製造業の営業支援で成果につなげる!BtoBでのはじめ方・運用ポイント
製造業において、マーケティング部門や経営企画部門で、営業部門の業務効率化のための支援を検討することが増えています。
「営業支援をしたいがどう進めればいいか分からない…」と考えているあなたへ、本記事では「製造業の営業支援」のはじめ方をご紹介します。
さらに、実践編として、おさえておくと成果の最大化につながる運用ポイントを「新規顧客獲得」「見込み顧客との取引拡大」「営業スキルの向上」「他部門との情報連携強化」4つのテーマ別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
■合わせて読みたい資料
→製造業の営業活動をデジタルを使って効率化する方法
目次[非表示]
製造業の営業支援のはじめ方
営業支援は、各業務の効率化と生産性の向上が期待でき、会社全体の業績アップにつながります。製造業での営業活動をパワーアップするために、どのような手順で支援をはじめればよいか、説明します。
- 現場で起きている問題・課題を調べる
- 問題・課題の解決策をたてる
- 営業支援を実行する
- 支援内容の効果を検証する
①現場で起きている問題・課題を調べる
営業支援の第一歩は、現場で起きている問題や課題を正しく把握することです。
問題や課題を見誤ると、適切なアプローチができず、かえって現場の業務を混乱させてしまいかねません。現場の声や生じている課題を正しく把握するため、まずは営業のメンバーにヒアリングを実施しましょう。
ヒアリング時は、営業のメンバーと一緒に問題・課題に取り組み、解決する言動・態度を示すことが大切です。営業支援は、営業活動の生産性向上と会社全体の利益増大を目的としています。営業支援が営業活動を改善する取り組みであることを、現場で活躍するメンバーに共有し、協力しあえる信頼関係を構築してください。
「課題は何ですか?」「困っていることは何ですか?」と聞くだけでなく、営業が困っている本質的な課題にたどり着くよう、深堀していきましょう。話しやすい雰囲気をつくるためのアイスブレイク(軽い雑談、差し障りのない話 等)から入り、以下で紹介しているようなフレームワークを活用して、質問していくのがおすすめです。
◆フレームワーク1:SPIN話法◆
下記のように、「相手の現状や背景を理解し、課題を見つけ、解決策への糸口を示唆しながら理想の状態を確認していく」話の流れを意識して質問してください。 1(Situation):相手の現状や背景について質問します。 2(Problem):相手が実際に困っていること、問題・課題に感じていることを質問します。 3(Implication):2で出た問題・課題の重要性を示唆するような質問、本質的な要因を探る質問をします。 4(Need payoff):問題・課題の解決策や理想状態を想起させる質問をします。 |
◆フレームワーク2 なぜなぜ分析◆
出てきた回答に対し「なぜ」を5回繰り返す簡単な方法です。ただし、回答する人によっては質問攻めされているような気分になる場合もあるので、実施する際はあくまで一緒に原因を追求する姿勢で臨んでください。 ~例~
⇒ 「成約率が低い」という課題から深堀すると、根本にある「自社製品を理解する時間の確保」という課題が浮き彫りに。 |
②問題・課題の解決策をたてる
問題や課題が明確になったら、解決策を考えます。
営業支援の解決策としては、ツール導入やフローの変更など新たな取り組みをはじめる、また不要なタスクを見極めて「やらない」と決める、別の作業に「代替する」方法などが考えられます。本質的な問題や課題に対し、できるだけ手間をかけずに解決するにはどうしたらいいか、検討し実行してください。
解決策を決める際は、並行して実行する優先順位を設定します。売上に直結する解決策は特に重要なので、実行の優先度をあげて取り組みましょう。解決策を実行するのにかかる必要な工数や担当人員を想定しておくのも忘れてはいけません。コストを把握した上で、実行するまでのスケジュールを明確にしてください。
③営業支援を実行する
解決策の優先度に合わせてスケジュールを引いたら、営業支援を実行に移します。すべてを一気に実行し変革すると、今まで行えていた営業活動自体が滞る可能性があります。部分的に少しずつ改善し、現場でうまく運用できているかを確認しながら支援を進めましょう。
