「強いインサイドセールス」を作るために ferret Oneが実施した組織改善とは

「強いインサイドセールス」を作るために ferret Oneが実施した組織改善とは


インサイドセールス組織の形・運営方法は企業によって様々です。ferret Oneでは、これまで何回か改善を行い今の形になりました。

今回は、2019年秋に「強いインサイドセールス」を作るために行った2つのことをご紹介します。

■合わせて読みたい資料:インサイドセールスを導入して受注効率を上げるには?について解説
インサイドセールスメソッド

  ferret One インサイドセールスメソッド リード(見込み顧客)数や成約率向上が課題となっている組織にとって、ナーチャリングや顧客のフォローアップが効率的に行えるインサイドセールスの導入は、効果的な施策の一つです。 本書では、ferret Oneが実際に取り組身をもとに、インサイドセールスのノウハウについて網羅。「インサイドセールスを立ち上げて受注効率を高めたい!」という方はぜひご覧くださいませ。 Webマーケティングツール『ferret One』


解説するのはこの人!

株式会社ベーシック川鍋 裕輔

川鍋 裕輔(かわなべ ゆうすけ)
株式会社ベーシック SaaS事業部 マーケティング部 部長

リクルートで営業として新人賞、MVPなどの賞を受賞後、Web業界へ転身。立ち上げ間もないSEOベンダーを経て2010年、ベーシックに入社。アプリ関連事業を中心に複数の事業を立ち上げ、アドネットワーク事業の事業責任者に。その後担当事業の事業売却を経て、現在はferret Oneのマーケティング責任者を務めている。
Twitterアカウントは@y_kawanabe


1.インサイドセールスチームの分業化

まず取り組んだのが、組織体制の変更です。これまで2つのプロセスだったバリューチェーンを、3つのプロセスに分解しました。

具体的には、インサイドセールスグループに「オンラインセールス専門チーム」を作りました

  1. 商談設定を専門で行うSDR(※)
  2. 初回商談と案件化を担うオンラインセールス

の2チーム制になったのが、2019年秋のことです。


※SDRとは
SDRとは「Sales Development Representative」の略で、インバウンドリードに対してアプローチし、商談設定をする役割を担います。詳しくはこちらの記事で解説しています。


変更前

インサイドセールス分業前

これまでは

①インサイドセールス(商談設定)
②フィールドセールス(初回商談・提案・クロージング)

だった流れを


変更後

SDRとオンラインセールスの分業

①インサイド/SDRチーム(商談設定)
②インサイド/オンラインチーム(初回商談・ヒアリング)
③フィールドセールス(提案・クロージング)

の3つ分けたことで、結果的に非常にうまく機能するようになりました。

なぜインサイドセールスチームを分けたか

顕在化していた課題として、フィールドセールスが初回商談を行うには、まだニーズやタイミングがフィットしきれていない案件が多くありました。そのため、温度感の低い案件の対応に時間が取られすぎていたのです。

一方でSDRチーム(当時のインサイドセールスチーム)だけでBANTをしっかり整えるにはリソースが足りませんでした

※BANTとは:顧客の見込み度合いを判断する基準になる4つの条件のこと
・Budget(予算)
・Authority(決裁権)
・Needs(ニーズ)
・Timeframe(導入時期)


そこで、フィールドセールスチームの中から2名をオンライン商談専門チームとし

  • 初回商談を通してBANTを見極め
  • 見極めと同時にサービスへの動機づけも行い
  • ニーズとタイミングがフィットした案件をフィールドセールスチームに渡す

ようにしたのです。

チームを分けたことで業務効率UP、受注にも貢献

チームを分けたことで

フィールドセールスは既に案件化している商談に専念でき、具体的なプランニングに時間を割くことができるようになりました。結果的に顧客1社1社の課題について深く把握することができ、最適なプランをご提案できるようになり、受注単価も上がりました

SDRは架電(商談設定)に専念し、オンラインは初回商談に専念、フィールドセールスは提案とクロージングに専念することで、全体の業務効率が上がりリードからの受注率も大幅に改善しています。


一般的に、オンラインセールスチームを組成している組織ではオンラインセールスがクロージングまで行うことが多いように思うので、弊社のようにSDR→オンラインセールス→フィールドセールス、という流れは珍しいかもしれません。

