型コロナウイルス感染拡大が広がったことでテレワークが普及し、商談はオンライン上で行われるようになり、それに合わせて顧客へのアプローチ方法も変えざるを得なくなりました

市場のニーズを正しく把握し、適切な施策を打つために、BtoB事業におけるマーケティングミックスの考え方を取り入れてください。

自社の事業目的を達成するために、顧客ニーズを踏まえた適切な施策を選んで、費用対効果に見合う成果を出せるように取り組みましょう。


マーケティングミックスは「実施する施策の戦略を練る」ときに使うフレームワーク

そもそも、マーケティングは下記の流れで進行します。

  1. 市場環境を分析する
  2. 基本方針を練る
  3. 方針に沿って実行する施策の戦略を練る

3番目にある「方針に沿って実行する施策の戦略を練る」ときに、マーケティングミックスが活躍します。市場環境・顧客ニーズを踏まえて、具体的に自社が何をすべきか、マーケティングミックスの考え方を利用して明確にしましょう。


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BtoBにおけるマーケティングミックスの構成要素 ―「4P」&「4C」

マーケティングミックスには、いくつかフレームワークがあります。

代表例となる考え方が、「4P」や「4C」です。マーケティング戦略を立てた上で、具体的にどのような施策でお客様へアプローチをするのかを考える際に役立ちます。

マーケティングミックス=「4P」と「4C」と言われるほどですので、マーケティングミックス初心者の方は、まずこの2つを使用してみてください。

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マーケティングミックスの構成要素①4P

「4P」とは、「製品(Product)」「価格(Price)」「プロモーション(Promotion)」「場所(Place)」のそれぞれ頭文字を取ったものです。提供する価値や施策など、企業目線での重要視点をまとめたフレームワークとして、幅広い分野で活用されています。


①製品(product)

企業が生産する商品やサービスのことです。ターゲットにどのような価値を与えられるか「製品コンセプト」を策定し、実現させるために品質・デザイン・パッケージ・サポートなどのサービスを練り上げていきます。

製品なしではマーケティング戦略が実行できないため、マーケティングミックスの中で最も重要な要素と言えるでしょう。


②価格(price)

企業が生産する商品やサービスに、お客様が支払う対価である「価格」を決定します。価格が高すぎても低すぎても製品は購入されません。

競合との比較・ブランディング・コスト・お客様の価値相場観から適正な価格設定を行いましょう。


③プロモーション(promotion)

購入してもらうには、お客様に認知してもらう必要があります。SNS やキャンペーン、マス広告やオウンドメディアなど、さまざまなプロモーション手法が存在します。

ターゲットへ最も効果的にアプローチできる手法を選定していきます。


④流通(place)

製品とお客様を結びつけるルートを策定します。「広範囲に」「限定的に」「独占的に」「複数に」など、さまざまな選択肢があります。

売り上げやブランドイメージに直結する重要な要素のひとつです。

関連記事:4P分析とは?進め方とBtoBでの業態別の事例を解説


マーケティングミックスの構成要素②4C

「4C」とは、「顧客価値(customervalue)」「コスト(cost)」「コミュニケーション(Communication)」「利便性(convenience)」の頭文字を取ったものです。「4P」のように企業視点ではなく、消費者視点で見直そうとする考え方です。


①顧客価値(customervalue)

商品やサービスが購入者にもたらす価値のことで、4Pにおけるproductに当てはまります。製品の品質だけでなくパッケージやブランド力、ニーズにあっているかなど、さまざまな観点からお客様にとってどのようなメリットや価値を与えられるかを策定します。


②コスト(cost)

商品やサービスに、お客様が支払う価格に妥当な価値があるかどうかを考えます。商品の価格だけではなく、購入までにかかる時間や交通費などもコストとして考慮します。


③コミュニケーション(Communication)

お客様と接点をもつ手段のことを指します。「対面」「イベント」「SNS」「Webサイトの問い合わせフォーム」などが含まれます。


④利便性(convenience)

利便性とは商品やサービスの購入のしやすさです。「時間」「場所」などアクセス面や、インターネット上での購入は、「決裁のしやすさ」や「Webサイトの見やすさ」も考慮する必要があります。

関連記事:4C分析とは? 4P分析・3C分析・SWOT分析との違い


BtoBマーケティングはどう設計する?マーケティングミックスの実践手順

マーケティングミックスの4P・4Cを使って自社の施策を検討するには、どのように進めればいいのでしょうか。BtoBマーケティングでの具体的な実践手順をご紹介します。