営業支援では、特に売上への影響度が大きい「新規顧客の獲得」と「既存顧客の育成」に焦点をあてるのがおすすめです。個々人の営業メンバーが成果を出せるよう、スキルアップに繋がる取り組みをしてもよいでしょう。
製造業においては、自社の製品や製造技術の新鮮な情報をインプットするために企画・開発部門との連携が重要なので、社内体制を整える策も有効です。
④支援内容の効果を検証する
施策はやりっ放しにせず、定期的に現場とコミュニケーションをとり、効果検証するよう心がけてください。あらかじめ効果検証するタイミングを決めておき、定期的にヒアリングや効果検証・改善を進めましょう。
特に営業支援の導入当初は、今までと営業活動の進め方が変わることで、現場に混乱が生じやすいタイミングです。営業支援を実施して1週間後には、業務の進め方に問題がないか確認するのがおすすめです。以後は月に1回など定期的に時間をとり、支援内容の進捗と見直し・改善を進めてください。
製造業の営業支援運用ポイント①新規顧客獲得
新規顧客獲得は、事業を拡大していく上で重要な業務のひとつです。新規顧客を集客するための営業支援を効果的に実行できると、業績アップに貢献できます。
優良顧客に絞って積極的にアプローチする
新規顧客の獲得で重要なのが、全企業にまんべんなくアプローチするのではなく、本当にアプローチすべき顧客に絞ってアプローチすることです。
『パレートの法則』で提唱されている通り、物事は「ある20%の要因が80%の結果を生み出す」と言われています。つまり、結果に直結する20%の顧客を見極めアプローチをかけることが、最終的な売り上げを大きく左右するのです。
重要な顧客というのは、「何とか現状を変えたいと悩んでいて、自社の製品・サービスがその悩みを解決できる」という顧客を指します。自社の製品コンセプトを振り返り、どのような企業に使ってほしいものなのか、ターゲット像を明確にしましょう。
アプローチすべき企業がイメージできたら「担当者がどのような媒体で情報収集するか」「どのような情報を魅力に感じるか」と深堀りし、アプローチ方法を検討してください。
マーケティングツールでアプローチを効率的に使う
数多くの企業に効率よくアプローチする上で、デジタルマーケティングが有効です。
コロナ禍でリモートワークが一般化した現在、Web上でのアプローチが効果的・効率的な集客につながります。営業支援として実行するなら、マーケティングツールを導入し、各企業へのメール送信や行動履歴をWeb上で把握するのがおすすめです。
メールをはじめ、Webマーケティングを効率的に実施するのに有効なのが、自動化を促進するMAツールです。MAツールの詳細や使いこなすための方法、導入のメリットについてまとめた記事を掲載しますので、参考にしてください。
▼MAツールのできることとは?使いこなす方法と導入のメリット
顧客にとって魅力的なコンテンツを用意する
新規集客の営業支援で見落としがちなのが、提供する製品・サービスの品質向上・改善に関する取り組みです。
新規の顧客との商談で、提案する製品・サービスがいかに魅力的であるかが企業担当者に伝わるか否かが、その後の成約率を大きく左右します。
顧客にとって魅力的なコンテンツを用意できるかは、製品の企画・開発部門との連携がカギとなります。営業支援の一環として、現場で収集した顧客の声を開発部門へ共有できる仕組みをつくると、製品・サービスの品質向上につながるのでおすすめです。
提案時の訴求として、製品づくりのこだわりや他社品との差別化ポイントを開発部門から収集しておくのもよいでしょう。働く現場が異なる営業部門と開発部門をつなげる営業支援を検討してください。
▼こちらも要チェック!BtoB事業における営業の「新規開拓」についてまとめています。
→新規開拓営業の鉄則とは?BtoBで活かせるコツを解説
製造業の営業支援運用ポイント②見込み顧客との取引拡大
集客すれば終わりではなく、その後各企業とどのようにコミュニケーションをとり、受注・成約に結びつけるかが営業活動の手腕にかかっています。
営業が見込み顧客との取引を拡大していくには、どのような営業支援を行えばよいかをまとめました。
見込み顧客へのコミュニケーションプランをたてる
各企業で抱えている悩みや求めている理想は異なります。企業ごとの適切なタイミングを見極め、定期的にアプローチや提案を行い、自社のファンになってもらえるような働きかけが、会社全体の売上貢献に直結します。
