業務マニュアルの作り方とは?わかりやすい作成のコツ
「トップセールスの営業マンがいるが、他の営業マンがそのノウハウを活用できていない」
「請求書や見積書、提案書などの作り方の指導で人的工数が余計にかかる」
「マーケティングツールの使い方を分かる人が近くにおらず、業務が進まない」
こんな状況で悩んでいませんか?
マーケティングや営業は知識やノウハウが属人化しやすく、ベテランと新人の力量にも差が出やすい分野です。しかし、部署全体の利益を上げるためには、社員全員が高い成果を上げることが理想ですね。
今回は、業務標準化と会社全体の底上げにもつながる業務マニュアルの作り方を解説します。
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業務マニュアルとは?
業務マニュアルとは「業務手順書」「業務手引き書」のことです。業務の標準化をはかるために「誰でも」「すぐに」「同じように」実行できるサポートの役割を果たします。
最適化された業務マニュアルを会社の指針も踏まえて作成することで、社員が同じ目標に向かって進んでいけるようにもなります。
手順書との違い
業務マニュアルと似たものに「手順書」があります。マニュアルと手順書の違いは下記の通りです。
- マニュアル:業務を行う手順、規則、経営方針・理念などが網羅的に記載されたもの
- 手順書:ひとつの業務の手順を工程ごとに細かく記載したもの
手順書はマニュアルの中から業務の手順だけを抜粋し、より詳しく記載したものを指します。
業務マニュアル作成のメリット
業務マニュアルを作成するメリットは以下の通りです。
- 業務の全体像が把握できる
- 業務フローの効率化、時間短縮ができ、コストの削減ができる
- 知識や効果的な業務ノウハウが全体に共有できる
- 新人指導や、後任への引き継ぎがスムーズになる
- 業務の属人化が防げる
- 社員の意識が統一されやすくなる
マーケティングや営業は、施策や取引先により異なる対応をとることもあるでしょう。しかし顧客フォローのタイミングなど、部署全体で共有できる共通項目は必ず存在しています。
社員の持つ知識やノウハウをまとめた業務マニュアルは、会社全体の資産となり、アップデートを重ねるごとに洗練されていくでしょう。
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業務マニュアルの作成手順
業務マニュアルの導入は多くのメリットがありますが、マニュアル作成はさまざまな理由で頓挫しがちです。また、作成後の運用がうまくいかず、せっかく作ったマニュアルが機能しなくなる例も見られます。
マニュアルを作成する際には、あらかじめ作成計画と運用ルールの検討をすることが重要です。
作成スケジュールを決める
業務マニュアルは、日々の業務の片手間で作成しようとすると、つい後回しになりがちです。
まずは業務マニュアルをいつまでに作成するのか、いつどのような場面で使用したいのか、作成期限と大まかな作成スケジュールを立てましょう。
特に作成期限を決めて臨むことは、後回しや途中頓挫を防ぐためにも有効です。
内容を決める
業務の全体像を明らかにし、業務マニュアルに盛り込む内容を決めましょう。
現場で発生する業務・担当・業務フローなど、社員へのヒアリングなども実施しながら、抱えている課題を整理します。クレーム内容や過去のトラブルシューティングなども盛り込むと良いでしょう。
内容を決める際は、マニュアルを作ることで何を達成したいのかという目的を明確にしておくことが大切です。そうしておくことで、目的を見失うことがありません。整理できた内容を元に、構成と目次まで決めておきましょう。
作成する
業務マニュアルを作成する際は、大枠から順に細部を詰めていきます。最初から細部にとらわれてしまうとマニュアルが膨大になり、スケジュール進行にも影響が生まれやすくなるので注意してください。
わかりやすい業務マニュアルとは?
マニュアルは必要情報が整理され、誰が見ても見やすく・わかりやすく作成されていることが重要です。わかりやすいマニュアルは業務を正確に、スムーズに進めることに役立ちます。
業務マニュアルをわかりやすくするためには、以下3つのポイントがあります。
- 要点が整理されていて簡潔である
- 探したい情報をすぐに見つけられる
- 視覚的にイメージできる
また、業務マニュアル作成のコツとして、以下の6つが挙げられます。
- フォーマットを統一する
- 5W1Hを意識する
- フローチャートで全体イメージを作る
- 目次や見出しを入れる
- 時系列で整理する
- 図や画像を入れる
それぞれ具体的に解説します。
フォーマットを統一する
業務マニュアルに決まったフォーマットはありません。紙・電子・動画・音声など、フォーマットは多岐に渡ります。マニュアル使用者が取り出しやすく扱いやすいこと、マニュアルの更新がしやすいことを考慮して選定しましょう。
以下は代表的なフォーマットと特徴です。
- テキスト型の冊子:新人研修や定期研修でよく用いられる。持ち運びには不向き。
- ハンドブック:持ち運びに適した小型タイプ。外回りや移動中に確認しやすい。
- 動画教材:Webツールの使用方法・名刺の渡し方や礼の仕方など、実際に見せた方が伝わるものに使用される
5W1Hを意識する
業務マニュアルを作成する際は、5W1Hを意識して作成しましょう。
- 誰が(Who)
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
5W1Hはビジネスにおける基本の考え方としても知られています。5W1Hが含まれた説明は内容が明確になるため、業務マニュアルの使用者にも伝わりやすくなります。
フローチャートで全体イメージを作る
