BtoBのニッチ市場でマーケティングを成功させる方法とは?成功事例もご紹介
ニッチ市場とは、ある市場の中でも、特定のニーズを持つ規模の小さな市場を指します。狭い市場から市場を広げていく方法が流行して、BtoBでもニッチ市場で戦う企業が増えています。
ただ、このようなお悩みをよく聞きます。
- 知名度が低く、集客が上手くいかない
- Webサイトからのお問い合わせが少なく、成果につながらない
- ニッチ商材なのでマーケティングを行いたいがWebと相性が悪いと考えている
しかし、ニッチ業界こそ、Webマーケティングに力を入れることで、売上を伸ばすことができるのです。
そこで本記事では、ニッチ市場でリード獲得・引き合いを増やすために知っておくべき心得や、ニッチマーケティングの取り組み方を解説します。弊社でご支援させていただいている企業様の成功事例も合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!
■合わせて読みたい資料:ニッチ市場のリード獲得方法をまとめた資料をチェック!
→ニッチ市場でのリード獲得
目次[非表示]
ニッチ市場とは?選ばれる理由
「そもそもニッチ市場とは」という定義と「なぜ今ニッチ市場が注目されているのか」という選ばれる理由を解説します。
「ニッチ」とは「隙間」を意味する
「ニッチ」は「隙間」や「くぼみ」を意味する言葉です。
そこから転じて、ビジネスでは「ニッチ市場」「ニッチビジネス」などの言葉で、ある市場の中でも、特定のニーズを持つ規模の小さな市場を指します。
ニッチ市場は、マス市場内の隙間にある市場なのです。ただ、「ニッチ市場」も市場規模が大きくなれば、独立した小さな市場へと成長することもあります。その場合は「スモールマス市場」と別の名前で呼ばれるようになります。
「ニッチ市場」が選ばれる理由
インターネットが普及し、誰でも簡単に情報が手に入れられるようになりました。商品・サービスの導入の際には、多くの選択肢の中で比較・検討され、競合と勝負しなければならない機会が増えています。
競合が多い市場の中で自社の商品・サービスを選んでもらうには、そのなかでも特定のニーズを持つ顧客にとって、他よりも秀でた商品・サービスを提供する「ニッチ市場」を主戦場とすることがビジネスの勝ち筋の1つとなりました。
「ニッチ市場」で成功している有名な例
「Amazon」もニッチ市場で成功した有名な例です。「Amazon」はインターネットショッピングの黎明期に書籍のみを取り扱うオンラインストアから売上を伸ばして、あらゆる商品を扱うオンラインストア大手に成長しました。
最近では「レーザーテック株式会社」をニッチ市場の成功例としてよく耳にするのではないでしょうか。レッドオーシャンである半導体市場の中でも、マスク欠陥検査装置を売り出し、シェア100%となっています。
■合わせて読みたい資料:ニッチ市場のリード獲得方法をまとめた資料をチェック!
→ニッチ市場でのリード獲得
ニッチ市場のメリット
ニッチ市場のメリットを解説します。マーケティングで活かせるように抑えておきましょう。
競合が少なく、市場シェア獲得が期待できる
競合が少ないのがニッチ市場の特徴であり、メリットです。他にはない商品・サービスを提供することで、市場のシェアを独占することもできます。
価格競争に巻き込まれない
競合が多い市場だと、価格競争により値下げを余儀なくされることもしばしばです。
ニッチ市場の場合、競合も顧客も少ないため、事業戦略としては薄利多売で売上を立てていくのではなく、商品・サービス自体の質を高めて、顧客単価を高めていく方向性となります。
ニッチ市場のデメリット
ニッチ市場にはデメリットもあるので、注意しましょう。対策と合わせてご紹介します。
他社参入のリスク
始めはニッチ市場だったとしても、顧客ニーズが高まり、市場が大きくなれば、他社が参入してくる可能性は大いにありえます。
「どうしてもA社の商品・サービスでないといけない」という強みを持っておらず、「ただ提供する会社がそこしかなかったから」というだけで選ばれていた場合、新規参入した企業に市場シェアを奪われかねません。
対策
ニッチ市場で売上を伸ばしていくには、市場拡大や他社参入を見据えた事業展開が重要です。例えば、会社自体のファンになってもらえるような、付加価値を付ける戦略が必要になります。
市場の成長性を見極める必要がある
今後大きな市場へと成長していくニッチ市場もあれば、新しい技術や流行により衰退してしまうニッチ市場もあります。
対策
ニッチ市場では、市場における自社のポジショニングを常に把握することが重要です。
「自社がどういう商品・サービスを提供し、顧客企業に対しどのようにアプローチすべきか」を明確にするフレームワークとしてSTP分析があります。STP分析などを活用して、自社の方向性、顧客ニーズを見極めましょう。
▼STP分析については、こちらで詳しく解説しています。
→STP分析とは?BtoBでの分析方法と便利なワークシート
ニッチマーケティングとは
ニッチ市場でのマーケティングを「ニッチマーケティング」と呼びます。狙う市場規模が小さいため、顧客ニーズの把握を第一にマーケティング施策を展開していきます。
マスマーケティングとの違い
ターゲット |
市場規模 |
|
ニッチマーケティング |
特定のニーズを持つ見込み客 |
小さい |
マスマーケティング |
ターゲットを限定しない |
大きい |
「ニッチマーケティング」の対義語が「マスマーケティング」になります。
「マスマーケティング」はターゲットを限定せず、広く認知を拡大していくマーケティングです。ニッチマーケティングとマスマーケティングの違いは、市場を小さくセグメントするかどうかになります。
なぜニッチ市場のマーケティングが難しいと思われがちなのか?