営業における既存顧客へのアプローチは「リードナーチャリング」とも呼ばれ、顧客との中長期的なつながりを築く大切な施策のひとつです。
営業支援としては、各営業担当が企業ごとのコミュニケーションプランをたてる時間を確保できるよう、業務の効率化を推進するのがおすすめです。プランを分かりやすく可視化するツール導入を検討するのもよいでしょう。
▼「リードナーチャリング」については下記の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
→リードナーチャリングとは?施策一覧と成功事例
見込み顧客との接点を増やす
見込み顧客とのファーストコンタクトがいかに好印象でも、その後の接点が少ないと、自社の存在を忘れられ、初回の商談以来一度も会わなくなったということもあり得ます。
顧客は、自分の会社が抱える悩みを解消できる方法・サービスを提供してくれる会社を探しています。顧客にとっての特別な存在となれるよう、定期的な接点を持てるコミュニケーションを設計すべきです。
1社ごとに手作業でアプローチするのは手間がかかります。ですので、ツールを導入することで顧客をセグメントし、ステップメールを自動化するなどの取り組みが有効です。
必要なツールの導入を営業支援として検討しましょう。顧客が欲しいと感じる情報を、顧客視点で考え発信することが成果につながるコツです。
優良顧客の行動履歴を調べる
自社のターゲット像に近い顧客の担当者は、何に関心を持ち、どういう情報を欲しているか、行動履歴から仮説・検証していくのがおすすめです。
行動履歴の情報があれば、自社の理想的なアプローチ方法を構築でき、より効果的に営業活動を行えます。
行動履歴は、メルマガのクリック率やWebサイトのヒートマップ解析を調べて可視化していくのが常とう手段です。営業担当ひとりで新規の開拓や既存顧客との商談を進めつつデータ解析していくのは負担がかかるので、営業支援として解析ツールの導入やサポート体制を構築してください。
製造業の営業支援運用ポイント③営業スキルの向上
営業チームに所属している個々のスキルは異なります。中には業績がズバ抜けている営業メンバーがいるかもしれません。しかし、ひとりの営業メンバーが業績を牽引している属人化状態は、予期せぬ退職・病欠によりチーム全体の業績低下を招くリスクがあります。
個々の営業スキル強化に向けた営業支援は、以下のポイントをおさえましょう。
ノウハウや情報を共有する
実力あるメンバーが持っている情報やスキルを言語化し、マニュアルとして共有することで、チーム全体のスキル均一化に貢献できます。各自が進めている案件ごとの進捗や状況がチーム共有されることで、いざという時に別メンバーが補佐ができるのも嬉しいメリットです。情報共有は、チーム全体の生産性向上につながる重要な取り組みのひとつです。
個々のメンバーが持っている営業情報は価値があるものと認識し、常に共有・確認できる環境を整えましょう。ただし、情報共有のためとはいえ、逐一パソコンに入力するのに手間がかかっていると、営業活動に割くべき時間が十分確保できなくなるリスクもあります。営業支援としては、できる限り楽に、簡単に、早く情報共有できる仕組み構築やツール導入の検討が必要です。
顧客との時間が増えるよう営業負担を軽減する
顧客とコミュニケーションをとる時間のことを「営業コアタイム」と呼びます。
営業コアタイムは、営業活動の中で最も売り上げに直結する重要な時間です。なるべく営業メンバーが顧客との接点に時間を割けるよう、それ以外のタスクを効率的に進める方法を、営業支援として模索しましょう。
例えば、日報での情報共有・案件ごとの営業進捗報告・名刺や顧客・企業の情報管理は、必要なタスクながら営業メンバーの手間・負担となっているケースがあります。報告の仕方を一部簡素化したり、システム化したりすることで、効率的に済ませられないか検討しましょう。
自動化・効率化に役立つ記事を下記に紹介しますので、参考にしてください。
▼営業効率化に有効な方法とは?活用すべき5つのツールもご紹介
定期的にヒアリングを設ける
営業メンバーの一人ひとりにアプローチする営業支援では、現場の声を常に仕入れ、把握することが不可欠です。
現場で求めている方向性とギャップがある支援は、営業活動の負担となり、かえって非効率を生み出す恐れがあります。定期的に支援に対するヒアリングの時間を設けるようにしましょう。