フローチャートとは、仕事や業務の流れを可視化した図のことです。仕事の流れを表す「ワークフロー」の語源のひとつでもあります。
【営業のフローチャート例】 資料請求→架電(メール)→アポイント→商談→見積もり→クロージング |
フローチャートを使用することで業務の全体像が整理でき、業務ごとのつながりが明確化されます。
目次や見出しを入れる
目次や見出しが設定されていると、業務マニュアルの使用者が欲しい情報を見つけやすくなります。また、作成段階でも目次や見出しを設定することで業務の全体像が把握しやすくなり、業務フローの見落としや抜け漏れの発生を防げます。
時系列で整理する
業務マニュアルの構成は、業務内容が時系列で並ぶように整理しましょう。
時系列に並べることで、業務の流れがわかりやすく、業務マニュアルの使用者も欲しい情報を探しやすくなります。
図や画像を入れる
文字だらけの業務マニュアルは、ひと目で内容を把握しづらく、読んで理解するのにも時間がかかります。せっかく作成しても、業務マニュアルが使用されなくなってしまっては意味がありません。図や画像を入れるだけで、視覚的にわかりやすくなります。
どうしても文字が多くなってしまう時には、行間を空ける・ポイント部分を赤字や太字で目立たせるなど工夫しましょう。
業務マニュアルの作成ツール
業務マニュアルの作成ツールには、それぞれに向き不向きがあります。業務マニュアルを使用する対象者や目的に応じて、適したツールを選びましょう。
文章が多いマニュアルはWordで
Wordは文章が多い業務マニュアルの作成に適しています。自動的にページ数や目次を追加できるので、文字の編集が簡単です。
サイズも固定されているため、印刷してもレイアウトが崩れにくい特徴があります。表計算などはできないため、数字を使うマニュアルには不向きです。
表やリストを多く使うマニュアルはExcelで
Excelは表やリストを多く使用する業務マニュアルに向いています。図やグラフを作成し、そのまま貼り付けられます。
複数のタブを作ることで、ひとつのファイルで複数のデータを一元管理することも可能です。WordやPowerPointに比べると、デザイン性は劣ります。
デザインを多用するマニュアルはPowerPointで
PowerPointはデザインが多用される業務マニュアルの作成に適しています。スライド内に図や表を盛り込みやすく、動画や音声を組み込むこともできます。
研修等でスライドとして使用されやすいのはPowerPointです。まとまった文章や、表計算、データ等を扱うマニュアルには不向きです。
テンプレートを活用する
効率的に業務マニュアルを作成するのには、テンプレートを活用するのも有効です。
テンプレートには業務マニュアルに重要な項目がすでに盛り込まれているため、構成を一から考える必要がありません。フォーマットも統一されており、業務マニュアルを作成する上でのさまざまなコストを削減できます。
クラウド型マニュアル作成ツール
マニュアル作成ツールとは、高品質な業務マニュアルを簡単に作成できる便利ツールです。
業務マニュアルを作成する際の工数を削減でき、クラウドで共有ができるため、わざわざ更新情報を全体共有する必要なく、誰もが常に最新の情報にアクセスできます。
おすすめのクラウド型マニュアル作成ツールを3つ紹介します。
操作が簡単「iTutor」
- 導入企業1,800社以上、累計販売2,800ライセンス
- 画面キャプチャからスライド作成できるなど、操作が簡単
- 編集ソフトを使わなくてもiTutor内で動画編集ができる
公式サイト:https://itutor.jp/
導入後も安心サポート「Dojo」
- 誰もが使える手軽さで、高品質なマニュアルが紙・デジタルで作成できる
- サポートサイト・コールセンターがあり、導入後も安心サポート
公式サイト:https://tepss.com/
テンプレートで簡単「Teachme Biz」
- テンプレートに沿って画像と文字を入れるだけで「伝わるマニュアル」が作成できる
- マニュアルのQRコード化、タスクとして従業員に配信できるなど、共有しやすい
- アクセスログでマニュアルの活用状況が分析できる
公式サイト:https://biz.teachme.jp/
アウトソーシング
業務マニュアルの作成はアウトソーシングもできます。アウトソーシングすることで社内の人件費コストが削減できると共に、社内では当たり前になってしまった業務もマニュアル内に落とし込めます。
業務マニュアルを作った後
作成した業務マニュアルは、その後の運用でブラッシュアップを行います。
社内に業務マニュアルを共有し、業務マニュアルが活用される中で、定量面・定性面それぞれに効果測定を実施します。
- 定量面:部署内で定められたKPI、売上金額や受注数などの数字が改善されているか
- 定性面:使いやすいか、項目に不足がないか、改善点がないか、聞き取りにより検証する
業務マニュアルは、導入したからといってすぐに効果が出るものではありません。しかし、更新ルールや運用方法を定め、長期視点で定期的にブラッシュアップしていくことで、精度の高い業務マニュアルが作成できます。
業務マニュアルで自社の成果を底上げしよう
業務マニュアルの作成は、業務整理や効率化、教育コストの削減、業務の標準化などさまざまな効果があります。業務マニュアルが整備されていることで、社員一人ひとりが自分の仕事に、より集中できるようにもなるでしょう。
また、運用の中でブラッシュアップされた業務マニュアルは、自社の知識やノウハウが蓄積された資産にもなります。資産はうまく運用すれば高い成果をもたらします。
業務マニュアルを活用することは、自社の成果の底上げにつながります。
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