ニッチ市場の商品・サービスによくある特徴として、高い技術力と独自性を持っていることがあげられます。ただ商材自体に強みがあっても、それを正しく伝え、買ってもらうことに苦戦する企業は少なくありません。
なぜニッチ市場のマーケティングが難しいと思われがちなのか、理由を解説します。
- 理由①ターゲットが少ない
理由②ターゲットへのアプローチが難しい
理由③商材カテゴリの認知度が低い
理由①ターゲットが少ない
ニッチ市場は狙えるターゲットの母数が少ないことを念頭に置いてマーケティングをしなければ、成果を出すことが難しい市場です。
例えば、マーケティングのKPIをリード獲得数だけを目標にしても、市場の成長が伴わなければ、右肩上がりに顧客を獲得していくことは難しいでしょう。
理由②ターゲットへのアプローチが難しい
市場規模が小さいことから、ターゲットにメッセージを伝える手段や機会が限られている場合があります。
そのため、ターゲットがどのチャネルで情報収集をしているのかを見極めて、適切なコミュニケーション戦略を策定しなければ、そもそもターゲットにアプローチできていないという状況に陥ってしまいます。
理由③商材カテゴリの認知度が低い
ニッチ市場、つまりその商品・サービスのカテゴリ自体が知られていないことがあります。
「欲しいと思ってもらえる可能性」という潜在的なニーズはあれど、「欲しいと思っている」というニーズが顕在化した状態ではありません。今までにない新しい商品やサービスを提供する場合、ゼロからターゲットにその価値やメリットを理解してもらう啓蒙活動が必要です。
こうした啓蒙活動には時間とリソースがかかることがあり、成果が見えづらいこともマーケティングが思われる一因でしょう。
ニッチマーケティングで成功する3つのポイント
前の章で解説した、ニッチマーケティング 難しいと思われがちな理由を紐解くと、ニッチマーケティングにおいて、他の市場のマーケティングと比べて特に重点的に実施しておかなければならない施策がいくつか見えてきます。特に重要な3つのポイントを解説します。
- ターゲットの解像度を上げる
- Webサイトで分かりやすく商品・サービス紹介を行う
- Web上で多数にアプローチする
1.ターゲットの解像度を上げる
ニッチ市場のターゲットは限定的です。そのため、ターゲットとする見込み客を正確に特定することがニッチマーケティングの最初の一歩です。
「どのようなニーズがあるのか」「どのような企業に所属しているのか」「情報収集はどこでするのか」など、細かいところまで踏み込んで解像度を上げることが重要になります。
ターゲットが見えてくるとアプローチ方法やニーズを顕在化させる訴求も見えてくるようになります。
▼ターゲットの解像度を上げる具体的なやり方は、こちらの記事を参考にしてみてください
→ターゲットユーザーとは?BtoBでの設定方法
2.分かりやすく商品・サービス紹介を行う
ニッチ市場の商品・サービスは認知度が低い場合が多く、そもそも知ってもらうことに苦労することも多いでしょう。
そこで重要なのが、「誰の」「どんな課題を解決できるのか」を明確にして訴求を尖らせることです。自分がどのように活用するのかをイメージしてもらうことで、ニーズを引き出すことができます。訴求を限定できるのは、ニッチ市場を土俵とするニッチマーケティングのメリットでもあります。
リード獲得数を増やしたいからと、あれもこれもと複数の人に当てはまるキャッチコピーを作ってしまうと「自分以外の誰かのためのもの」と思われてしまい、結局誰にも響かない訴求になってしまうので注意しましょう。
▼自社の強みを見つけるにはフレームワークを活用するのがおすすめです。ぜひご活用ください!