定期的な打ち合わせは業務時間をとられ、現場からすると負担になりがちです。回数や時間には配慮し、本来の営業活動を阻害しないようバランスをとりましょう。
併せて、「営業活動をもっとよりよくしていきたい」という想いをヒアリングの場で明確に伝えることで、ヒアリングを実施する目的を共有しつつ協力体制を構築できるので、現場とスムーズな連携が可能です。
製造業の営業支援運用ポイント④他部門との情報連携強化
製造業の営業では、商談の場で自社製品の魅力をいかにアピールできるかが、成約に至るか否かのカギを握ります。企画・開発部門から製品に関する新鮮な情報を常に共有できる、連携体制の強化が重要です。
営業支援により部門間の情報共有・連携強化を実現する上でのポイントを紹介します。
開発部門との定期的な情報共有を実施する
製品の魅力・開発のこだわり・他社との差別化ポイントが顧客に伝わると、商談での成約率がアップします。
営業支援の一環で、開発部門と営業部門が定期的にコミュニケーションできる場をセッティングすることで、営業が欲しい製品情報の共有がスムーズに実施できます。
開発から営業への一方向的な情報のやり取りでなく、営業から開発への情報提供も大切です。営業は顧客との接点が最も多い仕事です。顧客と近い現場で得た知見や顧客の生の声を開発部門に届けて製品づくりに生かせるような、部門間の協力体制を構築してください。
業務を圧迫しない情報共有の仕方を検討する
情報共有が重要だと頭では分かっていても、忙しい日々で手が回らず、情報連携が滞ってしまうケースをよく耳にします。
部門同士がお互いに忙しくなり、必要な連携がとれず、情報がないまま各々の業務品質が悪化…といった悪循環に陥りがちです。
業務を圧迫せずに情報共有できる方法を模索することは、営業支援の重要な役割です。チャットツールやWikiなどのシステムを利用するなど、社内の環境・体制を見直すのがおすすめです。
情報をオープンにする
部門間のコミュニケーションが少ない会社では、各部門の情報が行き渡らず、部門内で完結してしまいがちです。
情報をオープンにすることが業績向上の近道であることを会社全体で認識することが大切です。情報のやり取りが活発になることで、他部門の視点から見えた課題解決の糸口や改善案が出てくる場合があります。
情報をオープンにするとは言え、すべての情報を考えなしに共有するのはおすすめできません。他部門にとって必要な情報は何か、何のために必要なのか、あらかじめヒアリングした上で、情報共有のやり方を見直してください。
製造業の営業支援には『ferret One』がおすすめ
製造業の成業支援は、顧客の集客から関係性構築までと、マーケティングの広い範囲に影響します。加えて、個々の営業力強化につながる業務効率化や、他部門との情報共有など、事業をスムーズに進める上での環境づくりが重要です。
これらすべての機能を網羅しているツールが、弊社の提供する『ferret One』です。
リード獲得から育成・メールマーケティング・効果検証といったマーケティングの各種活動を、ひとつのツールですべてまとめて実施できます。さらに、操作性が高く、分かりやすい情報管理・コミュニケーション機能が実装されているので、営業支援に大きく貢献できます。
製造業をはじめBtoBでの導入実績が豊富。数々のノウハウや知見を生かしたサポート体制をバッチリ完備していますので、はじめての方でも安心してスタートできます。
事例紹介
ベテラン社員の人脈だよりの新規開拓がリード獲得のメインであった素材メーカー様の事例です。ferret OneによるWebサイトの立ち上げとデジタルマーケティングの伴走サポートにより、Web上で新規顧客と出会える場の構築に成功しました。
ご興味があればぜひ資料をご覧ください。
>ferret Oneサービス紹介資料のダウンロード【無料】はこちら
製造業ならではの営業支援を理解して成果をあげよう
製造業の営業活動は、新しい顧客の集客や既存顧客との取引拡大などの活動が売上に直結します。
現状の課題をヒアリングし、営業メンバーと協力しながら、より生産性の高い営業が実現できる支援を実装しましょう。
製造業の営業活動について、さらに具体的なマーケティング設計・手法について学びたい場合は、ぜひ下記を参考にしてください。
これまでの営業の方法を変えてリード・商談を増やしたい、売り上げを上げたい方は、ぜひ「ferret One」にご相談ください。課題を特定して、貴社にあった戦略と施策をご提案の上、伴走サポートいたします。