1.市場環境を分析する

マーケティングを推進するにあたり、市場環境を分析して理解することは非常に重要です。環境をマクロな視点・ミクロな視点の双方向で分析していくのがポイント。

市場環境の分析には、「PEST分析」「3C分析」「ファイブフォース分析」といったフレームワークが有効です。

市場を巨視的な視点で捉える「PEST分析」や、市場・競合・自社の3要素で分析する「3C分析」を使うと、自社がとるべき戦略を導けます。「ファイブフォース分析」では、自社の成長を阻害する要因を見つけ、自社の収益増加や新規参入の見込みを検討することが可能です。

関連記事:【わかりやすく】PEST分析とは?テンプレートを使ったかんたんなやり方

関連記事:【5分でわかる】3C分析とは?テンプレートを使ったかんたんなやり方

関連記事:ファイブフォース分析(5フォース分析)とは? マーケティングでの活用方法


2.参入する市場とターゲットを決める

市場環境の状況を把握したら、自社の事業がどの市場に参入するのか、どの顧客をターゲットとするのかを決めます。ここで役に立つのが「STP分析」です。

STPとは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の略で、市場の細分化、狙っていく層の決定、市場における立ち位置を明確にすることを言います。


適切な戦略を立案するには、まず市場価値や自社の強みや課題を理解する必要があります。マーケティングミックスは、分析データや基本戦略があってこそ、活きてくる戦略です。

関連記事:STP分析とは?BtoBでの分析方法と便利なワークシート


3.「マーケティングミックス」を使って実行施策の戦略を練る

参入する市場とターゲットが固まったら、具体的にどのようなアプローチをするか、実行する施策を決定します。「4P分析」や「4C分析」といった、マーケティングミックスの出番です。

自社が提供できる製品、その価格、プロモーション、顧客のニーズ、コミュニケーション…複数の観点を駆使して、自社が実行すべき施策の戦略を練りましょう。


4.施策を実行・分析・改善する

施策が決まったら、いよいよ実行する段階に入ります。

市場環境や顧客のニーズは、時間とともに変化します。そのため、マーケティングミックスで練った戦略は、状況に応じて見直しが必要です。

「PDCA」を意識し、実施した施策の分析・改善を繰り返して、自社のマーケティングを強化していきましょう。


BtoBでマーケティングミックスを成功させる5つの活用ポイント

マーケティングミックスを成功へ導くための活用方法を紹介します。


STP分析の結果との整合性をとる

STP分析では、「参入する市場」「ターゲット」「市場での立ち位置」の3点から、自社がとるべきマーケティングの方針を導きます。実行する施策は、STP分析結果から導いた方針に沿って戦略を練るのが重要です。

実行する施策が、想定しているターゲットに価値があるものなのか、参入する市場でのアプローチは適切なのか、振り返るようにしましょう。


4P(4C)の各要素の整合性をとる

どんなに高品質な製品でも、値段が高過ぎれば買い手が見つかりません。また、どんなによいプロモーションをできる手立てがあっても、ターゲットとなる顧客が少ない媒体ではアプローチしても効果が得られないでしょう。

4つのP(C)の内、ひとつだけがOKという訳ではありません。各要素が適切に機能できるような、整合性がとれた施策を検討してください。


「4P」と「4C」組み合わせて使う

マーケティングミックスを使う際は、「4P」と「4C」を併用しましょう。

4Pは、具体的な行動を施策するのに便利です。一方4Cは、お客様のメリットを確認するために必要です。どちらも使用することで、漏れのない具体的施策を練れます。

ポイントは、4C→4Pの順で使うことです。お客様ありきで、マーケティング戦略を考えられます。


マーケティングミックスの結果は定期的に見直す

市場環境の変化は劇的です。それに伴い、顧客が求めるニーズも大きく変わります。

マーケティングミックスを使って導き出した施策の戦略は、一度策定すれば終わりではありません。定期的に施策の実績を確認し、戦略自体を見直すクセをつけましょう。


競合他社のマーケティングミックスと比べてみる

マーケティングミックスにおいて、競合他社との差別化を図ることも重要です。競合他社が「4P」と「4C」をどのように使用しているか分析し、自社と比較してみるといいでしょう。

もしくは差別化させるために、最初から競合他社のマーケティングミックスを元に自社のマーケティングミックスを練るのも、ひとつの方法です。


BtoB事業のマーケティングミックス事例

マーケティングミックスの4P・4Cを組み合わせると、どのような具体的な施策が導けるのでしょうか。実際にBtoB事業でいくつかの業種を取り上げ、マーケティングミックスを活用した事例をご紹介します。