ただ、我々も今後事業や組織のフェーズが変わっていくにつれてまた組織を再編することも大いにあると思います。


2.リード管理のオペレーション整理

組織体制を変えると同時に、SDRチームのオペレーションを整えました

以前のSDRチームは、すぐにアポにできなかった場合はまたマーケチームにリードを戻し、自動的にナーチャリングの仕組みに組み込まれていました。少し時期をずらせばアポにつながるかもしれない「追うべきリード」を追えていなかったのです。


そこで、すぐにアポにならなくても3ヶ月以内にネクストアクションすべき案件を、SDRチーム内でしっかりとリードを管理するルールを設けました

BANT確認の肝は「N」と「T」

BANTは4つの項目がありますが、少し俯瞰すると「N(ニーズ)」と「T(導入時期)」に集約されます


理由1:「B(予算)」は「T(導入時期)」と重なる

「導入に必要な予算がいつ決裁できるか」を判断するのが導入時期なので、この2つは重なります。予算はないが、導入時期だけ決まっているという状態は存在しません。


理由2:「A(決裁権)」は「N(ニーズ)」と重なる

「ニーズ」というのは担当者個人のニーズではなく組織のニーズです。その顧客の組織がニーズがあるかどうかが見極めのポイントです。そのため、必然的に決裁権を持つ人のニーズ確認になり、「A(決裁権)」は「N(ニーズ)」に内包されることになります。

そこで「N」と「T」の2つの項目に着目して、SDRチーム内でリード管理・アクションするようなオペレーションを整えました。

BANTの流れ

BANT確認の具体的なステップ

STEP1. 「N」ニーズの確認(=「A」決裁権)

まずニーズがフィットしているか、そしてそのニーズは自社の製品で解決できそうか

前述したように、ここでいう「ニーズ」は担当者個人のニーズではなく組織のニーズになります。担当者のニーズを解決できるかではなく、組織(決裁者)のニーズを解決できるかを確認します。

「A(決裁権)」の確認は、決裁者につなげてもらうことが目的ではありません担当者を通じて、組織(決裁者)のニーズを知ることが重要です。


例えば、決裁者とつないでもらうために「●●さんの上長の方とお話しさせていただけますでしょうか?」と直接的に聞いてしまうと、担当者の受ける印象はあまりよくありません。

「お話しいただいた課題って、●●さんが課題に感じていることなんでしょうか。それとも組織として取り組もうとされていることなんですか」といったヒアリングから入り、もし、担当者だけの課題ということなら「どうしたら責任者の方はそこに投資をしてくれるようになりますかね」といったやりとりで、確認をしていきます。

矢印


STEP2. 「T」導入時期の確認(=「B」予算)

それは3ヶ月以内に決裁できるのか  

ニーズが確認できたら、導入時期の確認です。「導入に必要な予算がいつ決裁できるか」ということでもあるので、予算の確認もここに含まれます。期間は3ヶ月で仕切るのが良いでしょう。

矢印

STEP3. ネクストアクションの決定

「N」と「T」の状況により5パターンにわかれる

「N」「T」確定リード
フィールドセールスの商談設定へ進む

「N」未確定リード
ニーズがまだフィットせず3ヶ月以内にネクストアクションすべきではない案件はマーケに戻す(ナーチャリング)

「T」未確定リード
ニーズフィットしたが、インサイドセールスが3ヶ月以内にアクションすべき案件ではない、と判断したものもマーケに戻す(ナーチャリング)

「N」未確定追いリード
ニーズがまだフィットしていないが3ヶ月以内にネクストアクションすべき案件はSDRでアクション日を設定し、電話やメールで追う

「N」確定済み追いリード(=あとはタイミングだけ)
ニーズフィットして3ヶ月以内にネクストアクションすべき案件はSDRでアクション日を設定、電話やメールで追う

これにより、3ヶ月という時間軸でリードを管理するようになり、ストックしてきたものから商談を設定できるようになったことで、月間の商談設定数が20%増加しました


「強いインサイドセールス」の形は企業それぞれ

オンラインセールスチームの新設」と「SDRチームのオペレーション改善」により、ferret Oneのインサイドセールスは強化されました。ただ、このパターンが全ての企業に当てはまるわけではありません。

ferret Oneの場合は、月間の獲得リード数が1,000件を超えている一方で、SDRチームのメンバーは3人と限られているので、効率的にリード管理および育成する必要がありました。また提供しているサービスが「マーケ環境の改善」であり、導入単価も300〜400万(年間)するため、しっかりと顧客にサービスを理解して頂き、また見極めていく必要があります。

無形商材や、活用提案まで必要な商材、導入検討に一定の時間がかかる商材は、上記のような取り組みがフィットするかもしれません。参考になれば幸いです。




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