3.Web上で多数にアプローチする
ニッチ市場はターゲットが限定的だからこそ、多数にアプローチできるWebサイトの活用が欠かせません。
BtoBの場合は仕事上の製品・サービスの情報源として「企業のWebサイト」を利用している人は64.8%※といわれています。Webからのリード獲得は欠かせない施策です。
多くの人にアプローチし、その中から自分に必要だと思ってもらえる人を増やすことで、リード数を増やすことができます。
※出典:株式会社トライベック・ブランド戦略研究所 「BtoBサイト調査」
ニッチマーケティングの成功事例
弊社の「ferret」を導入いただいた企業様のなかで、ニッチ市場で成功された事例をご紹介します。
「ferret」はBtoBマーケティングを総合的にサポート。マーケティングツールやコンサル・代行支援など、幅広いサービスの中から貴社に最適な解決策を柔軟にご提案します。
株式会社TANAX:案件への引きあげが課題
●事業内容
段ボールケースを自動で製造する機械「Just fit BOX」の販売代理事業
● 課題
- 顧客の分析やナーチャリングなどWebサイトの問い合わせを案件に引き上げる取り組みができていない。
- Webサイト制作を外注しており、更新の度に費用が発生していた。
● 課題解決に向けて実施した主なマーケティング施策
- ターゲットの明文化とカスタマージャーニー作成
- Webサイトへ導入事例の掲載し、活用方法を伝える
- 営業担当の名刺リストへの定期的にメルマガ配信して、ナーチャリングを実施
- 認知施策として「オンライン展示会」を活用
●成果
- Webマーケの知識がある人材がいなかったが、「ferret One」のサポーターからコンテンツの作成方法や施策の進め方のアドバイスをもらったことを踏まえて、自走できるようになった。
- ターゲットを意識したことでWebサイトの訴求が研ぎ澄まされて、商談化率35~40%と質のよいリードを獲得できるようになった。
- ノーコードCMSにより、専門知識がなくてもWebサイトが更新できるようになったので、外注コストを減らせた。
株式会社キトー:既存顧客以外からの売上を伸ばしたい
●事業内容
重量物を、持ち上げ、運び、固定する作業に不可欠なマテリアルハンドリング機器などを扱うホイストメーカー
●課題
- 国内60%以上の市場シェアがあり、既存顧客からの売上はあるものの、これ以上飛躍的な売上は期待できない状況。
- 情報提供するだけのWebサイトしかなかった。さらにWebサイトの更新に時間がかかっていた。
●取り組んだ主な施策
- デジタルマーケティングに積極的に取り組むため、更新しやすいWebサイトへのリニューアルとCMSの導入を実施。
- リード獲得するため、Webサイトへ資料ダウンロードのフォームを設置。
●成果
- サイトリニューアル後、サイト訪問者が右肩上がりで公開から13~ 15%増加。
- 資料ダウンロード数が月500件、お問い合わせは月200件前後と新規顧客の獲得に成功。
▼製造業・メーカー業界の方はこちらの資料も併せてご覧ください。
→製造・メーカー業界向けの 取り組むべき施策と事例
ニッチマーケティングはターゲット設定が一番大切
ニッチマーケティングとは、ある市場の中でも、特定のニーズを持つ規模の小さな市場「ニッチ市場」で行うマーケティングを指します。
ニッチマーケティングで成果を出すために、最も重要で始めにすべきことは、ターゲットの解像度を上げることです。ニッチ市場のターゲットはそもそも数が少ないですから、ターゲット設定がずれてしまうとアプローチできません。高度なターゲット設定が求められます。
ターゲット設定を行った上で、Webサイトを土台に、商品・サービスの紹介していくための施策を展開していくことで、リード獲得が実現できるのです。
自社の商材は、ニッチだからうまくいかない…とお悩みの方は、ニッチ市場のリード獲得方法をまとめた資料もご用意しております。
ぜひ本記事と合わせて参考にしながらマーケティングを進めてみましょう。少しでもヒントになれば幸いです。
▼無料の資料ダウンロード
→ニッチ市場でのリード獲得
BtoBのニッチマーケティングで成果を出したなら、ぜひ「ferret」をご検討ください。
弊社「ferret」はBtoBマーケティングを総合的にサポート。マーケティングツールやコンサル・代行支援など、幅広いサービスの中から貴社に最適な解決策を柔軟にご提案します。
CMSやMAなどのツール、戦略設計、Webサイト制作、コンテンツ制作など、BtoBマーケティングにお困りごとがある方はぜひ資料をご覧ください。