① 製造業(オフィス機器)の場合

■4P分析

4P
分析結果
製品(product)
リモートワークに移行しつつも一部社内的に書面でやり取りが
必要なタスクがある企業に着目。自宅からオンラインで会社のプリンターにつながるマルチコピー機を売る。
価格(price)
通常のオフィス機器と同価格帯で実装。
プロモーション(promotion)
「経理・総務の悩み」でコンテンツマーケティングを実施。リモート移行期の悩みに寄り添い、便利な機器を取り入れた新しい働き方の提案をする。
流通(place)
自社サイトの他、オフィス機器の取り扱い雑誌に掲載を依頼。


■4C分析

4C
分析結果
顧客価値(customervalue)
リモートワークが一般化。オフィスに出社する社員とリモートワークする社員とで書面のやり取りが地味に大変。スムーズにしたい。
コスト(cost)
通常のオフィス機器と同価格帯が望ましい。
コミュニケーション(Communication)
Webサイトの特設フォームで対応。「経理・総務の悩み」に特化し、アプローチする。
利便性(convenience)
Webサイト上で24時間チャット可能。設定サービスを実装。


■4P・4Cから導いた結論

リモートワークでも使える「オンラインで自宅から会社の印刷機へ出力できるマルチコピー機」を提案する。
会社ルールで書面のやり取りが必要な経理・総務のタスクを少しでも軽減する。
コンテンツマーケティングを並行して実施。通常オフィス機器と変わらない値段設定。



② Webシステム提供会社の場合

■4P分析

4P
分析結果
製品(product)
Webの知識がない方でも扱いやすい、機能を極限まで絞った初心者向け通販システムを提供。スタートアップ企業がターゲット。
価格(price)
機能削減により、大手企業で導入しているシステム費用の1/3で済む、低コストでの実装が可能。
プロモーション(promotion)
初心者向けにWebマーケティングの基礎知識を解説するコンテンツでSEO対策。
流通(place)
SEOで新規アクセスを増やし、Web上でアプローチする。


■4C分析

4C
分析結果
顧客価値(customervalue)
新たに通販事業を検討しているスタートアップ企業がターゲット。
全国に向け販売をやりたいがWebの知識がなく不安がある。できるだけ低コストで簡単に導入できる販売システムを提案する。
コスト(cost)
販売するのに最低限の機能は欲しいが、コストは可能な限りおさえたい。
コミュニケーション(Communication)
マーケティング戦略面のコンサルをサービスに組み込む。システム導入後のケアまで対応可能にする。
利便性(convenience)
導入前後でWeb上でのチャット対応を実装。


■4P・4Cから導いた結論

必要な機能のみ揃えたスタートアップ用「通販システム」を提供。
機能を絞り込むことで低コストを実現、さらに導入前後でのサポートが充実。
システム運用からマーケティング戦略まで、幅広くお悩みに応える。



③ マーケティングコンサル業の場合

■4P分析

4P
分析結果
製品(product)
コロナの影響で業績が悪化した企業のためのコンサルティング。別のアプローチで売上アップを狙う新事業立ち上げをサポートする。
価格(price)
コストをおさえめに、事業拡大後によりリターンが発生するような仕組みを構築する。
プロモーション(promotion)
コンテンツマーケティングを実施するほか、観光業・飲食業を中心に特定の業界情報サイト・情報誌へアプローチする。
流通(place)
Webを中心に、業界誌でも拡散。


■4C分析

4C
分析結果
顧客価値(customervalue)
コロナの煽りを受けて業績が悪化した業界がターゲット。売上増につなげるために新事業をたちあげたいニーズに応える。
コスト(cost)
業績が悪化している状態なので、できるだけコストを安くおさえたい。
コミュニケーション(Communication)
連絡のハードルを下げるために、LINEでのコミュニケーションを実装。遠方の企業向けにzoom会議にも対応。
利便性(convenience)
新規事業に関わる企業の紹介までサービスとして実施し、コンサルの効果を実感してもらう。


■4P・4Cから導いた結論

コロナから復活したい企業専用のコンサルサービスを提供する。
長年の知見を活かし、新時代に通用する新規事業の提案・立ち上げをサポート。
気軽に問い合わせでき、低コストで相談できるように設計する。



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マーケティングミックスがなくては、マーケティング戦略を練ったとしても、市場のニーズと自社商品の整合性が取れておらず、企画が失敗に終わることになり兼ねません。

BtoBでマーケティングミックスを活用し成果を出すには、下記のポイントを押さえることが重要です。

  1. マーケティングミックスは「複数の要素を組み合わせて、マーケティングで実行する施策を練る」こと。
  2. マーケティングミックスの構成要素として「4P」や「4C」を駆使するのが一般的。
  3. マーケティングミックスの実施前には、市場環境を分析し、参入する市場とターゲットを設定することが重要。
  4. マーケティングミックスで導いた施策内容は、定期的に分析し、常に改善する。

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One Tip編集部
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